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新連載(全5回)
統合医療とメンタルヘルス
第3回 ”食”を考えることからはじめる心のケア
安田病院心療内科、統合医療アール研究所所長 板村 論子 (いたむら ろんこ)
プロフィール 関西医科大学卒業、京都大学大学院博士課程修了、医学博士。
マウントシナイ医科大学留学、東京慈恵会医科大学、帯津三敬三敬塾クリニック院長を経て現職。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本心療内科学会上級登録 本統合医療学会認定医 ・理事。日本ホメオパシー医学会専門医・専務理事。日本人初の英国Faculty of Homeopathy専門医(MFHom)。2014年度アリゾナ大学統合医療プログラムAssociate Fellow修了。
『国際ホメオパシー医学事典』『女性のためのホメオパシー』訳。『妊娠力心と体の8つの習慣』監訳。『がんという病と生きる 森田療法による不安からの回復』共著
など多数。
はじめに

統合医療はこれからの医療としての在り方です。今までの医療というのは、医療を供給する側から見た医療、治ることを目標に医療従事者からみた医療です。 西洋医学がありますよ、相補代替医療もありますよ、伝統医学がありますよ ≠ニ言ってあくまでも医療を供給する側から見ています。今、超高齢化が加速している日本では、病気を治すことだけが求められているのではありません。病気にならないこと、日々の健康を考えることが大切です。統合医療は“人”がより健康で幸せに生きることを目的にした医療でもあり、病気にならないこと、そしてセルフケアが大切です。まず食・運動・睡眠といった生活スタイルを改善する統合医療を始めることで、メンタルヘルスの維持・促進につながっていくのです。今回はセルフケアとしての“食”を中心に統合医療とメンタルヘルスを考えたいと思います。


“食について”考える

世の中には“食”についての書籍や情報が氾濫していますが、一体何を信じてよいのか、本当に何が正しいのか分からない状況です。個人的には“食”は文化であり、生きていく楽しみ・喜びであり、料理はアートで愛情そのもの、コミュニュケーションだと思っています。それよりももっと根源的に、私たちは食物から栄養素を取り入れることで体内ではエネルギーを作り出し、身体を調節しています。栄養素が体内でどのように代謝され、どの組織で重要な働きをしているかは生化学だけでなく、最近は遺伝子レベルでの研究も進み、ますます何が正しいのか理解するのが難しくなっています。

食物の7大栄養素(図1)の中で、最近特に注目されているのが脂質とフィトケミカルかもしれません。脂質は生物から単離される水に溶けない物質の総称です。単純脂質である中性脂肪(トリグリセライド)やセラミド、複合脂質 であるリン脂質、糖脂質 、リポタンパク質や誘導脂質のコレステロールがあります。よく私たちが使う脂肪(fat)という言葉は脂質の中でも動植物に含まれ、通常食事で摂取するもので中性脂肪・コレステロール・脂肪酸・リン脂質の4つを意味します。

過剰な脂肪の摂取と運動不足がメタボリックシンドロームへとつながることは周知のことです。酸化を受けやすい食品として脂肪に注意が必要です。食品の酸化だけでなく“酸化”が何故身体にとって悪影響を及ぼすのか?人は毎日500リットルの酸素を体内に取り入れています。体内のミトコンドリアでたえず酸素を消費していますが、これらの酸素の一部は代謝過程において活性酸素に変換されます。活性酸素は防御機能などに関与していますが、余剰な活性酸素は酸化ストレスとなり、脂質、蛋白質・酵素や、遺伝子を酸化し損傷を与え、慢性炎症と関係していきます。

近年、動脈硬化や高血圧、認知症、うつ病、糖尿病、アレルギー性疾患、がんなど、さまざまな病気を引き起こす要因として問題になっているのが、慢性炎症です(図2)。

慢性炎症がメンタルに影響し、特にうつ病やアルツハイマー病の発症に関与することが報告されています。また睡眠不足などの睡眠障害では慢性炎症の存在、炎症性サイトカインのIL-6の変動が報告され心の病気につながっています。炎症は細菌やウイルス、紫外線など外的侵襲だけでなくあらゆるストレスに対する身体のもつ最も基本的な生体防御反応です。慢性炎症は身体が日常受けているストレスに対して反応した結果、くすぶるような形で徐々に、時間をかけて形成される病態です。日々の生活の中で抗酸化と抗炎症の食事をとることはストレスマネジメントにもなるのです。どのような食事がストレスや心の病気の予防によいのか“食について”考えてみましょう。


“いろどり”のいい食事

植物は紫外線から遺伝子を守るために豊富な抗酸化物質を備えています。そのため最近では、植物由来の化合物や栄養素であるフィトケミカル(植物化学物質)のもつ抗酸化作用が着目されています。フィトケミカルは1万種類(β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、カプサイシン、アスタキサンチン、ケルセチン、エリオシトリン、クルクミン、アントシアニンなど多数)あり、1つの野菜に数百種類含まれています(図3)。

野菜はそのほかにもビタミン、ミネラル、食物繊維、糖質を含んでいるので、野菜を栄養素として摂取することがいかに重要であるか理解できます。


”My plate”栄養素は4等分

2011年に米国農務省が発表した“My plate”という考え方が有用です。My plateとは、一つの大きな皿を四等分し、それぞれ穀物類、たんぱく質、果物、野菜を盛りつけることを想定した図で、食事の献立の理想的なバランスを表しています。

このMy plateをもとに食材のバランスを調節すれば、野菜と果物が自然に一食の半分を占めるので、彩り豊かでフィトケミカルが多い、優れた抗酸化食、抗炎症食の献立になるのです。なお、穀物類は、全粒粉のパンや玄米をおすすめします。栄養バランスについては、中国の陰陽五行の考え方も参考になります。陰陽五行の考え方は、葉(葉物野菜)・根(根菜類)・海(魚介類・海藻)・豆(豆類)・肉(肉類)の五種をまんべんなくとるというものです。


ω-6系脂肪酸を減らしω-3系脂肪酸を増やす

脂肪、特に食事の油から摂取する脂肪酸のとり方が重要です。脂肪酸は化学構造上の呼び名で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、さらに不飽和脂肪酸に一価、多価(ω-3脂肪酸やω-6系脂肪酸など)があります。慢性炎症を悪化・促進させる食品として、ω-6系脂肪酸であるリノール酸は大豆油やサラダ油、コーン油、ベニバナ油、マーガリンなどは植物油に含まれています。

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図1 食物の7大栄養素
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図2 慢性炎症
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図3 フィトケミカル(植物化学物質)
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図4 WHOはω-6系脂肪酸:ω-3系脂肪酸比が、4:1が
   望ましいとしている

それに対し、炎症を抑制するω-3系脂肪酸として代表的なのは、魚油に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、エゴマ油やアマニ油に豊富なαリノレン酸です。世界保健機関(WHO)は摂取比としてω-3系脂肪酸:ω-6系脂肪酸比が、1:4が望ましいとしています。

しかし現実には多くの人がω-6系脂肪酸を過剰に摂取し、1:20となっていると言われています。ω-3系脂肪酸は酸化されやすいため、加熱しないでドレッシングとして使うのがベターです。不飽和脂肪酸はまた別の分類ではシス型とトランス型があります。不飽和脂肪酸は酸化されやすいため、製造過程で酸化しにくいトランス型にかえられます。トランス脂肪酸にはマーガリン、ショートニングなど加工植物油があります。 トランス脂肪酸の摂取で心臓病、動脈硬化、高血圧、糖尿病、がんなどのリスクが高くなるため 、アメリカ食品医薬品局 (FDA) はトランス脂肪酸量の表示を2006年1月から義務づけ、デンマークでは2011年10月から世界初の‘脂肪税’をかけています。トランス脂肪酸だけでなく、食品添加物、乳化剤、強化剤、酸化防止剤、保存料、着色料などを考えると、なるべく加工食品ではなく、自然のもの、自分で作ったものがベストであるのは言うまでもありません。

毎日の栄養素を家族に提供するものとして、季節の野菜を使って、大地からの栄養を含む根モノ、太陽からのエネルギーを考え葉モノ、海の幸の海藻、動物性タンパク、豆や発酵食品を取り入れた(図5)、私なりの簡単レシピの基本を図6に示しています。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
図5 発酵食品を取り入れる 図6 簡単レシピ

そして何よりも大切なことは“食”に関心を持つこと、簡単でもいいから手作りで、出来ることから楽しく料理し、食べる人に愛情を注ぐことができる“食”を日々の生活の中で考えることだと思います。そして“食”が重要なのは、単に栄養面ばかりが理由ではありません。家族や友達といっしょに食事をとると、不安や孤独感が軽減され心身の不調を退けることにつながります。“食”は心身の健康と幸せな人生を作る礎になるのです。


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(Up&Coming '17 盛夏号掲載)
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