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Vol.19
VR まちづくり
システム
IT活用による建設産業の成長戦略を追求する「建設ITジャーナリスト」家入 龍太
イエイリ・ラボ・体験レポート
建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナー有償セミナーを体験レポート
建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナーのレポート。
新製品をはじめ、各種UC-1技術セミナーについてご紹介します。製品概要・特長、体験内容、事例・活用例、イエイリコメントと提案、製品の今後の展望などをお届けする予定です。

【プロフィール】
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。日経BP社の建設サイト「ケンプラッツ」で「イエイリ建設IT戦略」を連載中。「年中無休・24時間受付」をモットーに建設・IT・経営に関する記事の執筆や講演、コンサルティングなどを行っている。
公式ブログはhttp://ieiri-lab.jp

●はじめに

建設ITジャーナリストの家入龍太です。
まちづくりなどの計画を説明するのに、同じ言葉でもプロである事業者と一般の住民は受け取り方が大きく違うことはしばしばあります。その結果、事業者に対して誤解や不信感が発生し、住民の反対運動が起こったり、事業計画が遅れたりという問題が起こりがちです。

こうした事業者と地域住民の間の壁を取り除き、スムーズなコミュニケーションと円満な合意形成について取り組んできたのが、NPO法人 地域づくり工房の代表を務める傘木宏夫氏です。

傘木氏は事業者側と住民側が計画内容についてよく理解し、住民の隠れた意見や地域の文化などを取り入れながら、個性あるまちづくりを行ってきました。双方のコミュニケーションを図る上で、フォーラムエイトのリアルタイムバーチャルリアリティー(VR)ソフト「UC-win/Road」のようなシステムが有効であると説いています。


●傘木氏によるセミナー内容

傘木氏はフォーラムエイトが9月18日〜20日、東京・品川で開催した第7回デザインフェスティバルで「VRまちづくりシステム」についての講演を行いました。

傘木氏は人口約3万人の長野県大町市を拠点に活動しており、ミニ水力発電や菜の花エコプロジェクトなど、地域おこしに取り組んでいます。フォーラムエイトとも14年近く、VRを使った住民参加のまちづくりなどで協力関係にあります。この日の講演では、VRをまちづくりに生かした実例やプレゼンテーションも交えました。

まちづくりのデザインは、そこに住む人や働く人の視点に立った計画が重要です。しかし、彼らのニーズは非常に複雑です。そこでVRを使うと、その作業をファシリテーションすることができる、つまりより効果的に行えるのです。

▲「VRまちづくりシステム」セミナーの会場風景


多数の「声なき声」をどう引き出すか
参加・協働のまちづくりの意義は、(1)自治を育てる、(2)持続可能な地域社会を構築する、(3)地域性・独創性への期待、などがあります。最近は全国どこの町も同じようになっていますが、まちづくりに住民が参加して地域の独自情報や潜在的な情報を提供し、プロのデザイナーが持つ能力をミックスすることで、個性的な魅力あるデザインが生まれてきます。

まちづくりで住民の意見を聞く機会があっても、行政など事業者側が形式的に行っていたり、住民も参加しなかったりすることがあります。圧倒的多数の人たちは、意見があっても言わない「サイレントマジョリティー」なのです。その声なき声を引き出すためのノウハウは、まだ蓄積されていません。また、事業者と住民の間にコミュニケーションギャップという壁ができていることもあります。

こうした問題を改善するためには、まずプロセスの可視化が必要です。情報の所在を知らせてアクセスを容易にし、理解しやすくファシリテートしながら、パートナーシップによって情報をともに生産するということです。

もう一つは、住民に早い段階から参加・協働してもらうことです。事業者が最善と思う案を「こんな案はいかがですか」と示すと、住民は「なんだ、もうできているじゃないか」となります。一方、複数の案を示して「皆さんはどれを選びますか」というように聞くと住民は「自分たちの意見を聞いてくれるんだ」と協力的になります。

ここで重要なのが、事業者と住民の間の双方向コミュニケーションを促進するファシリテーターの役割です。住民に対しては事業の計画内容を客観的に分析し、住民にはわかりやすい言葉に翻訳して説明します。一方、事業者に対しては住民の意見を把握し、助言を与えます。

▲ワークショップを通じて住民の隠れた意見を聞き出す(資料:傘木宏夫氏)


VRはファシリテーターの武器に
ファシリテーターには対話、理解、解決という3つの段階で翻訳者、弁護者、仲介者という役割を必要な場面で果たしていくことが求められます。住民の意見を聞く方法としては、聞き手になる、参加型の調査学習活動を行う、そして作業を伴うワークショップを開催する、などがあります。

ファシリテーターにとって、リアルタイムVRソフト「UC-win/Road」を活用することは大きな力になります。まずは事業計画を3次元のバーチャル空間で「見える化」することにより、住民や利害関係者が容易に理解できます。また、代替案を示すのが図面や模型などと比較にならないほど容易にできることです。そして様々なシミュレーションと組み合わせることで、計画や技術の情報を分かりやすく伝え、潜在的なリスクや可能性に対する住民の気づきを引き出すことができます。

まだ事例は少ないですが、傘木氏は以前からVRを活用したファシリテーションに取り組んできました。例えば兵庫県西須磨に建設された阪神・淡路大震災の震災復興道路計画です。「住民主体」の道路を具体化するため、VRによる代替案を比較検討したり、ワークショップで子どもが地図上に描いた案を即座にVR化して映像化するライブを行ったりしました。

その結果、対策の比較検討が簡単に行え、合意形成が図りやすくなった、個性的なオープンスペース計画のイメージを共有できた、などの成果が上がりました。

▲左側の子どもたちが紙の上に描いたまちの要素を
VRでリアルタイムにモデル化したワークショップの例 (資料:傘木宏夫氏)

東京・中目黒地区の「安心・安全マップ」づくりでは、地域の中に潜む危険な場所をVRで作った町並みの中に再現しました。実際にその場所に行ったことがない人も、その場所の危険性について情報共有でき、夜間や洪水時の様子、交通流などのシミュレーションを行うことによって、日常では気づきにくいリスクを可視化して対策を考えることができました。

土砂砕石場のスモールアセスへの活用も
また大町市の山を削り取る土砂採取事業では、事業者が自主的に行う簡易型の環境アセスメント「スモールアセス」にVRを活用しました。開発段階ごとに山の景観がどう変わり、掘削面が周囲からどう見えるかや、土砂を搬出するダンプトラックが走る様子などをVRで再現し、住民説明会で使いました。

参加者から「自宅から山がどう見えるのか」という質問に対しても、その場でVRの視点を変えて見てもらいました。その後、参加住民を対象に行ったアンケートでは9割の人が「計画内容がわかった」と回答しました。

さらにウェブサイトを通じて、周囲に生息するカワシンジュガイへの対策や、掘削面を目立たなくするために凹型にするアイデアなどを引き出すことができました。

このようにVRはファシリテーションには有効なツールですが注意しなければならないこともあります。住民からは「現実より美しく見えてしまう」「現実との違いが気になる」、事業者からは「影響がデフォルメされる可能性がある」「安易に変更できると思われやすい」「イメージが先行し、正確な理解を阻害する」といった声もあります。そのためVRを利用するときは、意義や制約についての説明も必要です。

VRの今後の展開としては、行政のパブリック・インボルブメントや、コンサルタント、住民の提案への利用を通じた参加型まちづくり活動の支援があります。また、潜在的な危険な震災、環境アセスメントなどでの危険を可視化し、共有するリスク・コミュニケーション、VRを活用したコンテストやキャンペーン活動もあるでしょう。

このほか、東日本大震災の復興や教訓の可視化、2020年に開催される東京オリンピックに向けた安全・安心で質の高い整備などにも有効に活用できそうです。

パシフィックコンサルタンツは津波・避難解析結果をVRでシミュレーションを行いました。また大阪大学大学院は大阪駅前の地下街をVRデータ化して、防災対策に役立てようとしています。こうした様々なVR活用に期待したいと、傘木氏は講演をしめくくりました。

▲大町市で計画されている土砂採取場のスモールアセスに使われたVR(資料:傘木宏夫氏) ▲大阪駅前の地下街をVR化し避難など検討に活用した例(資料:大阪大学大学院/第12回3D・VRシミュレーションコンテスト エッセンス賞受賞作品)
▲洪水や避難のシミュレーションを行いVRで表現した例(資料:パシフィックコンサルタンツ/第12回3D・VRシミュレーションコンテスト 優秀賞受賞作品) ▲まちの中に隠れた危険個所をVR化し、全員で情報を共有した例(資料:傘木宏夫氏)


●イエイリコメントと提案

傘木氏の講演にも登場した自主的な簡易型環境アセスメント「スモールアセス」の対象となる項目には、日影解析や流出解析、風解析など、建築分野のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)と連携して行われる解析が多く含まれています。

BIMやCIMを活用する設計者や施工者にとって、スモールアセスで必要な解析は、建物や土木構造物のモデルを生かすことにより、少ない手間で行えます。事業に直接的に必要な設計や施工の解析とともに、周辺地域のための解析も追加して行い、スモールアセスとしてまとめ、説明することで、周辺地域の住民に対して安心感や信頼感はいっそう増すことでしょう。

スモールアセスで想定した天候や気象、季節や時間などの検討条件と、それに対する解析結果をVR上にまとめて表現することで、住民に対するファシリテーションはさらに高まりそうです。


●今後の展望

傘木氏は9月14日に東京・飯田橋の法政大学で開催された環境アセスメント学会でも、大町市の土砂採取場のスモールアセスについて、UC-win/Roadのデモンストレーションを交えながら発表しました。会場の環境アセスメントの専門家からは、VRのわかりやすさを高く評価する意見が続出しました。

建築・土木の分野では、BIMやCIM、VRは普及しつつありますが、今後は環境アセスメント分野にもこれらのツール活用を広めていくことが課題でしょう。建築・土木と環境アセスメントの専門家がコラボレーションすることで、より有効なスモールアセスが実現できるのではないでしょうか。

     
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(Up&Coming '13 晩秋の号掲載)
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