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Vol. 19
このコーナーでは、ユーザーの皆様に役立つような税務、会計、労務、法務などの総務情報を中心に取り上げ、専門家の方にわかりやすく紹介いただきます。今回は、特許庁から発表されたIoT関連技術に関する種々の対応を紹介するとともに、特許出願の注意点などを解説します。

 IoT関連技術等に関連する特許出願の注意点

近年、IoT (Internet of Things)、人工知能 (AI : Artificial Intelligence)、及びビックデータへの注目が高まっており、多くの企業がIoT、人工知能、又はビックデータを用いた事業計画等を発表しています。そして、最近のニュースでは、東京オリンピックを見据えて、第5世代移動通信システム(5G)のサービス開始を2020年とする目標が通信会社から発表されました。これにより、更なる大容量のデータ処理が可能になることから、IoT、人工知能、及びビックデータを用いた事業展開が、2020年の東京オリンピックまでに急速に進むものと考えられ、IoT関連技術等に関連する特許出願も多数出願されることが予測されます。
特許庁は、IoT、人工知能、及びビックデータの技術動向を注視し、IoT関連技術に関する種々の対応を発表しています。以下に、特許庁から発表された対応を紹介するとともに、IoT関連技術等に関連する特許出願の注意点などを解説したいと思います。


IoT関連技術の特許分類
特許出願公報から先行技術文献を検索するために、国際特許技術分類(IPC)の利用が便利です。IoT関連技術に関しては、平成28年11月から、横断的な分類である広域ファセット分類記号(ZIT)が世界に先駆けて新設され、日本の特許文献に対して当該分類記号が付与されています。ZITは、“「モノ」がネットワークと接続されることで得られる情報を活用し、新たな価値・サービスを創造する技術”に付与される分類記号です。現在では、特許情報プラットフォームにおいて、IoT関連技術に関する特許情報が当該広域ファセット分類記号を利用して順次検索可能となっています。
そして、平成29年4月24日から、IoT関連技術の特許分類(ZIT)が表1に示す12の用途別に細分化され、細分化された広域ファセット分類記号を特許文献に付与することが開示されています。この結果、特許情報プラットフォームを通じて、平成29年5月下旬から、IoT関連技術に関する特許情報の収集・分析を用途別にも行うことが順次可能になりました。

ZIT  Internet of Things[IoT]
ZJA  農業用;漁業用;鉱業用
ZJC  製造業用
ZJE  電気,ガスまたは水道供給用
ZJG  ホームアンドビルディング用;家電用
ZJI  建設業用
ZJK  金融用
ZJM  サービス業用
ZJP  ヘルスケア用,例.病院,医療または診断;社会福祉事業用
ZJR  ロジスティックス用,例.倉庫,積み荷,配達または輸送
ZJT  運輸用
ZJV  情報通信業用
ZJX  アミューズメント用;スポーツ用;ゲーム用
▲表1 用途別に細分化された広域ファセット分類記号一覧

IoT関連発明に対応した審査体制の整備
IoT関連技術の進展に伴い、これまでソフトウエアやネットワーク等のICT(Information and Communication Technology)との関連が少なかった様々な技術分野において、IoT関連発明の出願が増加することが想定されることから、IoT関連発明について、一層適切な審査を行うために、表2に示す5つの整備を行うことが平成29年4月24日付けで発表されました。

特許庁内部に、管理職員等9名からなるIoT委員会と、同委員会委員及びIoT関連発明に精通したIoT担当官40人から構成されるIoT審査チームを発足させます。
IoT審査チームは、最新のIoT関連技術や審査事例についての知見を逐次蓄積・共有します。
IoT委員会は、IoT関連発明に関する審査の判断を統一することを目的として、審査事例の収集及び特許審査施策の検討等を行います。
IoT担当官は、IoT関連発明を審査する各分野の審査官と協議を実施し、IoT担当官の知見を活用した質の高い審査を実現します。
IoT担当官は協議を通じて、新設された特許分類が適切に付与されているかについても確認します。
▲表2 IoT関連発明に対応した審査体制の整備項目

IoT関連技術の審査基準等
IoT関連技術は、従来から特許出願されおり、特許化も図られています。このようなことから、特許庁におけるIoT関連技術の今後の特許審査は、従前の審査基準及び審査ハンドブックに基づいて、従来と同様に行われることになります。
IoT関連技術はコンピュータソフトウエアを必要とすることがあるため、第1のポイントとして、コンピュータソフトウエアを必要とするIoT関連技術の発明該当性の判断は、他のコンピュータソフトウエアを必要とする技術についての発明該当性の判断とかわらないことがあげられます。このような場合には、図1に示すソフトウエア関連発明の発明該当性の判断フローに従って、発明該当性が審査されることになります。

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▲図1 ソフトウエア関連発明の発明該当性の判断フロー

次に、IoT関連技術は、複数の装置や端末がネットワークで接続されたシステムで通常実現され、当該システムの一部がサブコンビネーションの発明として特許出願されることがあるため、第2のポイントとして、IoT関連技術のサブコンビネーションの発明の新規性の判断は、他のサブコンビネーションの発明についての新規性の判断とかわらないことがあげられます。サブコンビネーションとは、二以上の装置を組み合わせてなる全体装置の発明、二以上の工程を組み合わせてなる製造方法の発明等(コンビネーション)に対し、組み合わされる各装置の発明、各工程の発明等のことです。
第3のポイントとして、IoT関連技術の発明の進歩性の判断についても、他の発明についての進歩性の判断とかわらないことがあげられます。また、IoT関連技術等の発明においては、引用発明との相違点に関し、「モノ」がネットワークと接続されることで得られる情報の活用、特定の学習済みモデルから得られる特有の出力情報、又は、特定の構造を有するデータによって規定される特有の情報処理による有利な効果が認められる場合があることになります。このような場合には、進歩性の判断において、当該効果を「進歩性が肯定される方向に働く要素」の一つとして考慮されることになります。
しかしながら、昨今のIoT関連技術の進展を踏まえて、平成28年9月28日にIoT関連技術に関する12事例(図2参照)が追加され、審査ハンドブックにおける事例が充実化し、発明のポイントや審査基準上の論点が分かりやすくなりました。

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▲図2 平成28年9月28日における追加事例

また、平成29年3月22日には、IoT、AI及び3Dプリンティング関連技術に関する11事例(図3参照)が追加され、IoT関連技術等についてのデータの取得、管理、分析・学習に関する事例の充実化が図られました。
次に、日本と外国(米、欧、中、韓)の審査を比較しますと、発明該当性の判断は、日韓は同一であるものの、他の国では日本とは異なる判断がなされているので、この様な国に特許出願をする場合には注意が必要です。また、進歩性の判断は、欧州にのみ留意点があるものの、その他の国では、日本と同じような判断手法で行われています。更に、保護対象に関する内容は、米国、中国、及び韓国において限定される部分があるものの、主要五ヶ国における大きな相違は見られません。
これらのことから、IoT関連技術等に関する発明は、日本だけでなく、米国、欧州、中国、及び韓国についても出願を行って権利化を図ることが可能となっています。

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▲図3 平成29年3月22日における追加事例

特許庁における動向の考察
IoT関連技術の特許分類作に関する世界に先駆けた対応、及びIoT審査チーム発足等の審査体制の整備の対応発表を見る限り、特許庁がIoT、AI等の技術革新に基づいた第四次産業革命の実現に大きな期待をよせるとともに、IoT関連技術の出願件数の増加を予測していると考えられます。
細分化された広域ファセット分類記号を利用して、IoT関連技術に関する特許情報の収集・分析を用途別に行えることから、他業種におけるIoT関連技術も先行技術として容易に検索及び把握可能になることが期待できます。このため、同業種のみならず他業種のIoT関連技術動向を考慮して、IoT関連発明の出願を効率よく行えることが期待できます。
基本的な審査手法は従来と変わらないと発表しているものの、2回にわたって複数の事例を追加していること、及び表2に記載した『審査の判断を統一することを目的とした審査事例の収集及び特許審査施策の検討』等を鑑みると、IoT関連技術の審査判断に関する特許庁の見解が完全に固まっているとまでは言えないと考えられ、今後の動向に注意を払う必要があります。いずれにしても、特許出願人としては、既存の審査基準を考慮しつつも、IoT関連技術の特徴及び見地に基づき、既存の審査基準のみにとらわれない柔軟な出願が重要になると思われます。


出典:特許庁ウェブサイト
[1] IoT関連技術の審査基準等について
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/iot_shinsa_161101/all.pdf
[2] IoT関連技術に関する横断的分類の新設
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/iot_sinsetu.htm
[3] IoT関連技術の特許分類の細分化
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/iot_bunrui_saibunka.htm
[4] IoT関連技術の特許分類情報の蓄積
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/iot_bunrui_tikuseki.htm
[5] IoT関連発明に対応した審査体制の整備について
https://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/iot_shinsa_taisei.htm
[6] IoT関連技術等に関する事例の充実化について
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/new_shinsakijyun11_shiryou/02.pdf

監修:特許業務法人ナガトアンドパートナーズ



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