鹿港は台中の南西にある小さな町3)。彰化平野に位置する。200年ほど前、台湾で「一府(台湾府城が置かれた台南)、二鹿(鹿港)、三艋舺(今の台北市萬華=台北発祥の龍山寺付近)」と並び称せられた歴史都市。大通り・中山路を歩いて天后宮へ【図6】。清朝初期(1725年)に建立された道教のお寺。お参りしていると神様仕立ての男性二人が突然現る。黄色い服を着た男性は酒に酔ったふり?をして注目を集めていた【図7】。
お寺の中には、十干十二支別に、60体の神様がずらり。そして、今年(訪問した2013年は癸巳)に該当する神様は部屋の中央に置かれている。この時、筆者自身が生まれた十干十二支が中々思い出せなかったのだが、60年周期をヒントに辛亥(1971-60=1911年=辛亥革命)だと判明。探してみると、どうやら、【図8】の左側の方が、筆者の年の十干十二支(辛亥)の神様のよう。還暦を迎える2031年には、この部屋の中央に置かれるのであろう。その時にまたお会いしたいものだ。
鹿港古跡保存区は台湾で初めて古市街を保存した地区。それゆえ、ワクワクする路地(曲巷)が沢山残されている。くねくねとした路地は季節の砂風を防ぐ機能があり、冬でも難なく散策できる。古い家屋のいくつかは店舗やアトリエにリノベーションされている。露店で名物の海老団子、肉まん、タロ芋団子、冬瓜ジュースなどを順次調達しながらまち歩き。中でも、これは!という路地は、摸乳巷【図9】。
非常に細い一本道の路地。路地の幅を測ると狭いところで僅か55cm。「摸乳巷」は「胸に触れる小道」という意味で、もし女の人とすれ違ったら胸に触れてしまうね、というほど狭かった!「摸乳巷」とダイレクトな名前を付けて問題ないのか?と思ったが、英語名でも「Breast Touching Lane」というそう。 |