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誌上セミナーUC-win/FRAME(3D)


 本年11月および12月に、全国各地で2005新製品セミナーWinterを開催致しました。ご多忙の中、ご来場頂きました方々には、改めて御礼申し上げます。ここでは、その第2部「UC-win/FRAME(3D)」について、性能設計への取り組みと、プログラムの特長について改めて紹介させて頂きます。

■合理的な地震時安全性評価への取り組み
 
 地震時の安全性評価方法について改めて考えてみたいと思います。
 地震時に、我々が体感した揺れを思い起こすと、地震は方向の定まらないあらゆる方向への揺れであることがわかります。観測された加速度記録(一般に、南北(NS)・東西(EW)・上下(UD))からも、それがわかります。橋梁については、橋軸方向への揺れと橋軸直角へ揺れが同時に作用するのが実際の地震時の挙動となります。、しかし、現在の橋梁の耐震設計においては、橋軸方向と橋軸直角方向別々に荷重を作用さ
せることが原則となっており、実際の地震時の揺れが正しく反映されていないと考えられます(図1)
 ここで、兵庫県南部地震の観測記録を用いて、ラーメン橋を橋軸方向のみに揺らした場合と、実際の地震の様に橋軸方向と橋軸直角方向を同時に揺らした場合について、ラーメン橋の柱基部の断面に生じた最大圧縮ひずみの分布を5段階に表し比較します(図2)。 
断面内に赤く示された部分はコンクリートがその圧縮強度に達している事を表し、青く示された部分はコンクリートがその設計上の終局ひずみを超えている事を表します。耐震性能を評価する上で、非常に重要となるコアコンクリートの損傷に着目すると、橋軸方向のみに揺らした場合は大きな損傷(赤・青)が生じないものの、橋軸方向および直角方向同時に揺らした場合は大きな損傷(赤・青)が生じる結果となりました。実際の地震と同様の揺れを考慮することが、重要であること示すものと考えられます。詳しくは参考文献1をご覧下さい。

 設計実務において、現実と異なる地震動の作用をさせている理由として、計算機環境の時代的背景が大きく影響しています。実現象をより的確に捉える3次元非線形解析の手法として、3次元FEMやファイバーモデルの考え方は古くからありますが、計算時間の都合

 ▲図1
上、実務では2次元解析が多用されました。Takedaモデル(1970)の発表をきっかけに、2次元の『非線形』解析の普及、計算機性能の向上と共に『動的』解析の活用につながり、現在に至ります。しかし、現在の計算機環境における骨組みモデルの3次元非線形・動的解析は、10年ほど前の2次元非線形・動的骨組み解析と同程度、あるいは数段高速で安価に行えるほどになり、計算機環境の課題は解消されつつあります。地震時の安全性が強く指摘される時勢において、より安全な構造物を築くためには、3次元非線形解析の活用が望まれます(図3)


 
 ▲図2
 
 ▲図3
■UC-win/FRAME(3D)の解析・照査機能の特長

 そこで、骨組み構造を対象にして、『UC-win/FRAME(3D)』を開発しました(図4)。ファイバー要素をサポートすることにより、棒部材においては、あらゆる方向からの荷重や変形が生じても、材料非線形による部材の挙動を適切に評価する事ができます。2次元解析用にTakedaモデルなどもサポートしています。また、材料非線形に加え、幾何学的非線形を考慮することが出来ますので、部材座屈の評価、柱の水平変形による付加モーメントの増大(P-Δ効果と呼ばれる幾何学的非線形問題)の評価が出来ます。ファイバー要素による3次元非線形解析と相まって、たとえば、偏心橋脚の非線形挙動や変形性能をより正しく評価することや(詳しくは、参考文献2をご覧下さい)、構造物が倒壊する様子も捉える事ができます(図5)。なお、将来は、板要素や立体要素によるFEMを取り入れ、棒以外の部材からなる構造へも適用できる機能を提供します。
 UC-1FRAMEシリーズのもつ解析機能を全てサポートしていますので、弾性床上の梁の解析、BOXカルバートの横断モデルなどの2次元解析や、立体モデルへの活荷重載荷など、一般の静的・線形解析にも利用できます(図4)
 
 さらに、応力度・耐力照査の機能を内蔵していることが大きな利点です。解析モデルに

▲図4
設けた全着目点について、組合せを含む全荷重ケースに対する応力度・耐力照査の、一括実行を可能にしています。また、形状を限定しない断面作成機能により、2軸曲げ作用下でも、あらゆる形状の照査を可能にしています(図6)
 解析機能と部材設計・照査機能の統合により、UC-1FRAMEシリーズとUC-1RC断面計算を組合せた運用に比べて、設計作業の効率性を飛躍的に向上させます。



▲図5



▲図6
■静的照査プログラムとの連携

 道示Vでは、ゴム支承を有する橋梁は、全て動的照査を行わなければなりません。そこで、地震時保有耐力法など地震時の静的照査に利用するプログラムである、UC-1 震度算出(支承設計)Ver.2(図7)およびUC-1 橋脚の設計Ver.3(図8)のデータから、UC-win/FRAME(3D)で動的照査を実施するためのモデルを、自動生成する機能を用意しています。この自動生成されたモデルは、橋脚の断面形状・配筋、ゴム支承の1次・2次剛性の自動決定(現状はLRBのみ)などに加え、3波平均やレベル2地震時用の許容値も設定済みですので、動的解析実行後、即座に動的照査結果が確認出来ます。必要に応じ、UC-win/FRAME(3D)上で、落橋防止装置や桁と橋台の衝突などを表現するばね要素を追加していただくこともできます。

 さらに、UC-1橋脚の設計Ver.3では、各種補強工法による補強設計をサポートしています。補強時には独自の考え方、例えば、鋼板巻立て補強時の補強鋼板やRC巻立て補強時の非定着鉄筋を、軸方向鋼材として考慮するかどうかの設定がありますが、このような考え方を動的照査用のモデルにも反映することが出来ます(図8)

▲図7



▲図8
■最後に

今後も、性能設計や合理化に応えられる高度解析と、部材設計機能を両立した統合プログラムとしてさらに発展させて参りますので、どうぞご期待下さい。


■参考文献

1)高梨和光、青戸拡起:3次元動的解析法を用いた耐震性能照査方法に関する考察、第8回地震時保有耐力法に基づく橋梁等構造の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集、2005.2
2)青戸拡起、中川信男:土木構造物における3次元解析、動的解析、非線形解析など解析技術適用の事例とその効果、橋梁と都市project、2005.12

(Up&Coming '06 新春特別号掲載)
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