3章 ひび割れに対する補修、補強の要否判定
補修の要否は、指針の「4.2 調査および原因推定結果に基づく判定」の解説の「解説表-4.1」によ
り判定する。
また、補強の要否は、同じく「解説表-4.11」あるいは「解説表-4.12」により判定する。
3.1 橋脚
3.1.1 補修の要否判定
要求性能 | 耐久性 |
さびの発生条件から見た環境 | きびしい |
コンクリート構造物の耐久性に及ぼす有害の程度 | 大 |
ひび割れ幅 | 0.30 mm |
耐久性からみた補修を必要とするひび割れ幅の限界値(0.40mm)未満であるが、補修を必要としな
いひび割れ幅の限界値(0.10mm)を超えており、補修の要否については技術者の高度な判断が必要で
ある。
3.1.2 補強の要否判定
塩化物イオンによる鉄筋腐食に起因する変状からは、「かぶりコンクリートのはく離があり、かつ
鉄筋に変状がある」ため、安全性および使用性に関する照査が必要である。
安全性照査および使用性照査を満足しない場合は補強が必要である。
4章 ひび割れに対する補修工法の選定
補修に適する工法の選定は、指針の「5.2 補修設計」の解説の「解説表-5.1」あるいは「解説表-5
.2」により行う。
4.1 橋脚
補修の要否については技術者の高度な判断が必要である。
補修が必要な場合は、以下の補修工法が候補として挙げられる。
4.1.1 劣化以外の原因によるひび割れに応ずる補修工法の選定
耐久性を補修目的とし、鉄筋腐食があるので、「充てん工法」が適している。
4.1.2 劣化機構に応じた補修工法の選定
劣化機構 | 要求性能 | 補修工法 |
C8 塩害 | 劣化因子の遮断 | ひび割れ被覆工法・注入工法・充てん工法 表面被覆工法 |
劣化速度の抑制 | 電気防食工法 | |
劣化因子の除去 | 脱塩工法・断面修復工法 |