開発中製品情報
UC-win/Road Ver.19
道路線形編集と点群モデリング機能
UC-win/Roadの道路編集はメイン画面とは別に開く「道路平面図」画面で行います。元来この画面は道路編集を行うために用意されましたが、今ではいろいろな地物を編集できる総合的な編集画面となり、使用方法が複雑になってきました。これは本製品を初めて導入いただいたお客様に対して入力が難しい・覚えることが多い等の問題を誘発させています。これを解消すべく道路線形の編集はメイン画面の3D空間で効率良く行えるように機能開発してまいります。
近年DX(デジタル・トランスフォーメーション)が広まっていく中、点群は多く活用されています。本製品でもこの点群を取り込み、道路やモデルを作成する材料として活用します。点群モデリングプラグインを拡張して、点群を参照して道路線形と道路断面をメイン画面から作成する機能を提供します。従来、点群を用いて道路線形作成を支援する機能がありましたが、特定の並びを点群データに限定しており使用する機会が少なかったと思います。今回の機能では点群種類の制限撤廃と緩和曲線を含む線形変換の実装で、より活用できるようになります。また、点群が無い場合でも3D空間でストリートマップ等を参考に3次元ユーザーインターフェースにより直感的に道路線形を編集できる機能を提供いたします。
入力の流れは上のようになっており特徴をあげると、
道路中心点入力
点群から点をピックして道路中心の点列を入力します。道路中心付近の点が計測されていないことを考慮して、道路縁石もしくは白線をピックしてその中点で入力する等の入力手段を用意します。
道路線形変換
入力された道路中心の点列から道路線形を算出します。現在もポリラインから線形に変換する機能の精度を向上させる予定です。
断面データ生成
断面定義位置付近の点群を収集して、点群形状や色から断面形状をある程度自動で生成します。縁石・白線等が認識不可能な場合は、簡単な車線情報を入力して生成します。そのほか断面形状の要素について点群の色からテクスチャを割り当てる機能も予定しています。
断面データ生成については点群があることを前提に機能することになりますが、点群が無い場合は必要な断面を簡単に作成できるパラメトリック断面作成機能を提供します。車線数、歩道幅、ガードレール、中央分離帯などの用意されたパラメータを設定することで目的に近い断面を即座に作成可能です。
これらの機能で道路作成を支援することで、プロジェクトデータの作成コスト削減できます。
3次元ユーザーインターフェース
以下、検討中の操作インタフェースの特長を紹介します。
点群とストリートマップを見ながらの道路線形3次元ユーザーインターフェースは下図のようにメイン画面から操作できます。
ポップアップメニューの操作により、点群を参考に中心点を追加して中心線を道路線形に変換した後は、道路平面図画面を開かずとも一連の道路線形編集が行えます。縦断変化点のY座標を点群の高さに合わせる便利な機能を予定しています。
メイン画面で中心点、方向変化点、縦断変化点、断面変化点を選択すると、その点に移動操作を行うハンドルが表示されます。ハンドルを操作して思うままに線形を編集できることも有用で、従来に比べて格段に操作数を減らすことができます。
また、断面変化点を追加した位置ではその線形位置の前後数メートルの点群を抽出して断面編集に活かすことができます。点群の密度が十分であれば、断面線形の折れ点(ブレークライン)を自動生成する機能を検討しています。
(Up&Coming '25 新年号掲載)
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