3D・CGコンテンツ事業を展開するゲーム開発グループによる本連載では、
同社のゲームコンテンツ関連技術とUC-win/RoadのVR技術とのコラボレーションによる新たな展開から、
クリエイター陣による企画・制作のノウハウまで、様々な内容を紹介していきます。

生成AIを活用した自動ゲームカスタマイズ機能の開発

JSON + LLM(生成AI)の活用

現在のゲーム制作には、ゲーム設定やコンテンツを毎回手作業で構築するため時間がかかること、その過程で発生する多様なエラーへの対応が必要になること、さらに同じタイプのゲーム開発でもカスタマイズの簡素化が容易ではないことといった課題があります。

これらの課題を解決するため、現在、スイート千鳥エンジン®にてAIを活用した自動ゲームカスタマイズ機能と、カスタマイズの基盤となるゲームの開発を進めています。

ゲームに必要なフレームワークは、千鳥エンジンライブラリを使用したC++で構築されたものを利用します。ユーザーは同ディレクトリ配下にあるJSONファイルを手動で編集するか、LLM(大規模言語モデル/生成AI)を用いて希望する形にカスタマイズすることで、フレームワーク形式に準拠したJSONを出力できます。出力されたファイルを使用することで、新たなゲームを効率的に作成することが可能となります。

今回は、このカスタマイズの基盤となるゲームについてご紹介します。

このゲーム(ソフト)は試験問題を簡単に作成できるツールで、問題形式(択一・記述式)、設問数などを指定すると、問題および解答を自動生成できます。

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図1 問題生成イメージ

1. タイトル画面

タイトル画面には、タイトルロゴ、問題生成画面遷移ボタン、出題画面遷移ボタンが存在します。

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図2 タイトル画面イメージ

2. 問題生成画面

ユーザーが指定した範囲で問題を自動生成します。「作成」ボタンを押すと、生成AIに情報が送信され、JSON形式で問題が生成されます。

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図3 問題生成画面イメージ

3. 出題画面

作成されたJSONファイルの問題をベースに問題画面を作成します。そのまま試験を実施することができます。

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図4 問題画面イメージ

4. 結果画面

全問題の解答後、結果画面で成績、解説、評価が表示されます。

また、結果画面では画像の差し替え、位置、スケール、回転などのJSONパラメータを変更することで、UIを自由にカスタマイズできます。例えば、図5では女性の画像やコメント内容、背景を別のものに置き換えることが可能です。

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図5 結果画面イメージ

今回は、開発中の生成AIを活用した自動ゲームカスタマイズ機能およびその基盤となるゲームをご紹介しました。今後は、より幅広い種類のゲームやアプリ開発にも同様のアプローチを適用できると考えています。スイート千鳥エンジン®の次期アップデートにご期待ください。

(Up&Coming '25 秋の号掲載)



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