VR・AR・MRデバイス
HARDWARE INFORMATION
2020-No.2
HARDWARE INFORMATION
2020-No.2
今回は1月に米国ラスベガスにて開催されたCES 2020にて展示されていた最新のVR・ARデバイスについて紹介します。
VR(Virtual Reality)は”仮想現実”、AR(Augmented Reality)は”拡張現実”を意味するIT用語です。VRは完全にCGで表現されますが、ARは現実世界とCGを合成して表現されます。
■ Nreal Lite
中国のスタートアップ企業が開発している透過型のARデバイスで、ハーフミラーを搭載したグラス面に重畳する拡張情報が表示されます。スマホ(Android + Qualcomm Snapdragon 845)もしくは専用デバイスと接続して使用するため、持ち運びできるという特徴があります。5G対応スマートフォーンとの連携を想定していて、開発ツールがKDDIとNREALの日本法人より提供されています。
▲Nreal Japan LTD(https://nreal.jp/)
Nreal Light Enterprise Edition スペック
Weight: 88g 視野角 52° 環境認識:6自由度
特徴
スマホと連携して使用することを前提としていてい、この種のデバイスとしては軽量の88g。同種の透過型ARグラスのHoloLensは約40万円ですが、nrealはコンシューマ向けが499ドルとなる予定で。ARの敷居が低くなったように感じます。
■ XR-1(Varjo ヴァルヨ)
外部カメラで撮影した実画像を、拡張情報と合成して、ヘッドセット内もモニタ画面に表示します。VR、AR両対応可能。専用のワークステーション(NVIDIA Geforce RTX 2080 Ti、or NVIDIA Quadro RTX 6000)と接続して使用します。同社の高精細ヘッドセットVR-1をベースに開発されており、中心部分の解像度は3000dpiに相当するとのことです。視線計測機能も搭載しており、いろいろな開発に応用ができそうです。
グラス型だと、重畳する映像は透過型してしまうのですが、カメラ映像を取得した画像と重畳するため、透過がない映像も出力することができます。開発ツールは、同社サイトから入手することが可能です。
XR-1 スペック
重量:1050g~ 解像度:3000 PPI(中心部のみ)
視野角:87 度. 環境認識:6自由度
センシング機能:視線計測機能
特徴
重量から持ち歩きではなく、屋内や座ったままでの利用を想定できます。カメラ越しの現実正解に、VRモデルをリアルタイムでレンダリングするため、モデルが透過することなく現実感を持って感じることができます。また低遅延のため、デバイスを装着しての自動車運転もできるとしています。アイトラッキング機能がついており、視線の動きを分析することができます。
■ その他のVRデバイスの対応状況
Oculusシリーズをリリースしているフェイスブック社は昨年のカンファランスにてARグラスを開発中であることを発表しています。
また、VIVEシリーズをリリースしているHTC社は、特設サイトを用意して、Cosmos XRを近日公開するとしています(https://www.vive.com/jp/product/vive-cosmos-xr/)
MOVERIOシリーズを展開するエプソンでは、観光地や劇場のARガイドとしての使用法や、携帯できる大画面モニタとしての使用法を提案しています。
いかがでしたか。現実空間と仮想空間を融合するデバイスが増えてきており、この分野の進歩には目をみはるものがあります。今回紹介したデバイスについては、のちほど報告させて頂く予定です。
※ 社名・製品名は一般的に各社の登録商標または商標です。
(Up&Coming '20 春の号掲載)