「人生の寄り道はいかが?会話のラリーを楽しめるドライブ映画5選」

テレワークの徹底や公共交通機関の利用自粛が叫ばれ続け、今後ますますの外出自粛要請が予想される今、いかに娯楽を楽しむかが大切ですよね。しかし、「おうち時間を楽しもう!」と言われ続けてもう2年弱。さすがに自粛疲れした方も多いのではないでしょうか?

今回紹介する「ドライブ映画」は、公共交通機関を使わずに自分の車を走らせるものばかり。公共の空間とは切り離された車内は「第2の家」と言っても過言ではないはず。自粛するなら、せめて車で! ドライブで会話のラリーを楽しめる映画をご紹介します。

相米信二による珠玉のドライブ映画
「風花」

「セーラー服と機関銃」で一世を風靡した相米信二監督の映画。水商売を営み凄惨な過去を持つ女を小泉今日子が、エリート官僚ながらも将来に絶望する男を浅野忠信が演じます。小泉今日子から漠然と「実家に帰りたい」と告げられ、東京から北海道まで車で移動する。たわいない車内の会話によって、2人の距離は少しずつ縮んでいく。他の相米信二作品と比べると非常に静かですが、これぞドライブ映画の魅力なのです。

「風花(かざはな)」 日本映画 上映時間:116分 公開年:2000年
監督:相米信二 出演:小泉今日子、浅野忠信、小日向文世、柄本明ほか
見所:どん底の人生からの再出発。こんな小泉今日子は見たことない

心もおなかも満たされる幸福の満漢全席!
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

2008年の「アイアンマン」を監督し、現代のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の礎を築いたジョン・ファブローの制作・脚本・監督・主演を務めた作品。自分の作りたい料理が作れず三ツ星レストランを辞め、裸一貫でフードトラックを始める主人公。旅路の中で息子との交流や同僚との熱い友情を育みながら、自分が本当に作りたいものを見出していきます。

「アイアンマン」の制作からキャリアが停滞した自身の実人生が反映されている内容で、アイアンマン役のロバート・ダウニーJr.がジョン・ファブローを励ますシーンにはグッと来ます。

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」 アメリカ映画 上映時間:115分 公開年:2015年
監督:ジョン・ファブロー 出演:ジョン・ファブロー、スカーレット・ヨハンソンほか
見所:ロバート・ダウニーJr.のカメオ出演も見逃せない!

さりげない気遣いが生涯の友を生む
「グリーンブック」

2019年アカデミー作品賞を獲った今作。人種差別の激しい1960年代のアメリカ。黒人のエリートピアニストと白人の粗暴な用心棒兼ドライバーによる水と油のコンビが、車でアメリカ縦断をする実話に基づいたドライブ映画です。アカデミー作品賞らしく、人種差別やアメリカ史を取り込んでいますが、決してシリアスな展開にならず軽やかに爽やかに展開されます。監督は「メリーに首ったけ」などコメディ映画の名手であるピーター・ファレリー。車内のさりげないやり取りで爆笑を、さりげない気遣いの演出が人種の壁を超え生涯の友を生み出すのです。真面目なテーマですが、演出はさりげなくサッパリ。これまでのアカデミー作品賞にはない軽やかなテンポが素晴らしいのです。

「グリーンブック」 アメリカ映画 上映時間:130分 公開年:2018年
監督:ピーター・ファレリー 出演:マハ―シャラ・アリ、ヴィゴ・モーテンセン
見所:水と油の二人が美しい友情を奏でる!ハートフルなアメリカ縦断物語

『グリーンブック』
ブルーレイ:¥5,280(税込) DVD:¥4,180(税込)
発売・販売元:ギャガ

© 2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION
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かけがえのない時間を旅する
「さよならくちびる」

インディーズで活動するギターデュオ「ハルレオ」の解散ツアーのために全国を旅する音楽ドライブ映画。距離が近すぎて仲違い。少し険悪なムードが漂うのですが、解散が近づくにつれて一心同体になるハルレオのメンバーたち。ラストに歌う「さよならくちびる」はこれまでの旅路を物語る歌詞となり、ホロっと涙します。

逼迫したスケジュールもなく、コインランドリーや居酒屋に立ち寄り旅中のあれこれを省略せず見せていく。常にゆったりとした時間が流れる世界が広がっています。

劇中歌の提供は秦基博とあいみょん、役者は門脇麦、小松菜奈、成田凌など商業映画に引っ張りだこのキャスト・アーティストを使った、隠れた良作です。

「さよならくちびる」 日本映画 上映時間:116分 公開年:2019年
監督:塩田明彦 出演:門脇麦、小松菜奈、成田凌ほか
見所:旬の俳優を使い、青春の1ページを切り取った隠れた良作

『さよならくちびる』
ブルーレイ:¥5,280(税込) DVD:¥4,180(税込)
発売・販売元:ギャガ

© 2019 「さよならくちびる」製作委員会


村上春樹の短編から生まれた、人生の旅路と魂の救済
「ドライブ・マイ・カー」

妻を失った演出家の主人公と、彼のドライバーとなった若い女性を描いた、人生の旅路と魂の救済がテーマのドライブ映画。村上春樹の短編を原作とし、チェーホフの戯曲が引用されながらも、監督独自の作品として抜群の完成度を誇ります。

土木学会田中賞を受賞した安芸難大橋の美しい風景をバックに、2人のただならぬ会話劇が繰り広げられます。

暴力シーンや激しい口調は一切なし。平坦な会話劇が中心ですが、きっと心をわしづかみにされるでしょう。舞台挨拶で西島秀俊さんも仰ってましたが、確実に「何かが起きている」のです。

カンヌ4冠を獲得した若手のホープ、濱口竜介の最新作。ぜひ、今のうちに名前を覚えておいてください。

「ドライブ・マイ・カー」 日本映画 上映時間:116分 公開年:2021年
監督:濱口竜介 出演:西島秀俊、岡田将生、三浦透子、霧島れいか
見所:日本映画の未来を担う濱口竜介の傑作 カンヌ4冠は伊達じゃない



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(Up&Coming '21 秋の号掲載)
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