現在(2月末)時点も戦火が冷めあらぬロシアとウクライナの戦争。しかし、過去にもウクライナで大きな衝突が起こっていたのです。2013年、欧州連合協定の調印を見送った当時の大統領に抗議するためのデモが始まり、政府の治安部隊が暴力を使って抑えようとするも国民は猛反発。圧倒的な力の差にも関わらず自由のために抵抗する姿は、今のウクライナ情勢と重なります。
容赦なくデモ隊を攻撃する政府軍。最初はゴム弾を使用していましたが、途中から実弾が使われるようになり、憩いの場所である広場が戦場に変わってしまいます。しかし、それでも国民は負けません。銃で沈静化を図る政府軍に対してできる限りの抵抗と口撃、時にはピアノを弾いて軍をなだめようとします。ドキュメンタリーですが、劇映画に負けじ劣らずの迫力です。
そもそもなぜウクライナ侵攻が起きてしまったのか、なぜウクライナ国民は強いのか、なぜ負けないのか、なぜ多くの支援を得られることができるのか。ウクライナ情勢を知る上で重要な記録がここに刻まれています。2016年のアカデミー賞にもノミネートされた傑作ドキュメンタリーです。
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