ピルビスワーク実践講座
連載 第7回
動けるからだを造るピルビスワーク
「慢性的な腰痛は神経疲労!?最新研究で明らかになった腰痛の原因︎」
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立花みどり
毎週水曜日の17時から開催しているピルビスストレッチのレッスンに参加されている方の中には、慢性的な腰痛の解消のためにご熱心な方々がおられます。
トレッチを行うと8割ぐらいは腰痛の症状を緩和できても、どうしても2割の違和感は残ってしまい、そして日常生活の中で痛みがすぐに再炎してしまう事がほとんどです。そこで今回は腰痛を完全に克服するために腰痛が起きる要因を一緒に考えてみましょう。
そもそも腰痛が起きる原因のほとんどは座りっぱなしの習慣と運動不足である事は誰もが予測できそうですが、運動不足がどのように腰痛にまで発展するかの流れを簡単にまとめました。
運動不足 → 血流の低下 → 筋肉の収縮の低下 → 骨や関節の歪み → 血流の低下 → 神経の圧迫 → 慢性的な痛み
ここで注目したいのは「血流の低下」「神経の圧迫」です。この神経の圧迫で働きが乱れるのは自律神経です。近年では治療家を始め医師からも自律神経の乱れが腰痛の主な原因になると言う見解が伝えられています。
自律神経の乱れの原因は運動不足以外に以下が予測できます。
これらが影響して自律神経のバランスは乱れると言われています。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経が優位の状態が続くと抹消の血管は収縮したままになります。末梢血管が収縮したままでいると血流量は低下します。血流量が低下すると筋肉中に十分に血液が回ってい かないという事になるので、その結果、筋肉は固く縮んだままの状態になり、血液によって新鮮な酸素や栄養が届かなくなり筋肉中の老廃物や疲労物質が解消しづらくなります。
そこで筋肉の回復力を高めるにはマッサージ、湿布、電気の刺激などのケアの方法がありますが 時折受けただけでは反応が悪く、痛みを緩和する事は出来てもまた直ぐに痛みを発する悪循環になるケースが少なくありません。特に筋肉の面積が広い腰やお尻周り、骨盤・股関節周りの筋肉は力も強いので、一度強く緊張してしまうと、自力で緩む事は難しくなってしまいます。
このような根深い腰痛の原因は自律神経の乱れにある可能性も考えましょう。
毎週水曜日17時スタートのピルビスストレッチは、骨盤と背骨を連動させるストレッチや自重負荷運動により、筋肉・骨格・自律神経にアプローチする腰痛の予防改善のための運動療法でもあります。
呼吸法とストレッチ動作により骨格の歪みを特定し、リズムに合わせた簡単な自重負荷運動で、骨の持つ固有の共鳴振動を起こす事で安全に骨格を矯正します。骨のみならず、神経や筋肉にもアプローチするメカニズムでレッスンは構成されています。
腰痛肩こりなどの不定愁訴、メンタルの低下の根本原因をホリスティック(全体的)に捉えて、身体の構造(骨格・姿勢・バランス)を整え、身体の機能(神経・内臓・筋肉・関節)を正常に働かせために運動からアプローチしているのがピルビスストレッチです。
神経の乱れによる原因不明の体調不良や慢性的な腰痛を治したい方は「骨格・筋肉・自律神経」のトリプルアプローチで根本的な改善を考えましょう。
腰痛、肩こりに代表される体の不調と慢性的な体調不良やメンタルの低下は自律神経のバランスを整えるためにもピルビスストレッチを生活習慣に取り入れることをおすすめいたします。
立ったままできる
腰痛ケア
ストレッチの方法
1 まっすぐに立ち、みぞおちに両手を当てます。
2 手をみぞおちに当てたまま、頭を前に倒し、腰を後ろに引きます。
3 頭を後ろに倒して、腰を前に押します。2 ~3 の動きを交互に繰り返して腰を前後に動かしましょう。
4 頭を左に倒して、腰を右に寄せます。
5 頭を右に倒して、腰を左に寄せます。4 ~5 の動きを交互に繰り返して腰を左右に動かしましょう。
(Up&Coming '23 春の号掲載)
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