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Shade3Dを活用して説明性の高い河川インフラ設備の資料を提供 |
製品のプレゼン資料やマニュアルを3DCGで作成
株式会社協和製作所で福岡営業所の所長を務める花川智紀氏が初めてShade3Dに触れたのは、20年以上前のことでした。水門・樋門用・堰用のゲートやその開閉装置といった同社の新製品の営業活動を行う際、機能や特長の説明がビジュアル的でわかりやすい資料を作りたいという動機から、最初は個人的に使用していたという花川氏。当時、国内外含め様々な3DCGソフトがあった中で、国産ソフトとしての安心感や、インターフェースの使いやすさ、表現のしやすさが、採用の決め手だったといいます。その後、会社としてShade3Dの導入に至り、現在では設計部と営業部において複数の社員が使用しています。「製品の設計は3D CADで行っていますが、Shade3Dにインポートして、その仕組みや動きを説明するためのグラフィックを作成しています。データの互換性もスムーズで、表現力の高さという点で活躍しています」(花川氏)。
同社では営業スタッフもShade3Dを使って、プレゼン資料や取扱説明書に使用する画像やマニュアル用の説明図を効率的に作成しています。発注者への新製品の機能説明の他、公共事業は機械設備だけで成り立っているものではなく土木・施工業者との協力も必要になることから、その手順確認にも役立っているといいます。
広報展示模型や水門管理システムなどに幅広く活用
2025年6月開催の「SAGA建設技術フェア2025」で、同社のブースでは、水門設備の新製品「オートフラップゲート・L型」の3Dプリンタ模型を、Shade3Dのモデルから出力して展示を行いました。
「来場者の方々に触っていただき、電気を使わず水位が上がると自動的に閉まるという水門の動きとその仕組み、強制的な開閉操作の方法などを紹介しました。展示会の場合、模型のような実物があることで、人が集まりやすいということがあります」(花川氏)。
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「オートフラップゲート・L型」のShade3Dモデルと実際の設備 |
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出力した3Dプリント模型はSAGA建設技術フェア2025で展示された |
また、同社が国土交通省に納品している水門の遠隔監視システムでは、Shade3Dで画面のビジュアルを作成し、水位の増減によって数値が変化して扉が上昇したり下がったりする状態を、アニメーションにより表現しています。
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Shade3Dのアニメーションを活用した水門の遠隔監視システム |
Shade3Dの多彩な機能が伝わりやすい資料作成に貢献
設計部の德永隆二氏は、自分自身が3D CADで作成した製品の設計データをShade3Dにインポートしてモデルを作成。表面や材質の変更、色の表現などの使い勝手がよく、入出力ファイル対応数が多い点にも助かっているといいいます。「一般的に3DCGソフトを使っている方はリアルさを追求していると思いますが、私達は説明性の高さを重視し、そのために必要な表現を便利に活用しています。最近では取扱説明書のイラストにトゥーンレンダリングを使うことが多く、それだけでも標準で12種類用意されています。レンダリングの種類を少し変えるだけでどんどんイメージが膨らむような使い方ができるところがいいですね」(花川氏)
今後の展望として花川氏は、ショールームでの模型等による製品紹介に加えて、Shade3Dで作成したモデルを活用したメタバース上での説明や広報にも展開を広げ、製品のアピールにつなげたいと述べています。
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(Up&Coming '25 盛夏号掲載) |