ちょっと教えたいお話 xROAD:道路データプラットフォーム
  • 国土交通省は、デジタル道路地図データベースや道路基盤地図情報などを基盤として、橋梁・トンネルなどの構造物データ、交通量などのリアルタイムデータを紐付ける3次元道路データプラットフォーム、「xROAD(クロスロード)」を構築しています。さらにxROADのAPIを公開して、アプリケーション開発やAI技術などのオープンイノベーションを促進し、道路行政を効率化することを目指しています。今回はこのxROADについて紹介します。

xROADとは

国土交通省が現在構築を進めている「xROAD」は、デジタル道路地図データベース(DRM-DB)や道路基盤地図情報、モービルマッピングシステム(MMS)、レーザープロファイラ(LP)などから得られるデータ群を基盤データ(道路局ベースレジストリ)とし、仕様などの諸元データや定期点検結果、BIM/CIMデータなどから構成される橋梁・トンネル等の構造物データ、ETCやCCTVカメラ、巡回車載カメラなどから得られる交通量等のリアルタイムデータを紐づける、3次元道路データプラットフォームです。

xROADのAPIを公開して一部データを民間開放することにより、アプリケーション開発やAI技術などのオープンイノベーションを促進すること、xROADやそれらのイノベーションを道路施策検討や現場管理などに活用して道路行政を効率化することを主な目的としています(図1)。


▲図1:xROADのイメージ


先進技術活用の課題とデータベース化

平成25年の道路法改正等を受け、5年に1度、近接目視で行われている道路施設の定期点検は現在二巡目が進行中であり、これまでに道路管理者ごとに様々な仕様、様々な種類の膨大なデータが蓄積されています。また現在、インフラのデジタル化やAI技術等が飛躍的に進展しており、蓄積されたデータに先進技術を適用し、革新的かつ効率的な道路維持管理手法が実現する大きな可能性を秘めています。しかし、データ活用のための環境整備はまだ十分には整っていません。そこで、これらの道路施設の点検・診断データを道路施設ごとにデータベース(DB)化し、APIで共有して一元的な処理・解析が可能な環境の構築を目指しています。

データベースは可能な限り公開し、研究機関や民間企業等によるAI技術やアプリケーション開発などの技術開発を促進し、道路施設の維持管理の効率化を図ります。新技術活用により開発を目指すアプリケーションシステムの具体例として、(1)現地で過去の点検データや類似損傷を検索できるシステム、(2)画像AIによる診断結果を支援するシステム、(3)劣化を予測して修繕費用を推測するシステムなどを想定しています(図2)。


▲図2:点検データベースとアプリケーションのイメージ


フォーラムエイトの取り組み

xROADを支える情報基盤のうち道路施設情報(諸元データ、点検結果データ、補修結果データ(ドキュメント・写真)、台帳、調書等)について、一元的に集約された各種データを画面UIやAPIで取得すれば、分析・検討等の様々な用途に活用できます。例えば、道路管理者が所管する橋梁群に対して、諸元データおよびLCC計算に必要なデータ項目を取得し、プログラム連携することで、橋梁長寿命化修繕計画の検討に繋がります。

他組織が管理する道路施設の点検結果等を確認でき、類似事例の判定等の参考にできます。道路管理者は、独自データベースを整備しなくとも、上述の一元的に集約されたデータベースを利用することで、WEB上からデータの検索、閲覧、ダウンロード等の可能性が広がります。


参考 / 出典:国土交通省ホームページ

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/dourogijutsu/pdf03/04.pdf


 

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