Multiframe
総合情報
Vol.60

 Multiframe 機能紹介
 
今回はMultiframe Shape Editor(以下SE)を使った断面の作成方法についてご紹介させていただきます。
SEでは各種形鋼の断面が予めセクションライブラリに登録されており、それを選択することで、簡単にモデル化を行うことができますが、断面欠損を持つ鋼材断面をモデル化する場合は自身で、断面性能を作成、登録する必要があります。

1.作成モデル

今回作成する断面は角形鋼管の柱脚部にアンカーボルト設置のための孔を考慮した断面を想定したいと思います(図1)。

  1. 角形鋼管:□-300×300×12
  2. 鋼種:STKR400
図1 モデル図

2.断面作成

「セクション形状ウィンドウ」にて断面を作成していきます。SEでは作成ツールとして、「長方形」「空洞長方形」など複数のツールが用意されています。今回は「閉じた多角形」を使用して作成します。

なお、本来は角形鋼管のコーナー部分にRが設けられていますが、今回はこの部分を省略し、コーナー部分は直角であるものとして作成します。

  1. 「シンボルツールバー」(図2)より「形状の塗りつぶし」=Off、「多角形番号」=Onの状態にします。
  2. 「形状ツールバー」(図3)より「閉じた多角形」を選択します。
  3. 「セクション形状ウィンドウ」の任意の所でクリックします。
  4. 角形鋼管の右側部分(コの字)を作成するように適当な位置で節点を作成していきます。
  5. 最初の節点に戻り、断面を閉じるには、右クリック>「OK」を選択します。
  6. 断面の左側部分も同様に作成します(図4)。
  7. 作成した断面をダブルクリックし、「材料」=STKR400、各節点の座標を整理して「OK」をクリックします(図5)。
  8. 左右の断面を選択した状態で右クリック>「グループ」を選択して、1つの断面形状とします(図6)。
図2 シンボルツールバー 図3 形状ツールバー
図4 閉じた多角形(座標整理前)
 
図5 多角形の属性   図6 閉じた多角形(座標整理後)

3.ライブラリに追加、保存

作成した断面をライブラリに登録します。

なお、本来は角形鋼管のコーナー部分にRが設けられていますが、今回はこの部分を省略し、コーナー部分は直角であるものとして作成します。


  1. セクション」>「ライブラリに追加」を選択。
  2. 「名前」=柱脚、「グループ」=Custom1、「形状」=SHS、「tf」=「tw」=1.2cmとします(図7)。
  3. 「ファイル」>「名前を付けてライブラリを保存」を選択。今後も多用するような断面であれば、デフォルトのライブラリを上書きしても構いませんが、特殊な断面の場合はライブラリのファイルを分けることで、管理がしやすくなります。

図7 新規セクション

4.Multiframeでのモデル化

  1. 「ファイル」>「ライブラリを開く」>セクションライブラリで保存したslbファイルを読み込みます。
  2. 部材を選択し、右クリック。「セクションタイプ」を選択し、「グループ」=Custom1、「セクション」=柱脚を選択。
  3. 「レンダリングツールバー」(図8)より「レンダリング」をOnにすることで、作成した断面で表示されます。表示された図を見ながら、必要があれば材軸方向の修正を行います。
図8 レンダリングツールバー
図9 橋脚部のモデル化
 
■ Multiframe CONNECT Edition v22.03.00.121 2020年07月リリース
■ 開発元:Bentley Systems (Formation Design SystemsはBentleySystemsに吸収合併)


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