Multiframe
総合情報
Vol.62

 Multiframe 機能紹介
 
今回は建築基準法施行令82条で要求されている荷重の組合せについて、Multiframeを用いた場合の設定方法をご紹介いたします。

荷重・外力状態 多雪地域 No
長期 常時 G+P
積雪時 G+P+0.7S
短期 積雪時 G+P+S
暴風時 G+P+W
G+P+0.35S+W
地震時 G+P+0.35S+K
G:固定荷重、P:積載荷重、S:積雪荷重
W:風圧力、K:地震力
表1 組み合わせ荷重

1.荷重条件

風圧力については水平方向のみ考慮するものとします。

固定荷重 5200N/㎡(架構自重を含む)
積載荷重 1800-1300-600N/㎡
積雪荷重 多雪地域、1.5m×30N/㎡/cm=4500N/㎡
風圧力 P=1200N/㎡
X方向:1.2×8m×4m/2=4.8kN×4箇所
Y方向:1.2×6m×4m/2=3.6kN×4箇所
地震力 w=5.2+0.6+(4.5×0.35)=7.375kN/㎡
W=7.375×6m×8m=354kN
Co=0.3
Q=354×0.3=26.6kN×4箇所
表2 荷重条件

2.架構モデル

今回荷重を設定する構造物はスパン6m×8m×高さ4mの平屋建てとします。「フレームウィンドウ」にて、以下の設定をします。


  1. ラーメン生成、「ベイ数=1」「階数=1」「フレーム数=2」「ベイの間隔=6m」「階の高さ=4m」「フレームの間隔=8m」(図1)。
  2. 柱脚部節点を選択し、「ピン拘束」。
  3. 梁要素を全て選択し、「セクションタイプ=H-390x300」。
  4. 柱要素を全て選択し、「セクションタイプ=□-350x350x12」。
  5. 「矩形パネル」で節点No.5→No.8を選択(図2)。

図1 ラーメン生成 図2 架構図

3.荷重設定

  1. 「荷重ウィンドウ」、「ケース>荷重条件の追加>静的」、「名前=G」「荷重の種類=固定荷重」、荷重パネル1を選択して、「全体パネル荷重」「下向き、圧力=5.2kN/㎡」。
  2. 積載荷重も固定荷重と同様に「名前=P」「荷重の種類=積載荷重」「下向き、圧力=1.3kN/㎡」として荷重条件を追加(図3)。
  3. 積雪荷重も固定荷重と同様に「名前=S」「荷重の種類=雪荷重」「下向き、圧力=4.5kN/㎡」として荷重条件を追加。
  4. 風圧力は「名前=Wx」「荷重の種類=風」として荷重条件を追加。柱頭の節点を選択し、「節点荷重」「左向き、値=4.8kN」。同様に「名前=Wy」「奥向き、値=3.6kN」(図4)。
  5. 地震力も風圧力と同様にKx、Kyとして荷重条件を追加。

図3 荷重図(積載荷重) 図4 荷重図(風Wy)

4.荷重の組み合わせ

  1. 「荷重ウィンドウ」、「ケース>荷重条件の追加>静的組み合わせ」、「名前=①G+P」「G=1.0、P=1.0」(図5)。
  2. 同様に②~⑥について組み合わせ荷重条件を追加します。積雪荷重については組み合わせ係数として0.7、0.35を考慮します。また、④~⑥についてはX、Y方向の正負それぞれについて設定する必要があります(図6)。

図5 組み合わせ荷重条件:(1)G+P 図6 荷重ケース
5.断面検定

「デザイン>チェック」にてAIJによる断面検定の設定を行い、「解析>線形解析」「結果ウィンドウ>断面算定」にて、最大となる検定比の荷重条件を確認することができます。

図4 ライセンス認証時のメッセージ

その他、詳細は弊社Multiframe Q&Aページもご参照ください。
Multiframe Q&Aページ
https://www.forum8.co.jp/faq/win/multiframe-qa.htm

 
■ Multiframe CONNECT Edition v22.03.00.121 2020年07月リリース
■ 開発元:Bentley Systems (Formation Design SystemsはBentleySystemsに吸収合併)


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