はじめに
Shade3D製品では、Appleシリコンへの対応やShade3Dの処理や設定を調整し、レンダリングの高速化が図れるよう日々改善されています。
これらハードウェアやソフトウェアへの対応以外にShade3Dでは、TCP/IPネットワークで接続されたコンピュータを使用してレンダリング計算を分散処理しレンダリングを速くするShadeGrid Server機能が搭載されています。
Shade3D本体が起動しているコンピュータと、同じネットワークに接続された別のコンピュータ(サーバ側)へ、計算を行うだけけの「ShadeGrid Server」をインストールして起動することでS、Shade3D本体とサーバ側で情報を分散処理し、1台あたり約1.25倍のレンダリング速度を向上させることができます。
ネットワーク上に利用しないパソコンがある場合や、表現豊かな長時間のレンダリングが必要なシーンデータを制作する場合に高いパフォーマンスを発揮することができるので、積極的に活用することをお薦めいたします。
Shade3D Gridを利用する
- ShadeGrid ServerのプログラムはShade3Dのインストールプログラムに収録されています。
ネットワークで接続されたコンピュータに、指示に従いインストールしてください。※Shade3Dプログラム本体はインストールする必要はありません。
- ShadeGrid Serverを起動するとコンピュータに関する情報と動作状況を示すメッセージウィンドウが表示されます。
- 表示されるメッセージ
「waiting…」クライアントマシンからの命令を待っている状態です。
「receiving data…」データ受信中の状態です。
「preparing…」レンダリング準備中の状態です。
「computing…」レンダリング実行中の状態です。
レンダリング完了後は、再び「waiting…」に戻ります。
- 表示されるメッセージ
レンダリングを行うコンピュータでShade3D本体を起動し、レンダリングメニュー >ShadeGridマネージャを選択します。「ShadeGridマネージャ」が表示されShadeGrid Serverを起動しているコンピュータ情報が表示されます。「ShadeGridServerを使用する」チェックをオンにしてレンダリングを行うと分散処理が実行されます。
【重要】ShadeGrid Serverの情報が表示されない場合は、「更新」ボタンをクリックしてください。または「サーバ追加」をクリックし「ShadeGrid Server」に表示されたIPアドレスをご入力ください。上記でも改善されない場合は、ファイアウォール設定やセキュリティソフトウェアが影響しShadeGrid Serverをブロックしている可能性がございます。お手数ですがネットワーク管理者へ改善方法についてご確認ください。
- 対応しているレンダリング手法は、レイトレーシング(ドラフト)、レイトレーシング、パストレーシングです。
- 動作環境はShade3D本体と同じです。また、Shaded3D本体とShadeGrid Serverは同じバージョンを使用してください。
- ShadeGrid Serverを利用できる台数は、Professionalは無制限、StandardとBasicは1台のみです。
- 実行速度が極端に異なるコンピュータを使用した場合、実行速度が遅い側のコンピュータの稼働率が極端に低くなることがあります。
ShadeGrid Server以外にも、Shade3Dに関する様々な情報を「Shade3Dナレッジベース」にて公開しています。操作や表現に困ったら、是非ご確認ください。
(Up&Coming '21 春の号掲載)