今回はメッシュ生成において有用な、要素辺のボックス選択を利用した機能をユーザ事例を交えて紹介いたします。
先日、あるユーザ様から次のようなお問い合わせがありました。
「図1のようなQUAD要素の横にBEAM要素を生成しようとしています。生成位置の節点の間隔はバラバラです。[生成]-[ブロック]-[直線/スプライン]では節点間隔が等間隔になってしまいます。既存の節点位置で要素生成する方法はありますか?」
要素辺の利用
直線/スプラインでも分割比(任意)の指定をすれば不等分割でBEAM要素を生成することは可能です。しかしながら、各節点間の比(2点間の距離でよいのですが)をいちいち求めて入力しなければなりません。
上記のお問い合わせへの回答は以下の通りです。
[生成]-[ブロック]-[節点列]を用いて、既存のピッチの異なる節点間にBEAM要素を作成することができます。この時、指定方法で「要素辺:ボックス」を選択して、OKボタンクリック後、BEAM要素を生成したい位置の要素辺をボックスで囲みます。
その他の要素辺選択が使えるコマンド
[生成]-[ブロック]-[節点列]の他に要素辺の指定があるコマンドは以下になります。
[生成]-[移動](移動元の指定、および線に沿って移動の移動ライン)
[生成]-[結合]下の線との結合
[生成]-[ブロック]-[表面](1次元要素の生成)
[変更]-[コピー]-[線上]/[変更]-[移動]-[線上]
[条件]-[要素荷重]-[辺・面載荷](辺荷重)
例えば、[生成]-[移動]で、図5の2次元メッシュのL型の縁に2次元要素で壁を作るような場合、1回の操作で行うことができます。
[生成]-[結合]-[線と線]で、図6のように分割間隔が異なっていても、要素辺をボックスで囲むだけで簡単に結合を行うことができます。
要素辺選択での注意点
このように便利な要素辺指定ですが、コマンドによっては次の注意点があります。
- 分岐やループの指定はできません(節点列、移動ライン)
- 要素辺で指定されるラインに方向が必要な場合、ボックスでの選択は、ボックス開始点に近い端からスタートになります(結合ライン、移動ライン)
(Up&Coming '21 盛夏号掲載)