モデリングのテクニックとして、デッキの生成を紹介します。
船舶の甲板は、円弧のキャンバーを持つものやストレートキャンバーのものなど様々ありますが、Maxsurf ModelerのNURBSを使い、短時間でモデリングを行うことが可能です。Maxsurfのトリミング機能を使えば、外板とデッキはその接続部でボンディングする必要はありません。側板はデッキ交差部を越えてブルワークトップまで、もしくはさらに上まで伸ばします。
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図1 外板のモデリングが終了した状態 |
Surfaceメニューから、Add Surface/waterplaneを選び、アッパーデッキを生成します。
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図2 デッキに利用する水平面の呼び出し |
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図3 呼び出されたWaterplane |
Waterplaneは、四隅のみにコントロールポイントを持つ平面なので、円弧の断面を持たせるのと、長手方向の曲がりを与えるために、行方向を3行,列方向を6列の3×6の並びとなるようにコントロールポイントを追加します。さらに、幅をモデルの最大幅に合わせ、中間のコントロールポイントを、1/2最大幅とし、外側のコントロールポイントをキャンバー分だけ下げ、3点のコントロールポイントにより、正確な円弧を描くようにします。
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図4 デッキの正面では、コントロールポイント3点により指定キャンバーの円弧が描かれる |
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図5 Waterplaneのサーフェイスプロパティー;Surface TypeをConicにして、断面を円弧にする |
長手方向の曲がりを調整するために、列方向のコントロールポイントの配置を、Profileビューなどで決めていきます。
同様に、アッパーデッキの後半、フォクスルデッキ、船尾ライズドデッキ等をモデリングして行きます。
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図6 デッキを外板モデルに重ねた状態 |
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図7 全てのデッキがモデリングされた状態 |
この状態で、トリミング機能を使い、はみ出ている部分をトリムします。ここで、外板はブルワークとして残していますが、ブルワークトップの形状が複雑になっている場合は、トリムラインなどを利用して、別途トリムします。
総トン数計算で必要なデッキ下の容積を求めたい場合、外板をデッキ交差線でトリムすることで、同モデルをStabilityモジュールに取り込み計算できます。
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図8 デッキがトリムされた状態
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図9 Maxsurf Stabilityでデッキ下の容積が認識される |
StabilityのHydrostatics計算を使い、Draftをモデルの最も高いデッキ部よりも深い値を設定して解析を行うと、HydrostaticsのVolumeがデッキ下の容積として求められます。
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図10 Hydrostaticsの計算結果、デッキ下容積は875.268m3 |
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