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板要素を使用する際の注意点

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3次元構造物を忠実にモデル化するのではなく、次元を縮小してモデル化することは有限要素法のテクニックですが、板(プレート)要素を使用した場合は注意しなければならないことがあります。今回はそれらの注意点について紹介いたします。

表と裏

板モデルの表と裏は見る位置によって変わります。


図1 見る位置による表裏の違い

解析結果も表と裏で異なる場合があります。


図2 表と裏で結果が異なる例

4角形要素で積分点出力の場合、1要素につき表4点、裏4点の計8点で結果が出力されます。では、その表裏はどのようにして選択するのでしょうか。


図3 出力位置

スライス面の指定

FEMOSでは要素座標系のu軸の0~1を指定することで表裏を指定します。u軸は要素の法線方向と一致します。

この指定された面のことをスライス面といい、メニュー:[選択]-[スライス面]-[選択]で指定します。スライス位置は1/4、2/4、3/4の位置も選択できます(0面と1面の結果より補間された値になります)。


図4 要素座標系

注意事項 その1:法線方向をそろえておく

これまでの説明で、表面(ここではスライス面1とします)の結果を評価するにはスライス面1を選んで結果描画等を行うことになります。

ここで重要なのは、あらかじめ各要素の法線方向(構成節点回り)をそろえておくことです。法線方向がそろっている場合は表面の値が正しく選択されますが(図5)、法線方向がそろっていないと表と裏が混在した値になってしまいます(図6)。(赤枠が選択したスライス面1)


図5 法線方向がそろっている場合のスライス面1 図6 法線方向がそろっていない場合のスライス面1

実際に解析を行った例を示します。片持ち梁で端部にZ方向下向きの荷重をかけたモデルです。

スライス面0で応力σxの濃淡図を描画してみると、法線方向がそろっているモデルは正しい描画をしているのに対して、法線方向がそろっていないモデルは描画がおかしくなっています。


図7 法線方向がそろっているモデル

図8 法線方向がそろっていないモデル

ただし、法線方向が反転している要素をスライス面1で選択することで正しい描画を行うことはできますが、いちいち法線方向ごとにスライス面を指定するのは現実的ではありません。モデル作成時にFEMISの[変更]-[構成節点]-[回り]で法線方向をそろえておくことをお勧めします。


(Up&Coming '22 新年号掲載)

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