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はじめに 「UC-1 Engineer’s Suite 建築プラントスイート」は、各建築関連の基準に対応した製品をラインナップしています。その中の「建築杭基礎の設計計算」や「地盤改良の設計計算」では、杭基礎(柱状体基礎)の応力や支持力の算出を行います。ここでは、その内容に関して設計業務に役立つ情報をご紹介いたします。 柱状体基礎断面力の算定方法 杭基礎や地盤改良における柱状体基礎の頭部に上部構造からの水平力が作用する場合には、杭(柱状体)基礎の応力算出を行いますが、「建築杭基礎の設計計算」および「地盤改良の設計計算」では、その算出方法として単層地盤と多層地盤から選択することが可能です。 単層地盤の場合、地盤反力係数、杭径、杭の剛性、杭頭固定度の条件を基に、Changの式により杭頭発生曲げモーメントおよび地中部最大曲げモーメントを算出します。建築杭基礎では、杭長が十分に長いと仮定できる(βL≧3.0)場合に適用できる式を適用しており、地盤改良ではβL≦5.0の範囲で算出できる式を適用しています。 単層地盤として計算する場合、杭の存在する範囲が複数の層にまたがっていても、設計に考慮する単層地盤データ(地盤反力係数kh)を定義する必要があります。khの算出には地盤の変形係数E0が必要ですが、設計上のE0は杭の水平抵抗に支配的な影響を与えるとされている範囲(基礎底面下1/β)で求めるのが原則となります。(日本建築センター「地震力に対する建築物の基礎の設計指針」p.22) 実際に、基礎底面下1/βの範囲が一様な地盤であれば、単層地盤で計算しても多層地盤の計算に近い結果を得ることができます。 一方、多層地盤による計算では、杭を弾性床上の梁としてモデル化することにより、杭が複数の層にまたがっている状態をそのまま考慮することができますので、より厳密な解析が行えます。また、Changの式で計算するときのようなβLの範囲による制限もないので、杭長にかかわらず解析することが可能です。ただし、Changの式のように杭頭変位や発生曲げモーメントを単純な式で表すことはできません。 図2 Changの式(建築杭基礎) 杭の極限支持力算定時のN値の扱い 鉛直支持力の検討では、杭体(改良体)先端における極限支持力を算定します。この極限支持力を算定するのに、杭先端付近のN値が必要となります。建築杭や地盤改良の計算では、このN値を直接指定することもできますが、入力された地盤データの平均N値から自動で求めることも可能です。杭先端付近のN値とは、例えば場所打ち杭や地盤改良では杭先端から上下1D(Dは杭径または改良体径)の区間の平均を求めます。このとき、この区間が複数層にまたがっている場合は、単純平均ではなく加重平均でN値を求めています。
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(Up&Coming '22 春の号掲載) |
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