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配水池の耐震設計計算 Ver.10

水道施設耐震工法指針(1997年、2009年、2022年)日本水道協会に準拠し、配水池の耐震設計計算を行うプログラム

3DA対応
電子納品
3D PDF

●新規価格

605,000円(税抜550,000円)

●リリース2022年12月

改訂内容

「配水池の耐震設計計算 Ver.10」では、以下の機能追加を行いました。
・『水道施設耐震工法指針・解説 2022年版』に対応
・レベル2地震時における安定計算に対応
・耐震性能2および3の照査における耐力照査に対応
各機能についてご紹介します。

『水道施設耐震工法指針・解説 2022年版』に対応

本ソフトウェアが主たる適用基準としている『水道施設耐震工法指針・解説』が約13年ぶりに改訂されました。それに伴い、下記の(1)~(3)に対応しました。
(1)Engineer's Studio®のソルバーを用いた動的非線形解析に対応 Engineer's Studio®のソルバーを用いて地上構造物および地中構造物ともに構造物の挙動のみに着目した二次元フレームモデル(図1)を構築し、動的非線形解析を行う機能を追加しました。節点やフレーム要素は、静的非線形解析と同様にコンクリートと鉄筋から構成される断面を設定しますが、さらに動的非線形解析のために動的質量を設定します。地盤に関しては、静的非線形解析と同様に地盤ばねとして設定します。地震時の荷重は、その荷重値を計算してフレームにシーケンス荷重として載荷するのではなく、節点質量にその荷重値を加算し、地震波を支点全体に作用する形式で与えることで載荷します。


図1 構造物の挙動のみに着目した二次元フレームモデルの例


(2)要求性能「危機耐性」への対応に伴う耐震性能の複数選択に対応
これまで施設の重要度の区分に応じて検討が必要な設計地震動および限界状態が定められていましたが、「使用性」「復旧性」「安全性」に次ぐ第4の要求性能「危機耐性」が追加されたことにより、想定される被災状況(被災シナリオ)に応じて複数の設計地震動および限界状態を同時に検討する必要が出てきました。それに応じて、本ソフトウェアでは、既に複数の設計地震動を選択できるため、複数の限界状態に対する検討が可能になるように耐震性能の複数選択に対応しました。なお、この耐震性能は、『水道施設耐震工法指針・解説 2009年版』P.118の表3.4.2に記載されているもので、耐震性能1の限界状態は限界状態1というように限界状態を内包しています。


表1 重要度の区分の要求性能に対する照査に用いる設計地震動と限界状態
出典:水道施設耐震工法指針・解説 2022年版 Ⅰ本編 P.24 表3.1.3


(3)伸縮目地および取り合い管路の照査に対応
伸縮目地および取り合い管路は、過去の地震によって多くの被害が報告されており、施設機能を確保するために耐震設計上の配慮が必要です。そこで、伸縮目地および取り合い管路の変位量照査に対応しました。「(1)Engineer’s Studio®のソルバーを用いた動的非線形解析」によって伸縮目地および取り合い管路の設置位置における躯体の変位量を求め、その変位量と許容変位量を比較します。


レベル2地震時における安定計算に対応

レベル2地震時の安定計算は、その必要性や具体的な照査方法について『水道施設耐震工法指針・解説』に記載がありませんが、以前より多くのご要望を頂いているため対応を行いました。レベル2地震時は、レベル1地震時と比較して設計水平震度が大きくなるため、水平方向の作用荷重値も大きくなり、より厳しい条件になります。各照査の安全率は、指針等に記載がないため、レベル1地震時の値をデフォルトとしています。


耐震性能2および3の照査における耐力照査に対応

耐震性能2および3の照査は、曲率照査にのみ対応していましたが、新たに耐力照査に対応しました。耐震性能2における耐力式(図2)は、終局耐力を用いる式と降伏耐力を用いる式から選択できるようにしました。耐震性能3における耐力照査式(図3)のうち、「φu<φd」の判定は、既に曲げ耐力を参照しているため、判定をそのままとしました。


図2 耐震性能2における耐力照査式

図3 耐震性能3における耐力照査式


(Up&Coming '23 新年号掲載)

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