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水道管の計算Ver.3

水道管の管厚選定、耐震計算プログラム

3DA対応
電子納品
3DPDF
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●新規価格132,000円(税抜120,000円)

●リリース2023年3月

Ver.3の改訂内容

「水道管の計算 Ver.3」では、主に次の機能拡張を行います。
 ・ゆるみ土圧への対応
 ・浮き上がりの検討への対応
 ・液状化の判定 H29道路橋示方書対応
 ・ボーリングXMLデータインポート対応
ここでは、その概要を紹介します。

ゆるみ土圧への対応

水道管の計算は内外圧による管厚選定(常時の検討)および耐震設計が可能な製品です。外圧による管厚選定では、鉛直土圧及び自動車荷重を考慮した計算を行いますが、鉛直土圧の考え方として、垂直土圧公式、マーストン溝型公式に加えてゆるみ土圧を選択可能としました。
Ver.3では単層地盤としてのゆるみ土圧に対応し、以下の式にて管に作用する鉛直土圧qを算定することができます。


q = B1(γ- c/B1)K0・tanφ(1- e-K0・tanφ・H/B1)+P0・tanφ・H/B1

B1 = R0・ cot45°+φ/22

P0:上載荷重(kN/m2
K0:水平土圧と鉛直土圧の比(K0=1)
R0:土の緩み幅を考慮した掘削半径(m)(管外径/2+土のゆるみ幅)


図1 ゆるみ土圧


浮き上がりの検討への対応

「水道施設耐震工法指針・解説2022(日本水道協会)」では、「Ⅱ参考資料編」「Ⅲ設計事例編」に液状化による管路の浮上に対する検討についての記載があり、Ver.3では、検討対象が耐震設計のときに液状化の影響を考慮した浮き上がりの検討を可能としました。浮き上がりの検討は、浮力およびその抵抗力により安全率Fsを算出します。


Fs = WS + WB + QSUS + UD

WS:上載土の荷重(kN/m)
WB:構造物の自重(kN/m)
QS:上載土のせん断抵抗(kN/m)
US:構造物底面に作用する静水圧による揚圧力(kN/m)
UD :構造物底面に作用する過剰間隙水圧による揚圧力(kN/m)


図2 浮き上がりの検討


管路に作用する揚圧力UDの考え方として、ケース1(地下水位以下の砂層が泥水状となって構造物底部に揚圧力として作用する考え方)と、ケース2(地下水位以上の地盤が有効上載圧として構造物底部に作用する揚圧力に寄与する考え方)があります。地下水位が高い場合は、両ケースは同程度の値となりますが、地下水位が低い場合はケース2の揚圧力が大きくなることから、Ver.3ではケース2の方法に対応しました。

液状化の判定 H29道路橋示方書対応

本製品の耐震設計では、液状化の判定も可能となっています。従来は液状化判定の適用基準としてH14道路橋示方書またはH24道路橋示方書のいずれかを選択可能としていましたが、Ver.3ではH29道路橋示方書も選択可能としました。

ボーリングXMLデータインポート対応

CIM機能の拡張として「地質・土質調査成果電子納品要領 平成28年10月 国土交通省」の「第2編 ボーリング柱状図編」で規定されている『ボーリング交換用データ』のインポートに対応しました。
水道管の耐震設計では、地盤(地層)データの入力が必要となりますが、地盤の入力画面においてボーリングXMLデータを読み込み、地盤データに反映することができます。公開されているボーリング交換用データを利用すれば、地盤条件の入力の手間が省け、業務の効率化が期待できます。


図3 ボーリングデータのインポート


最後に

Ver.3では、上記以外にもプログラムの初期データとして保持している管の基準値データの拡充など、利便性の向上を図った改善を行っています。今後も機能の拡張、改善を行ってまいりますのでどうぞご期待ください。

(Up&Coming '23 春の号掲載)

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