New Products & Service 橋梁下部工

橋脚の設計・3D配筋
(部分係数法・H29道示対応)Ver.8

各種形状・形式に対応した単柱式RC橋脚の設計計算、図面作成プログラム

3DA対応
計算・CAD機能
3D配筋対応
電子納品
SXF3.1
IFC
3D PDF

●新規価格

396,000円(税抜 360,000円)

 


●リリース2024年9月

Ver.8の改訂内容

「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Ver.8」では、主に下記の機能追加、拡張を行っています。


• 偏土圧の影響を考慮した計算(永続/変動/偶発作用支配状況)
• 柱の設計Mc>My0¸Mlsとなる場合に塑性変形能を無視した計算(偶発(レベル2地震動))
• ねじりモーメントに対する鉄筋配置の照査
• 結果一覧表に安全率を表示


今回はこれらの拡張内容についてご紹介いたします。

偏土圧の影響を考慮した計算

橋脚の設計においては、一般的に土圧の影響を考慮しませんが、地表面に傾斜がある場合(図1)や斜面上に設置される場合など、偏土圧の影響を無視することができないケースがあります。Ver.8では、このようなケースを想定し安定計算時の作用力及び部材設計時の断面力として偏土圧の影響を考慮することが可能です。具体的な操作手順としては、「荷重|オプション荷重」画面(図2)で「土圧を考慮する」をチェックし、「荷重|土圧」画面(図3)で土圧式や適用ケースなどを選択してください。


① 安定計算(直接基礎、杭基礎(連動)、深礎基礎(連動))
② 柱の設計
③ フーチングの設計


なお、平成29年道路橋示方書・同解説(以下、H29道示)では、部分係数設計法への移行に伴い、主働土圧算定時において部分係数を考慮することが規定されています。本製品では、表1に従い土圧算定時に部分係数を考慮します。また、物部・岡部の式または修正物部・岡部の式を適用する場合、地震の影響については、設計水平震度khにγp(EQ),γq(EQ)を乗じます。受働土圧については、H29道示Ⅰ(P.74)「b.」の解説を参考に部分係数を考慮していません。


表1 土圧に対する部分係数


[偶発(レベル2地震動)に対する制限事項]
Ver.8では、偶発(レベル2地震動)が作用するケースについても土圧の影響を考慮可能ですが、他製品との連動/連携の関係上、下記の制限事項があります。


• 土圧の影響は初期荷重としてのみ考慮可能(地震の影響の増分載荷は不可)
• 地震動タイプごとの土圧は考慮不可(土圧算定用水平震度の指定)
• 柱に作用する土圧算定時の水位は1ケースのみ

図1 地表面傾斜


図2 「オプション荷重」画面


図3 「土圧」画面


柱の設計Mc>My0¸Mlsとなる場合に塑性変形能を無視した計算

橋脚柱の偶発(レベル2地震動)に対する照査においては、上部工慣性力作用位置の水平変位が、求められている性能及び限界状態に応じた水平変位の制限値以下となることを満足する必要があります。最も標準的となるのは、柱基部に塑性化を期待した曲げ破壊型のケースで、例えば重要度の高いB種の橋の場合、限界状態2の水平変位の制限値δls2dが適用されます。このδls2dは、柱の塑性化を期待した鉄筋コンクリート橋脚の水平力-水平変位関係の骨格曲線及びエネルギー吸収能などを踏まえた上で、地震後も水平力の低下がほとんどなく、エネルギー吸収が安定して期待できる限界の状態が想定されています。ただし、この前提として、地震力が作用した場合の部材の破壊順序は、①断面のひび割れ(Mc)→②最外縁引張鉄筋の降伏(My0)→③断面の限界状態(Mls)となる必要があり、これを満たさない場合、特に①より②,③が先行する場合は、ひび割れの発生とともに急激な破壊に至る可能性があります。H29道示Ⅴ(P.137)の解説では、このようなケースに該当する場合、塑性変形能を見込まないのがよいとされており、今回の機能拡張でこの考え方を取り入れた計算に対応しています。具体的な設定としては、「考え方|偶発(レベル2地震時)」画面の「柱(基本条件)」に図5の「限界状態1を適用する」選択を追加しており、これを選択した状態でMc>My0¸Mlsとなる場合は、塑性変形能を無視した計算が適用されます(図7)。

図4 Mcが最大


図5 Mc≦My0≦Mlsの関係逆転時


図6 Mc≦My0≦Mlsとなる場合


図7 Mc>My0,Mlsとなる場合


ねじりモーメントに対する鉄筋配置の照査

はりが片側のみの場合など、橋軸方向に地震動が作用すると、橋脚の柱はねじりの影響を受ける場合があり、本製品では、このようなケースに対してねじりモーメントに対する検討を行うことが可能です。このとき、H29道示Ⅲ(P.145)の解説では、部材の単位長さに対する軸方向鉄筋量と横方向鉄筋量を同一とするのが望ましいとして、(解5.7.1)により適切と考えられる範囲が示されています。今回の改訂では、この(解5.7.1)による照査機能を追加しました。ねじりモーメントに対する検討を行う設定の場合、自動的にこの照査を行いますので追加の設定等は不要です。

ここに、
a:横方向鉄筋の間隔(mm)
Awt:間隔aで配置されるねじりモーメントに対する横方向鉄筋 1本の断面積(mm2)
Alt:部材断面に配置されるねじりモーメントに対する軸方向鉄筋の全断面積(mm2)
bt,ht:H29道示Ⅲ(P.117)の図-5.4.1に示す幅及び高さ(mm)

結果一覧表に安全率を表示

ご要望の多かった結果画面および計算書への安全率(応答値/制限値)表示を追加しました。安定計算や部材設計において、応答値と制限値を結果とする照査項目について対応を行っています。

図8 安全率の表示(安定計算)


(Up&Coming '24 秋の号掲載)

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