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建築杭基礎の設計計算 Ver.11

建築基準に準拠した杭基礎・基礎の設計プログラム

電子納品

●新規価格 176,000円(税抜 160,000円)

 


●リリース2025年1月

Ver.11改訂内容

「建築の設計計算 Ver.11」では、主に下記の機能追加、拡張を行います。

 

・拡大根固め工法への対応
・鋼管杭 頭部中詰めコンクリートの対応
・薄層支持の先端支持力算定に対応
・液状化の判定機能の拡張


以降に、対応内容の概要をご紹介いたします。

拡大根固め工法への対応

既成杭(既成コンクリート杭、鋼管杭)について、拡大根固め部の入力に対応します。入力により、離間型、着底型のデータを作成することができます。拡大根固め部の入力を行った場合、下記の計算を行う事が可能です。

 

・根固め径を用いた先端断面積による支持力算定
・根固め径を用いた先端付近平均N値の算定
・計算書に拡大根固め部の形状を出力

 

また、先端付近N値の算定においては、従来、先端部の杭径を用いて算定していましたが、これを、杭径、節部径、根固め径、から選択できるように拡張します。拡大根固め工法においては、杭先端から算定範囲を取るのか、根固め部先端から範囲を取るのかの選択を設けますので、認定工法で定められる多くの方法に柔軟に対応できるようになります。

 

図1 拡大根固め部


鋼管杭 頭部中詰めコンクリートへの対応

鋼管杭の杭頭部に中詰めコンクリートを考慮できるように拡張します。計算条件にて、建築基礎構造設計指針2019年が選択されている場合は、「基礎部材の強度と変形性能(日本建築学会)」の杭頭部(鋼管内にコンクリートが充填されている領域)の記述に従い、限界値(許容値)を算定します。

建築基礎構造設計指針2001年が選択されている場合は、特に充填部の規定はありませんので、曲げモーメントの照査において、コンクリートを考慮した許容値を適用します。

せん断力照査においては、SC杭および「基礎部材の強度と変形性能」を参考に長期(使用限界状態)、短期(損傷限界状態)では、鋼管のみを考慮します。終局検討時には、鋼管とコンクリートのせん断強度を考慮します。

図2 鋼管杭中詰めコンクリート


薄層支持の先端支持力算定に対応

建築基礎構造設計指針2019年P217に記載される支持層が薄い場合(薄層支持)の先端支持力の算定に対応します。単杭の極限先端支持力度qp(kN/m2)について、支持層から決まるqp1(kN/m2)に加え、下層で決まるqp2(kN/m2)を算定し、いずれか小さい方を採用します。

qp=min(qp2,qp2)


ここに、
qp1 (kN/m2) : 支持層で決まる先端支持力度
qp2(kN/m2) : 下層で決まる先端支持力度
θ(°) : 荷重分散角度tan-10.3を推奨
qc(kN/m2) : 下層の極限支持力度で6Cuを推奨
Cu(kN/m2) : 下層の非排水せん断強さ


         

図3 薄層支持


液状化の判定機能の拡張

液状化の判定機能において、下記の拡張を行います。

 

  1. 1. 液状化の判定対象となる層の指定
  2. 従来、液状化の判定が不要な層がある場合、層内に含まれる測定点毎の条件で判定を行わないように調整する必要がありました。本バージョンでは、層毎に判定を行うか否かの設定を追加します。

  3. 2. 支持力の検討において、液状化の判定結果の反映
  4. 支持力の検討において、周面摩擦力については、層毎に考慮の有無を選択できますが、液状化判定の結果を反映し、液状化が生じると判定された層については、周面摩擦力を考慮すると設定されていてもその影響を無視できるように拡張します。これにより、液状化の判定結果で摩擦を無視する場合に手動で設定する必要がなくなります。

(Up&Coming '25 新年号掲載)

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