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 サポートトピックス・CAD/UC-1シリーズ

FRAMEマネージャのなぜ?解決フォーラム

IL計算における2主桁モデルの影響面積について

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FRAMEマネージャのIL計算では、上部構造を1本の棒部材とみなした橋軸方向の影響線解析が可能です。1本の棒部材に置き換える場合、活荷重の影響面積には一般的に(影響面積)=(載荷幅)×1.0で計算した値を入力します。しかし、上部構造が2主桁で片方の主桁のみ設計するような場合には、設計したい桁に着目した影響面積を算出する工夫が必要となります。
今回は、IL計算の中でも特にお問い合わせの多い、片側の主桁に着目した影響面積の考え方について解説します。

影響面積について

影響面積は活荷重を載荷する位置の横方向(橋軸直角方向)の幅を定義するデータです。車道幅員のうち主載荷幅(5.5m)に相当する部分を「主載荷荷重影響面積」、従載荷幅(5.5m以外)に相当する部分を「従載荷荷重影響面積」、歩道幅員に相当する部分を「群集荷重影響面積」に入力します。
幅員の変化を考慮する場合は、それぞれの「始左端側影響面積」「終右端側影響面積」に幅員変化を考慮した数値を入力します。幅員が変化しない場合、始左端側および終右端側の影響面積は同じです。
※車道がない場合、「主載荷荷重影響面積」「従載荷荷重影響面積」の入力は不要です。
※歩道がない場合、「群集荷重影響面積」の入力は不要です。


図1 影響面積の入力

1つの棒部材に置き換えて影響線解析を行う場合

橋軸直角方向の影響を考えず、1本の棒部材に主載荷荷重、従載荷荷重、群集荷重をそのまま作用させる場合、橋軸直角方向の影響線は図2のように考えることができます。この場合は、各荷重が載荷される幅員を影響面積として入力することになります。
・主載荷荷重影響面積A1=主載荷幅×1.0
・従載荷荷重影響面積A2=従載荷幅×1.0
・群集荷重影響面積A3=群集幅×1.0

図2 棒部材の影響面積

2主桁で片方の主桁のみ設計する場合

上部構造が2主桁で片方の主桁のみ設計する場合、橋軸直角方向の影響線を図3のように考えて各影響面積を算出し、本製品に入力します。このとき、設計する主桁にもっとも不利な応力が生じるよう主載荷荷重の載荷位置を決める必要があります。
例として、図3上側に左側の主桁に着目した場合の影響面積、図3下側に右側の主桁に着目した場合の影響面積を示しています。左側の主桁に着目した場合は、左側の主桁にもっとも不利な応力が生じるよう主載荷荷重を左側、従載荷荷重を右側に載荷しています。一方で、右側の主桁に着目した場合は、従載荷荷重を左側、主載荷荷重を右側に載荷しています。
なお、本製品のIL計算は、1つのモデルに対して1ケースのみ作成することが可能です。左側の主桁と右側の主桁の計算を両方行う場合は、別々にモデルを作成して計算を行ってください。

図3 片方の主桁に着目した影響面積

多主桁で構成される場合

上部構造が多主桁で構成される場合、橋軸直角方向の影響線の形状は橋軸方向の各位置で異なるため、格子解析等を用いる必要があります。弊社別製品「任意形格子桁の計算」のご利用をご検討ください。

(Up&Coming '25 秋の号掲載)

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