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一般財団法人 VR推進協議会は、様々な産業分野での活用と発展のため、メーカー・大学などの研究者・エンジニアに開放するVRを利用したバーチャルなプラットフォームを提供することを目指し、各種活動を展開します。
VR推進協議会では、VRデータのオープン化や共通基盤作りの体制を官民挙げて推進することを目的として、これまで、第1回北海道(2018年6月)、第2回秋田(2019年4月)、第3回大阪・第4回東京(2022年6月)、第5回名古屋(2023年9月)を、いずれも法人会員のフォーラムエイト協賛により開催してきました。6回目となる今回は仙台で実施。インフラDX、VR活用について、専門家の皆様よりご講演いただきました。
特別講演1「インフラ分野のDX概論」
佐藤氏は第2回VRシステムオブザイヤーを受賞した「DX研修用デジタル教材・除雪シミュレータ」の事例を含め、インフラDX推進への取り組みについてご講演いただきました。
近年、水害や土砂災害が頻発。東北地方においては毎年大規模な洪水が発生しており、さらなる頻発・激甚化が懸念されています。東北地方の特性として、「広大な面積」「人口減少・少子高齢化」「インフラの老朽化」「自然災害の頻発・激甚化」が課題とされ、それをi-Construction、DXにて移動時間解消や省力化で課題解消に向かっています。3Dデータを取得し、ICTを活用した情報化施工が進んでおり、ICT施工は2022年度で公告件数の87%で実施されています。また、2040年までの建設現場のオートメーション化としてi-Construction2.0として取り組み、「省人化」「安全確保」「働き方改革・新3K」を実現目標として掲げ、2024年度までに省人化3割(1.5倍の生産性向上)を目指しています。その中でもデジタルツインを利用したデータ連携のオートメーション化について国土交通データプラットフォームの連携データを拡充し、データの機能強化を予定しています。
特別講演2「名誉教授ドットコムのVR進化への寄与」
川添氏は我々が認識している空間とは異なる「曲がった空間」や、2視点撮像による立体視以上の「錯視」の世界、これらを融合するための「巨大なスパコンによる画像処理」等をテーマの中心とし、バーチャルリアリティとの出会いや体験、自身の研究も踏まえた内容でご講演いただきました。川添氏は持ち運べるサイズのホログラムを研究しており、実際の板を会場で紹介。また、自動運転技術について、カメラが複眼から単眼になった経緯などついてもに説明。色覚や図鑑の恐竜の色など、人間の知覚についての話題、枝は花はフィボナッチ数になっていることや、六角形に線を1本引いて五角形2つに分ける方法について、参加者を巻き込んで問いかけるなど、会場の関心を引かれていました。
最後に、様々なジャンルの英知と経験をビデオアーカイブとして無料公開している「伊達な大学院」を紹介いただき、参加者が動画を閲覧できる2次元バーコードも案内いただきました。
フォーラムエイトによる「VR・CG/F8VPS/NFTプレゼンテーション」
オープンセミナー後、懇親会での様子。乾杯の挨拶は講演者の川添良幸氏が行った。
(Up&Coming '24 盛夏号掲載)
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