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ユーザー紹介/第150回

株式会社アイデムコーポレーション

バス運転手採用イベントでUC-win/Roadバス運転シミュレータを活用

未経験層や若年層の採用に貢献しバス会社の人材不足の課題を解決

株式会社アイデムコーポレーション

URLhttps://www.aidem-cp.co.jp/

所在地東京都新宿区(本社)

業務内容
人材採用に特化した広告の企画提案型コンサルティング

アイデムコーポレーション広告営業部 下市 直輝氏

バス運転手採用に特化したオリジナルのサービスを提供

株式会社アイデムコーポレーションは、様々な媒体を通した総合求人サービスを提供している株式会社アイデムのグループ企業として1990年に設立され、求人に特化した広告代理店としての活動を行っています。アイデムでは関東・東海・関西・岡山・福岡に事業所を構えて「しごと情報アイデム」や「イーアイデム フリーペーパー版」などを発行しており、アイデムコーポレーションではそれらがカバーしていないエリアの求人広告を全国的に取り扱う形をとっています。

全国的な広告代理店の機能を持つ広告営業部と、アイデムの求人媒体に特化した代理店営業部という大きく二つに分かれた部門で構成されているアイデムコーポレーションが、独自展開している商品として、バス運転手採用に特化した「BusGear(バスギア)サービス」と、シルバー人材の採用に特化した「シルバーギア」があります。

この中でバスギアサービスは、バス運転手になるための情報や採用ホームページを集約する総合サイトの「バスギアターミナル」、バス運転手を採用するバス会社専用ホームページの「バスギア」、バス運転手採用イベント(合同企業説明会)の「バスギアエキスポ」という3つの柱として展開されており、これらの連携により運転手採用活動を強力にサポートするプラットホームとして、他にないオリジナルのサービスとなっています。

「バスギアのコンセプトは、バス運転手の仕事に興味を持っていただきたい潜在層の方々に対して、バス会社様の魅力を伝えられるようなコンテンツを発信することです。通常の求人サイトではなく採用ホームページとして運営していることには、インタビューや各企業のPRポイントなどを採用ホームページの中に盛り込んで、企業を身近に感じ、興味を持っていただいきたいという思いがあります。同様に、バスギアエキスポとして実施するリアルイベントの合同企業説明会でも、バス運転手という仕事を知り、より親しみや関心を持ってもらうために、UC-win/Roadのバス運転シミュレータを導入しました」。(アイデムコーポレーション広告営業部 下市直輝氏)

バス運転手への需要が高まるのに反比例して求職者の供給が追いついていない現状を解消するため未経験者や潜在層、若年層の開拓に加え、シルバー層への働きかけに尽力

UC-win/Roadバス運転シミュレータ導入の経緯

同社のリアルイベントは2020年のパンデミック期には一時クローズとなり、状況が沈静化して以降も社会全体として接触型のイベントが敬遠される傾向が続いたものの、いわゆる「物流の2024年問題」に直面する中でバス運転手の採用が全体的に難しくなってきたことから、近年は再びリアルイベントの需要が高まりつつありました。このような背景で、2024年には新宿NSビルの大会場を使って2度のイベントを開催したところ、業界特化の大規模イベント自体が少ないこともあり、参加した各社からは人材マッチング効果についての好反応が得られました。2025年にはさらに会場を拡大してより多くの企業からの参画を目指す中で、トークセッションだけでなく会場内のひとつの企画として何かできないかという声が社内でも浮上。その中で、パンデミック期以前にも実施していたシミュレータイベントを復活してはどうかという流れになり、今回、改めてフォーラムエイトのバス運転シミュレータを導入することになったといいます。

次世代を担う未経験層の採用にシミュレータが貢献

同社は、2025年5月に新宿のルミネゼロで開催された合同企業説明会「バスギアエキスポ東京2025」において、このバス運転シミュレータを使用した体験イベントを初めて実施。合計40社が出展する中で、多くの参加者に運転シミュレーションを提供することができました。

「実機に近いハンドルが使われていたり、VR空間の中で実際にバス停を回ってドアを開閉したりといったシミュレーションが組み込まれていて、以前使用していたシステムよりも格段にリアルになったという実感があります。また、これまでバスの運転経験がない状態でシミュレータを体験した参加者からは、車体サイズやハンドルを切るタイミングなど、普通車と大型車との感覚の違いや、運転時に注意しなければならないバス特有の事象などが、実際にわかってよかったという声もありました」。(下市氏)

また、シミュレータを活用した企画はイベントの集客そのものにも役立っています。従来から参加が多かった40代から50代の年齢層を中心とする現職ドライバーが即戦力として必要とされるのはもちろんのこと、昨今の人材不足を背景として、バス会社各社は次世代を担う若い人達や未経験層をいかに採用するかという点に重きを置いており、そういった人材にアプローチする上でもシミュレータが貢献していると下市氏は述べます。

「特にこの5月から6月にかけての時期は翌年の新卒者が就職活動で動いている時期でもあり、実際に今回のイベント参加者の中にも大学生がいました。学生なので当然ですが、普通免許しか取れていないという状況でシミュレータを体験することで、前もってリアルにバス運転のイメージを把握し、バス会社を少しでも身近に感じてもらえたり、業務に倒する理解が深まるといった効果があります」。(下市氏)

バスギアエキスポの様子

今年5月のエキスポでの様子。40社もの参加企業が集まり、総来者数は200人を超え、バス業界に特化したテーマとして多くの関心を得た

イベントブースで行われたシミュレーション体験では、来場者の画面酔いなどを考慮しヘッドセットでの体験と画面のみでの体験を提供

実際の路上環境でのバス運転シミュレーションが好評

バス運転では、周辺環境を常に把握した上で乗車にも注意を払う必要があり、イベントで活用されたシミュレータは、指差し確認やミラー確認など、実際の運転と同様の体験ができることに加えて、近年増加しつつある電動キックボードなど、最新の交通状況が反映されている点も好評を集めました。このように、実際の路上に則した細やかな部分を再現できることに加えて、一度作成したデータは、交通状況の変化に応じてシナリオを更新したり空間を拡張して、継続的に活用することができるのも、VRシミュレーションのメリットのひとつです。

UC-win/Road バス運転シミュレータ

シナリオ再生後は画面上部に指示のテロップが表示され、それに従いバスを操作しバス停まで運転する。

障害物のや工事現場による車線規制に沿った運転

電動スクーターの飛び出し

障害物などに衝突すると警告が出る

バス停への停車

交差点の右折のシミュレーション

俯瞰視点からバスの動きも確認できる

「今回は路線がメインの安全運転をテーマとしたデータを使用しましたが、最近はインバウンドが急速に復活しつつあることから、高速バスや観光バスなどの事業者様向けに、渋滞編や高速バス編などのシミュレーションにも展開を広げたいというアイデアが上がっています。採用のみならず教育訓練という意味合いで、大型二種免許を持っている経験者層に向けた高速バス運転の疑似体験の提供も検討しています。また、VRデータでバスの車体の色やデザインを簡単に変更することができるので、参加した企業様自体で開催しているイベントで、車体のコーポレートカラーや路線環境などを切り替えて活用したいという声も上がっています」。(下市氏)

2025年のバスギアエキスポは、5月の東京開催を第1弾として、地方では大阪・梅田、横浜、福岡、名古屋、大宮での合計6か所のリアルイベントを開催。そのすべてにUC-win/Roadバス運転シミュレータを展示する予定だといいます。さらに、全国のバス会社からの需要を背景にハイブリッドでの開催も検討しており、オンラインイベントでのメタバースの活用も視野に入れています。

広告営業部のみなさん

(Up&Coming '25 盛夏号掲載)