3D・CGコンテンツ事業を展開するゲーム開発グループによる本連載では、
同社のゲームコンテンツ関連技術とUC-win/RoadのVR技術とのコラボレーションによる新たな展開から、
クリエイター陣による企画・制作のノウハウまで、様々な内容を紹介していきます。
動画機能、Spot Light機能と新ゲームのリリース
2021年12月にリリースしたスイート千鳥エンジンⓇ Ver.1.08.00では、新機能として、動画の再生機能および、再生可能な形式へ動画データを変換するツールを追加しました。また、Spot Light機能に対応しました。
1. 動画機能
動画を画面いっぱいの大きさ、もしくは、オリジナルの大きさで再生できる機能です。ゲーム起動時にゲームのイメージを表す動画を再生したり、ゲーム中の重要なポイントで場面を盛り上げる動画を再生したりすることなどに利用できます。
再生できる動画のファイル形式はAVI形式に対応しており、映像はMotion JPEG形式、音声はPCM形式に対応しています。再生する動画に対しては、ループ再生させるかどうかを指定することができ、再生中は、停止、一時停止、一時停止した動画の再開を行うことができます。
また、任意の動画データを、スイート千鳥エンジンに対応した形式の動画ファイルに変換するツール「MJPEGコンバーター」を追加しています。
「MJPEGコンバーター」では、指定した動画データを、映像をMotion JPEG形式、音声をPCM形式のAVI形式ファイルに変換できます。「MJPEGコンバーター」を使用することで、使用したい動画データがスイート千鳥エンジンに対応していない場合でも、対応した形式に変換してゲームアプリで再生することができます。
2. SpotLight機能
スイート千鳥エンジンではこれまで、一定の方向を同じ強さで照らす光を表現するDirectional Lightと、空間に散乱された光を表現するAmbient Lightの2つのライティング機能が使用できていましたが、それらに加えて、Spot Lightに対応しました。Spot Lightを利用するには、新しく追加したシェーダーファイルを取り込む必要があります。
Spot Lightでは、空間上の一点からコーン状に放たれる光を表現できます。例えば、街灯や懐中電灯のように、一つの方向を一定範囲のみ照らす場合に利用できます。Spot Light は一度に4つまで有効にすることができます。また、Spot Lightでは、以下のパラメータを設定できます。
|
||||||||||||
表1 各要素についての説明 |
FORUM8ランチャーに搭載されているゲーム「猫とラビリンス」をスイート千鳥エンジンに移植したものを追加しました。
「猫とラビリンス」は、箱を移動させて移動可能な道を作り、黒猫を白猫のいるところまで導くパズルゲームです。
下図のステージでは、画面下方の青色のパネルに黒猫が、画面左上の赤色のパネルに白猫がいます。
黒猫と白猫の間には障害物となる箱や穴があるので、箱を動かしたり穴に箱を落としたりして、黒猫が通ることのできる道を確保する必要があります。動かすことのできる箱には、四方に動かせる赤色の箱、左右にのみ動かせるオレンジ色の箱、上下にのみ動かせる抹茶色の箱の3種類があります。また、道が複数ある場合や脇道がある場合は、どの道を進めばいいか黒猫が迷ってしまうため、1つの道に絞る必要もあります。例えば下図では、左上にいる白猫までの道の途中に脇道があるため、黒猫のあしあとがその場所で止まってしまっています。黒猫が左上の白猫までたどり着くにはどのように箱を動かして道を作ればよいか、実際にゲームをプレイして考えてみましょう。
ステージごとに設定された手数を越えて動かすとゲームオーバーになってしまうため、決められた手数内でどう動かせば道ができるか、それぞれの箱の動きを把握しながら考える必要があります。全5ステージあり、白猫までの道を作る手数が少なければ少ないほど、スコアが高くなります。
(Up&Coming '22 新年号掲載)
|
Up&Coming |
LOADING