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建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナーのレポート。新製品をはじめ、各種UC-1技術セミナーについてご紹介します。製品概要・特長、体験内容、事例・活用例、イエイリコメントと提案、製品の今後の展望などをお届けする予定です。 |
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国土強靭化の取り組み 2020年に開催されたフォーラムエイト恒例のイベント「デザイン・フェスティバル」で、内閣官房 国土強靱化推進室 参事官の山本泰司氏は、「国土強靭化に向けた最近の取組」と題して講演しました。今回のセミナーでは、その内容を紹介する形で、日本における国土強靭化の取り組みや効果をわかりやすく解説しました。 国土強靭化は、過去の大災害から得られた教訓をもとに計画されています。1959年に発生した伊勢湾台風では、明治以降最多の死者・行方不明者を出し、防災対策の原点となったほか「災害基本法」制定のきっかけになりました。 1995年に発生した阪神・淡路大震災では、大規模な市街地延焼火災が発生したほか、高速道路の高架橋の倒壊など、多大な人的・物的被害が発生しました。その教訓により、インフラの耐震性強化や、「自助」・「共助」の大切さが認識され「減災」という概念が定着しました。 実際、平成30年9月に大阪湾を襲った台風21号では、それまで最高だった、昭和36年の第二室戸台風の潮位を36センチメートルも上回ったにもかかわらず、前回は約3100haにも及んだ浸水面積がゼロに、約13万戸あった浸水戸数もゼロと、被害をなくすことができたのです。 海岸や河川堤防などの整備費は約1300億円、昭和40年以降の維持管理費は約200億円だったのに対し、高潮対策が行われなかった場合の被害額は約17兆円と見込まれています。こうした数字からも、国土強靭化の費用対効果が高いことがわかります。
レジリエンス・デザインのアワード フォーラムエイトは、国土強靭化に対応したソリューションを早くから提供しており、その内容は社会インフラを強化するためのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)による計画・設計から、解析、シミュレーション、そしてVR(仮想現実)による被害の可視化や国土交通省が推進する「i-Construction」まで、幅広く対応しています。 フォーラムエイトでは国土強靭化に取り組む技術者を支援しようと、2014年から「ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(略称:NaRDA)」というコンテストを行っています。 フォーラムエイトのBIM/CIMやVR、解析、シミュレーションソフトやクラウドなどを活用して行った、社会インフラの耐震性照査や補強、被害シミュレーションなど「作品」として評価し、毎年秋に開催される「デザインフェスティバル」で表彰するものです。
製品概要・特長 「国土強靭化」というのは、自然災害に対してあらかじめ備えを行い、被害を最小限に収めるための取り組みです。フォーラムエイトでは「IM&VR/国土強靭化ソリューション」として、リアルタイムVRシステム「UC-win/Road」や、設計・解析ソリューション「UC-1 Engineer’s Studio」、BIM/CIMソフト「Allplan」シリーズなどをプロジェクトのフェーズ別に提供しています。 そのフェーズ別内容とは(1)設計打ち合わせ、(2)地盤・測量データ確認、(3)一般図(モデル)作成、(4)構造物チェック(配筋干渉)、(5)作図・図化・シミュレーション、(6)設計照査、(7)数量算出・積算・入札、(8)施工・i-Constructionです。
また工種別にもソリューションを提供しており、その内容は、(1)鋼構造及びコンクリート、道路、(2)都市及び地方計画、港湾及び空港、鉄道、(3)土質及び基礎、河川、砂防及び海岸・海洋、(4)電力土木・トンネル・施工計画・施工設備及び瀬金・建設環境、(5)IT関連、その他、となっています。 これらの「フェーズ別」と「工種別」のソリューションが縦横の糸のように、国土強靭化の縦横をカバーし、ソリューション間で「IFC形式」や「LandXML形式」などによってデータ交換を行い、柔軟な対策を実現できるのが特徴と言えるでしょう。
洪水などの激甚化の原因となる地球温暖化を防ぐためには、建物のエネルギー効率を高め、CO2排出量の削減につなげるという、国土強靭化の根本的な対策といっても良いでしょう。 建物の外形や窓の大きさ、位置のほか、壁の断熱材の材質や厚さ、床や壁の仕様と、太陽からの日射などを解析して、建物の窓、壁、人の発熱などを集計して熱収支を求めたり、必要な換気量を求めたりすることができます。 CFD解析では、室内に空調吹き出し口を設置して、室内各部の風速や温度分布を3D解析で求めました。その結果は、次のAllplan実習で利用するため、3DDXF形式に書き出しました。
続くAllplanの実習では、Allplanに先ほどの3DDXFデータを読み込んでテクスチャー割り当てなどの編集を行った後、別の建物モデルを使ってファサードなどのBIMモデリングや3D配筋、数量計算を行いました。
その次は、UC-win/Roadの実習です。道路が配置された地形モデルの上に、先ほどAllplanで作成した建物を配置し、ウォークスルーによる景観検討や日影シミュレーション、環境アセスメントプラグインによる日照計算を行いました。
続いて統合形3Dコンテンツ制作ソフト「Shade3D」で、UC-win/Roadのデータを「3DS形式」で読み込み、屋根の材質をよりリアルなデータに設定して高画質なレンダリングを行いました。 最後に「BIM/CIM設計照査ツール」に、IFC形式で橋脚のCIMモデルを読み込み、鉄筋同士の干渉チェックを行い、その結果に基づいて設計段階で干渉回避を行う実習で終わりました。
イエイリコメントと提案 国土強靭化や、構造物の維持管理における「予防保全」は、被害が発生してから復旧や復興を行う方法に比べて、極めてコストパフォーマンスが非常に高いので、今後、人口が減少の一途をたどる日本では、必要不可欠な取り組み手法になるでしょう。 その半面、目の前に被害が発生していないうちに対策を行うため、一般の人にはその必要性が分かりにくく、「先送り」されがちになるおそれもあります。 そんなとき、フォーラムエイトのUC-win/RoadやF8VPS(バーチャルプラットフォームシステム)などのソリューションは、被害が発生したときの状況をイメージしてもらうのに大変、効果的です。今後、“防災分野のフロントローディング”には、VR関連のシステムは欠かせないソリューションになりそうです。 ●次号掲載予定 動的解析セミナー(既設・補強編) 2022年1月25日(火) |
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(Up&Coming '22 新年号掲載) |
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