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建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナーのレポート。新製品をはじめ、各種UC-1技術セミナーについてご紹介します。製品概要・特長、体験内容、事例・活用例、イエイリコメントと提案、製品の今後の展望などをお届けする予定です。 |
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製品概要・特長 フォーラムエイトの新製品「F8VPS」(Forum 8 Virtual Platform System)とは、その名の通り、クラウド上にVR(仮想現実)の世界を作るためのプラットフォームシステムです。今回のセミナーでは、この製品を使って、現実のショールームや展示会場、学校の教室などの現実空間を、VR上に再現し、実際の現場に出掛けなくてもプレゼンテーションや施設案内、教育などを行う手順を体験するものです。F8VPSの約20年前から、フォーラムエイトではおなじみのリアルタイムバーチャルリアリティーシステム「UC-win/Road」を開発、販売してきました。この製品は、道路の設計をVR上でわかりやすく行える点で定評がありました。 設計した道路を、ドライビングシミュレーターで運転したり、信号制御によってクルマの渋滞や走行速度がどう変わるかをシミュレーションしたりといった、道路と他のシステムを同じVR空間上で連携させて検討するといった拡張性も備えています。その結果、フォーラムエイトの設計・解析やシミュレーション用のソフトには、UC-win/Roadとのデータ連携機能が次々と装備され、UC-win/Road上で結果を集約して可視化になりました。 すると、UC-win/Roadの役割は、道路の設計だけでなく、まちづくりや防災、屋内と、あらゆる空間をVRで再現するツールへと広がりました。
さらにフォーラムエイトはUC-win/Roadなどをクラウド上で扱えるようにした「VR Cloud®」という製品も開発しました。 実物を再現したVRがクラウド上で情報共有できるとなると、様々な現場にかかわる業務や体験を、テレワークやリモートで行うための「デジタルツイン」や「メタバース」としての進化を遂げたことになります。 このように、UC-win/RoadやVR Cloud®の進化と、実際の現場で行われる幅広い業務をテレワークやリモートで行いたいという世の中のニーズが相まって登場したのが「F8VPS」という製品なのです。
体験内容
その機能はUC-win/Roadと同様に実感性の高いVR空間を作ったり体験したりするものもありますが、さらに「人」に関するものが多く備わっています。例えばWeb会議をスムーズに行う機能や、ログイン、行動によるユーザー情報の取得機能などです。 さらにオプション機能では、メンタルヘルスや心拍数までを可視化する「健康管理」やバーチャル店舗での買い物が行える「EC決済」、そして「アンケート・投票」などの機能までが提供されます。こうした機能は人がVR空間に集まり、意思決定や購入といった行動を後押しするものです。VR空間内で物事を進めることにより生産性を高める機能として注目されます。
フォーラムエイトでは、令和3年度から「XR技術を用いた次世代コミュニケーションプラットフォーム」の開発を行っています。3DVR空間上に、実空間にある教室とそっくりなバーチャルな「遠隔教室」のシステムを開発しました。講師や生徒は、VR空間でも実空間でも授業に参加できます。実証実験には大阪大学大学院、中央大学、アリゾナ州立大学などが参加しました。 実証実験の結果、3Dモデルを教材に用いると立体感やスケール感がわかりやすく、通常のウェブ会議よりも高い臨場感が得られる、人と人との距離感や相手への話しかけなど、コミュニケーション面での効果が確認できました。
参加者による実習では、バーチャル展示会場のVRモデルを開き、クルマや鉄道シミュレーターの運転台、カタログ台などを配置するデモを見たほか、参加者自身がVR空間にログインしてアバターとして入り込み、仮想の教室や橋梁の下などを歩き回りながらコミュニケーションを図る体験を行いました。 F8VPSは使用期間に応じて料金を払う「サブスクリプション」方式で提供され、1年目の基本ライセンスは1サーバー当たり50万円(税別。以下同じ)です。2年目以降は半額になります。また、1ユーザー当たり、毎月1,800円で使えます。高度な検討や合意形成が、遠隔で行えるので、実際の現場に集まって検討する場合に比べて、交通費や移動時の時間が大幅に削減されることを考えると、かなりリーズナブルと言えそうです。
イエイリコメントと提案 フォーラムエイトは毎年秋に「デザインフェスティバル」という大規模なイベントを開催しており、その中でユーザーがUC-win/Roadで作成した道路や街並みなどの作品を競う「3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド」というコンテストが行われます。 最近の作品は、道路の設計以外に、研究所全体のモデル化や江戸時代の船運、建機の遠隔操縦、建築物など、多岐にわたっています。コンテストに参加した作品から他の人がインスピレーションを受け、さらに新しい分野への活用が広がっていくという好循環が毎年、繰り返されているように感じます。 今回、幅広い分野にVRを活用できるF8VPSという製品が誕生した背景には、フォーラムエイトのイベントを通じたユーザーとのコミュニケーションがあったことも大きかったのではと感じます。 ●次号掲載予定 Shade3Dセミナー(応用編) 2022年7月1日(金) |
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(Up&Coming '22 盛夏号掲載) |
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