ピルビスワーク実践講座
連載 第12回
動けるからだを造るピルビスワーク
「骨密度を上げる骨盤矯正」
一般社団法人 日本ピルビスワーク協会
立花 みどり
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立花みどり
ウォーキングの恩恵
毎日行う運動として医師も勧めるウォーキング。ウォーキングの主な目的は、太らない・足腰が弱らない・体力が落ちないなどの目的で習慣にしている方が多いですが、ウォーキングで得られる最大の恩恵は「骨密度を高めることができる」なのです。
私たちが歩く時に、かかとが地面に接地した瞬間に地面との間に反発力が生じ、かかとから全身の骨全体に振動が伝わります。
この振動が骨を刺激して、骨代謝の低下を防ぎます。骨代謝とは、骨は骨の中で骨を作り、骨の中で骨を解かす働きのこと。この骨代謝にはホルモンの助けが必要なので、加齢でホルモンが低下する年代に入ると骨代謝が低下し、骨密度の低下につながります。
このことから特に閉経後の女性は骨粗鬆症に注意が必要になりますが、男性も油断はできません。
骨密度の低下は、骨や関節がもろくなり、筋肉の支えである骨が弱くなると筋力も低下し、無駄な力や緊張を余儀なくされ、骨格の歪みも進行します。また、動く事がめんどうに感じたり、若い時のような俊敏でキレの良い動作ができなくなります。
骨格が歪むと感覚神経も衰える
昨今の老若男女に動作が鈍くなる傾向があるのは、座りっぱなしや、ワンパターンの動き、偏った運動をする事が影響していると予想しますが、これによって骨密度の低下と共に「感覚神経の低下」が起こり、脳と神経が衰えた老化現象の現れかもしれません。
例えば
「思った通りに体が動かない」
「慣れた家の中でもつまずいて転ぶ事がある」
「行きたい場所があるのにおっくうで行けない」など
思い当たる方は、若くても体の動きに関わる感覚神経や体性神経が衰え始めているかもしれません。
肉体の老化を予防改善する“骨の振動”
それらを予防、改善するのに、骨に振動刺激を充分に与える事が役立ちます。さらに感覚神経にも影響させるには、自分では無い他人の力や物の感触を頼りに、体の至るところを触ったり、突いたり、擦ったりする事で衰えを予防・活性化できます。
骨や感覚神経に与えられた振動刺激や接触刺激は、体が動いている情報として脳に伝達され、その刺激を繰り返し与え続けると、徐々に自分の意志で動かせるのです。
筋トレをする前に骨を刺激して矯正するメリット
スポーツ科学の発展で、今では高齢者も筋トレをするとQOLが向上すると認知されていますが、骨代謝や骨密度が低下し、骨盤や脚のラインに歪みが起きると、関節や筋肉に負担がかかりやすくなります。それを避けるためには筋トレ前に骨盤や脚の矯正を行うと、感覚神経が刺激されて、筋肉の動きが上達しやすくなります。
やり方は簡単。
骨を手で触れて「ここに骨がある」と感覚を入力し、さらに骨に振動型マッサージ器で振動刺激を与えます。
特に大切なのは「足裏」と「かかと」です。動きの土台であり、感覚神経やツボが集中しているためです。また、姿勢を支える「骨盤」への刺激も大切です。
マッサージ器は、骨を軽く圧迫するように、骨に対して垂直に当てるようにします。それにより、皮膚と筋肉や関節に関わっている感覚神経が刺激され、脳に新しい情報として伝達され、自らの意志で動きやすくなります。骨は振動や圧迫を与える事で、骨代謝や骨密度を高めながら、自ら形を整える性質もあるので、骨盤は締まりやすく、脚の歪みも矯正されると、若々しい姿勢とキレのある歩き方や動作へと変化しやすくなります。
実際に、3週間骨振動を続けた方の脚のラインをご覧ください。
背面
横
外に広がっていた骨盤が引き締まり、脚のラインもまっすぐになり骨の歪みが矯正されています。横からみた立ち姿勢をご覧いただくと、足首や股関節が矯正されたことでヒップの位置が変わったことも表れています。
ご本人も「脚の疲れが無くなって身体がラクになった」「腰痛が良くなった」「脚が細くなって洋服がゆるくなった!」と効果も実感されています。
私たちの骨盤は、就寝中に自動的に形を整える働きがあると言われていますので、寝る前のリラックスタイムを活かして、就寝中に骨盤が整う、かかとと股関節周囲の骨を振動させるケアを1分動画で紹介していますのでお試しください。
毎日就寝前のボーンビートで20年後も若々しい体と動きを叶えましょう。
詳しくは上記YouTube動画で紹介していますのでぜひご覧ください。
(Up&Coming '24 盛夏号掲載)
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