イタイイタイ病は、岐阜県の神岡鉱山の精錬による未処理廃水により、下流富山県で発生した日本初の公害病で、水俣病、四日市ぜんそく等の四大公害病の一つです。カドミウムに汚染された地域で生産された食品等が原因で、1,630haの農地に対して農用地汚染防止法による土壌復元事業がなされ、平成24年(2012年)3月に完了しました。なお、鉱山は平成13年(2001年)に廃鉱となりました。
この鉱山の地下1,000mに築造した3,000tの純水を満たした円筒状タンクがカミオカンデ(1983年完成)で、新星爆発によるニュートリノ検出に成功した小柴昌敏氏(2020年11月12日
94才で死去)は2002年ノーベル物理学賞を受賞し、その後スーパーカミオカンデ(50,000tの純水タンク 1995年完成)による「ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見」で、梶田隆章氏が2015年ノーベル物理学賞を受賞しました。
上記2名のほかに田中耕一氏(2002年 化学賞、富山市出身)、利根川進氏(1987年 医学・生理学賞、小1~中1間大沢野町に在住)、白川英樹(2000年 化学賞、小3~高3を高山市)の3名を加えて、神通川流域を縦断する国道41号線の富山~高山市間(約90km)に、5名のノーベル受賞者がいらっしゃるので、富山・岐阜の両県はこの間の国道を「ノーベル街道」と名づけて広報しています。なお、古来この街道は日本海で獲れたブリを内陸に運んだ道路で、「ブリ街道」と言われていました。
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