1)流域とは「広辞苑」第6版によれば「河川の流れ行く地域。また、その河川の四囲にある分水界によって囲まれた区域」と記載されています。「川の流域面積」という場合、通常は河口から上流の、水が集まってくる全域をいいますが、河川工学では、治水上重要地点での面積を言う場合があります。利根川(坂東太郎)の八斗島(やつたじま)等、筑後川(筑紫次郎)の荒瀬等、吉野川(四国三郎)の岩津等その例は多くあり、2級河川で船橋市域の1/3を占める海老川の「船橋本町」(JR線上流)等も、その事例です。
2)河川では上流から下流に向かって右側を右岸、左側を左岸というと定義されており、堤防を挟んで川側が堤外、建物や耕地がある方が堤内です。内水とは堤内に溜る水を言い、内水氾濫の排除のために、必要があればポンプ排水が必要です。これに対して川を流れる洪水は外水氾濫とも言われています。
3)各地点の雨量は直径20cmの円筒状計器で測ります。面積雨量はティーセン法又は等雨量線法で求めますが、等雨量線法は等雨量線の引き方による個人差が大きいので、あまり使用されません。ティーセン法は、アメリカの気象学者アルフレッド・ティーセンが考えた方法で、各雨量観測所を結んでできる三角形の二等分線によってできる多角形及び流域界により、その雨量観測所の占める支配面積を算定するもので、式-①で算定できます。
Pm(地点面積雨量)=∑PiAi/∑Ai 式-①
Pi:1番目の地点雨量(mm)、Ai:i番目地点雨量の支配面積(km2)
4)洪水流量は、近くの橋から浮子を流して、その流速を測定し、河川の断面積を乗じて求めますが、河岸や川底の流速は遅く、断面積も洪水時は変化する等正確な流量を求めることは至難です。
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写真1 海老川支川 長津川の左右岸
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