備前屋にチェックイン。そして、郡上八幡まちなみ観光案内人に案内してもらいながら、城下町をまちあるき【図2】。話題の中心はやはり水との関わり。
観光バスが集まる城下町プラザから歩き始めてすぐに出会ったのが、アスファルトの道端に勢いよく流れる水路。ところどころに、水路の水を堰き止める堰板が置かれてある【図3】。国の重要伝統的建造物保存地区に指定されている、職人町、鍛冶屋町を歩いていると、家の中から住人が出てきて、堰板で水を堰き止めて水を溜めて、何か洗いものをしている。これが日常の風景なのだそう。この辺りは、過去の大火の経験から、水路は防火目的で張り巡らされ、家の軒下には火の用心バケツや半鐘が吊るされていた。間口の狭い、袖壁が続く家並みも印象的であった【図4】。
本町まで南下。桜間見屋で買った特辛の肉桂玉を頬張りながら石畳を下り、「日本名水百選」第1号に選ばれた湧き水「宗祇水」へ。石で築かれた水場は、湧口から水源、飲料水、米等洗場、野菜等洗場、さらし場(食器等の洗浄場)の順となる【図5】。小駄良川に面した家並みは、川側から見ると3階建てだが、道路側からは2階建てと独特。背後に迫った山並みが、家並みの垂直性を助けている【図6】。
宮ケ瀬橋を渡る。ごつごつとした岩盤の上に建物がしがみついている風景。郡上八幡旧庁舎記念館を抜けて、いがわ小径へ。民家の裏手、鳥谷用水沿いに続く、幅1mの小さな生活道路。今も、洗濯物の濯ぎ、芋洗いなど生活の一部として水路を利用している。鯉、イワナ、ニジマスが寄ってきた【図7】。
新橋は、夏になると子供たちがここから川に飛び込む。聞くと、橋から水面までは12mもあり、高飛び込み競技の10mを上回るほど。川面を覗いてみたが、とてもとても無理な高さであった。 |