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等流・不等流計算・3DCADのなぜ? 解決フォーラム

不等流計算による河川の流下能力の算定

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本製品は、不等流計算による河川の流下能力の算定方法についてのお問合せが多く寄せられます。ここでは、不等流計算による河川の流下能力算定と、本製品の対応について説明します。

河川の流下能力

河川の流下能力は、河川が氾濫する状況を調査する場合等に利用されます。流下能力として、河道断面ごとに氾濫開始水位を設定し、この水位における流量(氾濫開始流量)を求めます。図1のように、洪水時に想定される流量が氾濫開始流量を超えた区間で、氾濫が起こる可能性があると判断します。


図1 氾濫が想定される区間の検討

氾濫開始流量を算出する方法の1つとして、不等流計算があります。しかし、不等流計算は流量から水位を求める計算ですので、氾濫開始水位における流量を求めることはできません。このため、河道断面ごとにH-Q式を作成して、指定した水位における流量を求めます。本製品では、「H-Q式流下能力」としてこの機能を用意しています。

H-Q式の算出

H-Q式は、水位Hと流量Qの関係を、式Q=a(H+b)2で表現したものです。流量を変えた複数ケースの不等流計算を行って、各断面の(水位Hi,流量Qi)を算出します。断面ごとに、式Q=a(H+b)2の曲線と(Hi、Qi)の誤差が最小となる変数a、bを最小二乗法により求めて、H-Q式を作成します。H-Q式が求まれば、氾濫開始水位Hをこの式に代入して、氾濫開始流量Qを求めることができます。H-Q式と不等流計算結果、およびH-Q式と指定水位における流量の関係を図2に示します。図の灰色の線は、水位(縦軸)の高さに合わせた断面形状を参考として表したものです。


図2 断面のH-Q曲線

H-Q式流下能力の入力と結果画面

本製品でH-Q式流下能力を作成する場合、最初に、図3のように同じ計算条件下で流量を変更した複数ケースの不等流計算を定義します。このとき、水位が断面高を超える状態でも計算を続行できるように計算条件の「不等流水位の検索範囲」を1.00倍よりも大きな値に設定します。次に、図4のようにタブ「HQ式流下能力」で、H-Q式に使用する計算条件と計算ケースを選択して、不等流計算を実行します。H-Q式流下能力の計算結果は、図5の結果画面の「H-Q式による流下能力」タブ、および計算書で確認することができます。


なお、流量と水位の関係を表すH-Q式を求める際に、計算方法の異なる (Hi、Qi)を含んでしまうと、HとQの正しい相関関係を得ることができません。このため、H-Q式に考慮する結果は、各断面ごとに同じ計算方法のみ(常流のみ、射流のみ、限界水深のみ等)参照します。不等流の計算条件を、常流、または射流とした場合に計算可能としています。


図3 複数の流量ケースを検討する不等流計算 図4 H-Q式流下能力の計算条件指定 図5 H-Q式流下能力の結果画面




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(Up&Coming '21 新年号掲載)
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