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「深礎フレームの設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」(以下、深礎フレーム)で荷重分担率の算出を行っておりますが、この考え方等について多くのお問い合わせを頂いております。 そこで、今回は「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)」(以下、深礎便覧)に掲載されている荷重分担率について、プログラムでの考え方や扱いについてご紹介いたします。 なお深礎便覧では算出方法が明確にされていません。そのため、以下は弊社で論理的と考えられる方法で行っています。 組杭深礎基礎の設計では、各杭列を取り出して1列単位で照査を行います。 例えば、橋軸方向に2本、橋軸直角方向に3本の杭を配置した場合で、橋軸方向の照査を行う場合は、2本の組杭が3列できます。 この3列の杭長や地盤条件が全く同じ場合は、1列あたりの照査に用いる荷重は、全荷重を杭列数で等分(3列の場合は3等分)した荷重を用います。 しかし条件が異なる場合では等分にはなりませんので、それぞれの杭列が分担する荷重を求める必要があります。 深礎便覧では、荷重分担率の算出方法として次の3つが記載されています。
※深礎便覧では2、3は1つにまとめられています。 ※いずれの方法も成果品として面内平面ラーメンモデルで解析を行うために用いる荷重分担率を算出します。 1.立体ラーメンモデルを用いる方法 深礎フレームには2種類の立体モデルを用いた荷重分担率の算出機能があります。
それぞれの特徴は次の通りです。
杭配置や地盤条件の設定など、立体モデルに使う解析モデルの作成までは、通常の設計と同じ要領で作成します。 (1)(2)とも弊社のEngineer's Studio®ソルバーを使って解析を行います(データのエクスポートも可)。 実際の形状に沿った杭配置で全体解析を行いますので、各杭間の影響が正確に反映できるモデルになります。 しかしながら杭底面の条件の考え方などの不明点もあるため、改善の余地があります。 2.平面ラーメンモデルを用いる方法(面外平面ラーメンモデル、深礎便覧の図-Ⅲ.2.28(a)の方法) 1列の面外解析モデルを取り出して解析を行います。1.の(1)を平面ラーメンモデルで行うイメージです。適用条件も同じです。 面外解析モデルで荷重分担率を算出し、別途、成果品用として面内解析モデルのデータを用意します。 この方法は杭列によって符号が異なる結果が出る場合があり、その場合には荷重分担率を算定できません。 荷重分担率算出用のデータ設定などは手作業で行います。 手順については製品のヘルプの「Q&A Q1-11」をご参考ください。 3.平面ラーメンモデルを用いる方法(面内平面ラーメンモデル、深礎便覧の図-Ⅲ.2.28(b)の方法 面内解析モデルの各杭列ごとに、柱基部位置に単位水平荷重を載荷して柱基部位置の水平変位を求めます。 各杭列の水平変位の逆数を、水平変位の逆数の全杭列分の合計で割ったものが、荷重分担率になります。 この方法のメリットは、荷重分担率算出に用いた解析モデルを、そのまま成果品のモデルとすることができる点と、必ず荷重分担率を算出することができる点です。 この方法を使う場合は、杭自重・底版自重を0とするために単位重量を0とする、ばねが外れないようにスイッチの変更を行うなど、いくつかの設定の変更が必要になります。 また、計算した結果を抽出し、荷重分担率を算定し、各荷重ケースに入力する-という操作を各杭列に対して行う必要があります。 「深礎フレームの設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」Ver.3で、この手順を自動で行う機能に対応しました(Advanced版)。 手順は次の通りです。
求めた荷重分担率を荷重ケースに取り込むには、計算結果画面にある「荷重分担率のコピー」ボタンを使います(図5)。 この画面で、求めた荷重分担率をコピーする荷重ケースを指定することができます。 「最小分担率を考慮する」にチェックを入れておくと、(杭列数分の1)と比較して大きい方が採用されます(杭列数が3列の場合ですと、0.3333と比較します)。 取り込んだ後は、そのまま成果品の設計を行うことができます(図6)。 |
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