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サポートトピックス・CAD/UC-1シリーズ | ||
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本製品では、せん断補強鉄筋の設計について、多くのお問い合わせをいただいています。今回はその中から、せん断疲労時のせん断補強鉄筋の安全性の検討について、「鉄道構造物等設計標準・同解説(平成16年)」(以下「鉄道指針」)と「コンクリート標準示方書(2012年制定)」(以下「コンクリート示方書」)の考え方を解説します。 「鉄道構造物等設計標準・同解説(平成16年)」の考え方について 鉄道指針に準拠する場合のせん断疲労破壊に関する安全性の照査の考え方について説明します。 入力された断面形状と設計軸方向圧縮力、設計曲げモーメント、部材係数γbを用いて、式(7.2.4)より、せん断補強鉄筋を用いないせん断耐力Vcdを求めます(図1)。また、式(7.3.1)より、せん断耐力Vcdと永久荷重のせん断力Vpd、入力された繰返し回数Nからせん断疲労耐力Vrcdを求めます(図2)。 せん断疲労耐力Vrcdと変動荷重のせん断力Vrdの比に構造物係数γiを掛け、1.00を満足するかどうかで安全性を検討します。1.00を満足しない場合、せん断補強鉄筋を考慮した安全性を検討します(図3)。 せん断補強鉄筋を考慮する場合は、準拠基準の指針に基づき、スターラップの設計変動応力度σwrd、永続作用による設計応力度σwpd、疲労強度fwrdを求めます(図4)。設計変動応力度と疲労強度を部材係数γbで除したfwrd/γbの比に構造物係数γiを掛け、1.00を満足するかどうかで安全性を検討します(図5)。 せん断補強鉄筋の応力度を計算する際(図4)、設計断面力の値によっては、マイナスの値を取る場合があります。このような場合について、鉄道指針には記載がないため、RC断面計算での取り決めに基づき、設計応力度の下限値である0.0としています。 コンクリート標準示方書(2012年制定)」の考え方について コンクリート示方書に準拠する場合のせん断疲労破壊に関する安全性の照査の考え方について説明します。 式(3.3.2)および式(3.3.3)より、せん断補強鉄筋の設計変動応力度σwrdと永続作用によるせん断補強鉄筋の設計応力度σwpdを求めます(図6)。 永続作用によるせん断補強鉄筋の設計応力度σwpdより、せん断補強鉄筋の疲労強度fwrdを求めます(図7)。 また、設計変動応力度σwrdと永続作用によるせん断補強鉄筋の設計応力度σwpdの算出式は、鉄道指針と同じ形となりますが、計算に用いる設計せん断力Vcdの式が異なるため、結果は異なる値になります。 |
(Up&Coming '24 秋の号掲載)
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