これらのプロジェクトが成功した結果、現在、SABAセンターの規模は拡大し、UC-win/Roadを駆使した2つのフルサイズのフォーラムエイトのドライビングシミュレータ及び自転車シミュレータにより、ドライバーや自動車運転者の挙動の相互研究を実現しています。これら3つのシミュレータは相互に連携できるため、車と自転車間の反応の研究を実現するだけでなく、実空間で行うと危険を伴うような研究も行うことが可能です。
自転車シミュレータは自転車本体とモニタにより構成されています。1台目のドライビングシミュレータは、リアルタイムシミュレーションに対応したバックミラーを含む3つのミラーと、ハンドル、アクセル・ブレーキ・ペダル、ウィンカー等の制御システム、およびフルサイズのドライバーシートにより構成されています。もう1台のドライビングシミュレータはモーションセンシングプラットフォームに対応しているため、ドライバーがランブルストリップスや路面のくぼみ等の上を走行したときの感触を実感することができます。また、クラッチペダルと変速レバーも備わっています。
2台のドライビングシミュレータ、および1台の自転車シミュレータに搭載されているソフトウェアはUC-win/Roadであり、道路、橋梁、ランプ、道路付属物、3次元樹木や建物等を忠実に可視化できるだけでなく、各種天候を含む超リアルな環境をドライバーとサイクリストに提供することができます。また、道路線形、交差点の設計、信号機、断面、道路脇の標識、地形の設定、交通量の生成など、道路ネットワーク要素全体を作成および編集できます。研究の参加者は、出発地から目的地まで独自のルートの選択も可能です。
車線変更、加速、ブレーキ、ステアリング制御、速度、衝突などのデータは、ドライビングシミュレータソフトウェアによって記録されます。さまざまなレベルの自動運転と接続されたインフラストラクチャを発生させることも可能です。ハードウェアに変更を加えることはできませんが、ソフトウェアは、より高い位置に座っているドライバーの視界や死角、加速とブレーキの速度などの要因に合わせて調整が可能なため、トラックやバスなどの大型車両でのドライバーの行動の調査ができます。
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SABAセンターの安全・挙動解析センター研究室 |
視線計測システムは、ドライバーがどこをどのくらいの時間見ているのかということを示します。これにより研究者は、あらゆる種類の道路で、テキストメッセージから看板までの様々な種類の注意散漫具合を研究することができます。
SABAセンターには、外部に持ち運べるポータブルドライビングシミュレータもあります。先日、マリファナがドライバーに与える影響について安全に研究を行うため、ドライビングシミュレータを警察に持ち込み研究を行いました。
SABAセンターの最近の研究プロジェクトには、異なる種類の道路を運転する際に発生する様々な注意散漫が与える影響についての研究が含まれています。例えば、衝突警報等の自動車の新しい警報システムにドライバーがどれだけうまく反応するかを観察したり、道路情報板がドライバーに与える影響、ドライバーに情報を提供する最善の方法、さまざまな車両用の環境協調型車間距離制御装置のテストを行ったりしています。
新たな自転車シミュレータの導入は、交通安全研究にさらなる展開をもたらすことになります。また、自転車シミュレータとドライビングシミュレータ、アイトラッカー、マイクロシミュレーションソフトウェアを統合することで、SABAセンターのディレクターMansourehJeihani博士が自転車運転者の安全性に関するより詳細な調査を実施できるようになります。その他にも、新たな研究分野として、公平性、あらゆる人のための自転車、障害者、交通標識と舗装設計、交通計画と交通需要予測などを視野に入れています。
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研究にUC-win/Road視線計測システムを使用 |
歩行者の飛び出しなど、実空間で行うと危険を伴うような研究も行っている |
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