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システム開発を起点とし、フレキシブルにビジネスを多様化 「本当は、(商談の場などで)エンジニアさんを喋れるようにしたいと思っていたのですが、ちょっとハードルが高かったので、そのまま代わりに自分が喋っていこうと」 もともと司会やナレーションなどイベント関係の仕事に携わっていた経験を有する小島社長。エスペシャリィの創業に際し、それまでの経験からシステム開発業界には無口な(換言すれば、商談が得意でない)人が多いものと想定。自ら同業界に参入することで、高い技術力を有するエンジニアのコミュニケーション力強化を図るとともに、自身が前職時代に培った多業種にわたる人脈を活用。そのような中から当該業界への新たな付加価値の創出が着想された、と振り返ります。 前述のように、システム開発会社として活動を始めた同社は現在、東京都渋谷区に本社事務所を設置。システム事業部をはじめ広報部、コンテンツ事業部および新規事業部の4部門を軸に様々な分野に及ぶビジネスを展開しています。 そのうち、システム事業部でメインとなるのがSES(システムエンジニアリングサービス)開発。金融や通信、住宅系の大手企業、官公庁などの顧客先に同社エンジニアが常駐し、各種システム開発を担当しています。また、受託開発に向けては現在、タイに開発チームを保有。顧客からの依頼に対応し、パソコンやスマホ用のアプリを開発。併せて、自社主導により「リフォーム改善統合システム」「毎月5分のセキュリティチェック」「ひっこしくん」「会員管理.com」などのパッケージソフトを開発してリリース。同チームにはブリッジSE(システムエンジニア)も配置しており、ニーズに応じたオフショア開発にも対応しています。 広報部では、マスコミ獲得支援広報として取材に繋がるプレスリリースの作成サービスに注力。店舗再生で実績を有するメンバーによる、店舗再生に向けた人材育成や販売プラン立案などのサポートも行っています。 さらに新規事業部では同社独自の事業として、1)中小企業の部長経験者を週1あるいは月1の頻度で零細企業に派遣する「部長派遣サービス」、2)担当者に代わって企業のSNS運用や広報誌向け執筆作業を行う「書きものがかり」、3)「カレ」ブランドの各種化粧品の製造販売、4)上記化粧品などを活用したサロン経営、5)フォーラムエイトをはじめSAJ会員企業の製品を対象とする営業支援 ― などを展開しています。 そのほか、同社の関連法人として、1)冒頭で触れた「東京ラジオニュース」などラジオ番組の企画制作を行うオレンジ・レスキュー合同会社、2)動物の殺処分防止に資することを目指しWebサイトを運営するペットのきもち株式会社、3)学びを通じて女性の自立支援を促す一般社団法人Tap ― の3社を立ち上げ、適宜連携した活動を行っています。
フォーラムエイトおよび同製品との出会い エスペシャリィのフォーラムエイトとの接点は、以前から当社も加入していた現行のソフトウェア協会(SAJ)(2021年7月、それまでの「コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)」から改称)に同社が入会した10年ほど前に遡ります。当時、既に自社開発のパッケージソフトを有していたのもさることながら、協会メンバー各社がどのようなソフトウェア製品を扱っているのか、またどのようにそれらを提供しているのかにも非常に興味があった、と小島社長は同協会に参加した背景の一端を振り返ります。 加えて、もともとVRやAI(人工知能)といったキーワードに関心があり、「VRといえば、やはりフォーラムエイトが一番」との認識を次第に醸成。そのような中で3年ほど前、小島社長は当社の東京本社ショールームを初めて訪問。そこでVRやシミュレーションの最先端技術の粋を集めた多彩なラインナップを体験し、自ら楽しみながら、それでいてVRの奥深い可能性を実感。その後、参加した「FORUM8デザインフェスティバル」(毎年11月開催)ではフォーラムエイト製品の広範な分野における先進的かつ多様なソリューションに触れ、それら製品とともにフォーラムエイトそのものに改めて興味を抱くことになった、といいます。 「企画部門としてはこの『VR国総研』が所内全体の広報のためのプラットフォームになれば良いと思っています」。国総研の各研究部では常に様々な実験や技術開発が取り組まれており、その実験や成果に関する動画や情報をVR国総研上に置き、アクセスできるような仕組みに発展させていきたいとの構想にも言及します。 フォーラムエイトのVR技術導入をサポート 「その製品を出来るだけ多くの方に紹介したいということと、これから日本でインフラの再構築を進めていく際に使っていただいた方が本当に良い商品だと思ったことがあります」
国内外での潜在的な需要と国産ソフトの可能性に注目 「その製品を出来るだけ多くの方に紹介したいということと、これから日本でインフラの再構築を進めていく際に使っていただいた方が本当に良い商品だと思ったことがあります」 SAJを通じ、毎年異なる地方の行政機関や学生らと情報交換。そのような活動の蓄積が日本のICT底上げにも繋がっており、引き続きその一翼を担っていきたい、との考えを小島社長は述べます。 エスペシャリイとしても、若い世代の採用に力を入れる中、広範な事業分野をカバーする社の特徴を反映し、総合力を身に着けてもらえるような人材育成を志向。そこでは、新しい時代のニーズへの追随と併せ、「日本の素晴らしいソフトを国内はもとより、可能な限り世界に発信していくお手伝いをしたい」との針路を描きます。 そうした観点を踏まえ、氏はVR活用の普及に向けたアプローチのあり方にも言及。「もしご自身の周りで少し視野を広げてみて、現在行っている作業以外にもこれを使ったら面白いのでは、あるいはこう展開したら面白いのでは」などと思量。その上で実際にUC-win/Roadを使ってみると、VR技術の活用範囲も広がってくるはず、と説きます。 「これからも、VRをはじめとしてメイドインジャパンの技術が進化する姿を、フォーラムエイトと共に描いていきたいと思います」 |
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執筆:池野隆 (Up&Coming '22 新年号掲載) |
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