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ユーザー紹介/第136回
株式会社エスペシャリィ

自社リソースを駆使し、メイドインジャパンの優れたソフトウェアの普及に力
SI企業をはじめ国内外の潜在ニーズとフォーラムエイトのVR技術をマッチング

株式会社エスペシャリィ
代表取締役 小島 彗来 社長

「スペシャルの上を行きたい」(小島彗来・代表取締役)との意がその社名に込められたという株式会社エスペシャリィが設立されたのは、2008年10月。まさに米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発し世界的な金融危機に発展したリーマンショック(同年9月)直後というタイミングながら、「卓越した技術者集団」を標榜するシステム開発会社としてスタートしました。

以来、同社は時代のニーズにしなやかに応える形で、アトピー肌用を起点とする化粧品の製造販売や広報支援など様々な事業を拡充。そのような一環として2021年1月、関連会社のオレンジ・レスキュー合同会社(代表者同)が制作する「東京ラジオニュース」(レインボータウンFM88.5MHz、毎週火曜日14時~15時)の放送が開始。新型コロナ禍を背景とし、DX(デジタルトランスフォーメーション)に象徴されるICT(情報通信技術)活用などにより、非接触や遠隔といった社会経済における日常の変革を迫る「ニューノーマル時代」に適応した情報発信にも繋げてきています。

今回ご紹介するユーザーは、株式会社エスペシャリィです。小島社長は8年ほど前、当社社長の伊藤裕二も副会長を務める一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)に入会。3年ほど前には、フォーラムエイトの本社ショールーム(品川)を訪れる機会を得、最先端のVR(バーチャルリアリティ)技術が連携する多彩なシミュレーションシステムに触れたのを契機に、その活用可能性を確信。その後、同社固有のパイプを通じ、フォーラムエイトの3DリアルタイムVRソフトウェア「UC-win/Road」およびそれをベースとするシミュレーション技術について、それらを必要とする顧客とマッチングする事業を展開。進行中の案件も含め、既に複数の活用事例を実現。さらにその先には、海外の潜在需要もターゲットに描きます。

株式会社エスペシャリィ
URL https://especially.co.jp
所在地 東京都渋谷区
業務内容 :
システム/ソフトウェア開発・営業、広報支援サービス、化粧品製造販売、サロン経営ほか

企業理念

3つの「つくる」で全てのお客様にとって特別な集団たり得る

『作る』
常に作り続けお客様の満足度を高め

『造る』
技術の集合体として、より大きくお客様に利益をもたらすものを造り

『創る』
常に考え、行動し、新たな価値観を創る


 システム開発を起点とし、フレキシブルにビジネスを多様化

「本当は、(商談の場などで)エンジニアさんを喋れるようにしたいと思っていたのですが、ちょっとハードルが高かったので、そのまま代わりに自分が喋っていこうと」

もともと司会やナレーションなどイベント関係の仕事に携わっていた経験を有する小島社長。エスペシャリィの創業に際し、それまでの経験からシステム開発業界には無口な(換言すれば、商談が得意でない)人が多いものと想定。自ら同業界に参入することで、高い技術力を有するエンジニアのコミュニケーション力強化を図るとともに、自身が前職時代に培った多業種にわたる人脈を活用。そのような中から当該業界への新たな付加価値の創出が着想された、と振り返ります。

前述のように、システム開発会社として活動を始めた同社は現在、東京都渋谷区に本社事務所を設置。システム事業部をはじめ広報部、コンテンツ事業部および新規事業部の4部門を軸に様々な分野に及ぶビジネスを展開しています。

そのうち、システム事業部でメインとなるのがSES(システムエンジニアリングサービス)開発。金融や通信、住宅系の大手企業、官公庁などの顧客先に同社エンジニアが常駐し、各種システム開発を担当しています。また、受託開発に向けては現在、タイに開発チームを保有。顧客からの依頼に対応し、パソコンやスマホ用のアプリを開発。併せて、自社主導により「リフォーム改善統合システム」「毎月5分のセキュリティチェック」「ひっこしくん」「会員管理.com」などのパッケージソフトを開発してリリース。同チームにはブリッジSE(システムエンジニア)も配置しており、ニーズに応じたオフショア開発にも対応しています。

広報部では、マスコミ獲得支援広報として取材に繋がるプレスリリースの作成サービスに注力。店舗再生で実績を有するメンバーによる、店舗再生に向けた人材育成や販売プラン立案などのサポートも行っています。
また、コンテンツ事業部ではWebをはじめポスター、キャラクター、ロゴなどの各種デザイン、ライティング、SNS運用サービスなどをカバーしています。

さらに新規事業部では同社独自の事業として、1)中小企業の部長経験者を週1あるいは月1の頻度で零細企業に派遣する「部長派遣サービス」、2)担当者に代わって企業のSNS運用や広報誌向け執筆作業を行う「書きものがかり」、3)「カレ」ブランドの各種化粧品の製造販売、4)上記化粧品などを活用したサロン経営、5)フォーラムエイトをはじめSAJ会員企業の製品を対象とする営業支援 ― などを展開しています。

そのほか、同社の関連法人として、1)冒頭で触れた「東京ラジオニュース」などラジオ番組の企画制作を行うオレンジ・レスキュー合同会社、2)動物の殺処分防止に資することを目指しWebサイトを運営するペットのきもち株式会社、3)学びを通じて女性の自立支援を促す一般社団法人Tap ― の3社を立ち上げ、適宜連携した活動を行っています。

小島社長がコメンテーターとしてレギュラー出演しているレインボータウンFM88.5MHz「東京ラジオニュース」


 フォーラムエイトおよび同製品との出会い

エスペシャリィのフォーラムエイトとの接点は、以前から当社も加入していた現行のソフトウェア協会(SAJ)(2021年7月、それまでの「コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)」から改称)に同社が入会した10年ほど前に遡ります。当時、既に自社開発のパッケージソフトを有していたのもさることながら、協会メンバー各社がどのようなソフトウェア製品を扱っているのか、またどのようにそれらを提供しているのかにも非常に興味があった、と小島社長は同協会に参加した背景の一端を振り返ります。

加えて、もともとVRやAI(人工知能)といったキーワードに関心があり、「VRといえば、やはりフォーラムエイトが一番」との認識を次第に醸成。そのような中で3年ほど前、小島社長は当社の東京本社ショールームを初めて訪問。そこでVRやシミュレーションの最先端技術の粋を集めた多彩なラインナップを体験し、自ら楽しみながら、それでいてVRの奥深い可能性を実感。その後、参加した「FORUM8デザインフェスティバル」(毎年11月開催)ではフォーラムエイト製品の広範な分野における先進的かつ多様なソリューションに触れ、それら製品とともにフォーラムエイトそのものに改めて興味を抱くことになった、といいます。

「企画部門としてはこの『VR国総研』が所内全体の広報のためのプラットフォームになれば良いと思っています」。国総研の各研究部では常に様々な実験や技術開発が取り組まれており、その実験や成果に関する動画や情報をVR国総研上に置き、アクセスできるような仕組みに発展させていきたいとの構想にも言及します。



 フォーラムエイトのVR技術導入をサポート

「その製品を出来るだけ多くの方に紹介したいということと、これから日本でインフラの再構築を進めていく際に使っていただいた方が本当に良い商品だと思ったことがあります」

一般に多くの人々はVRというと、ゲームの世界を専らイメージしがち。しかし実際には、VRにとってゲームはほんの一部の利用分野に過ぎず、例えば、インフラ整備や都市の再開発、建物の建築などに当たりUC-win/Roadを使って完成後の姿を事前に、スピーディかつリアリスティックにVRで再現。しかも地形や都市環境、交通網など日本の実際の状況を反映し、そこに異なる条件を与えつつ多様かつ高度なシミュレーションを行うことも可能。まさに、インフラ再構築の時代に最も求められる機能を実現するツールではとの確信を得た、と小島社長は語ります。

そこでフォーラムエイトに対し、そのUC-win/Roadをベースとするシミュレーション技術の販売支援を提案。エスペシャリィの営業担当者らがVR技術の活用を潜在的に必要としている業界に精通していたこともあり、大手SI(システムインテグレーション)企業に案内したところ、都市の再開発や学校など向けニーズにフィット。進行中のケースを含む複数プロジェクトで採用に至っています。

そうしたケースでは例えば、顧客が抱える課題に対し、大手SI企業がそのソリューションを検討。設計したシステムによる効果やその実現性をどう示していくか思案しており、加えて同様なシステム完成後の結果についてより分かりやすい説明が求められる事業の増大が今後見込まれ、事業部門自体の活性化にも繋げたいとの意向を受け、エスペシャリィの担当者がUC-win/Road利用によるプレゼンテーションの導入を助言。当社ショールームへの来訪からUC-win/Roadの使い方に関するセミナーへの参加などを通じ、エスペシャリィが一貫してフォローし、採用実現に繋げています。

小島社長は最近注目される「メタバース」や「デジタルツイン」の話題にも触れ、それらの概念と通底する世界をフォーラムエイトがいち早く想定し、これまで20年間にわたってノウハウを蓄積してきたことにも注目。そうした努力が完成度の高いシミュレーション技術を生み出す原動力になっている、との見方に触れます。


ショールームにてVRシステム体験中!


 国内外での潜在的な需要と国産ソフトの可能性に注目

「その製品を出来るだけ多くの方に紹介したいということと、これから日本でインフラの再構築を進めていく際に使っていただいた方が本当に良い商品だと思ったことがあります」

SAJを通じ、毎年異なる地方の行政機関や学生らと情報交換。そのような活動の蓄積が日本のICT底上げにも繋がっており、引き続きその一翼を担っていきたい、との考えを小島社長は述べます。

エスペシャリイとしても、若い世代の採用に力を入れる中、広範な事業分野をカバーする社の特徴を反映し、総合力を身に着けてもらえるような人材育成を志向。そこでは、新しい時代のニーズへの追随と併せ、「日本の素晴らしいソフトを国内はもとより、可能な限り世界に発信していくお手伝いをしたい」との針路を描きます。

そうした観点を踏まえ、氏はVR活用の普及に向けたアプローチのあり方にも言及。「もしご自身の周りで少し視野を広げてみて、現在行っている作業以外にもこれを使ったら面白いのでは、あるいはこう展開したら面白いのでは」などと思量。その上で実際にUC-win/Roadを使ってみると、VR技術の活用範囲も広がってくるはず、と説きます。

「これからも、VRをはじめとしてメイドインジャパンの技術が進化する姿を、フォーラムエイトと共に描いていきたいと思います」

執筆:池野隆
(Up&Coming '22 新年号掲載)



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