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SIGGRAPH ASIA 2018
●日時:2018年12月5日〜7日 ●会場:東京国際フォーラム
主催:ACM SIGGRAPH
(Up&Coming 2019年1月号)

フォーラムエイトはSIGGRAPH ASIA 2018にプラチナースポンサーとして全面協力。これまで、米国サンディエゴ開催に初参加した後、シンガポール、横浜、神戸(プラチナ協力)、昨年のバンコクなどアジアでも積極的に出展を続けており、今回は東京国際フォーラムという立地もあって過去最大級の展示を行いました。今回の大型ブースはUC-win/Roadで事前に会場内の配置や展示レイアウト、壁面デザインを確認。来場者の視点で展示物の位置や高さなどの課題を把握して、ブースデザインに反映しました。

イベント全体としてのテーマは、CG・インタラクティブテクノロジーのアート・産業への拡がりを実感できる「CROSSOVER」で、HMDを使ったコンテンツやモーショントラッカーが多く目立ち、他に人の動きや顔の表情をモーショントラッキングし3Dキャラクタの動きにリンクするシステムなどが目立ちました。弊社ブースではUC-win/Road Ver.13.1を中心として、Shade3Dのモデリング/レンダリングとネイティブファイルでのUC-win/Road連携予定、PBR(フィジクスベースレンダリング)対応によるマテリアルの反射・高精度表現のデモなどを紹介。また、Ultra Wide BandタグのVRリアルタイム位置情報システム「VR-RTLS」、HMDを用いた各種VRゲーム(流鏑馬、太鼓、鉄道運転士)、VRモーションシート、安全運転DS、地震シミュレーションを展示いたしました。なかでもフィジックスモデルや各種デバイスとの連携により体感や被験者の行動を診断・評価できるVRシステムが注目を集め、期間中650名を超える皆様にブースへお越しいただきました。

現在は、大規模のVR空間データ、設計と図面情報、計測データ等の様々なデータをクラウドによる情報の一元化管理、クロスプラットフォームにて3DVRデータをいつでもどこでも利用可能にするVR-NEXTの開発を進めておりますので、今後もご期待ください。

VRで展示・レイアウトを検討
(UC-win/Road)
  開催時の当社ブース写真
(SIGGRAPH Asia 2018)
 

楢原 太郎 Taro Narahara
早稲田大学理工学部数学科卒業。グラックマン・メイナー・アーキテクツで六本木、森美術館等の設計に従事、米国建築士・一級建築士。マサチューセッツ工科大修士課程、ハーバード大学博士課程修了後、ニュージャージー工科大学建築デザイン学部准教授。国際会議SIGGRAPH等における発表等多数。現在サバティカル期間で、東大で客員研究員としてAIとデザインの融合の可能性について探求中。
今回のSIGGRAPH Asia(SA)では基調講演だけ見てもNASAのロケット開発者、MITの折紙の天才数学者等、今後の連携が期待されるCG以外の分野からも招聘があり、北米版本家SIGGRAPHと比較しても"多様性"が強調された内容だった。SIGGRAPHにはハリウッドの映像表現をやってる業界人と学術系の数理情報系の天才達が相乗効果でCG分野を切り拓いて来た類を見ない産学連携の背景があり、お堅い学術論文に留まらず、VR体験あり、企業の最新技術の展示ありと普通の学会の2〜3倍は楽しめる内容となっていた。

今回の特徴として学術論文では圧倒的に深層学習(Deep Learning)を使った物が多く"Deep"の一字が入った論文タイトルが目立ち、データに基づく畳込みニューラルネットワーク利用の手法が2Dでの自動彩色技術等は勿論、3D への様々な応用事例で従来の手法に比して高い成果を上げていた(ほんの一例として鉛筆画スケッチから3D模型を類推出力したり)。また専門毎に流体表現等、特定分野に分けて発表があるのだが、北米版に比してSAでは比較的柔軟にバリエーションが組んでありファブリケーション等の結果が目に見える応用例も含まれ、各分野の専門に精通していない人間でも十分楽しめる構成となっていた。Emerging Technologies, Art Gallery, VR/AR部門では近年VRゴーグル等を使った体感できる展示作品の増加が顕著で、触覚の次は嗅覚も加えてと言った具合で既存技術を繋げ合わせて各個性を競っていた。VIVEやOculusといった製品普及で開発の敷居が下がり、コンテンツベースの出展作品が多くを占め、今後は革新的な根本技術の研究提案が更に期待されるとの声もあった。産学連携という面では、夏の北米版SIGGRAPHでNVIDIA社のCEOが新製品発表を大々的に行い、その模様がYouTubeで何万回も再生、ロックスター並みのフィーバーに至ったのに比してSAにおける国内業界の関心や優先順位には温度差が感じられる場面もあった。その点、フォーラムエイトはプレミアムスポンサーとして今回も参加されており伊藤社長の先見の明が感じられた。個人的に私は今回SAでは、フォーラムエイトのUC-win/Road上、機械学習したデータをラズベリーパイで電子工作したデバイスに落し込んで教育に使う内容、また夏の北米版ではTalk部門でゲームエンジンを使った未来の建築表現について発表したのだが、査読自体は厳粛なのだがCG専門家でも数理情報系でもない人間が採用される時点で、非常にオープンで多様性に富んだ学会である。

また世界中から集まったCGの天才達を近代的なガラスの吹き抜けを持つ東京国際フォーラムにて迎えられた事も今回の成功の一つだ。未知の国を訪れる者にとって如何なる建築物に迎えられるかは、その国の印象を大きく左右する。各講演前には傾斜路上に永遠と行列ができ、参加者からは内部の動線が複雑で分かり難い等、大空間の裏に機能面でしわ寄せがあるのではという声も多々聴かれたが、国際公開コンペにより無名に近かった建築家Rafael Vinolyを一躍スターダムに押し上げた建築で、耐震等の法規制の厳しい日本において世界に誇れる開放的な大空間を作り上げた90年代バブル時の日本の勢いが改めて垣間見られ、国際的CGの祭典に相応しい場を提供していた。
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