2023年はハリウッドに激震が走った年でした。5月に全米脚本家組合が、7月には全米映画俳優組合がストライキを行い、ハリウッドの映画製作が中断してしまいました。
大きな問題になったのはAIの使用に関する対策の相違でした。脚本の自動生成や、役者のスキャンデータを使って声や演技をデジタルで生成するといったAIによる映画製作に、両団体は猛烈に反抗したのです。
今回の出来事をなぞらえたような映画が今年公開されました。トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル /デットレコニング PART ONE」です。トムが正体不明のAIに苦しめられる作品ですが、まるでハリウッドを取り巻くAIとの関係のようにも思えてくるのです。そして、同作を鑑賞したジョー・バイデン大統領は、直後にAIに対する懸念を明らかに。その後、AI規制の大統領令を発令しました。同作がバイデン大統領の意思決定にどこまで影響を与えたのか分かりませんが、非常に印象的な出来事でした。
現時点(2023年12月5日)では両団体のストライキが終了しましたが、ハリウッドの存続が危ぶまれた決して忘れられない年でした。
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