タカラスペースデザインは、理・美容室や歯科医院、医療施設を中心とした最新の空間デザインを提案しています。現在、年間受注は1,000件を超え、月に約90件の施設オープンに関わる中で、これらの提案を形にする一連の業務でShade3Dが活用されています。
同社は1980年代にドラフターによる図面の手書き作業からCADへ移行。90年代に入ると、よりリアルなプレゼン表現を求めてShade3Dを使い始めた社員がきっかけとなって徐々に浸透し、2000年代にメインソフトとしてShade3Dを本格的に導入しました。現在、149名の社員のうち設計担当者が111名在籍し、デザイン業務にあたる社員の全員が原則としてShade3Dを使用しています。
設計デザインを担当するチーフデザイナーの中村まいさんは、「3Dデザインを展開していくにあたって自由にデザインを起こせている実感がある」と話します。同社では、まずCAD図面をもとにアシスタントデザイナーが白パースを作成して、テナントの枠起こしから照明計画までを反映。これをベースとして設計デザイン担当者がマテリアルなど細かい部分を作り込んでいきます。「多くの時間をかけられない中で、グラフィックソフトを使用しなくても、Shade3Dで材質の画像編集を行って色味の調整ができるので助かっています。以前使った素材を再利用して最初の打ち合わせに持っていき、決まった時点で詳細に作り込むといった使い方をしています」(中村さん)。
また、作成したパースを施工段階で活用することもあるといいます。例えば、複雑な内容の美容室を手掛けた際、木材を積層した形状のテーブルの見え方を現場に納める前にShade3D上で検証しカッティングも確認。組み上げる際にはパースを見せながら職人に説明し、リアルなイメージを共有できました。
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▲和モダンテイストの美容室。「木製パネルを積層した複雑な形状のテーブルは、デザインに加えて施工時のイメージ確認でもShade3Dを活用しました」(中村さん) |
一方、短納期でのデータ作成を要求されることが多いというアシスタントデザイナーの岩本悠里さんは、高い表現力と時短を両立できるところがShade3Dの魅力だと述べます。「アールの多い内装の医療施設を手掛けた際、スイープ曲線が役立ちました。また、壁の線形状に沿って間接照明を入れる場合、パスリプリケータで線形を開いて点光源を置くだけで、線形状に沿って流れるように図形が回せます」(岩本さん)。アシスタントデザイナーは複数の設計者から依頼を受けるため、エクスプローラで設計者ごとに素材やシンボルを登録してカタログを作っておくことで、スムーズな作業が実現するといいます。
設計者はソフトウェア上で案を組み立ててデザインをいかに展開していくか、アシスタントデザイナーは指示されたものをどれだけリアルに速く作るか、それぞれ異なる用途でShade3Dを活用しながら、共同作業を進めています。「お客様に提案する際、設計者自身がShade3Dを使って様々な工夫ができる。非常に使い勝手のよいソフトだと思います。今後は、打ち合わせの場で提案を3D化してお客様と一体のライブ感が生まれるような使い方など、さらなる活用を模索していきたいと思います」(執行役員・事業推進室長 永岑敬章さん)。
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▲左:「最先端の理美容・医療空間デザインをShade3Dで実現しています」(永岑さん)。 右:医療施設の空間デザイン例。スイープ曲線による曲面部分のデザイン、パスリプリケータによる間接照明の表現など素早く作成 |
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▲東京本社ショールーム(左)とミーティングスペース(右)は、いずれもShade3Dにより自社で設計・デザインを行っている |
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