メタバースなどのリアルタイム描画を行うプラットフォームではデータの読み込み時間がパフォーマンスに影響を与えることになります。Ver.25.0での新機能「テクスチャベイク」で複数のマッピングレイヤ、複数の形状のマテリアルの統合や、同じくVer.25.0の新機能「アンビエントオクルージョン」と組み合わせたオクルージョンマップの作成を行うことによるデータの軽量化は、メタバース上でのデータの読み込み時間の短縮とフレームレートの向上に効果的な手段となります。
多重マッピングを持つマテリアルや、複数の形状のマテリアルを1つに統合したマスターマテリアルを作成します。また、ポリゴンメッシュの凹凸を法線マップ(タンジェント)として作成したローポリゴン化処理などにより、シーン上でのデータ量の削減を行えます。 ※Professional / Civil / Ultimate に搭載された機能です。
● 複数のマッピングレイヤを統合
「チェック」「木目」「大理石」などのプロシージャルマップや、テクスチャマップなどが複数のマッピングレイヤに設定されたマテリアルのマッピングレイヤ全体を1枚のイメージマップのレイヤに統合します。
・左から2つのマッピングレイヤを持つマテリアルを適用した形状、マテリアルのマッピングレイヤ1、マッピングレイヤ2 |
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・左から統合したマテリアルを適用した形状、統合されたテクスチャ、glTFビュワーでの表示 |
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● 複数の形状のマテリアルを統合
複数の形状に個別に設定されているマテリアルを統合したマテリアルを作成します。個別にマテリアルをダウンロードする必要がなくなるため、リアルタイム描画環境でのパフォーマンス向上に繋がります。
・左から個別にマテリアルが設定された形状、シーンのワイヤフレーム、シーンの全ての形状のUVマップ(重なりの無いように展開後) |
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・左から統合されたマテリアルを適用した形状、統合されたテクスチャ、glTFビュワーでの表示 |
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● 法線マップを利用したハイポリゴンのローポリゴン化
細かい凹凸を持つハイポリゴン形状の凹凸を法線マップ化し、そのマテリアルをローポリゴン形状に適用することで、データ量の軽減を行います。法線マップはglTF上などで正しく陰影が表示されるタンジェント形式の法線マップが作成でき、ハイポリゴンの見た目に近い凹凸を表現することができます。
・左から細かい凹凸をもつハイポリゴン、ハイポリゴンのワイヤフレーム、作成された法線マップ(タンジェント) |
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・左からマテリアルなしのローポリゴン、ローポリゴンのワイヤフレーム、統合したマテリアルを適用したローポリゴン |
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・左からglTFビュワーでのハイポリゴン、ローポリゴン(法線マップ形式:グローバル)、ローポリゴン(法線マップ形式:タンジェント) |
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● 照明、影、間接光をベイク
照明、影、間接光をテクスチャとしてベイクしたUnlitタイプのマテリアルを作成して、大域照明を反映したレンダリング結果と同等の見た目の形状をメタバース環境などで再現させることができます。複数の形状のマテリアルも統合されるのでデータ量の軽減も行えます。
※ベイク済みのマテリアル(Unlit)となるため、メタバース環境側でのライティングの変更やオブジェクトの移動には追従しません。
・左から光源をもち、大域照明を使用したシーン、シーンのワイヤフレーム、シーンの全ての形状のUVマップ(重なりの無いように展開後)
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・左から統合したマテリアルを適用したシーン、統合されたテクスチャ、glTFビュワーでの表示 |
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光源を含めて統合されたマテリアルを適用していることで計算時間を短縮し、GPUレイトレーシングと比較してもプレビューレンダリングのカメラ移動の操作が高速となります。
・Shade3D上でのプレビューレンダリングでの視点の移動 |
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Unlitタイプのマテリアルはビュワー側の照明、反射を無視して、テクスチャの色をそのまま表示するため、外部ビュワー上でもShade3D上と同じ表示になります。
・glTFビュワー上での視点の移動 |
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パストレーシング手法のレンダリングで使用できます。穴や溝など、周囲が囲まれている部分での間接光の効果を強調します。テクスチャベイクと組み合わせたオクルージョンマップの作成も行えます。 ※Standard / Professional / Civil / Ultimate に搭載された機能です。
● 環境光+アンビエントオクルージョン
環境光とアンビエントオクルージョンを組み合わせることで、大域照明を使用しなくとも簡易的な大域照明を表現をすることができます。 ※周囲の色との相互作用やIBLは反映されません。
・左:環境光のみ、右:アンビエントオクルージョン使用 |
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● 大域照明+アンビエントオクルージョン
大域照明と組み合わせることで、溝の陰影を強くして立体感を強調したり、モデルの接地感を強調したりすることができます。
・左:大域照明のみ、右:アンビエントオクルージョン使用 |
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● 影響を受ける範囲の指定
影響を受ける形状の要素同士の距離を指定すると、形状の陰影を強調したいが壁の影響は受けたく無い場合などの調整を行えます。
・左から距離2000mm、500mm、100mm(壁との距離:1500mm) |
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