Academy Users Report
アカデミーユーザー紹介/第35回
国民大学校 オートモーティブ工学部
Automotive Engineering, Kookmin University

AIの自動運転応用を目標としてソフトウェア開発・研究を推進
UC-win/Roadと連携しディープラーニングを活用したドライバー警告システムでCPWCグランプリ受賞


国民大学校 オートモーティブ工学部
URL https://www.kookmin.ac.kr
所在地 韓国ソウル特別市城北区
研究内容:自動車の人工知能に関する研究











国民大学校 北岳キャンパス

国民大学校 総合福祉管

第10回CPWC(Cloud Programming World Cup)でグランプリを受賞した韓国・国民大学校のチーム名「KaAI」は、Kookmin automotive Artificial Intelligenceの略で、自動車の人工知能について研究する国民大学校所属のサークルです。 メンバーは、第4次産業革命の核心分野である人工知能を自動運転車に応用することを目標に知識を深め、ソフトウェア開発に励んでいます。関連分野の国内外のコンペに出場し、学術大会および学術誌への論文発表を通じて今後の進路を開拓していくことが目標に活動しています。

詳細な研究内容としては、自動運転車の人工知能関連技術とセンサーフュージョン、認知技術、人間と車両のインタラクション技術、車両シミュレーターベースのVR/AR技術が挙げられます。 サークルのメンバーは、本校のオートモーティブIT融合学科と未来モビリティ学科、オートモーティブ工学科の学生から募集されており、4年生の卒業時まで継続的に活動可能な学生を対象として、海外競技大会や国際学術大会に毎年参加しており、CPWCをはじめ、CVPRと+付属競技大会(AICity Challenge, WAD Challenge)、9月のICCV/ECCV学術大会および競技大会、12月のNeurIPSにも参加しています。



140年の歴史の上に研究教育力強化に不断の努力

サークルを指導しているイ・サンホン氏は、国民大学のオートモーティブ工学専門大学院およびオートモーティブ工学科の教授です。ソウル大学で博士号を取得し、米国ワシントン大学およびカーネギーメロン大学での研究経験を積んだあと、1996年から現在まで国民大学で学生たちを指導・研究しています。人間と機械の相互作用(HMI)分野と人工知能(AI)、マシンラーニング/ディープラーニング分野の最高の専門家として、自動車と自動運転関連学界をリードしています。


国民大学校 KaAIの学生の所属学部・学科紹介
KaAIは国民大学校理科の学生が集まって、自動車の人工知能を研究することを目的として作られたサークルです。
オートモーティブ工学部
オートモーティブ工学部は、自動車産業世界4強の韓国の地位を代表する自動車専門家を育成するため、韓国政府と自動車企業の全面的な支援のもと、韓国初のオートモーティブ専門学部として2014年に設立されました。
本学部は、1992年に設立されたオートモーティブ工学科と、オートモーティブ・IT融合学科により新たに設立された学科の2つ学科で構成されています。
オートモーティブ工学科
オートモーティブ工学科は、1992年にハイテク自動車産業の育成を目的とした専門学科として設立され、以来、様々な分野で社会の発展を担う数多くの人材を輩出してきました。
現代の技術は、各種学問の各分野が有機的に結合して発展しており、特にオートモーティブ工学は従来のコースではその変化に対応しきれなくなってきています。そこで、機械システムの設計からコンピュータ技術を活用した制御装置の設計まで、総合的な学識に基づいた専門技術者育成のための教育を行っています。特にオートモーティブ工学科は、従来の工学部自動車工学科から独立した学科であるため、より専門的な自動車教育への評価が期待されます。
オートモーティブ・IT融合学科
自動車とIT技術の融合による新たな価値創造のため、自動車工学、コンピュータサイエンス、電気工学の融合的知識を備えた高度専門家の育成を目指し、2014年にオートモーティブ・IT融合学科を設立しました。
オートモーティブ・IT融合学科では、自律的に問題を発見し、表現し、解決することができる創造的な人材の育成に重点を置いた教育を行っています。また、関連事業の専門家による現場教育や授業への参加も積極的に行い、現実的な学習環境を提供します。

現在イ教授が運営している研究室であるintelligence and interaction labからは、多くの優秀な修士・博士を業界に輩出しています。



UC-win/Road活用及び装備現況

本サークルでは、マシンラーニングベースで、高速道路上のドライバーの走行意図予測システムを研究しており、ドライビングシミュレーターとアイトラッキング、ヘッドモーショントラッキングセンサーなどを活用しています。 特にシミュレーターに搭載したUC-win/Roadを利用することで、実験の詳細な状況シナリオを簡単に再現することができます。下の図は構築された実験装置の様子です。


1,2:UC-win/Roadを活用したシミュレータ実験 /3:実車部品適用車両シミュレータ

また、2020年には UC-win/Roadを用いた実験の研究内容の論文が海外学術誌(Journal of Computational Design and Engineering)に掲載。ステアリングホイールに手が重なっている時のジェスチャーとHUD(Head Up Display)を基盤とした使用者インターフェースを開発しました。運転中に中央コンソールのオーディオおよびラジオシステムを操作しながら視覚的散漫を最小限にするためのアイデアです。



CPWCグランプリ受賞

KaAIサークルのKAADチームは、チーム長のソン スンヒョン氏(オートモーティブIT融合学科3年生)を含め9人で構成され、2022年の第10回CPWCに参加しました。

国民大学校は2017年の第5回大会より毎年作品を応募しており、これまでに2度のワールドカップ賞(最優秀賞)と、3度の審査員特別賞を受賞しています。2022年はTAP(Traffic Accident Prediction)という作品で、見事3度目のワールドカップ賞を受賞しました。

本作品は運転中の異常検知をテーマとしており、走行状況で異常値を規定して、これを探知することを目的に研究・開発を行いました。最終的に走行中に得られたセンサーデータを処理し、ディープラーニングを通じて車両周辺の異常要素を検出し、ドライバーに警告を伝えるシステムを構築しました。

学生や教授からは、「毎年CPWC大会を開催するFORUM8に感謝します。 学生たちが好きな大会であり、これからも持続的に参加したいです。 自動車分野のソフトウェアとの互換性を高め、レンダリング品質が向上すれば、UC-win/Roadがさらにに発展すると思います」と、今後のCPWC参加への意気込みと、フォーラムエイトのソフトウェアへのさらなる期待が寄せられています。

 
ラジオおよびオーディオ デバイスを制御するためのオンホイール ジェスチャー
HUDを基盤としたインターフェースの流れ
1 中央コンソールの触覚インターフェイスを
使用する既存のインターフェイス
2 オンホイールジェスチャーとHUDを
使用する新しいインターフェース

 第10回CPWCグランプリ受賞

第10回CPWCワールドカップ賞作品のポスター
左:イ・サンホン教授(右)とKaAIの学生たち / 右:第10回CPWCでプレゼンテーションをするKaAI
執筆:池野隆
(Up&Coming '23 新年号掲載)



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