未来を可視化する
長谷川章のアート眼
vol.14

長谷川 章(はせがわ あきら)氏
中国中央電視台CCTVのステーションロゴを始めNHKのオリンピックオープニング(1996)、ニュースタイトル、TV-CMなど数千本の制作してきた長谷川章が、日本人の持つ無常の精神から空間・環境のアーティスティックなソリューションであるデジタル掛軸を発明し今日のプロジェクションマッピングの創始者となった。

 Akira Hasegawa

aha、長谷川語録 

フレームの解放 物語からの離脱
動画を静止する 映像は環境になる
あなたは、その中、に生きる。

思考の中に自分はいない 過去の中に自分はいない

昨日のやけどは熱くない 昨日のわきがは臭くない

人の脳は魚、カエル、トカゲ、すずめ、猿の脳を含んでいる。
ならば人は魚、カエル、トカゲ、すずめ、猿の気持ちが分かる。

人は毎日似たもの探しをしている。世界は昨日も今日も大体同じ。
自分の顔は昨日も今日も大体同じ。でもそれでは今日ではなく昨日に生きているのと同じだ。

世界中がアメリカならば、アメリカはなくなる。全てがドルになれば
円もドルもなくなる。拡大はいつも消滅へと向かう。

何もないとはどういうことなのか

全てはあなたの中にある。ないものは知覚出来ないのだから。

時間は何のためにある あなたを拘束するために あなたを管理するために

そんな時間はもういらない 自分で時を刻めばいい

人は言葉で無限を手に入れたと思ったがいつのまにか言葉の檻に閉じこめられた

その檻から抜け出そう  抜け出せば そこにはあなたと自然と今しかない

あなたが見なければ 花は咲かず あなたが聞かなければ 鳥は鳴かず
あなたが感じなければ 何も起こらない

昼と夜 男と女 内と外
それは同時にあるもの どちらかがなくなれば どちらも消える

認識 世界を切り取ること 世界を切り刻み 多くのの断片を手にしてもそこに世界はない 断片を捨てた時 世界がそこにある

今持っているものを手放さなければ次のものをつかめない

今日の最速は 明日の最遅 速さに速さで対抗しても 何もならない 相手が速ければ 止まって待つ

何かのためでなく 誰かのためでなく 生きることを楽しむ

言葉、物語、概念の檻 その全てを消し去ること 静かに 沈黙すること
あなたは空間そのものとなる

過去も未来もあなたが作りだしたもの しがみつくのはやめ 今を見つめること
そうでなければ あなたは生きてさえいない

モノとモノとの間 空間 それが感覚、それが人間

自分 他人
あなたとあなたの関係などなく あなたとわたしの関係しかない

映像はすべて静止画面の連続切り替え 映像を動かしているのは あなたの意識と感覚のずれ

時は流れない 場所は存在しない

私とは何か 時間とは何か
その考えを捨てた時 はじめてそれが見えてくる

世界をよく見、よく聞き、よく感じること 沈みゆく夕焼け ざわめく木々 流れる水
その美しさを 言葉にせず 概念にせず ありのままに 感じること
その時あなたは 夕焼けになる 森になる 水になる

世界に一つとして同じリンゴはないのに リンゴと言った瞬間 世界のリンゴは一つになってしまう
リンゴもみかんも人も草も 数えられるものなどない 全ては新しく 全ては違っている

世界を言葉で捉えれば それは編集され 物語になる そのような世界は とても貧しい

赤ん坊のように生きる 赤ん坊に 世界と自分と母親の区別などない

今すでにあなたは 世界中の誰よりもあなたらしい 食ったものしか出ないのさ

試してみたら失敗した。それがどうしたというのだ。もう一度試せ。もう一度失敗し、よりよく失敗するのだ。
「間違いから学ぶ」という最も有益な学習活動を避けさせてしまう。
間違いをおかすことで生じる不愉快な反応を経験しない限り、われわれの脳が既存のモデルを修正することはない。

2021年 8月13日~15日
東別院「歓喜会」デジタル掛軸とミステリーサークルD-K



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(Up&Coming '22 新年号掲載)

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