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Q&A深礎フレーム Q&A ('16.10.04)
NEW!更新内容

Q241.サブスクリプション版の下部工と非サブスクリプション版の深礎フレームで連動できますか('16.10.04)

Q242.底版の配筋はどこで設定するのか('16.10.04)

Q243.旧データを読込むと荷重が2倍になった('16.10.04)

Q244.底版下面中心位置に荷重を載荷したい('16.10.04)

Q245.ばねを変更したが、水平変位は変わるが最大断面力が変わらない('16.10.04)

Q246.3D画面の矢印はどこを指しているのか('16.10.04)

Q247.[詳細設定]-[モデル化]の「地盤を塑性化させない」スイッチはどのような場合に使うのか('16.10.04)


目  次
 

Q1.地層を2分割して層数を増やした場合、計算結果が、元の計算結果と異なる事があるがなぜか?

Q2.地盤条件の入力で、各地層の変形係数αEoを入力する代わりに地盤反力係数を直接入力する場合どうすればよいか?

Q3.計算の結果、必要となる杭長が予想以上に大きな値となった。この原因として何が考えられるか?

Q4.基礎に作用する照査荷重を「フーチング中心に作用する初期荷重(Vd、Hd、Md)」欄に入力しても問題ないか?

Q5.深礎各杭の分担荷重を算出するときや、基礎バネを算出するときに、深礎杭の単位重量を0にする理由は何か?

Q6.面外方向の設計で荷重分担率を求める場合、杭頭支点反力にマイナス値が出たときはどう考えるか?

Q7.鉄筋かぶりの入力は、ライナープレート部分の厚さを考慮して入力するのか?

Q8.レベル2計算結果で「載荷結果」「載荷結果(2)」に何も表記されない。

Q9.「深礎フレームVer.4」で「*.sfw」のデータファイルを読み込みたい。

Q10.画面上で地層の交差がないにもかかわらず「地層線が交差している」というメッセージが表示される。

Q11.「深礎フレーム」から「震度算出(支承設計)」へ基礎バネを入力する場合の符号について

Q12.「震度算出(支承設計)」−「橋台の設計/橋脚の設計」−「深礎フレーム」連動の仕組みを教えてほしい。

Q13.レベル2地震時の計算で再計算を行ってもせん断力がS=0となる。

Q14.部材幅b、有効幅dの算出方法は?

Q15.弾性解析結果で地盤反力度が0となっても解析上はOKと判断して良いのか?

Q16.深礎フレームの計算結果が他社と合わない場合について

Q17.「直線地層線」で入力した場合、2層目以下が1層目地表面と交差した先の部分も地盤として考慮しているか?

Q18.三角形分布土圧の場合、P2はKa×γ×奥行き(作用幅)で良いか?

Q19.杭体の照査のせん断照査でτm<τ2であるのに、判定結果がNGとなる理由は?

Q20.「深礎フレーム」から「FRAMEマネージャ/FRAME(面内)」へ基礎バネを入力する場合の符号について

Q21.「杭1が山側に変位」というエラーが発生したため、製品ヘルプのQ6-12を参照して、c=0をc=1に変更したが改善されない。

Q22.計算を実行すると、「非常に薄い層が存在してます」というエラーメッセージが出る

Q23.橋台と深礎杭を連動時、底版の剛体判定の杭軸方向バネ定数Kvはどのように算出しているか?

Q26.橋台連動時にメッセージ『斜面の傾きと水平荷重の向きが一致しません』が表示されるが?

Q27.入力で鉄筋データを複数区間設定した場合、区間毎に断面計算は行わないのか?

Q31.杭底面の許容鉛直支持力度qaの低減係数αB算出時の斜面の傾斜角はどのように設定されるか?

Q32.レベル2荷重データの設計水平震度C2z・khcoには構造物特性補正係数Csを無視した値を入力するのか、Csを考慮したCs・C2z・khcoの値を入力するのか?

Q33.地震時扱いの荷重に割り増しをしたい。

Q34.フーチングなし形状で上載土砂が考慮されない。

Q35.レベル2地震時の深礎基礎の状態で「基礎が終局した(極大変位)」とは?

Q36.深礎杭で下記エラーメッセージが発生する。 入力エラー[杭番号*]の地層線先端が杭底面より深くまで入力されていません杭底面より深くまで設定して下さい

Q37.橋脚の設計と深礎フレーム連動時、レベル2の荷重を直接指定することはできないか?

Q38.計算実行時、「大口径深礎で地層傾斜角が10度以内のため、・・・」とメッセージが表示される。

Q39.基礎バネ算出時、常時、地震時、固有周期どれを選択しても同じ結果となる。

Q40.橋脚−深礎連動で、橋脚側の水位あり/なしの条件が深礎側に反映されない

Q41.レベル2降伏点の修正方法について

Q42.常時・地震時における弾性解析結果の水平変位の許容値を変更したい

Q43.深礎杭の基礎バネ算定で動的バネを算定する際、地層の傾斜をどのように動的バネに反映しているか

Q44.大口径深礎のとき、水平地盤における受働土圧より算出される極限水平支持力を考慮するとした場合で、受働土圧により極限水平支持力が決まる場合、上載荷重の有無で結果が変わらない/A>('08.10.21)

Q45.常時と固有周期の基礎バネを計算する際に、下記エラーが発生する。
----------------------
モジュール’SFrameL.exe’のアドレス 00775424 でアドレス 00000008 に対する読み込み違反がおきました。
----------------------

Q46.深礎杭の塑性化抵抗力の計算のすべり角αが90°以上になることがあるのか

Q47.「橋台の設計」連動時、深礎杭の計算において「斜面の傾きと水平震度の向きが一致しません」というエラーが発生する。水平震度を谷側に設定してもエラーとなる。

Q48.基礎バネ算出時、前面地盤傾斜による影響を考慮しているか?

Q49.「橋台の設計」と「深礎フレーム」連動時の段差フーチングの場合、鉛直荷重の合計、水平荷重の合計は一致するが、モーメント成分が一致しない。

Q50.折れ線地層線の場合、「すべり線とn層目の地層線とが交差しないため計算ができません」というエラーが発生する

Q51.「震度算出(支承設計)」−「橋台の設計」−「深礎フレーム」連携で基礎バネ算出時の注意点

Q53.折線地層線の入力時の注意事項について

Q54.「深礎フレームVer.4」以降で旧バージョンのデータファイル(拡張子「*.sfw」「*.asfw」)を読み込みたい

Q55.せん断応力度τmの算出方法

Q56.許容せん断応力度τacの算出方法

Q57.基礎が降伏してない場合で回転角の照査を行ってるのはなぜ?

Q58.HELPのQ5-2の「橋軸方向は降伏させてはならない」とする根拠は?

Q59.橋台連動時、底版幅が正しく連動されない

Q60.橋脚連動時、底版幅が正しく連動されない

Q61.橋脚連動時、橋脚側で両方向(←・→)の検討を設定した場合、「深礎フレーム」ではどちらが採用されるか

Q62.レベル2地震時の震度について、示方書では0.4以下の場合、0.4とするとあるが、プログラムでは0.4以下で計算を行っているか。

Q63.基礎バネ計算時に以下のエラーが発生する
-----------------------------
基礎バネ算定時の逆マトリックスが計算できませんでした 番号:-3
-----------------------------

Q64.σckを杭径によらず低減することはできるか

Q65.杭体の耐力を増加させる方法は?

Q66.水平支持力計算用のP1は 谷側杭ではP1=0、山側ではP1=谷側杭までの距離を入力したらよいか

Q67.「橋脚の設計」連動時、計算を実行すると下記メッセージが表示される。
-----------------------
警告:[182]
レベル1地震時とレベル2地震時の慣性力の作用方向が異なっています。
深礎フレームでは慣性力の作用方向が山側の場合、レベル2地震時の計算を実行することができません。
続行しますか?
-----------------------

Q68.杭周面のせん断地盤反力度の上限値を変更したい

Q69.弾性解析結果において「1/2Mmax点」の曲げモーメントが、Mmax値の1/2と異なるのはなぜ?

Q70.計算を実行すると、下記メッセージが表示される。
-----------------------
計算エラー
PInp2 Error
-----------------------

Q71.詳細設定データ−設定1の「底面バネの条件」の『全断面有効』はどのようなケースで選択するのか?

Q72.杭頭接合計算を実行すると、押込み力による押抜きせん断の照査で「NAN」と表示されNGとなる。

Q73.公称径は安定計算、設計径は断面計算とする根拠

Q74.地盤反力度が0 KN/m2の場合、基礎底面が完全に浮き上っていると考えられるが、この様な状態で深礎長をOKとと考えてよいか

Q75.橋台の単列杭(杭本数=2本)で、左右の杭で同条件の場合
  (1)単列基礎でそのまま全体の面外解析を行う
  (2)面内解析行う(荷重分担1/2)
 では、計算結果は同じとなるか

Q76.「橋脚の設計」や「橋台の設計」と連動している場合、水平方向バネ定数を変更する方法

Q77.塑性化領域が急増したステップで荷重増分の載荷ステップが変わる理由は

Q79.静止土圧算出時の土砂高(h)は、どのように算出しているか

Q80.PN=0はどのような状態か

Q82.「前処理$F4エラー」が発生する

Q83.降伏判定タイプ=1,2とは?

Q84.弾性解析結果−断面力タブ右上に表示される「水平変位δ」と弾性解析結果−断面力図に表示される図中のδmaxが異なるのはなぜ?

Q85.「深礎基礎データ」−「詳細設定データ」−「設定3」の『面外解析時の杭軸周りの回転拘束条件』について、1.「固定」、2.「自由」をそれぞれNEXCO設計要領p4-69の
  1.基礎が回転変形を生じない場合の計算方法
  2.基礎が回転変形を生じる場合の計算方法
と考えてよいか

Q86.「杭長」にはフーチングへの埋め込み長を含まない値を入力したらよいか。

Q87.単列深礎杭の橋軸方向基礎バネ(固有周期算定用)を計算すると連成バネがマイナスとなった。通常はプラスになると考えられるが、原因は?

Q88.「橋台の設計」連動時、常時・レベル1荷重データ−格点集中面内荷重のみ編集可能となっているのはなぜ?

Q89.NEXCOに深礎のバネの取り方は、ケーソン基礎に準ずるとあるが、深礎とケーソン基礎を同条件で入力すると結果は一致するか

Q90.計算書の弾性解析結果−地盤反力の表内の「鉛直せん断地盤反力度qy」の算出方法

Q91.地盤バネ値の表内の「鉛直せん断バネKsv」の算出方法

Q92.多層地盤の水平方向地盤反力係数の決定方法について、最大の地盤反力係数を採用する根拠

Q93.基礎バネを計算する際、自動計算を行う場合と、手動計算を行う場合で単位荷重の初期値が異なるのはなぜか

Q94.周面摩擦力度データのN値は何に使用しているか

Q95.「深礎基礎データ」の「上載荷重」について 杭頭より上側に地層線を設定した場合、杭頭より上側の土砂荷重は考慮されているのか

Q96.製品ヘルプQ&A−6.その他−Q6-11.計算途中で、「鉛直方向のバネがなくなり不安定です。」というエラーメッセージが出るのですが。 について 底面の曲げと鉛直力よりA’を求めるとあるが、単列杭や1本杭では曲げがどんなに大きくなっても底面に押し込み側と浮き上がり側が現れるので前面浮き上がりの状態(A'=0)は現実にはありえないと思われるが、なぜ計算ではこのような状態になるのか

Q97.塑性化抵抗力について、計算書の水平支持力・塑性化抵抗力の上限値−水平支持力、塑性化抵抗力一覧表で、Ro<Rqpであるにもかかわらず、決定値がRoとならないのはなぜか

Q98.「上部工慣性力作用位置の水平変位が制限値に達したため基礎の終局として計算を打ち切りました」と表示される。どうしたらよいか。

Q99.『弾性解析結果』と『フレーム解析結果』にはどのような関係があるのか

Q100.フーチングの設計で張り出しがない(LL=0、LR=0)場合、計算できるか

Q101.深礎底面より上にある地盤の単位体積重量γ2の算出方法

Q102.鉛直方向バネ(Avv)の算出方法

Q103.杭底面の許容鉛直地盤反力度qaの算出方法

Q104.「基礎の設計計算、杭基礎の設計」と同じ条件で算出したM−φが異なるのはなぜ?

Q106.2本以上の組杭形式で検討する場合、全杭が降伏しなければ構造としてOKと判断してよいか

Q107.基礎バネは単位荷重の作用格点で算出されているのか

Q109.突出部慣性力を確認したい

Q110.降伏点をどのように決定すればよいか。

Q111.地盤データの平均せん断弾性波速度VsD、および動的変形係数EDの内部算出をするために、N値を修正したが、これらの値が変わらない

Q112.khcFの算出方法

Q114.ヘルプ-Q&A-1.適用範囲-Q1-11の「荷重分担率」とメニューにある「荷重分担率」は何が異なるのか

Q115.Ver.7から以前の周面摩擦力の入力が無くなったが、以前の入力をするときにはどのようにすればよいか

Q116.L2照査時は「せん断照査断面よりも杭中心寄りに柱または壁前面が存在する場合には、押抜きせん断に対する照査を省略する。」として、照査を省略している杭がありますが、L1照査時ではL2照査で照査を省略している杭も照査しています。
L1照査時に照査を省略をしない理由はあるのでしょうか。


Q117.Version8.00.00(平成24年度道示対応版)について(2012.5)
主な改定内容
「常時、暴風時及びレベル1地震時の深礎基礎底面のせん断抵抗は線形とし、許容せん断抵抗力の照査を行います。」
このバージョンから上記の照査は行うようになったのでしょうか。平成24年度の道示改訂以前ではこの照査はなかったということで解釈していいのでしょうか。


Q118.[詳細設定データ]-[設定3]の「硬岩の塑性化時の対応」で、チェックを入れた場合と無い場合では、計算上何に影響するのか教えてください。

Q119.レベル2地震時照査結果で、せん断力が0になる。再計算を行っても0のままとなる

Q120.前面地盤の塑性化後の抵抗力が載荷されていることがわかる箇所はないか

Q121.柱状体深礎の計算で、低減係数を考慮するとOKで、無視するとOUTとなるのはなぜか

Q122.変位が山側になるということで計算が中止になります。
C=0の地層があり、そこに数字を入れても解消しません。


Q123.入力条件を同一としたH14道示(Ver7)とH24道示(Vre8)の計算データで、両者を計算したところ「基礎ばね計算結果」に差異が生じました。
当方では,基礎ばねはH14道示,H24道示ともに線形モデルで算出しており,両者に差異は生じないと認識していたのですが。
基礎ばねに差異が生じる理由をご教示いただけませんでしょうか。


Q124.常時の基礎ばねの算出の際、塑性化領域の扱いはどのようにされているのでしょうか。
塑性化領域は考慮しない、または考慮している。
また、固有周期算出用基礎バネについても考え方を教えて下さい。


Q125.深礎フレームで、計算を行った際に下記のようなエラーメッセージが出ました。
「前面ばねが残り2格点となったためこれ以上の塑性化を中止します」
この場合、@構造として問題有りと解釈した方がよろしいのでしょうか?
また、Aエラーをなくし、計算を行うための改善策はございますでしょうか?


Q126.平成7年以前に設計したものを、現行のソフトで復元しております。ほとんど正確に復元できましたが、弾性解析結果のことろで、水平変位量その他が整合しなくなってしまいます。
この弾性解析の内容ですが、平成7以前と現在とで計算式などが変更となっているでしょうか。この原因となるものがあれば教えてください。


Q127.常時・レベル1地震時結果の杭本体のせん断照査で、τm>τacで赤色だがOKとなっているのはなぜか

Q128.常時・レベル1地震時結果で、1/2Mmaxの値が小数点以下でMmaxの1/2になっていない

Q129.常時・レベル1地震時結果の杭本体の照査でAsminの照査は行っていないのか

Q130.「橋台の設計」で連動時に、底版の剛体判定でKvを用いているが、どのように計算しているのか

Q131.橋台の組杭深礎の計算を行っておりますが、杭頭結合計算における水平反力値の出所がわかりません。
確認したところ、杭番号2は弾塑性解析結果の値と一致しているのですが、杭番号1は一致していません。


Q132.橋脚基礎で2列×2列の場合(橋軸方向傾斜、直角傾斜無)、どのようなモデルが最適でしょうか

Q133.深礎フレームで極限支持力を算出する場合ですがケーソンで算出するときのDfを直接入力することは可能でしょうか

Q134.組杭について、4本あったとすれば、そのうちどちらか1組(2本)で持てばOKと理解しておりますが、どのように考えればよいのでしょうか

Q135.深礎基礎の突出杭の地震時慣性力についてお尋ねします。突出部の単位当たりの水平力は記載してあるのですが、この荷重を載荷させている状態を確認するのはどこを見ればよいですか

Q136.基礎ばねのex,eyとは何か

Q137.既設橋台を、深礎フレームver.2で再現しています。
隣接杭の影響として、杭2の方は左側と右側で隣接杭までの距離を異なる距離としたいのですが、1つの距離しか入力できないのでしょうか。


Q138.深礎フレームVer.2で復元したデータですが、弾性解析の結果で、水平変位量,支点反力,曲げモーメント,および軸力は既往成果と一致するのですが、せん断力Sが整合とれません。
既往成果は平成7年に設計されたもので、深礎フレームVer.2は平成13年、14年の基準をベースとしたものですので若干の違いはあると思いますが、何か、そのころのプログラムにせん断力を計算するうえで計算方法を見直したなどの経緯がありましたら教えてください。


Q139.常時及びL1地震時の「底面せん断抵抗」のヘルプについての質問です。
『「1本/全体で判定」の場合に、どちらで判定するかは、荷重ケースの「底面せん断」スイッチによります。』
とは、どこのスイッチのことでしょうか。


Q140.橋脚との連動にて深礎L2照査を行っていますが、「詳細設定」により「押込み支持力の降伏判定」を考慮しています。(NEXCO要領)
杭1にて安定照査がOUTとなっています。内容の確認を行いましたが許容値が小さいのですが、この理由を教えて頂けないでしょうか。


Q141.深礎杭のL2照査の判定で、Mmax<My照査において、その時の軸力はMmax位置の軸力を用いているのでしょうか

Q142.深礎フレーム計算のL2で鉄筋区間1のMmaxと杭体断面力のMmaxが一致しないのですがどのような理由でしょうか?

Q143.「斜面上の深礎基礎設計施工便覧」仕様で基礎の降伏に達しないこととした場合、変位の照査が必要なのでしょうか

Q144.地盤条件の入力で、ひろがり角βを内部計算を選択した場合、プログラム上の扱いはどのようにされるのでしょうか

Q145.斜面上の深礎基礎設計施工便覧p.8に「傾斜角が10度未満の・・・」と記述されています。
深礎フレームで地表面の傾斜がないものとして計算する場合の計算方法は、何に準拠して計算されるのでしょうか。
また、平地と傾斜地の違いで構造的に異なるのでしょうか。


Q146.ラーメン構造のL2地震時で杭頭の軸力が上向きの場合も照査しています。
入力データのM−φ算出用の杭軸力の画面に入り確定を押すと”入力制限を超えてるデータがあります”と表示されますが、マイナスの軸力でM−φが正確に算出されているのでしょうか。


Q147.プログラムでは何故変位急増点にて降伏したと判断しないのですか。
α=1において、杭体が降伏していない場合は変位量等を勘案して、変位急増点があっても降伏していないと判断してもよいのでしょうか。


Q148.「設計地盤面の折れ点」を設定する入力項目がありますが、お送りしましたデータでは第2層3層・・もその地表面線との交点より外側はカットされるようになるのでしょうか?また、その辺の説明、および出力で確認できるところがありますか?

Q149.「杭頭接合計算」ですが、フーチング橋軸方向に段差がない場合、水平力の作用方向から考えて、端部の押し抜きせん断照査は、後側杭のみ対象で前側杭については不要のように思えるのですが、どのように考えればよろしいでしょうか。1杭側の結果と2杭側の結果について、前側に相当する結果を無視してかまわないでしょうか?

Q150.レベル2地震時の照査において基礎を降伏させない場合設計水平震度はC2Z・khcoとkhpの小さい方を使用しているように思えますが、理由を教えて下さい。

Q151.レベル2照査で、khpを1.00→1.01とすると結果が全く異なりました。
khpが1.01の場合、logP〜logSの急変点の箇所で基礎降伏判定となります。
khpが1.00の場合、急変点を超えても降伏と判定しません。
急変点を超えると降伏しないを判定の理由を教えてください。


Q152.M―φ算定用の軸力は、発生曲げモーメント位置での軸力ではなく、杭頭での軸力ということでしょうか?

Q153.旧版(H14道示)でのデータを使用し実行したところ「警告;斜面の傾きと水平震度の向きが一致しません」となります。
旧版では問題ありませんでした。


Q154.降伏モーメントを、RC断面計算ソフトで同じ結果にするには、どのようにすればよいですか?

Q155.H24.4「斜面上の深礎基礎設計便覧」P.117、NEXCO「設計要領」にフーチングの骨組みモデル化法がでています。橋台と連動した場合、この骨組みモデルが自動で作成されるのか、これに関してヘルプ等で説明されている部分がありましたら教えてください。

Q156.深礎フレーム(VER.7)について、質問させていただきます。
単列杭の面内解析を行っております。
地層データの入力は、杭から遠ざかるか下がるように入力するよう決まりがあるようですが、上り勾配の場合、X座標を杭から遠ざかるように入力することで対応可能と思われます。
添付資料は上り勾配で実際に入力したものですが、入力エラーが出てしまいます。
X座標は杭から遠ざかるように入力しておりますが、何か不備があるのでしょうか。
あるいは、上り勾配については全く対応できないのでしょうか。


Q157.計算結果の変位と解析結果のδmaxが異なっている

Q158.計算を行うと以下のメッセージが出ました。
=======================
エラー
荷重ケース1において、鉛直方向のばねがなくなり不安定です
=======================


Q159.常時・レベル1地震時照査結果で、2列杭の1本が完全に浮き上がった状態となった

Q160.Ver7まではあった「弾性領域への最小根入れ長L」の項目が,Ver8からは無くなっているように思います。
何か理由があるのでしょうか?


Q161.レベル2の作用力の入力に、『RD、Wu、Yu』等の分野と『Vd、Hd、Md』の分野がありますが、前者による最終震度での作用力を後者に入力した場合、結果に差違がありますが、これは、地盤抵抗等の影響だということでよろしいでしょうか?

Q162.塑性化しやすい(地盤剛性、極限支持力が小さい)地盤の領域が少なく、かつ、引抜き側の杭1は塑性化しにくいと想定していたが、塑性化しやすいと想定される杭2の方が塑性化領域の範囲が小さくなった。

Q163.橋脚連動で段差フーチングの際の深礎杭の検討を実施しております(軸方向2×直角方向3の合計6本)。
算出された基礎バネ(直角方向)の値に違和感を覚えたため、無理やり底版をフラットにして値を比較してみると、連成バネの値が倍・半分違っておりました。元の段差のデータとフラットにしたデータを送信いたしますので、 データの妥当性につきましておかしな点がないかご確認いただけないでしょうか。


Q164.深礎杭で計算実行すると「杭2の山側に変位が○○mmでます。」というメッセージが出てきます。ヘルプを参照したところ、粘着力=C=0をC=1にすると解消されると記述があり実際行ってみると、解消されませんでした。
他に方法はないでしょうか?


Q165.斜面の影響の考慮はどの位置で行われていますか

Q166.杭頭接合計算の計算書で、水平押抜きせん断照査の項目の形状図が、左右逆になっているように見えます

Q167.水平方向の押抜きせん断力に抵抗するフーチングの有効厚さh’が、意図した寸法と異なる

Q168.L2のせん断力が0となります。
再計算しても0の結果が表示されます。


Q169.計算を実行しましたが杭底面のせん断抵抗力が計算されません

Q170.「杭長および地盤条件」−「杭頭からの距離」の入力は、埋め込み長を含めた長さですか、それともフーチング下面からの距離ですか

Q171.「鉄筋データ」−「区間長Lの合計」は、メニュ−「杭長および地盤条件」−「杭長」と同じ長さにする必要はあるのでしょうか。「区間長Lの合計」の方が、「杭長」より長ければ問題ないでしょうか。

Q172.検討箇所の硬岩が亀裂が多いか少ないか不明です。「杭長および地盤条件」-「底面地盤条件」-「土質」は計算結果にどのように影響するのでしょうか。

Q173.直角方向に3列杭の深礎杭のフーチング計算において、端部杭の有効幅の広がりの取り扱いを0.5・Dとしていますが、水平方向押し抜きせん断の計算書では「有効幅B=1.5×D=1.5×2000=2000mm」となっており、計算内容に不整合がでています。

Q174.橋台の設計との連動時に「システムコールエラー」というメッセージが出ます。対処法はありますか。

Q175.深礎杭の設計で、組杭深礎の場合、後列の鉛直地盤反力度がゼロ(浮上り)になる場合がありますが、プログラムでは特にNGの判定としていません。
鉛直地盤反力度がゼロ(浮上り)でも、問題ないと考えてよろしいでしょうか。


Q176.深礎フレームで算出した基礎バネを用いて他製品で解析を行いたいです。
基礎バネを橋軸、橋軸直角とも面内解析で算出しましたが、Kxz:Asrは、橋軸、橋軸直角ともに符号を反転(+→-、-→+)させる必要があるのでしょうか。


Q177.千鳥配置ができるか

Q178.深礎フレームのVer.7とVer.8を比較すると水平変位が大きくなってOUTとなる

Q179.杭頭補強鉄筋の定着長は、L=Lo+10φではないのか

Q180.道示改定に伴い、杭体断面力の照査が弾性解析から弾塑性解析に変更されているかと思います。以前行っていた水平方向安定度照査が、地盤を弾塑性体として計算し、断面力値を算出していたのであれば、今回変更となっている弾塑性解析結果と同じ結果となるのでしょうか。
もし同じ結果とならないのであれば、ならない理由を教えていただけないでしょうか。


Q181.メイン画面の橋軸方向の描画が、直角方向のものと異なり杭部分が小さくなってしまいます

Q182.折れ線地層を杭先端より深い位置まで入力しているのですが画面表示や出力したものを見ると、地層が杭先端より浅い位置までしかない
ように見えます。
単純に表示だけのことか、あるいは入力がうまくいっていないのか確認いただけませんでしょうか。


Q183.橋台の設計との連動時に、橋台の設計側で確認できる基礎ばねは、深礎フレーム側で計算された基礎ばねの値と同じと考えて良いのでしょうか。一致しない場合があるように思います。

Q184.橋台の設計との連動中、基礎ばね計算のチェックを外したいのですが、自動的にチェックが入ってしまいます

Q185.計算実行時に「土塊データ計算エラー」というメッセージが表示されます。
原因と対処法は何ですか?


Q186.常時・レベル1の杭体応力計算時のMmaxの値と、曲げモーメント図のMmaxの値が違います。何故ですか?

Q187.震度算出に渡す基礎ばねを 深礎杭単体で各列毎の合計としたい場合どこで入力すれば良いですか?

Q188.計算を実行したときに「PInp3 Error」というエラーが出ます

Q189.連動元で荷重ケースを入れ替えたら深礎フレームでの値がおかしくなりました

Q190.深礎フレームでは、変位急増点はどのように決まっていますか

Q191.連動時、底版奥行き10mで2×2の組杭深礎杭の場合の計算結果の断面力は、5m幅分ということでしょうか

Q192.底面鉛直地盤反力度の計算についてです。
杭周面摩擦を考慮するとき,
q=N/A+(M’/I’)(D/2-e)
となっていますが,計算に代入されているNとMをどこから算出しているのかわかりません。
杭周面摩擦を考慮しないときは,NとMは杭体下部の断面力と一致していました。
杭周面摩擦を考慮するときのNとMの算出方法を教えてください。


Q193.杭頭接合部の照査で、τhが厳しく埋込み長を大きくしてもNGなのですが、これをOKにする方法はありますでしょうか?

Q194.大口径深礎の場合、せん断耐力がもたない場合に中間帯鉄筋を入れると思いますが、「斜面上の深礎基礎設計施工便覧」p142にある井桁の組み方をした場合、ソフト入力の中間帯鉄筋本数は何本になりますか?

Q195.2つのおなじデータで詳細設定データの6番目の塑性化後のせん断抵抗角の項目のみ変更したところ変位急増点の震度が大幅に変わってしまいます。
このせん断抵抗角の上限設定は硬岩の場合の設定だと思っていましたが軟岩にも影響するのでしょうか。


Q196.基礎ばねにおいて、鉛直軸回りのばね値は計算できますか

Q197.隣接杭の影響を考慮する場合に、杭中心間隔が2D以下でも計算は可能ですか

Q198.深礎フレームの入力を行い、計算実行させると以下のエラーが発生します。どうすればよいでしょうか。
「リストのインデックスが範囲を超えています(0)」


Q199.深礎組杭の山側 レベル1地震時(周面摩擦考慮)において引き抜きが出ています。
これは許容してもいいのでしょうか?


Q200.深礎フレームではレベル2地震時の杭頭接合部照査は行っていますか

Q201.斜面上の基礎ばねの算出について、NEXCO設計要領第二集にあるような、山側傾斜地盤を考慮したばね算出が可能か

Q202.水平力とモーメントの向きが一致しないケースの計算を行いたい

Q203.杭径を変更しても、杭頭の水平変位量の許容値が変わらない

Q204.変位急増点の検出について、ヘルプには「初期に現れる急変点を有効としないために、前面地盤の塑性化率5%以下の範囲では、急増点を認知しないようにしています。ただし、非常に強固な地盤で5%の塑性化より先に杭体が降伏してしまう場合も考慮して、最初に杭体が降伏する点を越えない範囲とします。」とあるが、塑性化率が5%以下でも検出されることがあります。

Q205.深礎杭の杭頭照査において、レベル2地震時に「仮想RC断面」での照査は行わないのでしょうか?

Q206.帯鉄筋断面積Awの値を入力値にしたいのですが、できますか

Q207.杭頭より上の底版部に作用する受働土圧をバネとして考慮したいのですが、できませんか

Q208.杭前面地盤の塑性化領域、弾性領域はどのようにして読み取れますか

Q209.計算時に「ブロック作成エラー」というメッセージが出てきます。どうすればよいですか?

Q210.計算書の杭頭接合計算の項目で、dの値がマイナスになってしまいます

Q211.計算時に「杭長および地盤条件:地盤の傾斜方向が統一されていません」 というメッセージが表示されます

Q212.Lv2地震時の計算で、応答塑性率の照査はどのような場合に行われますか

Q213.基礎ばねを算出する際の解析で、地盤を弾塑性として計算できますか

Q214.地層は杭前面より前にしか入力ができませんが、基礎周面のせん断地盤反力係数はどのように算出されますか

Q215.計算書の杭体断面力の項目で、杭体応力度を算出する位置はどのように決まっているのですか

Q216.計算書の杭頭接合計算の項目で、dの値がマイナスになってしまいます

Q217.計算書の杭頭接合計算の項目にあるdの値は何を表していますか

Q218.橋脚の設計や橋台の設計との連動時、計算実行すると「周面摩擦データ:全杭数分の周面摩擦データが入力されていません」というメッセージが出る

Q219.「盛りこぼし橋台」の検討はできますか

Q220.深礎杭の杭体応力度計算に用いられるMmaxが計算結果に示されるMmaxと異なる数値を使用している様に思われますが、なぜですか

Q221.深礎杭の場合、許容値=標準値×0.9になると思うのですが「フレームデータ」―「常時・レベル1荷重データ(面内解析)」で表示している許容応力度は0.9倍が乗じられていません

Q222.[上載荷重・土圧・荷重]の上載荷重はどこに考慮されているのか

Q223.深礎フレーム計算で入力した水平力と突出部杭慣性力の合計が出力値と合わないようです

Q224.レベル2地震時において、なぜ杭降伏しても、塑性率の照査を行わないのでしょうか

Q225.[杭長および地盤条件]の「地盤データ」で、単位体積重量γの値はL2の検討においてどこに影響してきますか

Q226.深礎杭本体の応力度計算で鉄筋はSD345を使用しています。地震時の許容応力度がσsa=240となりますが、σsa=300が正解ではないでしょうか。

Q227.変形係数αE0の内部計算で、地震時の場合でも常時の2倍にしたくない場合の設定について

Q228.レベル2地震時の作用力入力時は応答塑性率照査を行うことはできないのか

Q229.段差がある底版形状の荷重を自動生成すると、「杭1底版自重(慣性力)」という荷重が杭1の杭頭格点に生成されましたが、これは何の荷重でしょうか

Q230.レベル2地震時照査で、引抜き側の杭が「押込み支持力の上限値に達した」としてNG判定になります。これはどのような状態でしょうか。

Q231.橋台連動時に、自動生成する骨組みが構造寸法とは違っている

Q232.基礎ばねの計算で、基礎ばねの計算位置はex,eyを調整することで合わせて、荷重載荷位置を変えて、計算を行ったところ、若干異なる基礎ばね値が計算れました。これは誤差と考えてよいでしょうか。


Q233.杭頭接合照査で、支圧応力度の照査は行なわなければならないのでしょうか?
どこかに記述はあるでしょうか?


Q234.杭頭ヒンジとしてのMmax/2,深度の算出はできないのでしょうか?

Q235.旧バージョンの場合、橋台の作用力(水平力)は、深礎杭設計に対して、プラスZ値でしたが、Ver.9ではマイナスZ値になってます

Q236.2×2の組杭深礎杭で、杭頭接合計算に用いる杭1と杭2のh'が異なっており、杭1が非常に大きい値になっています

Q237.有効根入れ深さが杭長より長くなるのはなぜでしょうか
入力杭全長5.0m、杭フーチング根入れ0.1m、計算杭長4.9m
有効根入れ深さ5.05m


Q238.橋台底版のせん断照査位置が、段差部の高さを含めた1/2H位置となっているが、段差部を無視した底版高の1/2Hで計算したい

Q239.深礎フレームと基礎工による計算結果がかなり異なります。
断面力は同じです。どちらも正しいと考えて良いでしょうか。


Q240.段差が無い場合で、橋軸方向に2列、直角方向に3列の場合に、橋軸方向面内解析を行う場合に、計算する列を3列の内どれを指定しても同じ結果になるか

Q241.サブスクリプション版の下部工と非サブスクリプション版の深礎フレームで連動できますか

Q242.底版の配筋はどこで設定するのか

Q243.旧データを読込むと荷重が2倍になった

Q244.底版下面中心位置に荷重を載荷したい

Q245.ばねを変更したが、水平変位は変わるが最大断面力が変わらない

Q246.3D画面の矢印はどこを指しているのか

Q247.[詳細設定]-[モデル化]の「地盤を塑性化させない」スイッチはどのような場合に使うのか


上記以外のQ&Aはすべて製品ヘルプのQ&Aに取り込んでおります。最新バージョンの製品を取得の上、Q&Aをご覧下さい。

Q&A履歴


  

Q1.

地層を2分割して層数を増やした場合、計算結果が、元の計算結果と異なる事があるがなぜか?
A1. 前面地盤の塑性化領域として考慮するくさび状の土塊ブロックのひろがり角βの算定について、入力条件でβを内部計算とした場合、次のように取り扱っています。
ひろがり角β:
すべり角度と同様に土塊の広がり角度は、地層の変化によらず一定であると仮定し、その大きさはすべり面上の各地層のすべり面の長さが最も大きい地層に対応した値とする。
ヘルプ[計算理論及び照査の方法]-[地盤の水平支持力]-[2層地盤の極限水平支持力]を参照ください。あるいは、JH2集p4-71を参照ください。

例えば、全体で3層の地層モデルがあるとします。層厚を1層目より(1)3.0m、(2)4.0m、(3)10.0mとします。
この場合、ひろがり角βを内部算定する際の地盤定数は、すべり面の長さが最も大きい地層に対応した値としますので、深さ7m程度までは2層目の層厚が大きいので、この場合は2層目の内部摩擦角φ(=30度)によって「β=30+φ/3=40.0度」と決定されます。
次に、2層目を分割したモデルを考えてみます。全体で4層となり、層厚は1層目より(1)3.0m、(2)2.0m、(3)2.0m、(4)10.0mとなります。
この場合、ひろがり角βを内部算定する際の地盤定数は、すべり面の長さが最も大きい地層に対応した値としますので、深さ7m程度までは1層目の層厚が大きいので、この場合は1層目の内部摩擦角φ(=25度)によって「β=30+φ/3=38.3度」と決定されます。

上記のように2つのひろがり角βの違いによって、結果的に極限水平支持力Rq、塑性化抵抗力Roの値が異なってくるので、地層を2分割した場合と分割しない場合の2つのファイルの計算結果が異なってきます。
このような場合の対策としましては、「杭長および地盤条件」の入力で、ひろがり角βを「内部計算」→「直接入力」に変更し、支配的な層(この例では1層目)から決まるひろがり角β=40度を入力して対処頂きたいと思います。
 
Q2. 地盤条件の入力で、各地層の変形係数αEoを入力する代わりに地盤反力係数を直接入力する場合どうすればよいか?
A2. 地盤条件の入力で、各地層の変形係数αEoを入力する代わりに地盤反力係数を直接入力する場合、次の値のうち、「kH:水平方向地盤反力係数」の方を入力して下さい。
 ・kHo:直径0.3mの剛体円板による平板載荷試験の値に相当する水平方向地盤反力係数
 ・kH :水平方向地盤反力係数
 
Q3. 計算の結果、必要となる杭長が予想以上に大きな値となった。この原因として何が考えられるか?
A3. 地盤条件データにおいて、層途中に粘着力C=0の土層がある程度の厚さで存在する場合は、本件症状(=杭長が大きくなる等)の可能性が十分あります。
このような地盤条件に対しては、深礎基礎の設計計算的な立場からみると、あまりにも特殊で不利な地盤条件であるといえます。

このような入力データのまま、地盤の極限水平支持力Rqを計算すると、算出式の仕組み上、地中部において極限水平支持力Rqが激減して小さくなる箇所があります([地盤の諸条件データ]-[水平支持力の出力]箇所にてご確認下さい)。
このRqが小さくなる深さでは、解析上、水平方向の安定度が保てないため、その結果として地盤の塑性化領域が深く進むことになり、結果として杭体の根入れ長を多く必要となってしまいます。

元来、深礎基礎のRq算出式は、山岳地帯での岩盤を想定してできた式であり、地盤種類が「土砂および軟岩」に区分される土層であっても、粘着力C=0という状況は想定していない算出式と思われます。

深礎基礎の設計における水平支持力Rqは、杭体前方地盤にくさび状の土塊ブロックを想定し、これが谷側へすべり出す際の極限状態から求めるのですが、このとき、すべり面の抵抗力として岩盤の粘着力Cが活躍して大きな抵抗力となり、十分な水平支持力が得られるのですが、上記のようなデータの場合、C=0の層が大部分を占めているので、十分な水平支持力が得られていないのです。
結果として、荷重作用により、地盤の塑性化領域が深く進むことになり、根入れ長の増大の原因となっています。
 
Q4. 基礎に作用する照査荷重を「フーチング中心に作用する初期荷重(Vd、Hd、Md)」欄に入力しても問題ないか?
A4. 動的解析結果等の橋梁全体解析から得られた基礎への作用力に対して、基礎の保有耐力法を検討する場合、この作用力を「フーチング中心に作用する初期荷重(Vd、Hd、Md)」欄に入力しても問題ないかという問いです。

保有耐力法荷重データでの「フーチング中心に作用する初期荷重(Vd、Hd、Md)」欄は、あくまでも、照査荷重(最終的に作用する載荷荷重)があるものとして、これとは別個の初期荷重を想定したものです。

■橋脚基礎の場合
鉛直力についてみると、「上部工死荷重Rd+橋脚重量WP+フーチング重量WF」の合計値が鉛直力となり、式で表すと、
 式:橋脚基礎に作用する鉛直力 Vo=Rd+WP+WF+(Vd)
これら以外に初期荷重として考慮したい重量がある場合には、『フーチング中心に作用する初期荷重Vd』として考慮ができます。
例えば、フーチング上載土重量を考慮する場合は、この初期荷重Vdとして考慮することで対応が可能です。水平力に関する初期荷重Hdは、基礎に作用する偏土圧などを考慮する場合、モーメントに関する初期荷重Mdは、橋脚躯体による偏心モーメントなどを考慮する場合に使用してください。

■橋台基礎の場合
鉛直力についてみると、「上部工死荷重Rd+橋台重量WA+フーチング重量WF+フーチング背面土重量WS+背面土初期土圧の鉛直成分PV」の合計値が鉛直力の初期荷重となり、式で表すと、
 式:橋台基礎に作用する鉛直力の初期荷重 Vs=Rs+WA+WF+WS+PV+(Vd)
これら以外に初期荷重として考慮したい重量がある場合には、『フーチング中心に作用する初期荷重Vd』として考慮ができます。
例えば、フーチング前面土重量を考慮する場合は、この初期荷重Vdとして考慮することで対応が可能です。水平力に関する初期荷重Hd、モーメントに関する初期荷重Mdも同様に考えてください。

さて、保有耐力法での荷重載荷のしくみですが、内部的には、照査荷重部分は段階的に増加させながら(αi=0〜1の間を変化させながら)載荷しますが、初期荷重部分は最初の段階において一括載荷としています。
したがいまして、初期荷重の値に照査荷重の大きさを入力した場合は、内部的には適正な載荷状態(=段階的に増加させながらの載荷)となりませんので、正しい計算結果が得られません。
本問合せのように、基礎に作用する荷重として通常のRd、Wu、Wp…などによる荷重でなく、基礎に作用する照査荷重(最終的に作用する載荷荷重)が直接得られている場合の入力方法につきましては、製品ヘルプQ1-8に示す方法にて入力対応していただきますようお願いいたします。
 
Q5. 深礎各杭の分担荷重を算出するときや、基礎バネを算出するときに、深礎杭の単位重量を0にする理由は何か?
A5. 面外解析での分担荷重を算出するときや、基礎バネを算出するときは、ヘルプQ&AのQ1-11、Q6-7では、深礎杭の単位重量として0入力を求める説明がなされています。
これは、杭頭の断面力や変位を求める際、杭体自身の自重による沈下の影響によって、断面力や変位に影響が出てしまい、作用荷重のみに対する杭頭の断面力や変位がわからなくなってしまうためです。

例えば、杭長が異なる非対称の組杭では、杭体自重のみの影響で基礎天端に水平変位・鉛直変位・回転変位が生じますので、これを防止するため杭体自重を0にすることで解決しています。
また、対称な組杭であれば自重があっても良いのでは、という疑問が生じますが、この場合も、杭体自重のみの影響で基礎天端に鉛直変位が生じますので、これも同様に防止するため杭体自重を0にすることで解決しています。

以上より、面外解析での分担荷重を算出するときや、基礎バネを算出するときは、作用荷重のみに対する断面力や変位が必要となりますので、作用荷重以外の荷重要素は取り除いて、純粋に作用荷重のみに対する解析を行う必要があります。
この際、基礎全体の地盤抵抗を弾性状態として維持する必要がありますが、本製品では、詳細設定スイッチにて底面バネ条件を全断面有効とすること、底面引抜き力に対しても引張バネとして有効とすることで、対応可能としています。
 
Q6. 面外方向の設計で荷重分担率を求める場合、杭頭支点反力にマイナス値が出たときはどう考えるか?
A6. 面外解析の結果、杭頭支点反力にマイナス値が出た場合の荷重分担率の考え方については、基準類等でも記載がありませんが、一つの方法として、次のように考えることで荷重分担率を求めることができます。
各杭が分担する荷重はどの杭も(1/杭本数)を下回らないということを踏まえて、杭頭支点反力がマイナス値となる杭は(1/杭本数)とし、杭頭支点反力がプラス値となる杭はプラス杭間で分担率を求める、とする方法です。
なお、本考え方の採用につきましては、設計者の側で十分ご判断いただきたいと思います。

例えば、3列杭の場合は以下のようになります(どの杭も1/3本=0.33を下回らないものとします)。
(1)全杭プラス値の杭頭支点反力の場合
 杭1  200.0kN  200.0/(200.0+100.0+50.0)=0.57
 杭2  100.0kN  100.0/(200.0+100.0+50.0)=0.29 → 0.33
 杭3   50.0kN   50.0/(200.0+100.0+50.0)=0.14 → 0.33
(2)一部マイナス値の杭頭支点反力の場合
 杭1  200.0kN  200.0/(200.0+100.0)=0.67
 杭2  100.0kN  100.0/(200.0+100.0)=0.33
 杭3  -50.0kN  1/3=0.33
 
Q7. 鉄筋かぶりの入力は、ライナープレート部分の厚さを考慮して入力するのか?
A7. 鉄筋かぶりの入力は、入力画面に示される設計径に対してのかぶり値を入力して下さい。
ライナープレート使用の場合は、ライナープレート厚さを公称径と設計径の差として考慮しますが、モルタルライニング使用の場合は、公称径と設計径は同値としています。
例えば、公称径:φ2500mm、設計径:φ2450mm、ライナープレート厚50mm、公称径からの鉄筋かぶりを160mmとした場合、設計径:φ2450mmに対してのかぶり値は 160-25=135mm となりますので、この値を入力して下さい。
一方、公称径:φ2500mm、設計径:φ2500mm、モルタルライニング使用、公称径からの鉄筋かぶりを160mmとした場合、設計径:φ2500mmに対してのかぶり値は 160-0=160mm となりますので、この値を入力して下さい。
 
Q8. レベル2計算結果で「載荷結果」「載荷結果(2)」に何も表記されない。
A8. ヘルプのQ&A「Q5−9(※)」と同様の現象になっているものと思われます。
製品ヘルプQ5−9を参照の上、構造諸元の変更、または、変位急増点を降伏点と見なす方法にて、対応をお願いいたします。

製品ヘルプQ5−9で、安全性の判定表でモーメントの値が0となり、・・・「杭体が何らかの原因で不安定状態」・・・の具体的な内容は、
(1)載荷計算の途中で、杭体降伏モーメントが計算上発生せずに、終局モーメントに達した場合。
(2)載荷計算の途中で、杭体降伏モーメントが計算上発生せずに、上部工慣性力作用位置の水平変位が2mを越えた場合。
(3)載荷計算の途中で、杭底面の浮上りが進み、浮上り率が100%に達して「鉛直方向のバネがなくなり不安定」となる場合。
が考えられます。
本プログラム内ではこれらの状態を検出すると、解析上の不安定に達したとみなし解析部が終了し、後処理プログラムにおいて想定している「必ず到達しなければならない計算通過点」が存在しないために、杭体モーメントに対してM=0と表示する仕組みとしています。
対策としましては、製品ヘルプQ5−9に示す方法にて対応頂きたいと思います。


※製品ヘルプ
Q5−9
安全性の判定表で、モーメント値がすべて0となるのはどうしてですか。

A5−9
本症状は、杭が降伏するとか、荷重載荷が終了する(αi=1)などの、必ず到達しなければならない計算通過点の以前に、杭体が何らかの原因で不安定状態となって、計算が終了しているケースです。基礎に作用するHo、Moが最終的にかなり大きくなる場合、このような症状となります。対策として、杭長を伸ばすなどして再度計算してみて下さい。

一方、杭長を変更することなく、このままの計算結果の状態で、「水平震度−水平変位曲線図」を判断して途中に変位急増点がある場合は、この変位急増点を降伏点と見なすことによって、応答塑性率の照査により基礎の安全性の判定を行うのも一つの方法です。



 
Q9. 「深礎フレームVer.4」で「*.sfw」のデータファイルを読み込みたい。
A9. 「深礎フレームVer.4」で「*.sfw」(深礎フレームVer.2データファイル)を直接読み込むことはできません。
下記の手順で「深礎フレームVer.3」で読み込み(変換)、保存しなおして読み込んでください。

1)深礎フレームVer.3を起動する。

2)「ファイル(F)」−「開く(O)」で「ファイルの種類」を「深礎フレーム
(*.sfw、*Asfw)」とする(ファイルの種類の右側の▼を押すと選択いただけます)。

3)「ファイル(F)」−「名前を付けて保存(A)」で保存する。

4)深礎フレームVer.4を起動し、3)で保存したファイル(.f8o)を読み込む。

※「深礎フレームVer.2」「深礎フレームVer.3」「深礎フレームVer.4」は別プログラム扱いとなっておりますので、同じマシンに共存してインストール可能です。
インストール先を変更される場合は、同じフォルダ名にされないよう、上書きインストールされないようご注意ください。

※※下部工(橋台・橋脚)と連動使用されている場合は、最後にインストールした製品と連動しますので、最新の「深礎フレームVer.4」を最後にインストールしてください。
 
Q10. 画面上で地層の交差がないにもかかわらず「地層線が交差している」というメッセージが表示される。
A10. メイン画面に表示している地層情報は、「オプション」−「プログラム内部設定値」の「折れ線地層時の最大地層描画長さ」までしか表示しません。
ここの値を50m等に変更しますと、地層が交差していることが分かります。

地層が交差していますと、計算が正常に行えませんので、データをご確認下さい。
 
Q11. 「深礎フレーム」から「震度算出(支承設計)」へ基礎バネを入力する場合の符号について
A11. 「深礎フレーム」から「震度算出(支承設計)」へ基礎バネの入力については以下の通りです。

(1)深礎フレーム(面内解析)から震度算出へ基礎バネ入力する場合
震度算出(橋軸方向):深礎フレーム(面内解析)
kx :Ass
ky :Avv
kz :Arr
kxy: Asv
kxz:-Asr ←符号反転
kyz:-Avr ←符号反転

震度算出(橋軸直角方向):深礎フレーム(面内解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :-Asr ←符号反転
kyz :なし


(2)深礎フレーム(面外解析)から震度算出へ基礎バネ入力する場合
震度算出(橋軸方向):深礎フレーム(面外解析)
kx :Ass
ky :Avv
kz :Arr
kxy: Asv
kxz: Asr
kyz: Avr

震度算出(橋軸直角方向):深礎フレーム(面外解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :Asr
kyz :なし

上記説明中の「なし」の意味ですが、深礎フレーム側では「なし」に該当するバネ成分を計算していないので、値がありませんという意味です。
したがいまして、「なし」に該当する箇所は0入力として下さい。
 
Q12. 「震度算出(支承設計)」−「橋台の設計/橋脚の設計」−「深礎フレーム」連動の仕組みを教えてほしい。
A12. 連動のしくみは以下のようになっております。

【橋台の設計/橋脚の設計−深礎フレーム間の連動の仕組みについて】
「橋脚の設計/橋台の設計」を起動し「震度算出(支承設計)」のファイル(*.F3W)を開いて、「橋脚の設計/橋台の設計」側で「計算確認」ボタンを押して計算実行を行うと計算が行われ、荷重データ等も「橋脚の設計/橋台の設計」側から「深礎フレーム」側に引き渡されます。
「橋脚の設計/橋台の設計」側にて計算実行を行った時に、「橋脚の設計/橋台の設計」側から底版中心の作用力等を集計し、「深礎フレーム」側に引渡し、「深礎フレーム」側でこのとき初めて杭体に関する計算を行い、計算結果である杭頭反力や基礎バネ値を橋脚(橋台)側へ返すようになっております。

【震度算出(支承設計)−橋台の設計/橋脚の設計間の連動のしくみについて】
「震度算出(支承設計)」と「橋脚の設計/橋台の設計」間のデータのやりとりは、「橋脚の設計/橋台の設計」側で一旦データを保存していただき、「震度算出(支承設計)」側でその保存したデータを開いて下さい。これによって、「深礎フレーム」側で計算した基礎バネ値が「橋脚の設計/橋台の設計」を経由して「震度算出(支承設計)」へ渡って行きます。

杭の諸元を変更すると、変更情報が「橋脚の設計/橋台の設計」側に渡りますが、「橋脚の設計/橋台の設計」側の計算実行を自動的には行わないので、「橋脚の設計/橋台の設計」側から再度、計算実行を行って下さい。

なお、「橋脚の設計/橋台の設計」側でメニューの震度連携−剛性モデルの確認を選択しますと、「深礎フレーム」の基礎バネ計算が行われ、「橋脚の設計/橋台の設計」側に基礎バネ値が連動されます。
 
Q13. レベル2地震時の計算で再計算を行ってもせん断力がS=0となる。
A13. せん断力の結果が0の症状が続く原因は、応答変位時δFRのときに対する断面力が求まらないため、すなわち、水平震度−水平変位曲線が応答変位δFRに達するよりはるか前にαi=1.0に達するか、終局してしまい、計算が終了してしまうために応答変位時δFRに相当する断面力が求められません。
したがって、杭体の構造諸元を変更するために、先ず終局モーメント(Mu)を上げる対策(=鉄筋量を増やす等)にて、再計算を実行ください。
また、上記対策を行った後も、せん断力S=0となる場合がございますが、この場合は再度計算実行ください。
 
Q14. 部材幅b、有効幅dの算出方法は?
A14. b、dの求め方につきましては、道示IV(H24)のp190をご参照下さい。
プログラム内では、以下のように計算しています。

杭の円形断面の矩形換算断面を求め、幅b、高さhを求める。
部材幅b=√Ac,Ac=π/4・Ds^2
部材高h=b

杭の円形断面の矩形換算断面の有効高さdを求める。
鉄筋各段の、鉄筋半径をRsi、鉄筋量をAsiとする。
鉄筋各段の引張側1/4円弧部分の鉄筋図心までの距離(円中心からの距離)をy
Giとする。
yGi=2√2/π×Rsi=0.900316316×Rsi
yGo=Σ{(Asi/4)・yGi}/Σ{(Asi/4)}
有効高さdは、
d=h/2+yGo
 
Q15. 弾性解析結果で地盤反力度が0となっても解析上はOKと判断して良いのか?
A15. 地盤反力度が0 KN/m2となるのは、@押込み状態にある杭で杭底面有効載荷面積が0となった場合、あるいは、A引抜き状態にある杭の場合、のいずれかの場合です。
当社の見解としましては、杭底面の浮き上がりはOKとはせずに、構造諸元の変更を行い杭底面の浮き上がりが生じないように設計を行うのが良いと考えています。
杭底面に浮上りが生じた場合の構造諸元の変更は、杭長の増加、杭径の増加、杭本数の増加の順で再検討してみて下さい。プログラム内での自動対処は行っておりません。
杭底面の浮き上がりをOKと考えるのではなく、構造諸元の変更で対処という根拠としては、NEXCO設計要領第二集(H18.4)p4-68、荷重分担の項で「(1)鉛直荷重は、杭周面の鉛直せん断地盤反力および杭底面の鉛直地盤反力で支持することを基本とする。」という箇所から判断しています。なお、この判断はあくまで1つの考え方ですので、最終的には設計者の判断にて OK/NG を決定してください。

レベル1の設計において、杭底面に浮上りが生じても良いかどうかの判断については、申し訳ございませんが、当社でも責任ある回答はできません。基準類でも引抜き杭となったときの処置は明記されていないようです。参考までに、過去の問合せでは、レベル2の設計では引抜側の杭底面浮上りのケースをOKとするのはしばしば見受けられますが、レベル1の設計で杭底面の浮き上がりケースをOKとするのは記憶がありません。
 
Q16. 深礎フレームの計算結果が他社と合わない場合について
A16. 深礎杭の計算結果については、深礎杭研究会(ヘルプQ1−20参照)において各ソフト会社(5社)の計算結果の比較を、過去に通算3年ほど行ってきており、代表的なモデルについては、レベル1地震時、レベル2地震時とも十分一致していることを確認しております。
これまでのユーザ様問い合せを通じて、結果が異なるときの原因は、おおよそ次のいずれかになります。
 @ 入力条件が相違している場合。
 A 上述の代表的モデルに比べて地盤条件や設計条件が著しく異なる場合。
これまでも、「他社の結果と異なる原因は何ですか。」というお問い合せをたびたび受けておりますが、結果にかなりの差が生じるというときは、@入力条件が相違している場合がほとんどです。同じ設計条件でも、各社ごとに地盤データの入力方法や、荷重の入力方法、その他詳細なスイッチ類の入力方法が違いますので、その点を十分踏まえた上で、再度、ご確認願います。
なお、他社の計算結果一式をご送付頂いたとしても、当社(フォーラムエイト)には他社のプログラムがありませんので、入力データをいろいろ試して原因を詳細に調査することができません。ご面倒ですが、設計者の側で両社の入力条件が一致しているかどうかを十分にチェック願います。
なお、相違する原因調査の手順としては、深礎の計算結果出力の地盤の諸条件データの地盤反力係数、支点バネ値が他社ソフトと合っているかを確認し、次に弾性解析結果が合うかどうかを確認します。着眼点としては、地盤反力、変位、杭体断面力が一致しているかどうかを確認することが重要です。
 
Q17. 「直線地層線」で入力した場合、2層目以下が1層目地表面と交差した先の部分も地盤として考慮しているか?
A17.
地盤形状を「直線地層線」で入力した場合のプログラム内部の処理については、2層目以下が1層目地表面と交差した先の部分は無視し、あくまでも1層目地層線を地表面とみなして(=プログラム内部では1層目に沿う地盤形状として扱い、)地盤バネや土塊重量を計算しています。
 
なお、地盤形状を「直線地層線」で入力した場合、2層目以下の地層線が1層目地表面に突き出てしまう図化がなされますが、計算実行は可能です。
一方、地盤形状を「折れ線地層線」で入力した場合は、突き出てしまう図化がなされますが、計算実行は不可としています。
 
Q18. 三角形分布土圧の場合、P2はKa×γ×奥行き(作用幅)で良いか?
A18. 杭体に作用する土圧は、考える影響幅として杭径の3倍を考えます。ただし、杭間隔が杭径の3倍未満のときは杭間隔とします。(設計要領第2集H12.1 P4-58)
本プログラムでは、主働土圧(kN/m2)に奥行き方向の土圧影響幅(m)を掛けた土圧(kN/m)を入力して下さい。
画面上の入力単位が(kN/m)となっていますが、これは、杭軸方向1m当りに沿って作用する分布荷重の強度を表しています。
 
Q19. 杭体の照査のせん断照査でτm<τ2であるのに、判定結果がNGとなる理由は?
A19. プログラムにおけるせん断応力度の照査内容は、以下のとおりです。
τmがτacを満足する場合は、必要斜め引張鉄筋量の算出を行いません。
τmがτacを満足しない場合は、必要斜め引張鉄筋量Awを算出し、入力されている斜め引張鉄筋量と比較し、τmとτa2の比較を行い、判定を行っています。
結果一覧ではτac、τa2だけの表示となっていますが、Awを満足しているかどうかの判定も行っています。
τmがτacを満足しない場合の詳細につきましては、印刷出力の「弾性解析結果」-「杭体断面力」にてご確認下さい。
 
Q20. 「深礎フレーム」から「FRAMEマネージャ/FRAME(面内)」へ基礎バネを入力する場合の符号について
A20.
「深礎フレーム」から「FRAMEマネージャ/FRAME(面内)」へ基礎バネの入力については以下の通りです。

(1)深礎フレーム(面内解析)からFRAMEマネージャ/FRAME(面内)へ基礎バネ入力する場合
フレームマネージャ(面内):深礎フレーム(面内解析)
kx :Ass
ky :Avv
km :Arr
kxy : Asv
kxm : Asr
kym : Avr
フレームマネージャ(面外):深礎フレーム(面内解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :-Asr  ←符号反転
kyz :なし
 
 
(2)深礎フレーム(面外解析)からFRAMEマネージャ/FRAME(面内)へ基礎バネ入力する場合
フレームマネージャ(面内):深礎フレーム(面外解析)
kx :Ass
ky :Avv
km :Arr
kxy : Asv
kxm : -Asr  ←符号反転
kym : Avr
フレームマネージャ(面外):深礎フレーム(面外解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :Asr
kyz :なし

上記説明中の「なし」の意味ですが、深礎フレーム側では「なし」に該当するバネ成分を計算していないので、値がありませんという意味です。
したがいまして、「なし」に該当する箇所は0入力として下さい。
 
Q21. 「杭1が山側に変位」というエラーが発生したため、製品ヘルプのQ6-12を参照して、c=0をc=1に変更したが改善されない。
A21.
極限水平支持力とモデルのバランスにより、上記対応をしても山側に変位するケースがございます。
 
解析途中のモデルの荷重分担等のため、一時的に山側に微小変位する事により計算がストップしてしまうのでは困るため、プログラム内部では山側に1mmまで変位することを許しております。
このため、1mmを超えた時点でエラーメッセージが表示されております。
 
この件につきまして、山側へ変位しても計算をある程度流すことができるように、山側に変位する時の山側への許容変位量を指定できるようになっており、この1mmまでという値を変更することができます。「オプション−プログラム内部設定値」にて変更が可能です。
この値を変更する場合は、この画面のヘルプを必ずお読みください。
深礎基礎の設計計算では、山側に変位して安定するという状態は想定していないと思われますので、この値の取り扱いについては、十分注意し、設計者様のご判断にてご利用願います。
 
 
Q22. 計算を実行すると、「非常に薄い層が存在してます」というエラーメッセージが出る
A22.
メッセージ「非常に〜」は、地中部のバネ値の計算時に薄い層が存在すると計算が正常に行えない場合があるためであり、「計算続行」によって、計算結果が得られる場合は正常終了したことになります。
計算が正常終了しない場合は、地盤反力係数の1/βの収束計算でエラーが発生する事があります。
 
Q23. 橋台と深礎杭を連動時、底版の剛体判定の杭軸方向バネ定数Kvはどのように算出しているか?
A23.
フーチングの剛体判定用の杭軸方向バネに関しては、設計基準類に明確な記載がないため、「深礎フレーム」側では次のように扱っています。
杭軸方向バネは、深礎杭底面の鉛直バネ値(Kv)、および、杭周面摩擦考慮時は鉛直方向の周面摩擦バネ値(Ksv)を合計した鉛直バネ値とします。このとき、深礎杭自体は剛体とみなし軸方向剛性は考慮しないものとします。
「橋台の設計」側での「Kv」は、深礎フレーム側で計算したものが自動的に設定されるようになっています。
杭の軸方向バネは、深礎杭底面の鉛直バネ、および、杭周面摩擦考慮時は鉛直方向の周面摩擦バネの合計値を加算したバネ値としています。
鉛直方向の地盤抵抗(地盤バネ)については、
・設計要領(H12.1)p4−60の表および、p4−64〜65
・設計要領(H18.4)p4−69の表および、p4−73〜74
をご参照下さい。
 
Q26. 橋台連動時にメッセージ『斜面の傾きと水平荷重の向きが一致しません』が表示されるが?
A26. 橋軸直角方向の地盤傾斜角と、基礎バネ水平荷重の向きが異なっているために表示されますので、同じとなるよう修正してください。
    
Q27. 入力で鉄筋データを複数区間設定した場合、区間毎に断面計算は行わないのか?
A27. 詳細設定−設定4に、「○鉄筋区間ごとの杭体応力度照査、1/2Mmax位置の応力照査」をする/しないの設定があります。
各鉄筋区間毎に照査を行いたい場合は、「照査する」にチェックください。
    
Q31. 杭底面の許容鉛直支持力度qaの低減係数αB算出時の斜面の傾斜角はどのように設定されるか?
A31. 杭底面の許容鉛直支持力度qaの低減係数αBの算出に用いる斜面勾配は、杭底面位置を通る水平線と杭前方斜面との交点における地盤傾斜角θを用いて、低減係数αBを内部算出しております。

詳細設定データ−設定5の画面のヘルプを押しますと、内部設定の場合と直接入力の場合の説明がありますので、こちらもご参照下さい。
    
Q32. レベル2荷重データの設計水平震度C2z・khcoには構造物特性補正係数Csを無視した値を入力するのか、Csを考慮したCs・C2z・khcoの値を入力するのか?
A32. C2z・khcoを入力してください。
なお、橋脚基礎の場合は、入力されたC2z・khcoを用いて上部工の地震時慣性力を算出しています。
橋台基礎の場合は、プログラム内部で
構造物特性補正係数 Cs = 1/√(2μa-1)=1/√(2*3-1) = 0.4472
を算出し、入力されたC2z・khcoを用いて
設計水平震度 khc= Cs・C2z・khco を算出し、上部工の地震時慣性力を算出しています。


したがいまして、C2z・khco欄の入力にはCsを乗じない値を入力して下さい。
レベル2荷重データ入力画面の荷重確認欄にて数値の確認ができますので、こちらもご覧下さい。
    
Q33. 地震時扱いの荷重に割り増しをしたい。
A33. 道示IV(H14.3)のP151下部に記載がありますように、「地震の影響を考慮する場合の設計では、τa1に荷重の組合せに応じた割増係数を乗じる代わりに表5.2.1に示すτcの値を用いるものとする」との記載から、地震時扱いの荷重時には割増係数を乗じておりません。
したがいまして、現状では、割増しを行いたい場合は、基準値のτcの値を直接変更いただくしかありません。

常時扱いか地震時扱いかにつきましては、荷重ケースの「地盤バネ」欄のスイッチにより判断しております。
    
Q34. フーチングなし形状で上載土砂が考慮されない。
A34. 現行バージョンでは、フーチング上にある上載土砂につきましては、重量および浮力ともに考慮しておりますが、フーチング無し形状(大口径深礎杭)の場合は、上載土砂およびその浮力については、連動時の作用力として考慮しておりません。
常時,レベル1地震時につきましては、「橋脚の設計」側のオプション荷重「安定計算に考慮するその他作用力」として、別途設定することでご対応ください。
また、レベル2地震時につきましては、「深礎フレーム」側の「レベル2荷重データ」画面において、フーチング中心に作用する初期荷重として設定することでご対応ください。
    
Q35. レベル2地震時の深礎基礎の状態で「基礎が終局した(極大変位)」とは?
A35. 基礎の終局の定義としては、全杭が終局に達したとき、あるいは、上部構造の慣性力作用位置での水平変位が2mに達したときを基礎の終局と定義し、計算を終了しています。
(杭体自体が破壊したという意味の終局ではありません。)
    
Q36. 深礎杭で下記エラーメッセージが発生する。
--------------------------
入力エラー[杭番号*]の地層線先端が杭底面より深くまで入力されていません杭底面より深くまで設定して下さい
--------------------------
A36. 計算内部の処理において、土塊ブロックすべり角のサーチでは、最終点に到達するか、それ直前まで(検索角度ピッチの都合により)の範囲でのサーチとなります。水平バネ値なども、杭前方地盤内で地層線が途中で無くなると、正しく計算できません。以上の事から、折線地層線で入力した場合、各地層線の先端は少なくとも杭底面位置より深い下方まで定義されていることを前提としています。入力した地層すべての先端位置を杭底面より下方に伸ばして、再計算をお願い致します。杭前面より十分遠方(杭径×10倍以上の遠方)の地盤については、解析上影響がないであろうと判断し、ある程度の地点から地層線を下向きに折ったモデル化を行います。なお、折れ線地層線の最後が水平線の場合は、杭底面より深くまで入力することが出来ませんので、この場合に限りOKとしております。
    
Q37. 橋脚の設計と深礎フレーム連動時、レベル2の荷重を直接指定することはできないか?
A37. こちらの機能は、橋脚−杭基礎間の連動時の場合に有効なものとなります。(画面ヘルプ説明をご参照願います。)深礎フレームとの連動時には、レベル2地震時の作用力の直接指定は有効になりません。直接入力を行いたい場合は、「深礎」側で一旦データを保存し、連動ではなく「深礎フレーム」単独で当該データを読み込み、レベル2地震時の荷重データを入力変更して計算を行ってください。
    
Q38. 計算実行時、「大口径深礎で地層傾斜角が10度以内のため、・・・」とメッセージが表示される。
A38. 道路公団設計要領(H12.1)より、大口径深礎(D≧5m)で水平地盤(θ≦10度)のケースでは、極限水平支持力の計算において受働土圧による上限値を考慮することとなりました。本プログラムでは、この条件に当てはまるケースであっても、一律に、受働土圧を考慮する取り扱いとはしていませんので、設計者において、考慮する/考慮しないの判断をして下さい。このメッセージは、このまま計算を続行することも可能です。なお、受働土圧による判定は、「深礎基礎データ」!
-「詳細設定データ」-「設定4」の『大口径深礎のとき、水平地盤における受働土圧より算出される極限水平支持力』にて設定いただけます。こちらで「考慮する」「考慮しない」を設定ください。
    
Q39. 基礎バネ算出時、常時、地震時、固有周期どれを選択しても同じ結果となる。
A39. 下部工−深礎連動時には、基礎バネ荷重データのスイッチに関係なく、橋軸方向・橋軸直角方向の両方向の固有周期時、常時の基礎バネの計算をそれぞれ行い、下部工側に基礎バネ値を返しております。この時、初めに固有周期時の計算、次に常時の計算を行っている都合で、深礎の画面に表示されているのは最後に行った常時の結果となっています。なお、深礎側での計算実行ボタン使用により基礎バネの計算を行った場合は、基礎バネ荷重データ画面のスイッチ状態に応じた基礎バネ値を表示しています。
    
Q40. 橋脚−深礎連動で、橋脚側の水位あり/なしの条件が深礎側に反映されない
A40. 深礎フレーム側に水位を考慮する機能がないために、橋脚側の設計条件(水位状態)をそのまま反映できていません。
現状では、深礎フレーム側で、「水位なし」「水位あり」の個別にデータファイルを用意し、地盤重量、杭体重量に対して水中重量を考慮して、ご対応下さい。
    
Q41. レベル2降伏点の修正方法について
A41. 降伏点の修正は、同画面で「○全点表示」を選択し、該当水平震度をマウス選択して青色反転し、「降伏点の修正」ボタンを押すことで降伏震度を変更する事ができます。
    
Q42. 常時・地震時における弾性解析結果の水平変位の許容値を変更したい
A42. 基準値−荷重ケースにて許容変位を直接入力する事ができます。
また、この画面で「許容変位のセット」ボタンを押しますと以下の内容で値をセットします。

 橋脚基礎:50mmを上限とする杭径の1%
 橋台基礎:常時は15mm、地震時は50mmを上限とする杭径の1%
    
Q43. 深礎杭の基礎バネ算定で動的バネを算定する際、地層の傾斜をどのように動的バネに反映しているか
A43. 基礎バネ算出においては、前面地盤傾斜による影響を考慮した地盤反力係数kHの低減処理を行っております。(参考までに、変形係数αEoを低減するのではなく、地盤反力係数kHの段階で低減を行なう点にご注意下さい。)
基礎バネ算出時のモデルとしては、常時・レベル1地震時の弾性解析モデルで計算を行い、基礎バネを求める状態(常時・地震時・固有周期時)に応じて、変形係数αEo、または変形係数EDを使用します。
    
Q44. 大口径深礎のとき、水平地盤における受働土圧より算出される極限水平支持力を考慮するとした場合で、受働土圧により極限水平支持力が決まる場合、上載荷重の有無で結果が変わらない
A44. 詳細設定データ−設定4にて、大口径深礎のとき、水平地盤における受働土圧より算出される極限水平支持力を考慮するとした場合で、受働土圧により極限水平支持力が決まる場合には、以下の理由により上載荷重の影響はありませんので、ご注意下さい。

大口径深礎において水平地盤とみなした場合の受働土圧強度は、NEXCO設計要領第2集(H18.4)p4-81にしたがい計算しています。
ここでは、地震時の受働土圧強度PEP算出時には、上載荷重qは考慮しないという考え方に基づいており、本プログラムでもqを考慮しない扱いとしています。
この点については、深礎杭研究会(製品ヘルプQ1−20参照)の活動におきまして、「PEPを計算する際のγhは、ケーソン基礎(道示W)と同じく地震時にはqを考えない。」ということを確認しております。
    
Q45. 常時と固有周期の基礎バネを計算する際に、下記エラーが発生する
----------------------
モジュール’SFrameL.exe’のアドレス 00775424 でアドレス 00000008 に対する読み込み違反がおきました。
----------------------
A45. 基礎バネの計算時には、基準値設定画面の荷重ケースに関係なく「地盤バネ」・「安全率」の状態をセットして計算しますが、許容値につきましてはユーザー様で設定できるようにこの基準値設定画面の荷重ケースのデータを参照します。
この時、常時状態と地震時状態の2ケースが最低必要となります。

荷重ケースが1ケースのみとなっていないでしょうか。
基礎バネの計算そのものには必要ではないのですが、基礎バネ計算時の弾性解析結果の表示等に許容値が必要となっておりますので、申し訳ございませんが、基準値設定画面の荷重ケースに常時のケースを追加して計算を行って下さいますようお願い致します。
    
Q46. 深礎杭の塑性化抵抗力の計算のすべり角αが90°以上になることがあるのか
A46. 設計要領(H18.4)p4−79では、すべり角αは極限水平支持力Rqが最小となる角度とされ、0度<α<180度の範囲と規定されています。

本プログラムでは、すべり角αを自動計算とした場合の計算範囲は、通常は45度〜135度としております。ただし、[深礎基礎データ]−[詳細設定データ]−[設定3]の入力画面で、範囲を変更して計算することが可能です。
一般に、地盤面の傾斜角が急になると、すべり角αが90度を越えた状態で極限水平支持力Rqが最小となる傾向があります。
    
Q47. 「橋台の設計」連動時、深礎杭の計算において「斜面の傾きと水平震度の向きが一致しません」というエラーが発生する。水平震度を谷側に設定してもエラーとなる。
A47. 「橋台の設計」側では、向かって左方向を前面側(=谷側)、向かって右方向を背面側(=山側)としております。
深礎側でも、これに沿ったモデル化が必要で、向かって左方向を谷側、向かって右方向を山側として、モデル化して下さい。
    
Q48. 基礎バネ算出時、前面地盤傾斜による影響を考慮しているか?
A48. 基礎バネ算出においては、前面地盤傾斜による影響を考慮した地盤反力係数kHの低減処理を行っております。(参考までに、変形係数αEoを低減するのではなく、地盤反力係数kHの段階で低減を行なう点にご注意下さい。)
基礎バネ算出時のモデルとしては、常時・レベル1地震時の弾性解析モデルで計算を行い、基礎バネを求める状態(常時・地震時・固有周期時)に応じて、変形係数αEo、または変形係数EDを使用します。
    
Q49. 「橋台の設計」と「深礎フレーム」連動時の段差フーチングの場合、鉛直荷重の合計、水平荷重の合計は一致するが、モーメント成分が一致しない。
A49. 段差フーチングの場合の底版下面中心作用荷重につきましては、以下のとおり処理を行っています。
・橋台側では、段差フーチングの一番深い底版下面位置とフーチング中心線の交点位置で荷重集計を行い、この荷重集計値を深礎側に渡します。
・深礎側では、受け取った荷重値(H、V、M)について、杭頭間を結ぶフーチング仮想部材とフーチング中心線の交点位置まで移動(換算)します。すなわち、水平力(H)、鉛直力(V)はそのままシフトし、モーメント(M)は高さ分だけアーム長を掛けたモーメントを控除します。
以上の理由により、杭頭間を結ぶフーチング仮想部材とフーチング中心線の交点位置でモーメント値が異なります。
    
Q50. 折れ線地層線の場合、「すべり線とn層目の地層線とが交差しないため計算ができません」というエラーが発生する
A50. 折れ線地層線の入力は以下の制限事項がありますので、ご注意下さい。
・互いに交差しないようにして下さい。
・折れ線地層線の最終点は、杭底面位置より深く入力して下さい。
・折れ線地層線の座標は、斜面前方に「遠ざかる」かつ「下がる(水平は可能)」ように入力して下さい。
・地層が交差した点以降は、どちらかの層に沿った同一の座標を入力して下さい。(例えば、2層目が1層目にぶつかりそれ以降は1層目に沿うような場合、交差点以降は1層目と2層目の座標データは同一の座標値で入力)

「すべり線とn層目の地層線とが交差しないため計算ができません」というエラーメッセージにつきましては、仮定したすべり線と各層の地層線は、プログラム計算上、必ず交差しなければなりません。n層目が途中で終わる場合は、上層の地層線に沿うかたちでn層目の地層線を延長してみて下さい。

深礎杭の計算では、仮定したすべり線と地層線とで構成される土塊ブロックの重量等を計算する必要があります。そのため、地層線が途中で終了してしまうと計算が行えませんので、上記入力の制限事項に沿って入力をお願い致します。

なお、途中から地層傾斜が水平となる場合は、杭底面以下まで入力できません。その場合は、水平に延長したデータを入力して下さい。
    
Q51. 「震度算出(支承設計)」−「橋台の設計」−「深礎フレーム」連携で基礎バネ算出時の注意点
A51. 橋台(または橋脚)との連動時には、深礎杭側では基礎バネの計算を自動で行ないます。橋台との連動時には、(震度算出への連携等を配慮して)基礎バネの計算について、橋軸方向、直角方向の両方向を自動計算するしくみとしております。
「基礎バネ荷重データ」の単位荷重Ho、Vo、Moの符号については、斜面の傾斜角に合わせた符号付けをしておく必要がございます。
橋台と震度算出との連動に関しましては、橋台のヘルプの「震度算出(支承設計)と下部工プロダクトの連動」部に図入りで説明がございますので、こちらをご参照下さい。

なお連動のしくみは以下のようになっております。(Q12参照)

【橋台−深礎杭間の連動のしくみについて】
橋台のソフトを立ち上げ、震度のファイルを開いて、橋台側で「計算確認」ボタンを押して計算実行を行うときちんと計算が行われ、荷重データ等も橋台側から深礎側に引き渡されます。
橋台側にて計算実行を行ったときに、橋台側から底版中心の作用力等を集計し、深礎側に引渡し、深礎側ではこのとき初めて杭体に関する計算を行い、計算結果である杭頭反力や基礎バネ値を橋台側へ返すようになっております。

【震度−橋台間の連動のしくみについて】
震度と橋台間のデータのやりとりは、橋台側で一旦データを保存していただき、震度側でその保存したデータを開いて下さい。これによって、深礎側で計算した基礎バネ値が橋台を経由して震度へ渡って行きます。

杭の諸元を変更すると、変更情報が橋台側に渡りますが、橋台側の計算実行を自動的には行いませんので、橋台側から再度、計算実行を行って下さいますようお願い致します。

なお、橋台側でメニューの震度連携−剛性モデルの確認を選択しますと、深礎フレームの基礎バネ計算が行われ、橋台側に基礎バネ値が連動されます。
※NEXCO設計要領(H24.7)のフローチャートでは、変位の照査は無くなっております。[詳細設定データ]-[設定4]で照査を行わない指定ができます。
    
Q53. 折線地層線の入力時の注意事項について
A53. 折線地層線の入力時の注意事項として、下記をご留意願います。

(1) 1層目(=設計地盤面)の地層線は、地層線が途中で2層目に合流する(当たる)場合であっても、それ以遠の地層線を2層目に沿うかたちで遠方まで必ず入力して下さい。合流した以遠の層厚は0層厚で結構です。プログラム内部では、水平方向安定度照査を行う際の極限水平支持力Rqは、すべり土塊(塑性化領域)のすべり線位置として、杭底面位置と1層目の地層線終端位置を結ぶ範囲内で、すべり角を1度ピッチで変化させたうちの極限水平支持力Rqが最も最小になる値としています。

(2) n番目の地層線がn−1番目、または、n+1番目の地層線に合流する(当たる)場合であっても、それ以遠の地層線をn−1番目、または、n+1番目に沿うかたちで、遠方まで必ず入力して下さい。合流した以遠の層厚は0層厚で結構です。地層線が交差している場合、警告メッセージが表示されます。

(3) 各地層線の終端の深さ位置は、杭底面位置より下方まで入力して下さい。各地層線の終端が杭底面位置より上方にある場合、警告メッセージが表示される場合があります。

(4) 地層の傾斜が緩やかな場合、地層線の終端を杭底面より下方まで入力するのは現実的ではありません。この場合の対策としては、杭前方に十分離れた位置からであれば地層線を下方に折り曲げて伸ばして構いません。ここで、十分離れた位置の考え方としては、(a)杭径の10倍以上を離れた位置であれば斜面の影響は考慮されませんので、一つの目安として下さい。(b)すべり土塊のすべり線と1層目が交わる位置から判断し、その位置より遠方は計算に影響しないことから、その位置を一つの目安として下さい。なお、地層線の最終線分が水平の場合に限り、水平に延長した地層線でも可としています。
    
Q54. 「深礎フレームVer.4」以降で旧バージョンのデータファイル(拡張子「*.sfw」「*.asfw」)を読み込みたい
A54. 「深礎フレームVer.4」以降で旧バージョンのデータファイル(拡張子「*.sfw」「*.asfw」)を直接読み込むことはできません。
下記の手順で「深礎フレームVer.3」で読み込み(変換)、保存しなおしていただきますようお願いいたします。

1)深礎フレームVer.3を起動する。
2)「ファイル(F)」−「開く(O)」で「ファイルの種類」を「深礎フレーム(*.sfw、*Asfw)」とする(ファイルの種類の右側の▼を押すと選択いただけます)。
3)「ファイル(F)」−「名前を付けて保存(A)」で保存する。
4)深礎フレームVer.4を起動し、3)で保存したファイル(.f8o)を読み込む。
    
Q55. せん断応力度τmの算出方法
A55. 本プログラムでのせん断応力度の照査については、肌色本P.8-30を参考に、以下のように行っています。

せん断応力度τmの算出方法
τm=S/bd
ここに、S:せん断力
b:円形断面の矩形換算断面の幅b
d:円形断面の矩形換算断面の有効高さd
具体的には、道路橋示方書W(H24.3)P.170、XP.190を参照
    
Q56. 許容せん断応力度τacの算出方法
A56. 本プログラムでのせん断応力度の照査については、肌色本P.8-30を参考に、以下のように行っています。

許容せん断応力度τacの算出方法
τac=Ce・Cpt・CN・τa1
ここに、Ce:部材断面の有効高さに関する補正係数Ce
Cpt:軸方向引張鉄筋比に関する補正係数Cpt
CN:軸方向圧縮力による補正係数CN
τa1:許容せん断応力度の基本値τa1 =入力値
具体的には、道路橋示方書W(H24.3)P.157を参照
    
Q57. 基礎が降伏してない場合で回転角の照査を行ってるのはなぜ?
A57. 本プログラムの主な適用基準であるNEXCO設計要領(H18.4)p4-66のフローチャートに沿った処理としています。
    
Q58. HELPのQ5-2の「橋軸方向は降伏させてはならない」とする根拠は?
A58. まず、設計要領第2集(H12.1)p4-57のフローチャート、または、道路橋示方書X(H8)p179のフローチャートによれば、降伏後の応答塑性率の 照査を可と規定しているのは橋軸直角方向なので、これより橋軸方向には降伏させてはならないという解釈になっています。
その後、道路橋示方書X(H14)p212のフローチャートによれば、橋軸直角方向の記載が外れたので、両方向共に降伏後の応答塑性率の照査を可とする規定に変更されています。
し かしながら、NEXCO設計要領(H18.4)p4-66のフローチャートによれば、橋軸直角方向の記載が依然として残っているので、これより橋軸方向には降伏させてはならないという解釈になろうかと思います。本プログラムの主たる適用基準は、NEXCO設計要領としているため、これに準拠した内容としてしているのが現状です。
    
Q59. 橋台連動時、底版幅が正しく連動されない
A59. 橋台側の形状寸法画面にて、一旦「確定」ボタンを押していただきますと、正確な底版幅が深礎側に伝わりますので、この後に、橋台側でデータ保存を一度実行して下さい。次回のデータ読込時からは、正確な底版幅の値が読み込まれてきますので、ご確認をお願いいたします。
    
Q60. 橋脚連動時、底版幅が正しく連動されない
A60. 橋脚のフーチング形状の寸法を一度別の値に変更いただき、再度元に戻してみていただけますでしょうか?
(例えばBFL=8.0の場合、7.0と変更後、詳細設定を押し、再度初期入力画面に戻りBFL=8.0に戻して、詳細設定を押す その後深礎側で値を確認する)


上記で変更されない場合、お手数ですが下記方法もお試し下さい。

一旦、橋脚側の初期入力画面にて、フーチングあり→なしに変更し、詳細設定ボタンで画面を抜けます。
もう一度、橋脚側の初期入力画面に戻って、フーチングなし→ありに変更し、HF、BFL、BFTを入力し詳細設定ボタンで画面を抜けます。深礎側で値を確認しますと、正しい底版幅が得られます。
    
Q61. 橋脚連動時、橋脚側で両方向(←・→)の検討を設定した場合、「深礎フレーム」ではどちらが採用されるか
A61. 深礎側では1方向(→)のみ処理可能となります。
橋脚側で両方向(←・→)を設定した場合、深礎側では橋軸直角方向では右方向(→)、橋軸方向では背面側方向(→)を採用します。
    
Q62. レベル2地震時の震度について、示方書では0.4以下の場合、0.4とするとあるが、プログラムでは0.4以下で計算を行っているか。
A62. プログラム側では入力値の補正等はしておりません。
入力されたCz・khcoをそのまま用いて計算を行いますので、補正後の値を入力ください。
    
Q63. 基礎バネ計算時に以下のエラーが発生する
-----------------------------
基礎バネ算定時の逆マトリックスが計算できませんでした 番号:-3
-----------------------------
A63. 「ヘルプ」−「メッセージ」−「メッセージ一覧」−「計算エラー」に記載がありますように、
番号:−3
「変位マトリックス(3×3)の非対角要素の値が対称にならず、基礎バネの精度が保証できません。」
という状態となっております。単位荷重を作用させた場合の変位が微小である場合に、演算誤差の関係でこのエラーが発生する事があります。

「フレームデータ」-「基礎バネ荷重データ」の単位荷重をご確認ください。
単位荷重を大きくすることで現象を回避できる場合がございます。
    
Q64. σckを杭径によらず低減することはできるか
A64. 「詳細設定データ」−「設定4」でM-φ計算時のσckの低減について設定することが可能です。
    
Q65. 杭体の耐力を増加させる方法は?
A65. 杭体の耐力を増加させる場合、一般に、次の順で設計変更をしてみて下さい。
(1)杭体の軸方向鉄筋量を増加させる。
(2)杭長、杭径、杭間隔、杭本数などを変更する。
(3)せん断力の照査を満足しない場合には、杭体の帯鉄筋を増加させる。ただし、道示W(H24)12.11.2により帯鉄筋の最小中心間隔は12.5cm以上とされているので、帯鉄筋を
増加させても所要のせん断耐力が得られない場合には、杭径や杭本数を変更する必要があります。
(4) 大口径深礎の場合で、杭体がMyに達して降伏している場合は、まず軸方向鉄筋量を変更します。ただし、浮き上り率60%、あるいは、塑性化領域率60%で 降伏している場合は、まず杭長、杭径の構造変更を行います。一般的には、杭長を伸ばすことによって杭底面の曲げモーメントが小さくなり浮き上り率が低減さ れ、杭長が長くなることで塑性化領域率が低減されます。
    
Q66. 水平支持力計算用のP1は 谷側杭ではP1=0、山側ではP1=谷側杭までの距離を入力したらよいか
A66. お考えのとおりです。
P1は前杭までの距離になります。前杭が存在していて影響を考慮する場合にはP1に距離を入力、横方向杭が存在していて影響を考慮する場合にはP2に距離を入力してください。
    
Q67. 「橋脚の設計」連動時、計算を実行すると下記メッセージが表示される。
-----------------------
警告:[182]
レベル1地震時とレベル2地震時の慣性力の作用方向が異なっています。
深礎フレームでは慣性力の作用方向が山側の場合、レベル2地震時の計算を実行することができません。
続行しますか?
-----------------------
A67. 橋脚側レベル1地震時ケースに、地震方向が「正方向」と「負方向」が混在している場合、警告メッセージを表示しています。
深礎側の地層データがすべて水平に入力されている場合は、そのまま計算続行しても問題ありません。
    
Q68. 杭周面のせん断地盤反力度の上限値を変更したい
A68. 周面摩擦力度の値を直接入力することで可能です。
まず、メニュー−詳細設定−設定1−周面摩擦力度の決定方法で、「○直接入力」を選択して下さい。
次に、メニュー−周面摩擦力度の入力画面で、fo、および、f’にて、周面摩擦力度の上限値(基本値)を入力して下さい。
    
Q69. 弾性解析結果において「1/2Mmax点」の曲げモーメントが、Mmax値の1/2と異なるのはなぜ?
A69. 現プログラム(1/2)Mmax点の内部処理は、(1/2)Mmaxの値が存在する杭部材区間(=支点バネ区間)を抽出し、部材端モーメントを直線補間して(1/2)Mmaxの深さ位置(1mm単位で変化する深さ位置を抽出)を決定します。
ここで、深さ位置を抽出するときの四捨五入の関係で、1mmの上端または下端となり得ますが、これがMmaxの(1/2)より少々大き目/少々小さ目となる理由です。
    
Q70. 計算を実行すると、下記メッセージが表示される。
----------------------
計算エラー
PInp2 Error
----------------------
A70. お問合せのメッセージは、部材データとして存在しない部材に着目点が入力されている場合に、発生します。

着目点データ−任意点にて、入力されている着目点を削除して、再計算をお願い致します。
着目点がどの部材に入力されているかにつきましては、ファイル−印刷プレビュー−設計データ−にて、フレームデータ−着目点データのページ出力にてご確認ください。
    
Q71. 詳細設定データ−設定1の「底面バネの条件」の『全断面有効』はどのようなケースで選択するのか?
A71. 現在の設計要領第二集(平成9年版以降)では、底面バネの取り扱いを弾性設計法(常時・レベル1計算時)、弾塑性設計法(水平方向安定度照査、レベル2地震時計算時)すべてのケースにて、有効断面とするとされておりますので、本プログラムでは、有効断面を標準設定としております。
以前(平成9年版前)は、杭径D<5mの場合、弾性設計法は全断面有効、弾塑性設計法は無視となっておりました。このため、当時の結果を再現できるようにスイッチを残しております。
    
Q72. 杭頭接合計算を実行すると、押込み力による押抜きせん断の照査で「NAN」と表示されNGとなる。
A72. Ver.5より杭基礎設計便覧(H19.1)に対応しました。
計算部において杭配置の平面的な情報が必要となったため、杭配置、および、フーチングデータ−寸法等を改めて入力して頂く必要があります。これらのデータを入力後、改めて計算を行ってください。
    
Q73. 公称径は安定計算、設計径は断面計算とする根拠
A73. 設計要領第二集(H18.4)のP4-98に公称径と設計径についての説明が記載されております。
 ・設計径は、深礎基礎の設計に考慮できる有効な断面を示す
 ・基礎の安定計算には公称径を用いてよい
詳しくは、設計要領をご参照下さい。
    
Q74. 地盤反力度が0 KN/m2の場合、基礎底面が完全に浮き上っていると考えられるが、この様な状態で深礎長をOKとと考えてよいか
A74. 地盤反力度が0 KN/m2となるのは、
@押込み状態にある杭で杭底面有効載荷面積が0となった場合
A引抜き状態にある杭の場合
のいずれかの場合です。

当社の見解としましては、杭底面の浮き上がりはOKとはせずに、構造諸元の変更を行い杭底面の浮き上がりが生じないように設計を行うのが良いと考えています。

杭底面に浮上りが生じた場合の構造諸元の変更は、杭長の増加、杭径の増加、杭本数の増加の順で再検討してみて下さい。プログラム内での自動対処は行っておりません。
杭底面の浮き上がりをOKと考えるのではなく、構造諸元の変更で対処という根拠としては、NEXCO設計要領第二集(H18.4)p4-68、荷重分担の項で「(1)鉛直荷重は、杭周面の鉛直せん断地盤反力および杭底面の鉛直地盤反力で支持することを基本とする。」という箇所から判断しています。なお、この判断はあくまで1つの考え方ですので、最終的には設計者の判断にて OK/NG を決定してください。

レベル1の設計において、杭底面に浮上りが生じても良いかどうかの判断については、申し訳ございませんが、当社でも責任ある回答はできません。基準類でも引抜き杭となったときの処置は明記されていないようです。参考までに、過去の問合せでは、レベル2の設計では引抜側の杭底面浮上りのケースをOKとするのはしばしば見受けられますが、レベル1の設計で杭底面の浮き上がりケースをOKとするのは記憶がありません。
    
Q75. 橋台の単列杭(杭本数=2本)で、左右の杭で同条件の場合
 (1)単列基礎でそのまま全体の面外解析を行う
 (2)面内解析行う(荷重分担1/2)
では、計算結果は同じとなるか
A75. 地盤条件、杭体条件が完全に同一で、かつ、面外解析時の杭軸周りの回転拘束=自由 であれば、同一になると考えられます。
しかし、条件が変わると同じにはなりません。
    
Q76. 「橋脚の設計」や「橋台の設計」と連動している場合、水平方向バネ定数を変更する方法
A76. 橋脚や橋台からの連動時は、スムーズな動作を実現させるため、途中での画面確認等は表示しない仕様となっています。
バネ値等を途中で変更したい場合は、改めて「深礎フレーム」単独の状態でご利用ください。
    
Q77. 塑性化領域が急増したステップで荷重増分の載荷ステップが変わる理由は
A77. レベル2の検討では、水平震度−水平変位曲線上の降伏点の近傍から以降、水平変位が急増します。この急増部分の計算をより精密に行うために、荷重増分の載荷ステップをプログラム内部で 1/100 → 1/1000 に変更し、
解析を行っているためです。
    
Q79. 静止土圧算出時の土砂高(h)は、どのように算出しているか
A79. 土砂高(h)は、杭前面での、着目している深さ位置までの鉛直土被り厚さとしています。
    
Q80. PN=0はどのような状態か
A80. 「PN=0」は、荷重増分とともに杭底面に浮上りが生じていき、最終的に杭底面の有効載荷面積A’=0となっている場合に、杭底面反力PN=0と表示しています。
    
Q82. 「前処理$F4エラー」が発生する
A82. 杭前面位置でのn層目とn+1層目間の層厚が0.001mと極薄となっていないでしょうか。これが原因で水平方向地盤反力係数の内部計算において、1/βの収束計算が正しく行えない場合、このメッセージを表示しています。
n層目とn+1層目間の層厚を0.001m->0.002m程度に広げることで、計算実行可能となると考えられます。
データファイルによっては上記変更後計算を行いますと、「非常に薄い層が存在しています、計算が正常に行えないかもしれません。計算続行しますか」というメッセージが表示されることがあります。
このメッセージは薄い層が存在した場合に、1/βの計算の収束が上手くいかず計算が行えないケースが想定される際に表示しています。計算が流れれば問題ありません。
    
Q83. 降伏判定タイプ=1,2とは?
A83. 本プログラムでは、深礎基礎の降伏判定タイプを以下の3つに分類しています。
詳しくは、[レベル2地震時 計算結果]画面の[ヘルプ]ボタンから開くヘルプ画面の、リンク「レベル2地震時の計算結果の解説」の解説ご覧ください。
□タイプ1
基礎は降伏する。応答塑性率の照査を行う。
安全性の判定:青色本p2-80
□タイプ2
基礎は降伏するものの基礎の損傷はそれ以上に進展しないと判断される。応答塑性率の照査は行わない。
安全性の判定:青色本p6-24
□タイプ3
基礎は降伏しない。応答塑性率の照査は行わない。
安全性の判定:青色本p2-75
    
Q84. 弾性解析結果−断面力タブ右上に表示される「水平変位δ」と弾性解析結果−断面力図に表示される図中のδmaxが異なるのはなぜ?
A84. 弾性解析結果−断面力の右上に表示される「水平変位δ=#.#mm」は、設計地盤面の位置での変位量で、必ずしも最大変位量に一致するとは限りません。(設計として照査すべき設計地盤面の位置での変位量で、詳細は設計要領を参照ください。)
一方、弾性解析結果−断面力図に示される図中のδmaxは、杭体部のフレーム各点全てにおける最大値を表示しています。
    
Q85. 「深礎基礎データ」−「詳細設定データ」−「設定3」の『面外解析時の杭軸周りの回転拘束条件』について、1.「固定」、2.「自由」をそれぞれNEXCO設計要領p4-69の
 1.基礎が回転変形を生じない場合の計算方法
 2.基礎が回転変形を生じる場合の計算方法
と考えてよいか
A85. 杭軸回りの回転拘束について、どちらの設計条件「固定」「自由」を採用するかについては、判断を要するところです。
お問い合せのように、
(1)基礎が回転変形を生じない場合は、「固定」。
(2)基礎が回転変形を生じる場合は、「自由」。
で良いと思います。
ただし(1)の「固定」とした場合、杭頭のせん断力は各杭ともかなりアンバランスな結果となることがあります。このような場合は、設計者の判断にて「自由」とすることも検討してみて下さい。

製品ヘルプQ1-22. 面外解析時の杭軸回りの回転拘束条件について教えて下さい。 もあわせてご覧ください。
    
Q86. 「杭長」にはフーチングへの埋め込み長を含まない値を入力したらよいか。
A86. 本プログラムでの杭長は、フーチング下面からの杭長を考えています。
フーチングへの埋め込み長を含まない数値を入力してください。
    
Q87. 単列深礎杭の橋軸方向基礎バネ(固有周期算定用)を計算すると連成バネがマイナスとなった。通常はプラスになると考えられるが、原因は?
A87. 深礎フレームプログラムでは、基礎天端での作用力と変位の符号関係は、計算結果出力頁の末尾に示していますように、
面内解析の場合:
+Hoの作用で +δと−θ の符号
+Moの作用で −δと+θ の符号
これより、基礎バネのArs、Asrはプラス値
面外解析の場合:
+Hoの作用で +δと+θ の符号
+Moの作用で +δと+θ の符号
これより、基礎バネのArs、Asrはマイナス値
となります。
これは、フレーム解析の座標系で解析を行っているためです。すなわち、
面内解析の場合、右方向に+X軸、上方向に+Y軸、反時計回りに+θの座標系
面外解析の場合、右方向に+Z軸、上方向に+Y軸、 時計回りに+θの座標系
となります。

以上により、深礎フレームにおける基礎バネの符号は、
面内解析のとき、基礎バネのArs、Asrはプラス値
面外解析のとき、基礎バネのArs、Asrはマイナス値
で出力されますので、ご留意頂きたいと思います。
    
Q88. 「橋台の設計」連動時、常時・レベル1荷重データ−格点集中面内荷重のみ編集可能となっているのはなぜ?
A88. 「橋台の設計」からの連動データ部分は、原則として深礎側での変更ができない仕組みとしグレー表示して(入力できないようにして)います。鉛直荷重欄(格点集中面内荷重)の値も連動された数ととなっています。
ただし、鉛直荷重欄(格点集中面内荷重)は、深礎側での一時的な荷重調整(例えば、各杭頭へ鉛直荷重を分担させる等々)が可能なようにしています。この結果、入力欄が黒色になって入力可能となっています。
    
Q89. NEXCOに深礎のバネの取り方は、ケーソン基礎に準ずるとあるが、深礎とケーソン基礎を同条件で入力すると結果は一致するか
A89. 深礎杭とケーソン基礎では、たとえばレベル2の計算モデルでは、以下の点が大きく違います。そのため、条件が同じであるとしても、必ずしも結果が同じになるとは言えないと考えます。

深礎:前面地盤の塑性化領域は、すべり土塊の極限水平支持力の大きさで決まっていく。
ケーソン:バネ支点の上限値で決まっていく。
    
Q90. 計算書の弾性解析結果−地盤反力の表内の「鉛直せん断地盤反力度qy」の算出方法
A90. 鉛直せん断地盤反力度qyは、次のように求めています。
qy=ksv・δy
ただし、qy>fuのときはqy=fuとします。
ここに、
qy:鉛直せん断地盤反力度(kN/m2)
ksv:鉛直方向せん断地盤反力係数(kN/m3)
δy:鉛直変位(m)
fu:鉛直せん断地盤反力度の上限値(kN/m2)

例えば、製品に付属しておりますサンプルデータ「Reidai-c.f8o」のケース2杭番号2 の格点201の場合、以下の通りです。

Ksv=0.3・kH
=0.3×112284
=33685.2

qy=ksv・δy
=33685.2×0.000986
=33.213
    
Q91. 地盤バネ値の表内の「鉛直せん断バネKsv」の算出方法
A91. NEXCO設計要領の記載に基づき、以下のように計算しております。
鉛直方向の周面摩擦バネKsv
 ksvB=0.3×Kh ・・・前面地盤反力係数の0.3倍
 ksvD=0.3×Kh ・・・前面地盤反力係数の0.3倍
 KsvB=2×ksvB×De×ΔL ・・・左右2面分の鉛直方向の周面摩擦バネ
 KsvD=2×ksvD×De×ΔL ・・・前面背面2面分の鉛直方向の周面摩擦バネ
 Ksv=KsvB+KsvD
 ここに,
   De;0.8D
   ΔL;バネの受け持つ範囲
     (格点を挟み水平バネ支点間隔の上側1/2と下側1/2、最上部と最下部は1/2のみ)

なお、鉛直方向の周面摩擦バネは、杭周面の左右側面2面分、前背面2面分の合計4面分の値となりますが、各面位置の鉛直変位の大きさに応じて鉛直せん断地盤反力度の上限値以内であればその面のバネは有効、鉛直せん断地盤反力度の上限値に達していればその面のバネは無効としています。
    
Q92. 多層地盤の水平方向地盤反力係数の決定方法について、最大の地盤反力係数を採用する根拠
A92. NEXCO設計要領(H18.4版)p4-74をご覧下さい。
    
Q93. 基礎バネを計算する際、自動計算を行う場合と、手動計算を行う場合で単位荷重の初期値が異なるのはなぜか
A93. 基礎バネの計算機能として準備している方法には、下記2通りがあります。
@自動計算(基礎バネ荷重データ画面から入力し、基礎バネマトリックスを内部で自動算出する)の方法。
A手動計算(ヘルプQ6−7により、設計者が変位を読み取って、基礎バネマトリックスを別途手計算して求める)の方法。

@方法での単位荷重の初期値は1000kNで、画面ヘルプでも記載しております。
一方、A方法での単位荷重の初期値は10kNを推奨しております。この違いはなぜかという事がご質問の主旨かと思います。

@方法では基礎バネ計算ということがプログラム内で明らかですので、地盤反力がどんなに大きな値となろうとも地盤バネは塑性化させず強制的に弾性状態を保たせていますので、単位荷重は大きな値で結構です。小さいと変位の有効桁が十分得られないケースがあり、基礎バネマトリックスの解の精度が低下するケースがあるので、小口径深礎から大口径深礎まで含めて、一律に 1000kN を初期値
としております。
一方、Aの方法では、通常の設計計算状態にて単位荷重を与え変位を得る手法です。こちらでは、プログラム内部で地盤バネを塑性化させず強制的に弾性状態を保たせることはできませんので(基礎バネ計算ということがプログラム内で判らないため)、単位荷重については、地盤が塑性化しない程度の小さな値 10kN 程度を推奨しております。地盤に塑性化が生じて
いるかどうかの判断方法については、Q6−7の末尾注意事項の箇所に説明しております。
    
Q94. 周面摩擦力度データのN値は何に使用しているか
A94. 下記の計算式に使用しています。
杭周面の最大せん断抵抗力度f(kN/m2)
 砂質土および岩盤  f=min[5N、(C+po・tanφ)] ≦ 200 (kN/m2)

入力画面ヘルプもご覧下さい。
    
Q95. 「深礎基礎データ」の「上載荷重」について 杭頭より上側に地層線を設定した場合、杭頭より上側の土砂荷重は考慮されているのか
A95. 杭前面位置での鉛直線、地表面、すべり面の3辺で囲まれた土塊ブロックの上に上載荷重がある状態について、土塊ブロック重量を計算し、極限水平支持力Rq、塑性化領域抵抗力Roを計算しています。
    
Q96. 製品ヘルプQ&A−6.その他−Q6-11.計算途中で、「鉛直方向のバネがなくなり不安定です。」というエラーメッセージが出るのですが。 について
底面の曲げと鉛直力よりA’を求めるとあるが、単列杭や1本杭では曲げがどんなに大きくなっても底面に押し込み側と浮き上がり側が現れるので前面浮き上がりの状態(A'=0)は現実にはありえないと思われるが、なぜ計算ではこのような状態になるのか
A96. 杭底面の反力を(Nd,Md)とし、偏心量をed=Md/Ndとする。
杭中心からとったedの位置が鉛直力Nの作用位置になります。これが半径以上の値の場合(作用位置が断面の外に出ている場合)、安定計算としては、転倒してしまいます。(=杭断面の端部で爪先立って、底面地盤の接地幅が0になる場合をイメージしてみて下さい。)
実際は土中にあり、転倒するという現象はあり得ませんが、杭底面での力のつり合い的には、杭底面は転倒する(edの作用位置が断面の外)という結果となり、地盤反力度分布が成立しなくなって、計算処理上、先へ進めなくなっています。
    
Q97. 塑性化抵抗力について、計算書の水平支持力・塑性化抵抗力の上限値−水平支持力、塑性化抵抗力一覧表で、Ro<Rqpであるにもかかわらず、決定値がRoとならないのはなぜか
A97. 深礎杭研究会の活動(ヘルプQ&A、Q1-20参照)で、水平支持力Rqが水平地盤の受働抵抗から決定された場合、塑性化抵抗力Rouは受働土圧とする。という方針で各社統一され、当社プログラムもそのようにしています。

すなわち、プログラム内の扱いは、
・水平支持力Rqが水平地盤の受働抵抗から決定されたなら、塑性化抵抗力Rouも水平地盤の受働抵抗から算定されたものとする。
・水平支持力Rqがすべり土塊で決定されたなら、塑性化抵抗力Rouもすべり土塊から算定されたものとする。
となっています。
    
Q98. 「上部工慣性力作用位置の水平変位が制限値に達したため基礎の終局として計算を打ち切りました」と表示される。どうしたらよいか。
A98. 上部構造慣性力作用位置の水平変位が2mを超えた場合は、その時点を基礎の終局としています(製品ヘルプQ5−8)。
これは、深礎杭研究会(製品ヘルプQ1−20参照)においてベンチマークテストを行った際、取り扱いが決められたもので、各社とも統一されています。このとき参考にしたのは、雑誌「基礎工1997.2月号p.42」の記載を参考にしており、「深礎基礎では、ケーソン基礎に準じて、上部構造慣性力作用位置の水平変位が2mに達した時点で終局とみなす。」を研究会の統一事項とされました。本製品でも、これにしたがって、上部構造慣性力作用位置の水平変位が2mに達した時点を基礎の終局としています。

なお、この2mという変位の上限値をさらに大きくして、計算を続けることで、最終載荷状態までの全体挙動を確認できることがあります。
本件問合せデータの場合、メニュー−オプション−プログラム内部設定値−レベル2地震時に終局状態とみなす水平変位の制限値で「入力」にチェックし100mに変更して再計算を行ってください。
    
Q99. 『弾性解析結果』と『フレーム解析結果』にはどのような関係があるのか
A99. 弾性解析結果で出力される杭体断面力(M,S,N)は、格点位置の平均値を表示しています。この格点位置には水平バネが存在するため、格点の上側と下側では、せん断力にバネ支点反力分の差が生じています(=フレーム解析結果における上側部材のj端と、下側部材のi端には差が生じています)。
また、杭周面摩擦力を考慮した場合、支点バネには、水平バネだけでなく鉛直バネや回転バネも付くので、バネ支点の上側と下側ではせん断力の他、軸力や曲げモーメントにも差が生じることとなります。

さて、このようなバネ支点の上側と下側で差を生じる(生の)フレーム解析結果から、設計に用いる杭体断面力を表す場合について、深礎杭研究会ではバネ支点の上側と下側の平均値を表示することで統一され、各ソフト会社間でも統一事項として扱われています。
したがって、本プログラムでは、弾性解析結果で出力される杭体断面力(M,S,N)は、杭中間部の場合、バネ支点の上側と下側の平均値とし、杭頭部と杭先端部については端部となるので、そのままの値としています。
一方、フレーム解析結果で出力される部材力の値は、(生の)フレーム解析結果を表示しており、各部材(=0.5mの杭部材)ごとに部材端の断面力(M,S,N)を出力しています。こちらは、隣り合う部材端の断面力には、バネ支点反力分の差を生じることとなります。

反力については、弾性解析結果で出力される水平反力RHは、杭体の前面水平バネによる反力分のみを示しています。周面摩擦抵抗による反力分については、水平せん断地盤反力度、鉛直せん断地盤反力度という形で示しています。
一方、フレーム解析結果で出力される水平反力は、格点に取り付いている全てのバネ(全面水平バネ,周面摩擦による水平せん断バネ)に対する反力です。
したがって、弾性解析結果とフレーム解析結果の水平反力は、杭周面摩擦を考慮していない場合は一致しますが、杭周面摩擦を考慮している場合は一致しません。
    
Q100 フーチングの設計で張り出しがない(LL=0、LR=0)場合、計算できるか
A100 本プログラムでのフーチングの設計は、道示W(H14) 8.7に基づき、照査断面位置に関しては次の通りとしています。
・曲げモーメントに対する照査断面は、柱または壁の前面位置。
・せん断力に対する照査断面は、柱または壁の前面からフーチング厚さhの1/2の位置、および、その外側の杭中心位置。
したがいまして、LL=0、LR=0の場合は、結果として計算ができません。
    
Q101 深礎底面より上にある地盤の単位体積重量γ2の算出方法
A101 設計地盤面から杭底面までの平均値(γ2=Σ(単位重量X層厚)/Σ(層厚))としています。
    
Q102 鉛直方向バネ(Avv)の算出方法
A102 礎バネ出力中の鉛直バネ成分(Avv)につきましては、
・杭周面摩擦を考慮しない場合は、杭底面の鉛直バネ値
・杭周面摩擦を考慮する場合は、杭底面の鉛直バネ値+杭周面の全鉛直バネ値の合計 
としております。
    
Q103 杭底面の許容鉛直地盤反力度qaの算出方法
A103 杭底面の許容鉛直地盤反力度は、底面地盤から算出されるqaと、杭体のコンクリートの許容圧縮応力度σcaとの値の、小さい方を採用値として、設計に用いています。(これは、NEXCO設計要領の記載にしたがっています。)

杭体のコンクリートの許容圧縮応力度σcaは、以下のように求めます。
(例)σck=24の場合
常 時:σca=6.5×0.9=5.85 N/mm2 = 5850 kN/m2
地震時:σca=6.5×1.5×0.9=8.775 N/mm2 = 8775 kN/m2
ここに、1.5は地震時の割り増し係数、0.9は杭径5m未満の低減。
    
Q104 「基礎の設計計算、杭基礎の設計」と同じ条件で算出したM−φが異なるのはなぜ?
A104 深礎では、杭体降伏時とは、杭体断面の引張側の90度円弧内に含まれる全ての軸方向鉄筋の引張応力度が降伏応力度に達する時としています。(NEXCO設計要領に記載のとおりです)
杭基礎では、杭体断面の引張側の最外縁鉄筋の引張応力度が降伏応力度に達する時としていると思います。
    
Q106 2本以上の組杭形式で検討する場合、全杭が降伏しなければ構造としてOKと判断してよいか
A106
NEXCO設計要領では、深礎基礎の降伏の目安として次の2点を記載しています。
(1)全杭の降伏
(2)押し込み側の1列の鉛直地盤反力度が上限値に達する
しかしながら、同設計要領で、深礎基礎の降伏は上部構造の慣性力作用位置での水平変位が急増し始めるときと有ります。
水平変位急増点は降伏の目安となる状態より前に発生する場合も有りますので、設計者の総合的なご判断が必要となります。
    
Q107 基礎バネは単位荷重の作用格点で算出されているのか
A107
深礎フレームの基礎バネは、単位荷重の作用格点での計算値です。
基礎バネ位置については、次のとおりです。
(1)橋台−深礎連動中は、杭頭間を結ぶ仮想部材と、フーチング中心線との交点位置に格点を自動的に設け、この格点位置での基礎バネを算出します。
(2)深礎単独使用中は、入力メニュー−基礎バネ荷重データ−単位荷重の作用格点No 位置での基礎バネを算出します。

具体的には、
深礎フレーム側−計算確認−基礎バネ計算結果画面の基礎バネ値
橋台側−震度連携−剛性モデル生成、基礎バネ画面
にて確認できます。
    
Q109 突出部慣性力を確認したい
A109
杭体断面力表より、杭頭位置と設計地盤面位置のせん断力の差にて、突出部慣性力が考慮されている事がご確認いただけると思います。
また、レベル2地震時の照査の出力で、各ケースの詳細結果の最初のページに設計荷重として「杭体慣性力」が出力されています。
    
Q110 降伏点をどのように決定すればよいか。
A110
Ver.7から追加したlogP-logS法による変位最急変点や、全杭体の降伏または押込み支持力を超えることによる降伏点によって、降伏点の目安が立つ場合も有りますが、変位急増点がよくわからない場合では、グラフ上のlogP-logS法による位置が適当と思われない場合が有ります。
現在のlogP-logS法による変位最急変点は、計算した範囲内で求めているため、必ずどこかを特定するようになっています。
杭体の降伏などによる降伏点が存在する場合は、まだしも、そうではない場合で、地盤や杭体に余裕があるような場合でも探索します。
このような場合には、載荷する荷重を大きくして基礎を終局まで計算させることで、基礎の挙動の全体像を把握することができます。
例えば、Czkhc0=1.00、khg=0.60の場合は、Czkhc0=3.00、khg=1.80のように、同比率で設計水平震度を大きくして計算を実行します(khpは変更しません)。
上記操作を、基礎が終局するまで設計水平震度を大きくしていきます。
以上の操作によって作成される水平震度−水平変位関係のグラフから、実設計水平震度での水平変位位置を確認し、全体挙動の中で降伏しているかどうかを判断します。
    
Q111 地盤データの平均せん断弾性波速度VsD、および動的変形係数EDの内部算出をするために、N値を修正したが、これらの値が変わらない
A111
土質によってN値の有効範囲があります。
粘性土の場合:Vs=100×N^(1/3) (1≦N≦25) ※N>25の場合は、N=25として計算
砂質土の場合:Vs=80×N^(1/3) (1≦N≦50) ※N>50の場合は、N=50として計算

(道路橋示方書X耐震設計編 平成24年3月 P.32 解4.5.1)
    
Q112 khcFの算出方法
A112
以下のように計算しております。
※「杭基礎設計便覧(H19.1)」P.400 (参.5.34)を参考

khcF=CD・Cz・khco=2/3・Cz・khco
    
Q114 ヘルプ-Q&A-1.適用範囲-Q1-11の「荷重分担率」とメニューにある「荷重分担率」は何が異なるのか
A114
メニューバーにあります「荷重分担率」はVer.7.00.00で対応しました立体モデルにより荷重分担率を算出する機能です。

ヘルプ−計算理論及び照査の方法−立体モデルによる荷重分担率算出−概要 をご覧下さい。

「現状の問題点と対応策」にあります『2次元面外フレームモデル』がQ1-11に案内しました方法です。『3次元フレームモデル』がメニューバーにあります「荷重分担率算出」に該当します。
    
Q115 Ver.7から以前の周面摩擦力の入力が無くなったが、以前の入力をするときにはどのようにすればよいか
A115
地盤データと周面摩擦力データは入力項目が同じものがありますので、Ver.7から地盤データに統合し、2重入力をしないで済むようにしました。しかしながら、旧バージョンとの整合性や、水平方向地盤反力係数の計算とは異なる入力を行う場合も考慮しまして、旧入力方法も使えるようにしております。
旧入力を行う場合は、[詳細設定データ]-[設定1]の「周面摩擦力度の決定方法」を「内部計算(別入力)」と指定してください。
なお、「周面摩擦力度」入力画面は、[基本データ]-[基本データ]の「杭周面摩擦」を「考慮する」としている場合に有効になります。
    
Q116 L2照査時は「せん断照査断面よりも杭中心寄りに柱または壁前面が存在する場合には、押抜きせん断に対する照査を省略する。」として、照査を省略している杭がありますが、L1照査時ではL2照査で照査を省略している杭も照査しています。
L1照査時に照査を省略をしない理由はあるのでしょうか。
A116
レベル2地震時照査では、「道路橋の耐震設計に関する資料 平成10年1月」(以下、資料)を参照しており、そこには「橋脚躯体が存在する」場合は照査する必要はないという記述になっております。
常時、レベル1地震時照査の場合は、「杭基礎設計便覧 平成19年1月」(以下、便覧)を参照しておりますが、こちらには同様な記述はありません。
そのため、常時、レベル1地震時の照査では、照査を行っております。
なお、資料では常時・レベル1地震時については記述はなく、便覧ではレベル2地震時についての記述はありません。
    
Q117 Version8.00.00(平成24年度道示対応版)について(2012.5)
主な改定内容
「常時、暴風時及びレベル1地震時の深礎基礎底面のせん断抵抗は線形とし、許容せん断抵抗力の照査を行います。」
このバージョンから上記の照査は行うようになったのでしょうか。平成24年度の道示改訂以前ではこの照査はなかったということで解釈していいのでしょうか。
A117
お考えの通りです。
深礎底面の水平方向せん断地盤反力は、従来は上限値のあるバイリニア型でしたが、「道路橋示方書(平成24年3月」では線形型に変わり、深礎底面でのせん断抵抗力の照査が追加されています。「深礎フレームVer.8」はこれに従っています。
    
Q118 [詳細設定データ]-[設定3]の「硬岩の塑性化時の対応」で、チェックを入れた場合と無い場合では、計算上何に影響するのか教えてください。
A118
H24道示では、「塑性化後に地盤強度が低下する地層(硬岩)がある場合は、レベル2地震時照査後に、塑性化で地盤強度が低下した条件で、常時、暴風時及びレベル1地震時の照査を行う」とあります。
そのため、常時、暴風時及びレベル1地震時では、塑性化前と塑性化後の2種類の地盤条件と照査結果が生じます。
上記に対応した計算を行うか否かの指定を行うためのスイッチとなります。
塑性化後の再計算を行う条件としましては以下がございます。
1)[詳細設定データ]-[設定3]の「硬岩の塑性化時の対応 塑性化による強度低下地盤が生じた場合に再計算を行う」をチェックしている
2)レベル1地震時とレベル2地震時を同時に計算する
3)塑性化する硬岩層がある(解析によって硬岩層が塑性化した)
    
Q119 レベル2地震時照査結果で、せん断力が0になる。再計算を行っても0のままとなる。
A119
せん断力は、最終荷重時を適用します。
最終荷重時とは、以下の場合をいいます。
1)想定したレベル2地震時の全荷重を載荷した状態(α=1)
2)降伏=NGとなる場合の降伏した場合
3)応答塑性率照査を行う場合の応答変位となる状態
本ケースは、降伏後の応答変位を求めている時に、応答変位となるまえに、終局に達してしまったため、最終荷重時に至らなかったことが原因となります。
    
Q120 前面地盤の塑性化後の抵抗力が載荷されていることがわかる箇所はないか
A120
弾塑性解析結果で、ばねが付いていない格点間で、せん断力が変化している(=荷重が載荷されている)ことでご確認ください。
格点間の塑性化後抵抗力を分布荷重として載荷しております。
    
Q121 柱状体深礎の計算で、低減係数を考慮するとOKで、無視するとOUTとなるのはなぜか
A121
地盤の上限値が同じ場合、地盤ばねが強い方が変位に対して鋭敏になり上限値に達し、塑性化しやすくなります。
もちろん、地盤条件によって必ずしもこのような結果とはなりませんが、本ケースの場合、硬岩ですので塑性化後の抵抗力の影響が大きくなります。
本ケースでは塑性化後の硬岩の粘着力を0としているために、塑性化後の抵抗力も期待できないため、どんどん塑性化が進む結果となっています。
ばねが弱い場合は、塑性化の進行によって変位が大きくなることへの耐力が大きい結果となっています(同じ変位でも地盤反力が小さくなるため)。
本ケースの場合、[詳細設定データ]-[設定6]で塑性化後の「硬岩の粘着力Cres」を「1/3×C」としますと満足することを確認いたしました。
    
Q122 変位が山側になるということで計算が中止になります。
C=0の地層があり、そこに数字を入れても解消しません。
A122
塑性化が進行していることが原因で、塑性化が進行する原因としまして、第1層のφが0であると推測されます。
粘着力Cについてもそうですが、上限値の算定式などは、もともとが岩盤を対象として考案された式であるために、φ=0やC=0となる場合については考慮されていないのではないかと推測されます。
そのため、Cやφが0の場合は上限値が非常に小さくなり、すぐに前面地盤が塑性化してしまう状態になっていると考えられます。
お送りいただいたデータで、φ=0.3度としますと計算は正常に終了しました。
φ=0.1度ですと、「荷重ケース1において、鉛直方向のバネがなくなり不安定です」というメッセージが表示されます。
これは、深礎底面が大きく回転し、深礎底面積が0となり、底面ばねが0となるために生じます。
これも前面ばねの塑性化が進行したためと考えられます。
なお、「山側〜」のメッセージは以下のような理由で生じていると考えられます。
1)塑性化後の抵抗力を荷重として載荷する。
2)塑性化後の抵抗力は山側に作用するように載荷する。
3)上限値が小さいため、塑性化後の抵抗力の荷重で、前面ばねがさらに塑性化する。
4)1)〜3)の繰り返しでどんどん山側変位が大きくなる。
山側変位の許容範囲を超えますと、「山側〜」メッセージを表示します。
許容範囲は、「オプション」メニューの「プログラム内部設定値」の「杭が山側に変位する時の許容変位量」で設定します。
本ケースの場合、上記で許容変位量を大きくしますと、どんどん変位が大きくなり、「荷重ケース1〜」のメッセージにメッセージ内容が変わります。
    
Q123 入力条件を同一としたH14道示(Ver7)とH24道示(Vre8)の計算データで、両者を計算したところ「基礎ばね計算結果」に差異が生じました。
当方では,基礎ばねはH14道示,H24道示ともに線形モデルで算出しており,両者に差異は生じないと認識していたのですが。
基礎ばねに差異が生じる理由をご教示いただけませんでしょうか。
A123
深礎フレームVer.7(H14年道示)では、基礎ばねの計算は弾性解析として行っています。そのために用いる「水平地盤反力係数の補正係数αk」は、1.0を用いております。
深礎フレームVer.8(H24道示)では、弾性解析自体が無くなっており、αkは、1.5のみを用いています。
基礎ばねの計算結果の違いは上記によるものです。いずれかのαkに合わせて基礎ばねを計算していただきますと両者が一致することを確認できます。
なお、本ケースでは影響しませんでしたが、換算載荷幅の取扱も異なっておりますので、αkを合わせても結果が異なる場合があります。
    
Q124 常時の基礎ばねの算出の際、塑性化領域の扱いはどのようにされているのでしょうか。
塑性化領域は考慮しない、または考慮している。
また、固有周期算出用基礎バネについても考え方を教えて下さい。
A124
塑性化領域は、ある荷重状態の場合にのみ対応する塑性化領域となりますので、ばね的な要素とはならないと解釈しております。
従いまして、本計算に置きましては塑性化は発生させないように(弾性状態として)算出しております。
これは、基礎ばね全てに共通です。
ただ、周面摩擦ばねに付きましては、設計者が周面ばねが付いていない範囲を指定できるように、スイッチを設けております([基礎ばね荷重データ]画面の「周面摩擦力上限値が0の場合でも周面ばねを外さない」スイッチ)。
    
Q125 深礎フレームで、計算を行った際に下記のようなエラーメッセージが出ました。
「前面ばねが残り2格点となったためこれ以上の塑性化を中止します」
この場合、@構造として問題有りと解釈した方がよろしいのでしょうか?
また、Aエラーをなくし、計算を行うための改善策はございますでしょうか?
A125
前面地盤の塑性化(地盤反力が上限値に達した状態。解析モデルとしては、ばねをはずし、代わりに上限値を荷重として載荷します)が進行しますと格点ばねがはずれていきます。
フレーム解析を行う場合、水平方向を支持するばねが2点以上ありませんと解析できなくなります。
1点ですと、その1点を軸としてフレームモデルが回転してしまう状態となるためです。
そのため、ばねの付いた格点が2点となった状態で収束しない場合は、そこで計算を中止します。
その時のメッセージが、本件のメッセージとなります。
対処方法としましては前面地盤が塑性化しないように地盤データを変更するか、構造変更が必要となります。
    
Q126 平成7年以前に設計したものを、現行のソフトで復元しております。ほとんど正確に復元できましたが、弾性解析結果のことろで、水平変位量その他が整合しなくなってしまいます。
この弾性解析の内容ですが、平成7以前と現在とで計算式などが変更となっているでしょうか。この原因となるものがあれば教えてください。
A126
従来は、常時、暴風時及びレベル1地震時の照査は、弾性解析結果から水平変位と杭本体の照査を行い、弾塑性解析から水平安定度照査(根入れ長の照査)を行っておりましたが、平成24年版からは、弾塑性解析のみで全ての照査を行うようになりました。
弾塑性解析に変わりましたので、前面地盤が塑性化することが想定されますので、従来の弾性解析の場合よりも水平変位が大きくなると考えられますが、水平地盤反力係数の補正係数αkが弾性解析時の1.0から1.5に変更されていますので、ばね値は大きくなります。
従いまして必ずしも弾塑性解析の場合の水平変位が大きくなるとは限りません。
以上のように設計方法が大きく変わっておりますので、計算結果は異なる結果になります。
変更点に付きましては、ヘルプの「概要」-「プログラムの機能概要」−「適用基準及び参考文献」にまとめております。
また、NEXCO設計要領第二集(平成24年7月)と斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)の照査内容も異なる部分があります(上記と同じページに記載しております)ので、各文献をご参照ください。
    
Q127 常時・レベル1地震時結果の杭本体のせん断照査で、τm>τacで赤色だがOKとなっているのはなぜか
A127
Asreqで満足すればOKとしています。ただし、その場合でもτm≦τa2である必要があります。
    
Q128 常時・レベル1地震時結果で、1/2Mmaxの値が小数点以下でMmaxの1/2になっていない
A128
小数点以下は誤差が出る場合があります。
    
Q129 常時・レベル1地震時結果の杭本体の照査でAsminの照査は行っていないのか
A129
行っておりません。
    
Q130 「橋台の設計」で連動時に、底版の剛体判定でKvを用いているが、どのように計算しているのか
A130
Kvをどのように取り扱うかという資料はございませんので、深礎フレームでは、深礎底面のKvと周面摩擦ばねを合計したものとしております。
深礎フレーム側では、Kvの集計値の出力は行っておりませんので、深礎フレームの計算値を手計算で集計する必要があります。
この場合、[詳細設定データ]-[設定1]の「常時・レベル1地震時照査の地盤の取扱い」で「地盤を塑性化させない」にチェックを付けて計算しますと、周面ばねを塑性化させずに計算し、「常時・レベル1地震時 弾塑性解析結果」の「ばね値」には全周面摩擦の鉛直せん断ばねを表示しますので、これをコピーしてExcelに貼り付けて計算させますと、合計値の手間を若干減らすことができます。
([設定1]にある「周面摩擦力上限値が0の場合でも周面ばねを外さない」スイッチは状況に応じてお使いください。例えば、杭頭部の土留めをライナープレート相当とするために一定範囲の周面摩擦力を考慮したくない場合は”チェックを付けず”に計算します。)
    
Q131 橋台の組杭深礎の計算を行っておりますが、杭頭結合計算における水平反力値の出所がわかりません。
確認したところ、杭番号2は弾塑性解析結果の値と一致しているのですが、杭番号1は一致していません。
A131
「解析結果」の杭頭位置の断面力は杭周面摩擦力が影響した値となっています。
杭頭接合部の照査やフーチングの照査に用いる杭頭反力は、杭周面摩擦力の影響を除いた値を用いています。
従いまして、杭周面摩擦力を考慮しない場合や、元々杭周面摩擦力が杭頭部にない場合には、「解析結果」と同じ値になります。
杭2は、杭前面の水平かぶりが小さいため、前面ばねが付いていませんので、杭頭部には周面ばねが無く、「解析結果」と一致しています。
杭1は、杭周面ばねが付いている状態で解析を行っていますので、「解析結果」には、その影響後の断面力となっています。
周面ばねの影響を除くには、周面ばねが塑性化している場合は上限値を加算、塑性化していない場合は「周面ばね値×変位」で算定した値を加算します。
※橋台側にも上記の補正を行った杭頭反力を連動しています。
    
Q132 橋脚基礎で2列×2列の場合(橋軸方向傾斜、直角傾斜無)、どのようなモデルが最適でしょうか
A132
橋軸方向は、橋軸の左側の2本と右側の2本が全く同じ条件(杭長、地盤条件)の場合ですと、面内解析でよいかと存じます。
この場合は、左右の荷重分担率は50%ですので、橋脚と連動して計算できます。
橋軸直角方向の場合は、橋軸を境界として前側の2本と後ろ側の2本に分割した場合、計算直角方向に斜面があるため左右の杭条件が異なります。
このような場合は、まず面外解析で左右の杭の荷重分担比を算定する必要があります。この場合、前の杭と後ろの杭がそれぞれ同じ条件である必要があります。異なる場合は、橋軸直角方向に沿って、2本ずつの組杭で荷重分担率を算定します。
整理しますと次のようになります(橋軸方向のみに傾斜角がある場合)。
(1)橋軸を挟んで左右の杭が地盤条件も含めて対称となる場合
橋軸方向:面内解析(荷重分担率50%)
橋軸直角方向:面外解析で荷重分担率を算定後、橋軸直角方向に分割した2組の組杭深礎の面内解析(分担率が50%未満となる組杭深礎の場合は50%とする)
(2)橋軸を挟んで左右の杭が非対称の場合
橋軸方向:面内解析で荷重分担率を算定後、同じモデルで2組の組杭新の面内解析(分担率が50%未満となる組杭深礎の場合は50%とする)
橋軸直角方向:<橋軸方向と同じ手法>
いずれの場合も、最終成果は面内解析の組杭での解析となります。
※荷重分担率の算定を行い、その結果を用いる場合は、橋脚との連動ではできませんので、深礎フレーム単独で行う必要があります。
    
Q133 深礎フレームで極限支持力を算出する場合ですがケーソンで算出するときのDfを直接入力することは可能でしょうか
A133
申し訳ございませんが、Dfは内部設定で入力による変更はできません。ご了承ください。
    
Q134 組杭について、4本あったとすれば、そのうちどちらか1組(2本)で持てばOKと理解しておりますが、どのように考えればよいのでしょうか
A134
常時、暴風時及びレベル1地震時の「底面せん断抵抗力照査」についてのご質問と解釈いたしまして回答いたします。
「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)」(以下、深礎便覧)(P.78)では次の記述がございます。
『組杭深礎基礎の場合、常時に対しては過度に特定の深礎杭に荷重が集中せず、できる限り均等に荷重を受けるように、深礎杭1本ごとに杭底面地盤のせん断抵抗力に対する照査を行う必要がある。郷封じ及びレベル1地震時に対しては、各杭の杭底面地盤のせん断抵抗力の合計値と各杭の杭底面におけるせん断地盤反力の合計値を用いて、基礎全体としての照査を行えばよい。』
上記の内容から、常時についてのみ1本単位で判定を行う、常時以外では基礎全体(全杭本数)で判定すればよいこととなります。
従いまして、暴風時及びレベル1地震時の場合に付きましては、お考えのような判定となるかと存じます。
ただ、現在の深礎フレームの場合ですと、1組(1平面上)の組杭深礎に対しての判定しかできません。2×2で2組の組杭深礎杭にばらして計算する場合で、2組の組杭深礎杭の杭長や地盤条件の異なる場合では合算しての判定はできません。このような場合は、別途、合算した値(2×2の場合は4本の合算)で判定していただく必要があります。
なお、NEXCO設計要領第二集(平成24年7月)には、深礎便覧のような記述はございませんので、常時の判定をどのように取り扱うかは設計者判断となります。
    
Q135 深礎基礎の突出杭の地震時慣性力についてお尋ねします。突出部の単位当たりの水平力は記載してあるのですが、この荷重を載荷させている状態を確認するのはどこを見ればよいですか
A135
突出部の地震時慣性力の扱いは、製品ヘルプQ1−5をご覧ください。
荷重は突出部に対して入力された設計水平震度を掛けたものを自動的に載荷しています。
杭体断面力表より、杭頭位置と設計地盤面位置のせん断力の差にて、突出部慣性力が考慮されている事がご確認いただけると思います。
    
Q136 基礎ばねのex,eyとは何か
A136
単位荷重を載荷する格点で基礎ばねを算出しますが、別位置で基礎ばねを算出したい場合に、格点とその位置までの距離を設定することで、指定を行います。
橋台の設計では、底版下面中心位置で算出した基礎ばねとしています。
    
Q137 既設橋台を、深礎フレームver.2で再現しています。
隣接杭の影響として、杭2の方は左側と右側で隣接杭までの距離を異なる距離としたいのですが、1つの距離しか入力できないのでしょうか。
A137
申し訳ございませんがVer.2では1つの隣接間距離のみの入力となっております。ご了承ください。
左右で杭間距離が異なる場合の考え方として次のものが考えられます。
それぞれの間隔として、@検討橋台の杭間隔と、A検討橋台の外側杭から別橋台の最近杭までの距離と考えることとします。
水平方向地盤反力係数の低減係数μとしては、短い方の杭間隔、または、平均の杭間隔が考えられます。
水平支持力算出用の隣接基礎までの距離としては、こちらも、短い方の杭間隔、または、平均の杭間隔が考えられます。
一般に短い杭間隔の方で計算されると、小さ目の地盤反力係数、小さ目の水平支持力Rqとなります。
短い間隔で計算したものと、平均値で計算したもので比較検討するのも一つの方法かと思います。

当社では、平均の距離で良いかどうかの判断ができかねますので、誠に申し訳ございませんが、設計者様のご判断でお願い致します。
※深礎フレームVer.8では、支持力算定用の隣接杭間隔は、左右で異なる値を設定できます。
    
Q138 深礎フレームVer.2で復元したデータですが、弾性解析の結果で、水平変位量,支点反力,曲げモーメント,および軸力は既往成果と一致するのですが、せん断力Sが整合とれません。
既往成果は平成7年に設計されたもので、深礎フレームVer.2は平成13年、14年の基準をベースとしたものですので若干の違いはあると思いますが、何か、そのころのプログラムにせん断力を計算するうえで計算方法を見直したなどの経緯がありましたら教えてください。
A138
平成7年当時はDOS版であったと存じます。
その時のせん断照査に用いるせん断力は、格点の下側の値を用いておりました。
(格点には上の部材の下端と下の部材の上端が接しており、2つのせん断力が存在します)
平成11年に現在の深礎フレームがリリースされましたが、せん断力の用い方が、「格点の2つのせん断力の平均値」に変更されています。
軸力と曲げモーメントが一致してせん断力のみが異なる理由としましては上記が該当するのではないかと存じます。
なお、「フレーム解析結果」では当時から現在まで、上記のような加工を行っていない計算値を出力しておりますので、当時の「フレーム解析結果」があるのでしたら比較してみてください。
    
Q139 常時及びL1地震時の「底面せん断抵抗」のヘルプについての質問です。
『「1本/全体で判定」の場合に、どちらで判定するかは、荷重ケースの「底面せん断」スイッチによります。』
とは、どこのスイッチのことでしょうか。
A139
説明が不足しており申し訳ございません。
“荷重ケースの「底面せん断」スイッチ”とはメインメニュー→「基準値」→「荷重ケース」の「底面せん断」のことです。
    
Q140 橋脚との連動にて深礎L2照査を行っていますが、「詳細設定」により「押込み支持力の降伏判定」を考慮しています。(NEXCO要領)
杭1にて安定照査がOUTとなっています。内容の確認を行いましたが許容値が小さいのですが、この理由を教えて頂けないでしょうか。
A140
深礎底面が浮き上がり始めますと深礎底面の鉛直力が小さくなっていきますが、有効載荷面積が減少しますので押込み支持に対する面積が減少し上限値となる鉛直力も小さくなります。
両者の状態が、深礎底面が完全に浮き上がるまでに、鉛直力>上限値となる場合となりますと、「押込み支持力の上限値に達した」状態となり、降伏条件を満たします。
このような引張側の杭の押込み支持力上限値についての取り扱いは、NEXCO設計要領第二集には記述がありません。
そのため、Ver.8.3.0では、押込み支持力の判定について、[詳細設定データ]-[設定3]に、次のスイッチを追加いたしました。

(押込み支持力の降伏判定を考慮する場合)押込み支持力上限値の判定対象杭列
<全ての杭列> or <押込み側の杭列のみ>

上記スイッチで、<押込み側の杭列のみ>とした場合は、本ケースのような引張側の押込み支持力の上限値判定を行いません。
押込み側と引抜き側の判定は、杭座標で杭中心(杭中心を含まず)より前方を押込み側としています。
上述の通り、引抜き側押込み支持力に付きましては記述がございませんので、設計者判断でスイッチを設定してください。
    
Q141 深礎杭のL2照査の判定で、Mmax<My照査において、その時の軸力はMmax位置の軸力を用いているのでしょうか
A141
「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)」(P.141)に以下の記述がございます。

組杭深礎基礎の場合の杭体のM-φ関係の算出に用いる軸力は、杭群図心位置から押込み側の杭では死荷重が作用したときの杭頭鉛直反力、引抜き側の杭では零としてよい。

従いまして、一般には上記の取り扱いとなるかと存じます。
    
Q142 深礎フレーム計算のL2で鉄筋区間1のMmaxと杭体断面力のMmaxが一致しないのですがどのような理由でしょうか?
A142
複数区間がある場合は最も厳しい(発生曲げモーメント/降伏曲げモーメント)区間を抽出して杭体が降伏しているか否かを判断しております。
本ケースの場合は、杭1は第3区間が最も厳しくなっているため、第3区間の最大曲げモーメントと降伏曲げモーメント抽出・表示しております。
    
Q143 「斜面上の深礎基礎設計施工便覧」仕様で基礎の降伏に達しないこととした場合、変位の照査が必要なのでしょうか
A143
斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)(P.69)のフローチャートでは、変位の照査に付きましては記述がございませんので、初期値としましては、「照査を行わない」(=[詳細設定データ]-[設定4]の「レベル2地震時における基礎天端の許容変位」のチェックが付いていない状態)としております。
NEXCO設計要領第2集(平成24年7月)(P.4-60)のフローチャートでは、平成22年7月版(P.4-66)では記載がありました「基礎の変位の照査」が無くなっております。
従いまして、変位の照査は「行わない」と解釈しても良いかと存じますが、設計者のご判断でお願いいたします。
    
Q144 地盤条件の入力で、ひろがり角βを内部計算を選択した場合、プログラム上の扱いはどのようにされるのでしょうか
A144
前面地盤の塑性化領域として考慮するくさび状の土塊ブロックのひろがり角βの算定について、入力条件でβを内部計算とした場合、次のように取り扱っています。
ひろがり角β:
すべり角度と同様に土塊の広がり角度は、地層の変化によらず一定であると仮定し、その大きさはすべり面上の各地層のすべり面の長さが最も大きい地層に対応した値とする。
ヘルプ[計算理論及び照査の方法]-[地盤の水平支持力]-[2層地盤の極限水平支持力]を参照ください。あるいは、JH2集p4-71を参照ください。
また、ヘルプのQ&AのQ4−6にもひろがり角に関する説明がございますので、こちらもご参照ください。
具体的には、内部計算とした場合は、各層を通るすべり線の長さの内、最大長の層の地盤条件を用い、下記の式にあてはめ、βを計算します。
・土砂および軟岩、β=30゚+φ/3
・硬岩、β=φ/3
印刷の「地盤の諸条件データ」−「水平支持力・塑性化抵抗力」にて、適用したβの値が出力されます。
    
Q145 斜面上の深礎基礎設計施工便覧p.8に「傾斜角が10度未満の・・・」と記述されています。
深礎フレームで地表面の傾斜がないものとして計算する場合の計算方法は、何に準拠して計算されるのでしょうか。
また、平地と傾斜地の違いで構造的に異なるのでしょうか。
A145
斜面の特徴としまして、前面地盤が有限であることがあります。
従いまして、モデル化を行う上で、道路橋示方書、NEXCO設計要領及び斜面上の深礎基礎設計施工便覧は、その影響を取り入れた指針・基準となっております。

プログラム上では、水平かぶりや土塊重量算出などが斜面の傾斜角に影響します。
しかしながら、これらは純粋に幾何学的に計算式による算出しておりますので、傾斜角10度を境界にそれらの計算式自体に齟齬が発生するわけではありません。
傾斜角8度でも5度でも、その角度の場合でも水平かぶりや土塊重量を算出することができます。

10度未満についてはどのように考えるかについての記述はありませんが、「斜面上の深礎基礎設計施工便覧」では、「11-2 分担荷重の計算」(P.275)で、水平地盤を取り扱っています(図-参.11.5)。
このように実情は水平地盤での照査も行う必要があるため、深礎フレームでは上記の考え方を10度未満〜水平地盤まで拡張して取り扱っております。
10度未満の取扱いに問題があり適用できないとお考えの場合は、別途ご対応いただくしかございません。
また、10度未満の計算方法についての情報などお持ちで、ご提供いただけましたら、内容を精査いたしまして対応を検討したいと存じます
    
Q146 ラーメン構造のL2地震時で杭頭の軸力が上向きの場合も照査しています。
入力データのM−φ算出用の杭軸力の画面に入り確定を押すと”入力制限を超えてるデータがあります”と表示されますが、マイナスの軸力でM−φが正確に算出されているのでしょうか。
A146
押込み側の杭のM-φ関係に用いる軸力は鉛直死荷重を杭本数で割ったものを用います。
「レベル2荷重データ」を確認しますと、鉛直死荷重=-100.00kNとなります。
この値がマイナス値であるために、制限範囲外となるためのメッセージです。

計算自体は、「曲げと軸力を考慮した鉄筋コンクリート断面」として計算しておりますので、軸力=-100kN時のM-φ関係として正常に計算しております。

鉛直死荷重がマイナスとなる場合のM-φの計算についての記述はございませんので、そのままマイナス値を用いて計算を行うのか、0を用いるのかは設計者判断となるかと存じます。

軸力がマイナス値ですと、引張に厳しく、圧縮に優位になりますので、Myは小さくなり、Muは大きくなります。

軸力を0として計算する場合は、「レベル2荷重データ」で鉛直荷重がプラスとなるようにしていただくか、「M-φ算出用の杭軸力」で「杭の軸力はレベル2荷重データの死荷重から内部計算する。」のチェックをはずし、軸力を直接入力することでご対応お願いいたします。
    
Q147 プログラムでは何故変位急増点にて降伏したと判断しないのですか。
α=1において、杭体が降伏していない場合は変位量等を勘案して、変位急増点があっても降伏していないと判断してもよいのでしょうか。
A147
logP-logS法による急変点の探索は、計算した範囲(この場合ですと、αi=0〜1.0の範囲)の中で、最も急変した位置(線分の折れ角の最大位置)を検出しているにすぎません。
従いましてほとんどなだらかなグラフの場合でも検出します。
真の急変点を検出するには、当該基礎の終局状態まで荷重を載荷し続け、logP-logS曲線を完成させる必要があります。

計算範囲内で基礎の降伏の目安(全杭の降伏、押込み支持力上限値など)となる状態があるか否かで判定しています。
目安となる状態はなく、logP-logS法による急変点のみが検索されている状態では「基礎の降伏」判定とはせず、実際に降伏しているか否かは、設計者が「降伏点の修正」で行なえるようにしています。
NEXCO設計要領第二集では3段階(3本の直線)で図示されていましたので、鉄筋コンクリート断面の弾性状態〜ひび割れ、ひび割れ〜降伏(初降伏)、降伏〜終局の変遷をイメージしましたが、実際の解析では必ずしもこのように明確になるとは限らないと存じます。
また降伏判定においては、ひび割れ部分は重要ではないので気にする必要もないと考えます。
急変点の捉え方は設計者によって異なるかと存じますが、急変点=降伏点ではなく、そのときのほかの情報(杭体、前面地盤の塑性化など)から総合的に判断することが必要であると考えます。特に、急変点が明確ではないような場合ですと、本当に降伏点と判定してよいか、第3者に対して説明できる理由付けが必要になるのではないでしょうか。
    
Q148 「設計地盤面の折れ点」を設定する入力項目がありますが、お送りしましたデータでは第2層3層・・もその地表面線との交点より外側はカットされるようになるのでしょうか?また、その辺の説明、および出力で確認できるところがありますか?
A148
交点以降は、上層の地層線に沿うように設定されます。
計算に用いる地層線としましては、メイン画面に表示している杭体と地層線と同じ図を、「設計条件」で出力しています。
地層線の表示範囲が狭く、全体が分かりにくい場合は、[オプション]―[プログラム内部設定値]の「折れ線地層時の最大地層描画長さ」で表示範囲を広げることができます。
    
Q149 「杭頭接合計算」ですが、フーチング橋軸方向に段差がない場合、水平力の作用方向から考えて、端部の押し抜きせん断照査は、後側杭のみ対象で前側杭については不要のように思えるのですが、どのように考えればよろしいでしょうか。1杭側の結果と2杭側の結果について、前側に相当する結果を無視してかまわないでしょうか?
A149
道路橋示方書、NEXCO設計要領及び斜面上の深礎基礎設計施工便覧(以下、深礎便覧)にはとくに記述がございません。
深礎便覧の計算例を見ますと、図-参.10.7(P.263)では段差フーチングであるので、前杭と後ろ杭について照査を行っております。
図-参.11.10(P.282)では前列杭だけ照査しているようです(段差方向についても1本のみしか結果を表記していません)。

照査方向の前方に杭がある場合は前方の杭(端部の杭)のみでよいのではないかと考えられますが、端部の杭より大きな水平力が発生している杭がある場合でも照査する必要はないのかに付きましては設計者判断になるかと存じます。

今後は、設計者判断で、照査対象の杭列を指定できるようにするなどして自由度を持たせることを検討いたします。
    
Q150 レベル2地震時の照査において基礎を降伏させない場合設計水平震度はC2Z・khcoとkhpの小さい方を使用しているように思えますが、理由を教えて下さい。
A150
レベル2地震時照査に用いる作用力は、水平震度を0から設計水平震度C2z・khc0まで増分させて算出します。
フーチングや杭の突出部に乗じる設計水平震度khgも同じ割合で増分させます。

各状態での水平震度を用いて作用力を算出します。ある増分ステップの水平震度の設計水平震度に対する割合をαi(αi=0〜1.0)としますと、その時のレベル2地震時照査に用いる作用力は次のようになります。

Vi = Vo (初期値と同じ)
Hi = ( WU + WP )・C2z・khc0・αi + WF・khg・αi
Mi = ( WU・yU + WP・yP )・C2z・khc0・αi + WF・khg・αi・yF
ここで、
WU,yU:当該下部工が負担する上部工重量とその作用位置
WP,yP:当該下部工の重量とその作用位置
WF,yF:フーチング重量とその作用位置
※初期偏心作用力や突出部作用力は含んでいません。

上式で、WUとWPは、柱基部からの荷重ですので、柱基部が降伏する水平震度khpまではαiの割合で増加していきますが、khpに達した(C2z・khc0・αi=khp)後は、それ以上の作用力は基礎には伝達しません。
従いまして、khpがWU,WPに対しての上限値となります。
ただし、khgは、増加していきますので、WFや突出部に起因する荷重は増加していきます。
    
Q151 レベル2照査で、khpを1.00→1.01とすると結果が全く異なりました。
khpが1.01の場合、logP〜logSの急変点の箇所で基礎降伏判定となります。
khpが1.00の場合、急変点を超えても降伏と判定しません。
急変点を超えると降伏しないを判定の理由を教えてください。
A151
lopP-logS法による急変点は計算範囲内での急変点を探す機能ですので、基礎の降伏する/しないに関わらずほとんどの場合で検出されます。

従いまして、基礎が降伏しているか否かは、「全杭体の降伏」によって判定しています。
設計水平震度まで荷重を載荷した状態で、「全杭体の降伏」が無い場合は「基礎は降伏しない」と判定します。
設計水平震度まで荷重を載荷した状態(全荷重時)で、「全杭体の降伏」が存在する場合は「基礎は降伏する」と判定します。その場合は、全降伏した位置とlogP-logS法による位置を比較し、先に現れる方を「降伏点」として初期設定されます。

お問い合わせのケースでは、khp=1.000の場合では全荷重時までに、2本の杭のうちの1本だけ降伏し「全杭体の降伏」とはなっておりません。
一方、khp=1.010の場合では、全荷重時前に、「全杭体の降伏」状態となっています(αi=0.956)。
従いまして、こちらのケースでは、「αi=1で基礎は降伏している」という判定となります。
    
Q152 M―φ算定用の軸力は、発生曲げモーメント位置での軸力ではなく、杭頭での軸力ということでしょうか?
A152
押込み側は死荷重を杭本数で割ったもの、引抜き側は0で計算します。
(杭基礎に準拠)
    
Q153 旧版(H14道示)でのデータを使用し実行したところ「警告;斜面の傾きと水平震度の向きが一致しません」となります。
旧版では問題ありませんでした。
A153
Ver.8からは第1層(表層)以外の層については逆勾配に対応しましたので、第1層の傾斜のみで山側-谷側を判定するように判定基準を変更しました。
第1層が水平地盤の場合は、X軸プラス方向(またはZ軸プラス方向)に傾斜しているものとしております。

本ケースの場合、第1層が水平地盤のため、画面右側が谷方向となります。
このような場合に、傾斜方向を明示的に設定するには、次のように設定してください。

1)[杭長および地盤条件]を表示する。
2)「直線地層線」の「設計地盤面の折れ点」を「あり」に変更する。
3)杭前面から遠方の位置にわずかな傾斜角を設定する。
 Lt=999.0m, θLt=0.1度
4)「確定」ボタンで閉じる。

どちらに傾斜があるかは、メイン画面の地層線の表示範囲で確認できます。
表示する線分の長い方が谷側となります。
上記の変更で、画面左側の地層線表示部分が大きくなることで、正しく設定できていることを確認できます。
    
Q154 降伏モーメントを、RC断面計算ソフトで同じ結果にするには、どのようにすればよいですか?
A154
以下の条件で計算してください。
軸力=58699.0kN
εy発生位置=175.3cm

■εy発生位置の算定
深礎杭は、引張側鉄筋の角度90度部分の全ての鉄筋が降伏に達した状態を「杭体の降伏」と定義しています。
従いまして、最も内側の鉄筋の90度範囲の端部位置を降伏ひずみ発生位置とします。
最も内側の鉄筋の鉄筋かぶりdo = 46.0cm
最も内側の鉄筋の90度範囲の端部位置の杭図心からの距離 rs’ = {(杭半径)-do}/√2 =312.19 cm
杭の引張縁から最も内側の鉄筋の90度範囲の端部位置までの距離 = (杭半径)-rs’=175.31 cm
    
Q155 H24.4「斜面上の深礎基礎設計便覧」P.117、NEXCO「設計要領」にフーチングの骨組みモデル化法がでています。橋台と連動した場合、この骨組みモデルが自動で作成されるのか、これに関してヘルプ等で説明されている部分がありましたら教えてください。
A155
深礎フレームVer.8では、自動的にフーチング部材を骨組みモデルにできませんので、設計者が格点の設定、部材の設定、部材荷重の設定などを行っていただく必要があります。
断面照査位置の断面力は、「着目点データ」で部材に着目点を設定していただくか、照査位置に格点を設けることで、断面力を「フレーム解析結果」から抽出することができます。
ただし、この場合でも深礎フレームでは応力度照査は行えませんので、別途、RC断面計算プログラムなどを用いて、抽出した断面力から応力度照査を行っていただく必要がございます。
おおよそ以下の手順になるかと存じますのでご参考ください(荷重分担率まで計算が終了しているものとしています)。
※橋脚や橋台との連動時では行えませんので深礎フレーム単独使用で行います。
1)フーチングの剛性を考慮した骨組モデルを作成する。
・柱基部位置に格点を設ける。
2)1)で作成した格点や部材に荷重を載荷する。
・柱基部荷重は、1)で設定した柱基部格点に載荷。
・フーチング自重、上載土などをフーチング部材に載荷。
・土圧は、壁部に作用する分は柱基部格点に、底版部に作用する分はフーチング最背面の格点に載荷。
3)曲げ照査位置(柱端)、せん断照査位置(柱端から1/2h、杭位置)を設定する。
・「着目点データ」で追加する。
※杭位置は、格点があるため、着目点を設けなくても断面力は抽出できます。
4)「計算実行」を行う。
5)「常時・レベル1地震時 フレーム解析結果」―「部材力」で各照査位置の断面力を抽出し、RC断面計算プログラムで応力度照査を行う。
    
Q156 深礎フレーム(VER.7)について、質問させていただきます。
単列杭の面内解析を行っております。
地層データの入力は、杭から遠ざかるか下がるように入力するよう決まりがあるようですが、上り勾配の場合、X座標を杭から遠ざかるように入力することで対応可能と思われます。
添付資料は上り勾配で実際に入力したものですが、入力エラーが出てしまいます。
X座標は杭から遠ざかるように入力しておりますが、何か不備があるのでしょうか。
あるいは、上り勾配については全く対応できないのでしょうか。
A156
Ver.7以前のバージョンは地層傾斜は逆勾配(上り勾配)には対応しておりません。ご了承ください。
(Ver.8で逆勾配に対応しました。)
    
Q157 計算結果の変位と解析結果のδmaxが異なっている
A157
δmaxは最大変位として杭頭位置の値を抽出しておりますが、水平変位の判定に用いる水平変位の参照位置は、突出杭のため杭頭とななっていないため、δmaxと異なる値となっています。
    
Q158 計算を行うと以下のメッセージが出ました。
=======================
エラー
荷重ケース1において、鉛直方向のばねがなくなり不安定です
=======================
A158
深礎フレームの[杭長および地盤条件]で、基礎ばね計算用のデータが0になっているために発生しています。
「動的ポアソン比νD」「平均せん断弾性波速度VsD」「動的変形係数ED」を設定してください。
橋脚や橋台と連動する場合には、自動的に基礎ばねの計算を行うようになっているため、上記の設定が必要です。
「深礎フレーム」単独で計算する場合は基礎ばねの計算を行わないため、上記メッセージは表示されません。
基礎ばね自体が不要な場合は、上記は適当な値で構いません。
    
Q159 常時・レベル1地震時照査結果で、2列杭の1本が完全に浮き上がった状態となった
A159
常時、暴風時及びレベル1地震時の杭底面の完全な浮き上がりについての記述はNEXCO設計要領には記述がありません。
従いまして、完全に浮き上がった状態では、深礎底面作用力と抵抗力の双方が0となりますので、判定としましてはOK判定としておりました。
ただ「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)」では、深礎底面のせん断抵抗力照査に付いて以下の記述があります(P.78)。

組杭深礎基礎の場合、常時に対しては過度に特定の深礎杭に荷重が集中せず、できる限り均等に荷重を受けるように、深礎杭1本ごとに杭底面地盤のせん断抵抗力に対する照査を行う必要がある。暴風時及びレベル1地震時に対しては、各杭の杭底面地盤のせん断抵抗力の合計値と各杭の杭底面におけるせん断地盤反力の合計値を用いて、基礎全体としての照査を行えばよい。

上記に照らし合わせますと、常時は完全な浮き上がりが発生するとNG判定、暴風時及びレベル1地震時は基礎全体の判定で満足すればOKということになります。
お送りいただいた資料の場合、地震時ケースかと存じますので、完全な浮き上りが発生しても問題ないと存じます。
    
Q160 Ver7まではあった「弾性領域への最小根入れ長L」の項目が,Ver8からは無くなっているように思います。
何か理由があるのでしょうか?
A160
道路橋示方書W下部構造編(平成24年3月)に根入れ長の安定照査についての記述はありません。
p.508の「15.1設計の基本」の、項目について照査を行うことで、安全性を満足するものと解釈しております。
そのためVer.8では根入れ長の安定照査は行いません。
※NEXCO設計要領(平成24年7月)(P.4-59)では、「最小根入れの規定の廃止」とはっきりと記述されています( (2)を参照 )。
    
Q161 レベル2の作用力の入力に、『RD、Wu、Yu』等の分野と『Vd、Hd、Md』の分野がありますが、前者による最終震度での作用力を後者に入力した場合、結果に差違がありますが、これは、地盤抵抗等の影響だということでよろしいでしょうか?
A161
Vd,Hd,Mdは初期荷重(=死荷重)ですので、レベル2地震時照査の最初時(水平震度=0時)に計算されます。
その後、水平震度を0〜C2z・khc0まで増分させていきます。
従いまして、荷重の取り扱いが異なります。偏心荷重などの初期荷重が無い場合は、Vd=Hd=Md=0としてください。
    
Q162 塑性化しやすい(地盤剛性、極限支持力が小さい)地盤の領域が少なく、かつ、引抜き側の杭1は塑性化しにくいと想定していたが、塑性化しやすいと想定される杭2の方が塑性化領域の範囲が小さくなった。
A162
ご指摘の通り、地盤条件は杭2の方が弱い層が厚くなっておりますが、杭2は最前列杭であり、土塊重量を算定する場合に前方の杭の影響を受けません。
一方、杭1は前列杭である杭2のために土塊重量が影響を受けます。
その結果、杭1と杭2の地盤反力度の上限値Rqaはほとんど変わらない(やや杭2が大きい)結果となっています(「水平支持力・塑性化抵抗力の上限値」をご参照ください)。
水平方向地盤反力係数は、杭1が大きいため、杭1の方に杭2よりやや大きい荷重が分担されています。
上記の結果、杭1の方が塑性化が進行したと考えられます。
    
Q163 橋脚連動で段差フーチングの際の深礎杭の検討を実施しております(軸方向2×直角方向3の合計6本)。
算出された基礎バネ(直角方向)の値に違和感を覚えたため、無理やり底版をフラットにして値を比較してみると、連成バネの値が倍・半分違っておりました。元の段差のデータとフラットにしたデータを送信いたしますので、 データの妥当性につきましておかしな点がないかご確認いただけないでしょうか。
A163
複数杭列がある場合の基礎ばねは、単列で計算したものを、杭列数倍して基礎全体を算出しています。
従いまして、橋軸2列・直角3列の場合で、直角方向の基礎ばねの算定の場合ですと、面内解析と面外解析で次のようになります。
・面内解析の場合=3本組杭での計算値×2
・面外解析の場合=2本組杭での計算値×3
面内解析の場合は、計算方向に平行に取り出した1列に付いて算出した基礎ばねですので、杭列数倍することで問題ありませんが、面外解析の場合は、計算方向に並んだ組杭の組杭間距離が基礎ばねに反映されません。
従いまして、基礎ばねを算出する場合は、面外解析では1列(1面)杭の場合のみとし、複数列ある場合は、面内解析で算定すべきと存じます。
杭長が異なるなどで、面内解析結果×杭列数では、不都合な場合は、単独で複数回計算したものを合算して用いるようにしてください。
    
Q164 深礎杭で計算実行すると「杭2の山側に変位が○○mmでます。」というメッセージが出てきます。ヘルプを参照したところ、粘着力=C=0をC=1にすると解消されると記述があり実際行ってみると、解消されませんでした。
他に方法はないでしょうか?
A164
弾塑性解析の場合、前面水平ばねが塑性化すると、ばねをとりはずし、代わりに塑性化後の抵抗力を荷重として杭前面から背面方向に載荷します。
上記のように解析モデルを変更し再計算を行います。
その際、塑性化が進み、塑性化抵抗力が大きくなりますと、塑性化抵抗力によって斜面と反対側に変位が生じる場合があります。この時の変位が内部で設定された変位以上になると異常と判定されます。
判定を行う変位(許容変位量)は、[オプション]メニューで変更することが出来ます(初期値は1mmになっています)。
[オプション]メニューの[プログラム内部設定値]の「杭が山側に変位する時の許容変位量」を大きくしてください。
※本ケースの場合、2mmとしますとお問合せのメッセージは表示されなくなりました。
    
Q165 斜面の影響の考慮はどの位置で行われていますか
A165
格点位置で行っています。
    
Q166 杭頭接合計算の計算書で、水平押抜きせん断照査の項目の形状図が、左右逆になっているように見えます
A166
計算書での水平押抜きせん断照査の項目の形状図は、左側が縁端方向として描画しています。
    
Q167 水平方向の押抜きせん断力に抵抗するフーチングの有効厚さh’が、意図した寸法と異なる
A167
有効厚さh’は入力されたフーチング寸法および杭配置から内部計算されています。
この内部計算の前提としまして、杭の座標0位置とフーチング中心を一致させて配置しているものとしております。
従いまして、杭1と杭2で縁端距離が異なるようなケースにおいては、各杭について個別に、意図した縁端距離になるようにフーチング寸法などを調整していただき、その上で杭頭接合計算をそれぞれ行っていただく必要がございます。
    
Q168 L2のせん断力が0となります。
再計算しても0の結果が表示されます。
A168
せん断力は、最終荷重時まで計算しないと算定できません。
最終荷重時とは、次の状態をいいます。
1)基礎が降伏しない場合:最終震度(αi=1.000)
2)基礎が降伏する場合:応答変位震度
3)降伏震度を指定した場合の震度
お送りいただいたデータの場合、応答変位を計算していませんのでせん断力を求められません。
この場合、3)の方法により、せん断力を求めることができます。
具体的には次の操作を行ってください。
1)[レベル2地震時計算結果]-[載荷結果]タブを表示する。
2)「全点表示」に変更する。
3)降伏点を指定する(マウスで載荷ステップをクリック)。
4)「降伏点の修正」ボタンをクリックする。
5)「閉じる」で[レベル2地震時計算結果]を閉じる。
6)「計算実行」ボタンをクリックし、レベル2地震時を再計算する(データを一切変更しないでください)。
    
Q169 計算を実行しましたが杭底面のせん断抵抗力が計算されません
A169
[詳細設定データ]-[設定1]の「底面ばねの条件」の「常時・レベル1地震時」の設定が「無視」となっております。
この場合、Kvのみ全断面有効として考慮し、KR,KSを0としてモデル化します。
従いまして常に底面せん断ばねがないので、発生せん断力は0となります。
    
Q170 「杭長および地盤条件」−「杭頭からの距離」の入力は、埋め込み長を含めた長さですか、それともフーチング下面からの距離ですか
A170
フーチング下面からの深さとなります。
    
Q171 「鉄筋データ」−「区間長Lの合計」は、メニュ−「杭長および地盤条件」−「杭長」と同じ長さにする必要はあるのでしょうか。「区間長Lの合計」の方が、「杭長」より長ければ問題ないでしょうか。
A171
「区間長Lの合計」の方が、「杭長」より長ければ問題ありません。
    
Q172 検討箇所の硬岩が亀裂が多いか少ないか不明です。「杭長および地盤条件」-「底面地盤条件」-「土質」は計算結果にどのように影響するのでしょうか。
A172
[杭長および地盤条件]の「底面地盤条件」の「土質」で、硬岩が、「硬岩(亀裂少)」「硬岩(亀裂多)」の2つに分かれていますが、これは、[詳細設定データ]-[設定5]の「根入れ比Df/D<1の場合の基礎底面の岩盤の上限値」で、「根入れ比<1の場合は道示W 表-解 10.3.2を用いる」を選択した場合に意味を持ちます。この表-解 10.3.2は、直接基礎の章にある地盤が岩盤の場合の表となります。すなわち、根入れ比が1未満の場合は、直接基礎の表を適用するかどうかの選択スイッチとなります。表-解 10.3.2の硬岩は、「硬岩(亀裂少)」と「硬岩(亀裂多)」に分かれており、[杭長および地盤条件]の設定は、そのための区分となっています。
根入れ比が1以上ある場合はどちらを選択しても影響はありません。
(根入れ比は[根入れ長/杭径]で、根入れ長は杭前面の地表面との交差位置以下の杭長をいいます)
    
Q173 直角方向に3列杭の深礎杭のフーチング計算において、端部杭の有効幅の広がりの取り扱いを0.5・Dとしていますが、水平方向押し抜きせん断の計算書では「有効幅B=1.5×D=1.5×2000=2000mm」となっており、計算内容に不整合がでています。
A173
本ケースでは計算直角方向の杭列数が1と入力されております。
この場合、両端が端部となる1本杭としての有効幅を用いますので、有効幅B=0.5D+0.5D=1D=2.000m と計算されます。
    
Q174 橋台の設計との連動時に「システムコールエラー」というメッセージが出ます。対処法はありますか。
A174
環境に起因して発生することがある現象です。
対処法がいくつかあります。

・対処法1
 橋台の設計にて[オプション]->[動作環境の設定]で「連動時のトラブル対策を行う」にチェックを入れた状態で使用してください。

・対処法2
 上記の対処法1で効果が無かった場合にお試しください。この対処法を用いる場合、連動時の各計算ステップを手動で行う形になります。
 橋台の設計にて[オプション]->[動作環境の設定]で「一括計算」のチェックを外してください。その後、橋台の設計で計算確認を行い、深礎フレームで計算実行を行ってください。
(基礎ばねに関しては、橋台の設計が「震度連携」モード時に、メニューの[震度連携]から「剛性も出る生成」を実行すると、深礎フレーム側の結果が取得されます。)
    
Q175 深礎杭の設計で、組杭深礎の場合、後列の鉛直地盤反力度がゼロ(浮上り)になる場合がありますが、プログラムでは特にNGの判定としていません。
鉛直地盤反力度がゼロ(浮上り)でも、問題ないと考えてよろしいでしょうか。
A175
浮き上がりについては、NEXCO設計要領第二集(平成24年7月)ではレベル2地震時の変位急増点として現れる場合について記述があります。ここでは他の杭に余力がある場合は問題ないとしております(P.4-88 1行目〜)。

斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)(以下、深礎便覧)では、常時・暴風時及びレベル1地震時の底面せん断照査で、常時では1本単位の照査を行うようにしており、常時に偏った荷重分担とならないように設計を行うようにしております(P.78 6行目〜)。
完全に浮き上がった場合に付きましては特に記述はございませんが、深礎便覧の記述内容を考慮すれば、少なくとも常時ケースにおいては完全な浮き上りが生じた場合はNGと考えるのが妥当ではないかと存じます。

深礎フレームVer.8では、上記の判定を行う場合は、[詳細設定データ]-[設定3]の「常時・暴風時・L1地震時の底面せん断抵抗」の「常時の浮き上りはNG判定とする」にチェックをしてください。
    
Q176 深礎フレームで算出した基礎バネを用いて他製品で解析を行いたいです。
基礎バネを橋軸、橋軸直角とも面内解析で算出しましたが、Kxz:Asrは、橋軸、橋軸直角ともに符号を反転(+→-、-→+)させる必要があるのでしょうか。
A176
基礎ばねの座標系は、本製品のフレーム座標系にて解析した結果をもとに各バネ値(3×3マトリックス)を求めたものです。この基礎ばね値を他製品に入力する場合は、座標系が同一であるかどうかに注意して、ばね値の符号を考慮して入力する必要があります。

ヘルプの[操作方法]-[各画面の説明]-[入力]-[フレームデータ]-[基礎ばね荷重データ]にフレーム座標系の説明図がありますのでご参考ください。

弊社製品の震度算出とFRAMEマネージャへの入力の場合は以下の通りです。

(1)深礎フレーム(面内解析)から震度算出へ基礎ばね入力する場合
■震度算出(橋軸方向):深礎フレーム(面内解析)
kx :Ass
ky :Avv
kz :Arr
kxy: Asv
kxz:-Asr ←符号反転
kyz:-Avr ←符号反転

■震度算出(橋軸直角方向):深礎フレーム(面内解析)
kx :Arr
ky :なし(固定)
kz :Ass
kxy :なし(無視)
kxz :-Asr ←符号反転
kyz :なし(無視)

(2)深礎フレーム(面外解析)から震度算出へ基礎ばね入力する場合
■震度算出(橋軸方向):深礎フレーム(面外解析)
kx :Ass
ky :Avv
kz :Arr
kxy: Asv
kxz: Asr
kyz: Avr

■震度算出(橋軸直角方向):深礎フレーム(面外解析)
kx :Arr
ky :なし(固定)
kz :Ass
kxy :なし(無視)
kxz :Asr
kyz :なし(無視)

(3)深礎フレーム(面内解析)からFRAMEマネージャ/FRAME(面内)へ基礎バネ入力する場合
フレームマネージャ(面内):深礎フレーム(面内解析)
kx :Ass
ky :Avv
km :Arr
kxy : Asv
kxm : Asr
kym : Avr

フレームマネージャ(面外):深礎フレーム(面内解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :-Asr ←符号反転
kyz :なし

(4)深礎フレーム(面外解析)からFRAMEマネージャ/FRAME(面内)へ基礎バネ入力する場合
フレームマネージャ(面内):深礎フレーム(面外解析)
kx :Ass
ky :Avv
km :Arr
kxy : Asv
kxm : -Asr ←符号反転
kym : Avr

フレームマネージャ(面外):深礎フレーム(面外解析)
kx :Arr
ky :なし
kz :Ass
kxy :なし
kxz :Asr
kyz :なし

上記説明中の「なし」の意味ですが、深礎フレーム側では「なし」に該当するバネ成分を計算していないので、値がありませんという意味です。
したがいまして、「なし」に該当する箇所は0入力として下さい。

(5)下記も参考にして下さい。
震度算出−ヘルプ−Q&A−入力方法について−基礎−基礎ばね直接入力−Q3
    
Q177 千鳥配置ができるか
A177
対応しておりません。ご了承ください。
    
Q178 深礎フレームのVer.7とVer.8を比較すると水平変位が大きくなってOUTとなる
A178
平成14年道示(NEXCO設計要領第二集)では、弾性解析と弾塑性解析を行い、変位の照査、杭体応力度照査などは弾性解析で、根入れ長の判定は弾塑性解析で行っておりましたが、平成24年道示では、弾塑性解析に一本化されました。
そのため、変位照査も弾塑性解析での結果も用いて行います。
弾塑性解析では前面地盤の塑性化を考慮した解析ですので、常にばねが付いている状態での解析に比べ変位が大きく出る傾向にあります。
平成14年道示版と比較する場合は、弾塑性解析結果(水平方向安定度照査結果)の変位と比較してください。
    
Q179 杭頭補強鉄筋の定着長は、L=Lo+10φではないのか
A179
「道路橋示方書W(平成24年3月) 15.7.1 組杭深礎基礎」(P.526)の解説(3)に、次の記述がございます。

また、深礎杭の軸方向鉄筋のフーチングへの定着は、(2)に示したように定着部がラーメン構造の接点部であることを配慮し、図-解7.6.3(b)に示す定着長をフーチング下面から確保するのがよい。

図-解7.6.3(b)では、フーチング内の定着は、「定着長+d/2」と記されております。
なお、深礎フレームVer.8.3.3では、dに杭径を用いておりますが、有効高を差し引いたものを用いてほしいというご要望もあり、今後、選択できるように検討しております。
    
Q180 道示改定に伴い、杭体断面力の照査が弾性解析から弾塑性解析に変更されているかと思います。以前行っていた水平方向安定度照査が、地盤を弾塑性体として計算し、断面力値を算出していたのであれば、今回変更となっている弾塑性解析結果と同じ結果となるのでしょうか。
もし同じ結果とならないのであれば、ならない理由を教えていただけないでしょうか。
A180
解析モデルとしてばねの考え方や計算方法、地盤の上限値の取扱、塑性化後抵抗力の考慮方法などが変更されておりますので、一般的には同じ結果とはならないと存じます。
厳しくなるかどうかは計算ケースによって異なるかと存じますが、従来は弾性解析で算定した変位照査が、弾塑性解析で算定した変位照査により行うため、震度法での変位の照査は厳しくなるかと存じますが、ただ、ばねに乗じる係数がαk=1.5となっておりますので、この影響で小さくなる場合もあります。

一方、レベル2地震時では、解析方法自体は大きく変わりませんが、「基礎の降伏は許容しない」と明記されたため、従来、応答塑性率照査でOKであった場合は全てNGとなります。
    
Q181 メイン画面の橋軸方向の描画が、直角方向のものと異なり杭部分が小さくなってしまいます
A181
[オプション]-[プログラム内部設定値]の「折線地層時の最大地層描画長さ」の値を小さくすることで、表示を変更することが出来ます。
(計算方向1と計算方向2で別設定になります)
    
Q182 折れ線地層を杭先端より深い位置まで入力しているのですが画面表示や出力したものを見ると、地層が杭先端より浅い位置までしかない
ように見えます。
単純に表示だけのことか、あるいは入力がうまくいっていないのか確認いただけませんでしょうか。
A182
画面表示で、どこまで地層線を描画するかという初期値は、深礎杭前面から10mとなっております。
これを、50m程度に設定しますと深礎底面以深まで入力されていることが確認できます。
設定は[オプション]メニューの「プログラム内部設定値」の「折れ線地層時の最大地層描画長さ」を変更してください。
(折れ線地層時となっておりますが、直線地層の場合も内部では折れ線として取り扱いますので、同じ効果となります)
    
Q183 橋台の設計との連動時に、橋台の設計側で確認できる基礎ばねは、深礎フレーム側で計算された基礎ばねの値と同じと考えて良いのでしょうか。一致しない場合があるように思います。
A183
基礎ばねの値は深礎フレームから橋台の設計に連動されます。
ただし、計算が完了しなかった場合は連動されません。
基礎ばねの計算の実行時には、橋軸方向・橋軸直角方向の両方の計算を行います。
この際、いずれかの方向に計算不可能なデータが設定されていた場合、計算を終了するため、計算結果が橋台の設計に連動されません。
    
Q184 橋台の設計との連動中、基礎ばね計算のチェックを外したいのですが、自動的にチェックが入ってしまいます
A184
橋台連動時は、橋台側からの基礎ばね計算命令によってスイッチが入ります。
基礎ばねを使わない場合は、計算が流れる程度の適当な数値を設定しておいてください。
    
Q185 計算実行時に「土塊データ計算エラー」というメッセージが表示されます。
原因と対処法は何ですか?
A185
「土塊データ計算エラー」は地層の体積計算に問題が生じている場合に表示されるメッセージです。
この問題は主に、地層線の入力値に起因しており、地層が交差しているなどの場合に発生します。

対処法としては、折れ線地層線の座標を、以下の制約に沿って入力し直すことがあげられます。
・互いに交差しないようにして下さい。
・折れ線地層線の最終点は、杭底面位置より深く入力して下さい。
・折れ線地層線の座標は、斜面前方に「遠ざかる」かつ「下がる(水平は可能)」ように入力して下さい。
・地層が交差した点以降は、どちらかの層に沿った同一の座標を入力して下さい。(2層目が1層目にぶつかりそれ以降は1層目に沿うような場合、交差点以降は1層目と2層目の座標データは同一の座標値で入力)
・上層に突きあたり、以降、上層と同じ地層線となる場合は、突き当たる位置に座標を設けて接続してください。
    
Q186 常時・レベル1の杭体応力計算時のMmaxの値と、曲げモーメント図のMmaxの値が違います。
何故ですか?
A186
計算書の杭本体の応力度照査は、最大曲げモーメントによる結果ではなく、最も応力度が厳しい位置を抽出しております。
応力度は、曲げモーメントと軸力によって変化しますので、最大曲げモーメント位置が最大応力度となるとは限りません。
    
Q187 震度算出に渡す基礎ばねを 深礎杭単体で各列毎の合計としたい場合どこで入力すれば良いですか?
A187
例えば2×2で面内解析ですと、面内の2本分×2の全体の基礎ばねの計算結果となりますので、左側と右側の2本で異なる条件の場合で片側分だけの計算を行う場合ですと、[基本条件]で2×1(計算方向を2本、計算直角方向を1本)と設定してください。

計算した基礎ばねは、「震度算出」の[構造物形状の登録]-[下部構造]の「基礎ばね」で入力してください。
    
Q188 計算を実行したときに「PInp3 Error」というエラーが出ます
A188
部材データの設定に問題がある場合に発生することがあるエラーです。「部材データ」入力画面において、部材データの始点と終点が他の格点をまたぐことが無いように設定されていることをご確認ください。
    
Q189 連動元で荷重ケースを入れ替えたら深礎フレームでの値がおかしくなりました
A189
「深礎フレーム」の基準値の荷重ケースの設定値の内、「応力度」「底面せん断」「許容変位」は、連動元から連動されるものではなく、「深礎フレーム」側で設定・保存しているものです。
上記の3つの項目は、データを最初から作成する場合や連動元で新しく追加された荷重ケースでは、「地盤ばね」を参照して初期設定を行います。
データ数が変わらない部分(3ケースを5ケースに増やした場合ですと、1〜3ケース部分)は変更しません。
これは毎回再設定しますと、設計者が意図して変更した内容が変えられてしまうことを防ぐためです。
従いまして、連動元で、最初に3ケースあり修正して5ケースに増やした場合あるいは、3ケースの順番を入れ替えた場合では、1ケース目から3ケース目まではケース数が変わりませんので、「深礎フレーム」では、上記項目は再設定を行いません。
すなわち、連動元で、2ケース目と3ケース目を入れ替えても、「深礎フレーム」では感知できないため、入れ替える前の設定を入れ替えた後のケースで持つことになります。
    
Q190 深礎フレームでは、変位急増点はどのように決まっていますか
A190
変位急変点は、載荷ステップ間の勾配(両対数グラフでの勾配)の角度の変化が最大となる位置を探しています。
従いまして、変化角度が一度に5度変化する位置と、3度づつ3回変化する位置では、後者が合計9度の角度の変化をしているため大きな急変点に見えますが、最大変化位置としては前者の角度が抽出されます。

変位急変点は、上記のようなあくまで数学的な抽出を行っているだけですので、実際の急変点位置の判定は、設計者がご判断ください。
    
Q191 連動時、底版奥行き10mで2×2の組杭深礎杭の場合の計算結果の断面力は、5m幅分ということでしょうか
A191
お考えのとおりです。
連動による深礎フレームのモデルでは、底版中心の作用力を単純に奥行き方向の杭列数で割った値となります。
    
Q192 底面鉛直地盤反力度の計算についてです。
杭周面摩擦を考慮するとき,
q=N/A+(M’/I’)(D/2-e)
となっていますが,計算に代入されているNとMをどこから算出しているのかわかりません。
杭周面摩擦を考慮しないときは,NとMは杭体下部の断面力と一致していました。
杭周面摩擦を考慮するときのNとMの算出方法を教えてください。
A192
杭体断面力は、杭本体内の内部断面力で、周面摩擦力を考慮する場合はその影響も含んだ値です。
底面鉛直地盤反力は、杭底面が地盤を押す力ですので、周面摩擦力を考慮しない値で計算します。
従いまして、周面摩擦力を考慮しない場合は、杭底面の断面力=杭底面反力となります。
底面鉛直地盤反力の算定に用いる、底面反力は、計算書の「地盤反力」で出力されている「底面反力」を用いて行います。
    
Q193 杭頭接合部の照査で、τhが厳しく埋込み長を大きくしてもNGなのですが、これをOKにする方法はありますでしょうか?
A193
水平方向押抜きせん断照査は、現在の深礎フレームでは、レベル2地震時に対しては、底版下面鉄筋を考慮した照査を行うことができます。
常時、レベル1地震時の照査には対応しておりませんが、NEXCO設計要領第二集では、特にレベル二地震時照査に限定した照査方法とはしていないと解釈できますので、NEXCO設計要領準拠であれば底版下面鉄筋を考慮した照査を行ってもよいのではないかと存じます。
この場合、発生せん断力を、考慮する底版下面鉄筋断面積で除した応力度が、鉄筋の許容引張応力度以下であることを照査すればよいものと考えられます。
    
Q194 大口径深礎の場合、せん断耐力がもたない場合に中間帯鉄筋を入れると思いますが、「斜面上の深礎基礎設計施工便覧」p142にある井桁の組み方をした場合、ソフト入力の中間帯鉄筋本数は何本になりますか?
A194
計算に有効な本数が何本であるかは設計者が判断して設定していただく仕様になっておりますので、最終的な判断は設計者が行ってください。
上記を踏まえまして「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(H24.4)」図-V.3.6(P.142)の帯鉄筋の配筋を見た場合、せん断に有効な鉄筋は計算方向によって異なりますので、図の左右方向の計算では左右に渡している2本の帯鉄筋が、図の上下方向の計算では上下に渡している2本の帯鉄筋が有効と考えられますので、軸方向主鉄筋を囲むように円形に配置した帯鉄筋と合わせて両計算方向とも帯鉄筋本数は4本となるかと存じます。
    
Q195 2つのおなじデータで詳細設定データの6番目の塑性化後のせん断抵抗角の項目のみ変更したところ変位急増点の震度が大幅に変わってしまいます。
このせん断抵抗角の上限設定は硬岩の場合の設定だと思っていましたが軟岩にも影響するのでしょうか。
A195
NEXCO設計要領第二集(H24.7)表4-5-10(P.4-78)では、せん断抵抗角φBについて次のようになっています。
■砂質土・粘性土・軟岩(CL以下)
φB=φ’(φ’=φ≦30°)
■硬岩(CM以上)
φB=2/3φ’(φ’=φ≦30°)
従いまして、軟岩も影響があります。
    
Q196 基礎ばねにおいて、鉛直軸回りのばね値は計算できますか
A196
誠に申し訳ございませんが、鉛直軸回りの基礎バネの算定は行っておりません。
    
Q197 隣接杭の影響を考慮する場合に、杭中心間隔が2D以下でも計算は可能ですか
A197
2D以下でも計算は可能です。特別な処理なく計算が行われます。ただし、1D以下ので計算はできません。
    
Q198 深礎フレームの入力を行い、計算実行させると以下のエラーが発生します。どうすればよいでしょうか。
「リストのインデックスが範囲を超えています(0)」
A198
杭の地層線データが少ない場合に発生することがあります。
地層線の遠端位置は深礎杭底面より下まで、かつ杭前面100m程度まで設定してください。

深礎杭の計算では、水平土被りを杭先端位置まで計算しますので、杭先端位置まで地層データが必要です。
また、土塊重量を計算するすべり面を自動探査する場合は、45度〜135度(変更可)の範囲ですべり面を動かします。すべり面が90度を超える場合は、深礎杭底面より下まですべり面が到達する場合があります。
上記の計算に十分な地層線データを設定してください。

水平被りは水平方向地盤反力係数の低減に影響しますが、(水平土被り)/(杭径)≧10の場合は低減係数=1となり影響しなくなります。
すべり面は、算定範囲が45度〜135度となっていても、地層線が途絶えていてすべり面が取れない場合は、そこまでの角度で計算を終了しますので、地層線があまり設定されていませんと最も厳しいすべり面を抽出できない場合があります。
    
Q199 深礎組杭の山側 レベル1地震時(周面摩擦考慮)において引き抜きが出ています。
これは許容してもいいのでしょうか?
A199
震度法の設計において、山側杭の杭底面に浮上りが生じても良いかどうかの判断については、恐れ入りますが当社でも確かなことは申し上げられません。
基準類でも引抜き杭となったときの処置は明確に記されていないようです。

ただ、「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(H24.4)」では、常時、暴風時及びレベル1地震時の深礎基礎底面地盤のせん断抵抗力に対する照査では、以下のように区分しています(P.78 6行目〜)。
常時:1本ずつ照査を行う。
暴風時、レベル1地震時:基礎全体で照査を行う。

すなわち、常時では、各杭に対して偏りを大きくない程度に抑えるよう配慮するが、暴風時、レベル1地震時では、浮き上がりが生じることを許容すると解釈できます。
    
Q200 深礎フレームではレベル2地震時の杭頭接合部照査は行っていますか
A200
レベル2地震時の杭頭接合部照査は、レベル2地震時のフーチングの照査で行っております。
照査内容は、次の通りです。
・鉛直方向の押抜きせん断に対する照査
・水平方向の押抜きせん断に対する照査(底版下面鉄筋考慮)

深礎フレームメイン画面から、[基本データ]-[基本データ]タブ-「底版レベル2地震時照査を行う」にチェックを入れていただき、レベル2地震時の計算を実行していただくことで照査が行われます。
    
Q201 斜面上の基礎ばねの算出について、NEXCO設計要領第二集にあるような、山側傾斜地盤を考慮したばね算出が可能か
A201
できません。深礎フレームでの計算では、基本的に谷側斜面の影響を考慮(低減)したばね算出のみとなります。
設計要領には山の部分の評価方法に関する具体的な記述がないため、未対応となっております。
    
Q202 水平力とモーメントの向きが一致しないケースの計算を行いたい
A202
深礎フレームでは杭が山側に変位する場合、変位が設定された許容値を超える場合は計算を停止しています。その場合はメッセージが表示され、計算が完了しません。
このような場合は、メニューから オプション -> プログラム内部設定値 を表示して、「杭が山側に変位する時の許容変位量」の値を十分大きな値に変更していただくことで、計算を完了することができるようになります。(最大は999mmです)
    
Q203 杭径を変更しても、杭頭の水平変位量の許容値が変わらない
A203
許容変位の値は杭径を変更しただけでは変更されません。メニューの「基準値」の荷重ケースタブで変更する必要があります。
「許容変位のセット」ボタンを押すと、以下の計算で値をセットすることができます。
・橋脚基礎:50mmを上限とする杭径の1%。
・橋台基礎:常時は15mm、地震時は50mmを上限とする杭径の1%。
    
Q204 変位急増点の検出について、ヘルプには「初期に現れる急変点を有効としないために、前面地盤の塑性化率5%以下の範囲では、急増点を認知しないようにしています。ただし、非常に強固な地盤で5%の塑性化より先に杭体が降伏してしまう場合も考慮して、最初に杭体が降伏する点を越えない範囲とします。」とあるが、塑性化率が5%以下でも検出されることがあります。
A204
変位急増点の検出範囲の決定においては、浮き上がり点と塑性化限界点を探して決定しております。浮き上がり点の位置が塑性化限界点よりも先に来る場合、検出範囲として優位に働きます。塑性化率5%以下を無視する処理は、塑性化限界点を探す際に有効であり、浮き上がり点の位置によっては塑性化率5%以下でも検出されることがあります。
    
Q205 深礎杭の杭頭照査において、レベル2地震時に「仮想RC断面」での照査は行わないのでしょうか?
A205
深礎フレームでは、レベル2地震時に仮想RC断面の照査を行っておりません。

道路橋示方書IVの15.8.4の4)には、(レベル2の)組杭深礎基礎の深礎杭とフーチング接合部の照査は、15.7.1と同様に照査する、とあります。
15.7.1はレベル1時の接合部の照査に関する記述ですが、「フーチング端部の深礎杭に対して鉛直および水平方向の押抜きせん断について検討を行えばよい」とあります。
つまり、深礎杭基礎ではレベル1、レベル2ともに仮想RC断面での照査は必要ないことになります。
しかしながら、深礎フレームでは「計算確認」の「杭頭接合計算結果」において、レベル1時の仮想鉄筋コンクリート断面照査を行った結果を表示しております。
なお、場所打ち杭は仮想RC断面照査を省略できる記述もあります。
今後は、スイッチにより常時・レベル1地震時の仮想RC断面照査を省略するか否かを設計者が判断できるよう検討いたします。
    
Q206 帯鉄筋断面積Awの値を入力値にしたいのですが、できますか
A206
帯鉄筋断面積は
(計算に用いる帯鉄筋断面積)= 2×Ah + Aw(中間帯鉄筋断面積)
で自動計算します。
申し訳ございませんが、直接入力はできません。

次の方法で、せん断照査に用いる帯鉄筋断面積を調整することができます。
1)中間帯鉄筋D=0 とする。(中間帯鉄筋本数も0になります)
2)中間帯鉄筋断面積Awを次の値に設定する。
Aw=(せん断照査に用いる断面積)-2×Ah

※これは、中間帯鉄筋D=0の場合には、Awを自動再計算しないことを利用した設定方法です。
    
Q207 杭頭より上の底版部に作用する受働土圧をバネとして考慮したいのですが、できませんか
A207
ばねを考慮することはできませんので、ばね反力を荷重として設定するという方法となります。

フーチング部の前面位置に鉛直の仮想部材をフレームデータで入力し、そこにフレーム荷重として水平荷重を作用させることは可能です。
レベル2地震時についてはフレームデータを入力できないため、フーチング中心に作用する初期荷重として入力することになります。
ただし、これはあくまでも静的な荷重で、変形とともに抵抗力が増加するといったことはできませんので、ご留意願います。
従いまして、適用される場合は、計算結果の変位を確認しつつトライアル計算をしていただくことになります。
    
Q208 杭前面地盤の塑性化領域、弾性領域はどのようにして読み取れますか
A208
常時・レベル1地震時の解析結果を表示し、「ばね値」タブの「水平ばねKH」が0となっていない部分が塑性化していない部分(弾性領域)です。
    
Q209 計算時に「ブロック作成エラー」というメッセージが出てきます。どうすればよいですか?
A209
すべり面と土塊の計算が失敗しています。2層目以降の地盤が途中で途切れているような場合に発生します。
地層データは以下のように入力してください。
・互いに交差しないようにして下さい。
・折れ線地層線の最終点は、杭底面位置より深く入力して下さい。
・折れ線地層線の座標は、斜面前方に「遠ざかる」かつ「下がる(水平は可能)」ように入力して下さい。
・地層が交差した点以降は、どちらかの層に沿った同一の座標を入力して下さい。(2層目が1層目にぶつかりそれ以降は1層目に沿うような場合、交差点以降は1層目と2層目の座標データは同一の座標値で入力)
    
Q210 計算書の杭頭接合計算の項目で、dの値がマイナスになってしまいます
A210
以下の数値の間で整合性が取れていない可能性があります。その場合、適切な値に修正する必要があります。
・「基本データ」-「杭配置」タブの杭頭座標
・「基本データ」-「基本データ」タブの杭径
・「フーチングデータ」でのフーチング寸法
    
Q211 計算時に「杭長および地盤条件:地盤の傾斜方向が統一されていません」 というメッセージが表示されます
A211
深礎フレームでは、一層目の地層の傾斜角が0(水平地盤)の場合、一層目はX(またはZ)座標のプラス方向を谷側とみなします。
そのため、2層目以降がX(またはZ)座標マイナス方向に傾斜しているような場合、このメッセージが表示されることがあります。
    
Q212 Lv2地震時の計算で、応答塑性率の照査はどのような場合に行われますか
A212
応答塑性率照査を行う場合は、[詳細設定データ]-[設定1]の「レベル2地震時照査で降伏を許容する」にチェックを行い、さらに、[レベル荷重データ]の「降伏後に応答塑性率の照査を行う」にチェックを行っておく必要があります。
その上で、降伏判定された場合に、応答塑性率照査を行います。
レベル2地震時の解析結果で降伏と判定するのは、降伏の目安(全杭の杭体降伏または1列でも押込み支持力の上限値に達した場合)が生じた場合です。
logP-logS法による急変点のみ存在し、上記が発生しない場合は「降伏した」とはしておりません。

次の場合には応答塑性率照査を行いません。
1)降伏しない場合
2)降伏後の応答塑性率照査に用いる設計水平震度が、降伏震度以下となる場合。

降伏しない場合の設計水平震度 Cz・khco
降伏後の設計水平震度 khcF=CD・Cz・khco
CD=2/3のために、降伏震度khyFが、降伏後の設計水平震度khcF以上となる場合が有ります。
そのような場合は、「これ以上損傷が進展しないと判断される」ため、応答塑性率照査を行いません。
    
Q213 基礎ばねを算出する際の解析で、地盤を弾塑性として計算できますか
A213
基礎ばねの算出は、地盤ばねを弾性体とみなしての算出になります。
    
Q214 地層は杭前面より前にしか入力ができませんが、基礎周面のせん断地盤反力係数はどのように算出されますか
A214
基礎周面のせん断地盤反力係数の基礎前背面及び側面の鉛直方向せん断地盤反力係数は、前面地盤の水平方向地盤反力係数から算定します。
メイン画面では、便宜上、杭前面より後ろまで地層線を延長して表示していますが、計算上は地層は杭前面より前のみが用いられます。
    
Q215 計算書の杭体断面力の項目で、杭体応力度を算出する位置はどのように決まっているのですか
A215
全格点のうち応力度が最大となる格点を選んで計算に採用、計算書に表示しております。
この格点の選択処理は、Ver.8.3.0より適用されています。
それ以前のバージョンでは、最大モーメントである格点を選択、使用していました。
    
Q216 計算書の杭頭接合計算の項目で、dの値がマイナスになってしまいます
A216
以下の数値の間で整合性が取れていない可能性があります。その場合、適切な値に修正する必要があります。
・「フーチングデータ」でのフーチング寸法
・「基本データ」-「杭配置」タブの杭頭座標
・「基本データ」-「基本データ」タブの杭径
フーチングデータでの寸法入力は、必ず設計方向1と2の両方の寸法を入力してください。(押し抜きせん断の照査などに必要となります)
    
Q217 計算書の杭頭接合計算の項目にあるdの値は何を表していますか
A217
水平方向押し抜きせん断照査の際、「押し抜きせん断が生じる平面的な範囲に存在するフーチング下面鉄筋の抵抗に期待したせん断耐力を算定する方法」を用いる場合に、杭を中心とした、抵抗を考慮できる鉄筋の存在する幅を表しています。最大で杭径の2倍の値を取ります。
このせん断耐力の算定に関しては、「斜面上の深礎基礎設計施工便覧(平成24年4月)」の記述に基づいています。
    
Q218 橋脚の設計や橋台の設計との連動時、計算実行すると「周面摩擦データ:全杭数分の周面摩擦データが入力されていません」というメッセージが出る
A218
連動時の計算実行では、深礎フレーム側では、自動的に設計方向1・設計方向2の両方で計算が行われます。また、基礎ばねの計算も自動的に実行されます。
よって、設計方向1のみ使用している状態などでは、設計方向2の計算が行われる段階で未入力の項目が存在し、エラーとなることがあります。
深礎フレームでは設計方向1と設計方向2の値の入力に関連は無く(一部の設定は共通です)、それぞれに値を入力する必要があります。
「周面摩擦データ:全杭数分の周面摩擦データが入力されていません」というメッセージは、杭周面摩擦を考慮する設定のときに、「周面摩擦力度」の入力が不足している場合に表示されるメッセージです。連動時は設計方向1と2の杭それぞれに値を入力してください。
    
Q219 「盛りこぼし橋台」の検討はできますか
A219
深礎フレームは、単独使用時および橋台との連動時ともに、盛りこぼし橋台の検討には未対応となっています。
    
Q220 深礎杭の杭体応力度計算に用いられるMmaxが計算結果に示されるMmaxと異なる数値を使用している様に思われますが、なぜですか
A220
杭体応力度の抽出は、応力度(コンクリートσc、または、鉄筋σsのいずれか)が許容値に対して最も厳しくなる点を取っております。

従来は単純に最大モーメントの点を取っていましたが、軸力との関係で応力度が必ずしも最も厳しい位置とはならない場合がありました。
現在は全格点で応力度を算出した上で、最も厳しくなる位置を選び、その位置の値を用いて計算しております。
この修正はVer.8.3.0にて行いました。
    
Q221 深礎杭の場合、許容値=標準値×0.9になると思うのですが「フレームデータ」―「常時・レベル1荷重データ(面内解析)」で表示している許容応力度は0.9倍が乗じられていません
A221
[詳細設定データ]-[設定4]の「コンクリートの許容応力度の低減」の設定が、「杭径によらず低減しない」となっております。
そのため、低減は行っておりません。
低減を行う場合は、上記スイッチを変更してください。

なお平成14年道路橋示方書W(p.149)には下記の記述がありましたが、

4)大気中で施工する場所打ち杭に用いるコンクリートの許容応力度は、表-4.2.1及び表4.2.4の値の90%とする。


平成24年道路橋示方書では、上記部分が無くなっており、p.160に下記の記述が追加されております。

なお、深礎基礎では15章及び22章に従い、十分な施工管理が行える形状寸法を確保し確実にコンクリート打設の施工管理が実施されることが表-4.2.1及び表-4.2.4に示す許容応力度を適用する前提となることに留意する必要がある。


上記から深礎フレームVer.8の90%低減を行うか否かのスイッチの初期値は「低減しない」としております。
    
Q222 [上載荷重・土圧・荷重]の上載荷重はどこに考慮されているのか
A222
すべり面上の土塊重量算出及び受働土圧算定時の上載荷重強度に考慮します。
受働土圧に考慮するか否かは、[上載荷重・土圧・荷重]-[上載土]タブにある「受働土圧の計算に考慮する」スイッチで指定します。
    
Q223 深礎フレーム計算で入力した水平力と突出部杭慣性力の合計が出力値と合わないようです
A223
地震時では、杭1杭2とも地表面位置と0.5m位置で前面ばねが塑性化しています。
この0.5m区間には塑性化抵抗力が山側に載荷されます。
全水平力は、残っている地盤反力(ΣRx)と塑性化抵抗力を合計したものとなります。塑性化抵抗力を考慮しますと計算値は一致しています。
    
Q224 レベル2地震時において、なぜ杭降伏しても、塑性率の照査を行わないのでしょうか
A224
平成24年道路橋示方書では、深礎基礎は原則として降伏させないものとしています。そのため、初期設定として、基礎の降伏を許容しないようにスイッチを設定しています。

応答塑性率照査を行う場合は、[詳細設定データ]-[設定1]の「レベル2地震時照査で降伏を許容する」にチェックを行い、さらに、[レベル2荷重データ]の「降伏後に応答塑性率の照査を行う」にチェックを行っておく必要があります。
その上で、降伏判定された場合に、応答塑性率照査を行います。

なお、降伏震度が、基礎の降伏後の解析に用いる設計水平震度CD・C2z・khco以下となる場合も応答塑性率照査を行いません。
    
Q225 [杭長および地盤条件]の「地盤データ」で、単位体積重量γの値はL2の検討においてどこに影響してきますか
A225
すべり面上の土塊重量の算定(Rq,Ro)、受働土圧強度の算定(Rq,Ro)などに用います。
    
Q226 深礎杭本体の応力度計算で鉄筋はSD345を使用しています。地震時の許容応力度がσsa=240となりますが、σsa=300が正解ではないでしょうか。
A226
[基準値]メニュー−[鉄筋の許容応力度]タ ブ、および、[荷重ケース]タブをご確認ください。
許容引張応力度(地震時の基本値)、および、荷重ケースタブの地震時の割増係数が適切かどうかチェックして下さい。
    
Q227 変形係数αE0の内部計算で、地震時の場合でも常時の2倍にしたくない場合の設定について
A227
地震時は常時の2倍としておりますが、常時ばねを用いるか地震時ばねを用いるかの判定は、荷重ケースの「地盤ばね」の設定で判定しています。
[基準値]メニューの「荷重ケース」で、目的のケースの「地盤ばね」スイッチを変更してください。ただしこの場合、地震時慣性力を考慮しなくなります(慣性力を考慮するか否かの判定も同じスイッチを参照しているため)。

なお、レベル2地震時は、常に「地震時ばね」を用いますので、常時の2倍値を用います。

また、地震時ケースのみを計算する場合ですと、「地盤条件」で「地盤反力係数=地盤反力係数を入力」として、1/2の地盤反力係数を設定することで調整する方法も考えられます。
    
Q228 レベル2地震時の作用力入力時は応答塑性率照査を行うことはできないのか
A228
応答塑性率照査には、設計震度と降伏震度及び降伏時の変位が必要です。作用力入力によるレベル2地震時照査を行う場合では、この内、設計震度と降伏震度が定義されません。
そのため、応答変位を算定することができないため、応答塑性率照査は行っておりません。
    
Q229 段差がある底版形状の荷重を自動生成すると、「杭1底版自重(慣性力)」という荷重が杭1の杭頭格点に生成されましたが、これは何の荷重でしょうか
A229


底版高一定部以外の部分の慣性力の取扱いは、添付図のようにしています。
杭間隔の中央で、分割し、それぞれの杭に慣性力を分けています。この時、段差部の一部(緑色着色部分)が、段差の無い杭に分担する場合があります。その場合は、杭頭部にモーメントと集中荷重として載荷しています。
図のように2本杭の場合は、このような分割は違和感があるかと存じますが、杭本数が3本、4本となり段差形状が複雑になってきますと、分割点が必要となりますので、様々な場合を想定し、このような取扱いとしております。
格点集中荷重の杭2底版(慣性力)について
上述の事由により、杭間中央点で分割した時に一部段差部分の荷重が、杭2の杭頭に載荷しています。
    
Q230 レベル2地震時照査で、引抜き側の杭が「押込み支持力の上限値に達した」としてNG判定になります。これはどのような状態でしょうか。
A230
深礎底面が浮き上がり始めますと深礎底面の鉛直力が小さくなっていきますが、有効載荷面積が減少しますので押込み支持に対する面積が減少し上限値となる鉛直力も小さくなります。
両者の状態が、深礎底面が完全に浮き上がるまでに、鉛直力>上限値となる場合となりますと、「押込み支持力の上限値に達した」状態となり、降伏条件を満たします。
このような引張側の杭の押込み支持力上限値についての取り扱いは、NEXCO設計要領第二集(平成18年4月)には記述がありません。
そのため、Ver.7.0.9で、押込み支持力の判定について次のスイッチを追加いたしました。

レベル2地震時の押込み支持力上限値の判定対象杭列
<全ての杭列> or <押込み側の杭列のみ>

上記スイッチで、<押込み側の杭列のみ>とした場合は、本ケースのような引張側の押込み支持力の上限値判定を行いません。
押込み側と引抜き側の判定は、杭座標で杭中心(杭中心を含まず)より前方を押込み側としています。
上記スイッチは、Ver.9では、[詳細設定]-[レベル2]画面(押込み支持力の降伏判定)にあります。
上述の通り、引抜き側押込み支持力に付きましては記述がございませんので、設計者判断でスイッチを設定してください。
    
Q231 橋台連動時に、自動生成する骨組みが構造寸法とは違っている
A231
深礎フレームに連動されている構造寸法が、「橋台の設計」から正しく連動されていないことが原因と考えられます。
深礎フレームのメイン画面が表示された状態で、「橋台の設計」の「入力」モードで、「形状」−「@躯体」画面を開き、確定ボタンで閉じる(データは何も変更しません)操作をしてください。
この操作で、深礎フレームに、現在の橋台の構造寸法が連動されます。
このような状態となった原因としまして、橋台の構造寸法を変更した時に、深礎フレームがメイン画面表示状態ではなく、他の画面を表示している状態であったことが考えられます。
    
Q232 基礎ばねの計算で、基礎ばねの計算位置はex,eyを調整することで合わせて、荷重載荷位置を変えて、計算を行ったところ、若干異なる基礎ばね値が計算れました。これは誤差と考えてよいでしょうか。
A232
まず、深礎フレームの基礎ばねの計算は、次のように行っています。
・弾性モデルを作成する
・単位荷重を載荷し、変位を算定する。
・変位と載荷した荷重から、ばねを逆算する。
基礎ばねの算定位置(ex、eyによる移動先)が同じであれば、理論的には同じ基礎ばね値となります。
本件お問合せの場合、数値的には上から3〜4桁程度は一致したばね値となっています。
本ケースの誤差は、載荷位置の違いによる解析結果の微小な違いから、逆マトリックス計算値の差が生じたものと考えられます。
計算値を近づけるには大きな単位荷重を載荷してみる(1000kN、10000kN、など)することが考えられます。
なお、本モデルのように、フーチング部分に剛体部材ではない部材が混在する場合ですと、荷重の載荷位置の違いによる解析結果にも影響が出ますので、これの影響もあるかと存じます。
    
Q233 杭頭接合照査で、支圧応力度の照査は行なわなければならないのでしょうか?
どこかに記述はあるでしょうか?
A233
最外縁の深礎杭に対して、鉛直および水平の押抜きせん断について検討を行うように記述されておりますが、支圧については明確ではありません。(斜面上の深礎基礎設計施工便覧 P.126,P.143)
この点も踏まえ、本プログラムでは(Ver.8.3.0以降)、支圧応力度照査を行うか否かのスイッチを追加し、設計者のご判断に委ねております。
    
Q234 杭頭ヒンジとしてのMmax/2,深度の算出はできないのでしょうか?
A234
骨組み解析しておりますので、境界条件の異なる状態での解析結果は算出できません。
    
Q235 旧バージョンの場合、橋台の作用力(水平力)は、深礎杭設計に対して、プラスZ値でしたが、Ver.9ではマイナスZ値になってます
A235
Ver.9では、面外の場合も画面左方向の水平荷重をマイナス値として取り扱うようにしましたので、Ver.8と符号が変わっていることは問題ありません。
    
Q236 2×2の組杭深礎杭で、杭頭接合計算に用いる杭1と杭2のh'が異なっており、杭1が非常に大きい値になっています
A236


h’は、左図のように取り扱っています。荷重作用方向と反対側のフーチング縁端までがh’となります。
なお、右図のように段差がある場合は、段差の縁端も考慮したh’としております。
    
Q237 有効根入れ深さが杭長より長くなるのはなぜでしょうか
入力杭全長5.0m、杭フーチング根入れ0.1m、計算杭長4.9m
有効根入れ深さ5.05m
A237
有効根入れ深さは仮想水平地盤面からの距離として設定しています。
本件は埋込杭のため杭頭以上に地盤面があります。
埋込杭の場合、有効根入れ長Dfとして、杭頭からの距離とせず、仮想水平地盤面からの距離としています。根拠としましては、NEXCO設計要領(H18.4)p4-77、上から13行目、「掘削により排除した地盤の重量は100%支持力度として利用できる・・・」を参考としています。
    
Q238 橋台底版のせん断照査位置が、段差部の高さを含めた1/2H位置となっているが、段差部を無視した底版高の1/2Hで計算したい
A238
「骨組み自動生成機能」「荷重自動生成機能」をオフにした後、「構造寸法」で、底版の段差位置をずらして、竪壁背面位置に段差がかからないように調整して下さい。
    
Q239 深礎フレームと基礎工による計算結果がかなり異なります。
断面力は同じです。どちらも正しいと考えて良いでしょうか。
A239
「基礎の設計計算,杭基礎の設計」は深礎杭の解析方法とは異なりますので、「基礎の設計計算,杭基礎の設計」と「深礎フレーム」で同様な条件で計算した場合でも解析結果は異なります。
従いまして計算結果に違いがでることにつきましては問題は無いと考えます。
    
Q240 段差が無い場合で、橋軸方向に2列、直角方向に3列の場合に、橋軸方向面内解析を行う場合に、計算する列を3列の内どれを指定しても同じ結果になるか
A240
計算条件が同じであれば同じになりますが、フーチング荷重の分担や、真ん中の杭列と両端の杭列での隣接基礎条件が異なるため、真ん中の杭列と両側の杭列は、一般に同じ結果にはならないかと存じます。
    
Q241 サブスクリプション版の下部工と非サブスクリプション版の深礎フレームで連動できますか
A241
可能です。
連動に関しましては、サブスクリプション版と非サブスクリプション版の区別を行っておりません。
    
Q242 底版の配筋はどこで設定するのか
A242
[照査位置及び配筋]画面の照査位置の行(位置L、名称など)をダブルクリックしますと、その照査位置の配筋設定画面を表示します。
    
Q243 旧データを読込むと荷重が2倍になった
A243
旧データを読込みますと荷重は全て「任意荷重」扱いとなります。
その状態で[基本データ]-[計算条件]の「底版荷重を自動生成する=チェック」しますと、「元々の荷重+自動生成された荷重」となり、荷重が2倍になってしまいます。
荷重を自動生成する場合は、元々設定されていた荷重を削除してください。
    
Q244 底版下面中心位置に荷重を載荷したい
A244
[基本データ]-[計算条件]の「底版骨組みを自動生成する=チェック」しますと、骨組みを自動生成しますが、この場合には底版下面中心位置に格点を生成しません。
底版下面中心位置に荷重載荷する場合は、骨組みを自動生成しない設定とし、設計者が底版下面中心位置に格点を設定してください。
    
Q245 ばねを変更したが、水平変位は変わるが最大断面力が変わらない
A245
本ケースは、突出杭となっており、最大断面力が杭の突出部で発生しています。
そのため最大断面力にはばねの差が出ておりません。
    
Q246 3D画面の矢印はどこを指しているのか
A246
設計方向1の正方向を指しています。
3D画面では基礎を回転させることができるため、常に一定方向指す指針としています。
    
Q247 [詳細設定]-[モデル化]の「地盤を塑性化させない」スイッチはどのような場合に使うのか
A247
基礎ばねや荷重分担率を算定する場合には、ばねを弾性体として取扱い必要があります。
ばねを弾塑性させると、ある荷重の場合にしか整合性がとれなくなるためです。
このような場合に、本スイッチを使い、ばねが外れないようにします。
※平成24年道示以前ですと、常時・L1時は、弾性解析を行っていました(水平安定照査以外)のでこのようなスイッチはなくても同様な解析を行えましたが、平成24年道示では、常時・L1時も弾塑性解析を行うように変更されたため、本スイッチが必要となりました。
※基礎ばねを計算する場合は、内部で同等の取扱いを行っています。



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