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配水池の耐震設計計算のなぜ? 解決フォーラム
側壁地盤バネの取り扱い
 
 はじめに

配水池のような池状構造物の静的解析に用いる耐震計算法は、対象とする構造物や地盤の地震時挙動の特徴を考慮し、躯体慣性力の影響が支配的な場合は震度法による設計、地盤変位の影響が支配的な場合は応答変位法による設計が一般的とされています。本プログラムでも地上構造物か地中構造物かを設定することにより、いずれかの設計法にしたがった解析を可能としています。

今回は震度法による設計において、側壁地盤バネの取り扱いに関する設定方法を順を追って解説致します。

 地盤バネの考え方

一般に、地盤と構造物の相互作用を考慮する計算モデルとして、地盤と接する躯体骨組の周囲に地盤バネを設けることとなります。この地盤バネの地震時挙動を適切に評価するためには、両側の側壁に地盤バネを考慮する場合、片側の側壁に地盤バネを考慮する場合、地盤バネによらず側壁に土圧を作用させて地盤挙動の代用とする方法、等が考えられます。水道施設耐震工法指針・解説2009年版では、地震荷重の組合せ例(震度法の場合)として、下記が示されています。



■図1 地震荷重の組合せ、側壁地盤バネの考え方

本プログラムでは、地上構造物(震度法による設計)として設定した場合、側壁地盤バネ=考慮しない を初期値としていますが、上図のように側壁地盤バネを受働側側壁にのみ考慮する場合は、次の方法で対応が可能となります。

 本プログラムでの適用例
  1. 基本データ画面
    基準=2009年版、設置方法=地上設置を設定。

    ■図2 基本データ

  2. 考え方
    フレームモデル条件で、震度法の側壁地盤バネ=考慮するに設定。

    ■図3 考え方

  3. 地盤バネ画面
    ばね特性で、水平方向=バイリニア(非対称、単方向剛性あり)を設定。

    ■図4 地盤バネ

単方向剛性ありというのは、地盤に対して押していくときに圧縮抵抗を示し、地盤に対して離れていくときに無抵抗を示すばね特性を表します。本製品では内蔵されているEngineer's Studioのソルバーが持つ「バネ要素」機能を使用しています。

δ1、δ2、K2/K1 については、次を参照してください。


●タイプ=線形バネの場合
第1勾配の折点位置[+δ1、-δ1]欄に例えば25mmを入力し、他欄は0として下さい。(変位が25mmを超えて 折点位置[+δ2、-δ2]欄には例えば大きめの100mmを入力して下さい。(変位が100mmを超えても第2勾配が延長されたバネ扱いとなります。)第2勾配の傾きは[+K2/K1、-K2/K1]欄で入力し、傾き≒ほぼ水平に設定する場合はK2/K1=0.01程度として下さい。

以上1〜3の設定を行うことで、側壁地盤バネを受働側側壁にのみ考慮することができます。

 解析事例

震度法による設計を前提とし、側壁地盤バネを受働側側壁にのみ考慮した解析結果の一例を示します。


荷重図(左側壁に地震時主働土圧) 変位図
   
反力図(右側壁に地盤反力) 曲げモーメント図
■図4


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