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 国際VRシンポジウム 第8回サマーワークショップ イン ボストン
●日時:2017年7月18日〜7月21日
●会場:マサチューセッツ工科大学 インダストリアル・リエゾンオフィス 他
(Up&Coming 2017年10月号)

World16結成10年

2017年は、世界各国の建築・建設・都市系研究者が集まりUC-win/Roadなどの3Dデジタル技術の実用化に向けた研究会「World16」が結成されて丸10年を迎える節目の年である。8名のメンバーで構成される「World8」が2007年秋にスタートし、その後、16名のメンバーで構成されるWorld16となり、現在に至っている。

7月18日から21日にかけて、アメリカ・ボストンのマサチューセッツ工科大学(MIT: Massachusetts Institute of Technology)を舞台として、国際VRシンポジウム・第8回サマーワークショップ イン ボストンが開催された(図1)。VRサマーワークショップは、その年の11月に東京で開催される国際VRシンポジウムでのプレゼンテーションに向けて、World16メンバーがフォーラムエイトのメンバーと取り組むハッカソンである。

サマーワークショップの開催地は、World16メンバーの活動拠点を中心に、これまで、アメリカ・フェニックス(2008年)、箱根(2009年)、アメリカ・サンタバーバラ(2010年)、イタリア・ピサ(2011年)、ハワイ(2014年)、ギリシャ・テッサロニキ(2015年)、そして、大阪(2016年)で開催されてきた。そして今年は、メンバーの一人、コスタス・テルジディス氏(ハーバード大学/アメリカ)の活動拠点であるボストンのMITで実施することになった。サマーワークショップ期間中、CPWC(Cloud Programming World Cup 第5回 学生クラウドプログラミングワールドカップ)の予選選考会や、Tokyo MXのTV番組「パックン & 河北麻友子のあつまれ! VRフレンズ 夏休みスペシャル inアメリカ」の取材などがあり、TVスタッフを含めて、7か国から約40名が集まった。このサマーワークショップの様子を、舞台となったボストンと共にご紹介したい。


1. サマーワークショップ集合写真(MITグレート・ドーム) 2. ボストン俯瞰(上) 3. グリーンライン(中)
4. フリーダムトレイル(下)

ボストン

ボストンは、ボストン虐殺事件(1770年)、ボストン茶会事件(1773年)、アメリカ独立宣言(1776年)が読み上げられた旧州議事堂など、アメリカ建国に深く関わりのある古都である(図2)。また、アメリカ最初の公園(ボストンコモン 1634年)、最初の大学(ハーバード大学 1636年)、最初の植物園(パブリック・ガーデン 1837年)、最初の公立図書館(ボストン公共図書館 1848年)、最初の地下鉄(グリーンライン 1897年)など、アメリカでの最初の施設が作られてきた。近年では、都市再開発の試みとして、ファニエルホール・マーケットプレイス(ウォーターフロントでの歴史的建造物の保存・活用)、ビッグ・ディグプロジェクト(高速道路の地下化による都市分断解消と地上部の公共空間創出)などが進められてきた。隣接するケンブリッジと併せ、ハーバード大学、MITなど、伝統ある大学が集まる世界有数の学園都市でもある。
筆者は今回、その前週にCAAD Futures 2017国際会議出席のために訪問していたイスタンブールからボストン入りした。まずは、他のメンバーよりも一足先に訪ねたボストンをご紹介しよう。

5. 旧州会議事堂 6. オールドノース教会(左上) 7. 巨大な牡蠣の看板(中央上)
8. インナーハーバー(右上) 10. 公共図書館の中庭(左下) 
11. バックベイ地区のバックストリート(中央上) 12. レンガ建築と非常階段(右下)

宿泊先からアメリカ初の地下鉄・グリーンラインに乗って、ボストンコモンへ。通常の地下鉄は、都市圏内で旅客の大量輸送を高速で行う、都市高速鉄道として整備されるが、このグリーンラインは、路面電車を直通運転させる目的で都心部が地下鉄化されたものである(図3)。そのため、地下鉄のホームは路面電車らしく、線路敷とほぼ同じ高さ。そこに2両編成の路面電車が、ゴトゴトとやってくる。乗車した後も、普通の地下鉄よりはるかに遅く、地上の道路に沿った急カーブのトンネルをまるでテーマパークのアトラクションのごとく、進んでいく。パークストリート駅で降り、ボストンコモンからフリーダムトレイルを歩いた(図4)。

フリーダムトレイルは、ボストンコモンからチャールズタウンのバンカーヒル記念塔までの全長4kmであり、これを辿ると、旧州会議事堂(図5)、ファニエル・ホール、オールドノース教会(図6)など、アメリカ建国の歴史にまつわる史跡16ヶ所を巡ることができる。1951年創設と歴史あるトレイルコース。道路には赤いレンガのラインでつなげられており、地図を眺めなくても迷うことはない。道中、レンガと石造りの素敵な建物が並んでいる中で、まるで大阪のような牡蠣の看板に出会えた(図7)。フリーダムトレイルの到着地・バンカーヒルから都心への戻りは、ウォーターシャトルを使おう(図8)。都心と水辺が近くて気持ちがいい。

その他にもいくつか見つけたボストンの風景。コミュニティ・レンタサイクルでの通勤(図9)、公共図書館の中庭に射し込むCGで描いたような太陽のスポットライト(図10)、高級店の集まるバックベイ地区のバックストリート(図11)、ボストンらしい建物に付けられた鉄骨の非常階段(図12)、そして、地元の農家や魚屋が入りイートイン・スペースもあるボストン・パブリック・マーケット(図13)。

9. コミュニティ・レンタサイクルでの通勤(上)
13. ボストン・パブリック・マーケット(下)

DAY1

いよいよワークショップスタート。まず、オープニング・トーク・セッションとして、フォーラムエイト代表取締役 伊藤裕二氏、MIT産業学際会代表 カール・コスター氏、MIT産業学際会所長 矢野敬二氏より、ウェルカム・スピーチが行われた(図14)。続いて、フォーラムエイト・アワード・セッションとして、社内表彰を受賞し、ボストン行きを果たした5名のフォーラムエイト・スタッフが紹介された。

14. ウェルカム・スピーチ:左から、伊藤裕二氏、
    カール・コスター氏、矢野敬二氏

World16セッションでは、小林佳弘氏(アリゾナ州立大学/アメリカ)の司会により、今回参加した11名のWorld16メンバーが最近の研究成果の紹介とサマーワークショップで取り組む提案をそれぞれ行った(図15)。さらに、パワーポイントでのプレゼンテーション後、各メンバーに画用紙が配られ、サマーワークショップで実施したいプロジェクトについて更に詳しい提案内容を書きこんでいった(図16)。

15. World16プレゼン:(左)W16代表小林 佳弘氏、(上段左から)Thomas氏、Marcos氏、Kostas氏(下段左から)Matthew氏、Ruth氏、筆者

MITキャンパス内のレストランで昼食をとった後、軽い運動を兼ねて、MITキャンパスツアーへ。MITメディアラボが入る、槇文彦氏が設計した新しい校舎は、ガラスを多用して透明感に溢れていた。レゴ社が寄贈した校舎の模型がユニーク(図17)。フランク・ゲーリー設計のスタタ・センターの内部には、以前、MITのシンボル・グレートドームの屋根に一夜にして置かれたとされるパトカーが飾ってあった(図18)。当時は大騒ぎになったそうだが、実は遊び心に満ちたMITの学生による悪戯であり、本物のパトカーではなく、実物大で作った模型なのだそうだ。ツアー 一行は、グレートドームへ。夏休み真っ只中ということもあり、アジア各国を中心として高校生たちがキャンパスツアーに訪れていた。チャールズ川をゆったりと歩いて(図19)、会議室に戻り、ワークショップを再開する。

16. プロジェクト提案資料作成 17. MITメディアラボ校舎模型 18. 精巧なパトカー模型

19. チャールズ川沿いで集合写真

World16の各メンバーが昼食前に作成した、ワークショップでの開発内容を壁一面に張り出し、アイディアを順に説明。他のメンバーやフォーラムエイト開発スタッフが質問やアイディアを加えながら、ブラッシュアップをしていく。いわゆる、アイディアソンである(図20)。最終的には、共通のテーマができそうな提案を結び付けて、以下のようなチームづくりを行った。

Thomas Tucker & Dongsoo Choi氏(バージニア工科大学/アメリカ)
Marcos Novak氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校/アメリカ)×筆者
Kostas Terzidis氏(前掲)×Amar Bennadji氏(ロバートゴードン大学/イギリス)
Matthew Swarts氏(ジョージア工科大学/アメリカ)×Marc Aurel Schnabel氏
(ヴィクトリア大学ウェリントン/ニュージーランド)
Paolo Fiamma氏(ピサ大学/イタリア)×Ruth Ron氏(シェンカル工科デザイン大学/イスラエル)
Wael Abdelhameed氏(バーレーン大学/バーレーン)


20. アイディアソン

DAY2

DAY1で作ったチームに分かれて、各プロジェクトが具体的に始まった(ハッカソン)。真剣に議論を続けるチーム、早速、開発を始めるチームなど様々(図21)。集中力を切らさないよう、ケータリング・サービスの昼食を会場でほおばる(図22)。作業がひと段落すると、ホワイエに出て、チャールズ川に浮かぶヨットやボートを眺めてリラックス(図23)。そうこうしているうちに、タレントでプログラマーの池澤あやかさんが会場に突然現れた。全員がビックリしたのと同時に、なぜか、場が和やかに。そこからは、池澤さんもVRプロジェクトのシステム開発に加わった。

いよいよ明日は最終日。夕方には成果をプレゼンテーションしなければならない。ホテルに戻ってからも、夜遅くまで、作業は続いた(図24)。


21. ハッカソン

22. ケータリング・ランチ(上)
23. ワークショップ会場から
    チャールズ川(下)
24. ホテルに戻ってもワークショップ
 

DAY3
午後は、招待講演セッションとして、MITの研究者より以下の講演が行われた(図25)。

・Prof. Takako Aikawa, Mr. Christian Vazquez: Language Learning Application with VR(ビデオ通話とVRを用いた語学学習のアプリケーション)
・Mr. Greg Demchak: Applications of AR/MR on BIM(BIM上でのAR/MR応用)
・Prof. Emilio Frazzoli: Transportation(自動運転企業nuTonomy社での開発状況について)


25. 招待講演セッション

夕方からは、ボストン郊外のKostas邸に移動して(図26)、World16によるワークショップ最終プレゼンテーション。成果を発表順に示す(図27)。

・Thomas Tucker & Dongsoo Choi 氏:360度LiDARスキャナを用いて、MITリエゾンオフィスの三次元点群データをリアルタイムに取得、メッシュ化を行い、VR仮想空間内に入力するためのワークフローを構築した。

・Marcos Novak 氏×筆者:VRを通常のRGBレンダリングから、不要な要素を表示しないなどの目的に応じてレンダリング表現を変えるシェーダープログラム、および、VRで表示された都市構造を効果的に提示するためにオブジェクトを区分けするセグメンテーションプログラムを開発した。

・Kostas Terzidis 氏×Amar Bennadji 氏:ストーリーテリング(物語の話術)の技法をVRに取り込み、VR空間のある地点に辿り着くと、その地点に相応しい情報が音声で案内されるシステムを開発した。また、VR上で、3次元モデルに色などの編集を行うシステムを提案した。

26. Kostas邸
・Matthew Swarts 氏×Marc Aurel Schnabel 氏:VRをより開かれた参加型環境で構築・使用できるように、JavaScript等で開発した外部ツールとVRの連携を可能にするようなプラグインを開発した。これにより、VR上でブロックベースのゲーム、スマートフォンでのオブジェクトのインタラクティブ操作、半球状スクリーンでの没入型・参加型VR体験などが可能になる。

・Paolo Fiamma 氏×Ruth Ron 氏:
マイクロシミュレーションプレイヤーを用いて、いままであまり可視化されてこなかった、建物データや建設プロセスを動的に見せるシステムを開発した。実例として、赤外線サーモグラフィカメラで取得した建物壁面温度マップの変化と、建設重機による施工プロセスの時系列アニメーションを自動生成した。

・Wael Abdelhameed 氏:遺跡の時系列都市モデルをマイクロシミュレーションプレイヤーを用いて、時代別に比較表示できるシステムを提案・開発した。本システムを利用し、実際の中東遺跡都市を作成し、城壁・建築群を時代ごとに観察できようなプロジェクトが進行中である。

・池澤あやか 氏:VRとハードウェア(警報灯とスピーカ)を接続するシステムを構築した。VRで道路を運転中の車が道路から外れると、警報灯が鳴り、コースアウトしたことを知らせてくれる。

最終プレゼンテーションが無事に終わり、コスタス邸での交流会が盛り上がったことは言うまでもない。


27. World16最終プレゼン

DAY4
28. MIT博物館(上)
31. ハーバード大学(下)

朝からバスに乗ってエクスカーションへ。MIT博物館では、ロボットやホログラムの発展史が興味深い(図28)。ハーバード大学では、当学になじみ深いKostas Terzidis氏とHyejin Lee氏が、キャンパスを直々に案内(図29)。アメリカで唯一のコルビジェ建築(カーペンター視覚芸術センター)、レンゾ・ピアノ設計のハーバード美術館増築、ハーバード大学GSD(The Harvard Graduate School of Design: デザイン大学院)などが興味深い(図30)。さらに、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館、スカイウォークへ。
ボストン最後となる夕食会で発表されたアカデミー奨励賞は、Marcos Novak氏×筆者、Matthew Swarts氏×Marc Aurel Schnabel氏、Kostas Terzidis氏×Amar Bennadji、Ruth Ron氏×Paolo Fiamma氏が受賞した(図31)。

今回は8回目を数えたサマーワークショップであるが、チームを組んでハッカソンに取り組んだワークショップは初めてであった。この方法は、メンバーのモチベーション向上と共に、開発内容の質の確保にもつながったように思う。
World16が提案した各プロジェクトについては、11月16日に品川インターシティホールで開催される、第10回 国際VRシンポジウムでプレゼンテーションを行う。皆様のご参加をお待ちしています。 


29. ハーバード大学 30. ハーバード大学カーペンター視覚芸術センター

(執筆/取材 : 福田 知弘)
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