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Q&A橋脚の設計計算 Q&A ('01.08.22)

NEW!更新内容
 


目  次
1.共通項目

1−1 適用範囲、制限事項、入力

Q1−1−1.添付のサンプルデータは何を元に作成された例か?

Q1−1−2.橋脚の結果確認画面で結果が黄色で塗られているが何を意味するか?

Q1−1−3.出力時にケース名に[W]と併記されているがこれは何か?

Q1−1−4.上部工死荷重反力の入力が基本条件と震度法荷重ケースと2ヶ所に有るが、その区別は?

Q1−1−5.かけ違い橋脚の場合、左右の上部工反力を各々入力が出来ないが、上部工反力の入力はどう考えると良いのか?

Q1−1−6.杭基礎形式のデータを再読込し、計算実行→許容応力度法全て で計算させるとエラーとなったが?

Q1−1−7.斜橋などで橋軸方向の慣性力作用位置が橋脚天端でないとき、どうすれば良いか?

Q1−1−8.土被りが傾斜している場合、どのように設計すればよいか?

Q1−1−9.橋軸方向に偏心しているフーチング形状はサポートされているか?

1−2 形状データ

1−3 柱、鉄筋データ

Q1−3−1.主鉄筋に丸鋼を使用したが、鉄筋量が異形棒鋼として求められるが?

Q1−3−2.小判形の柱の配筋で、圧縮側と引張側の主鉄筋を、各々異なった径で計算させることができるか。

2.震度法

2−1 適用範囲、制限事項

Q2−1−1.震度法橋軸方向荷重ケースの入力の中で地震の影響を考慮する場合の方向が、上下の矢印となってますがこの意味は?

2−2 はり

Q2−2−1.許容応力度法(震度法)のはりの検討において、柱形状が円形、小判柱の時、上部工反力の作用位置にD/10を考慮すべきか?

2−3 柱、安定計算、フーチング

Q2−3−1.フーチングのせん断照査の際、せん断力が上向き(下向き)なので照査しないと判定しているが、これはどのようなルールで判定をしているのか?

Q2−3−2.引張り主鉄筋比ptを求める場合の主鉄筋を「中立軸よりも引張側にある主鉄筋の断面積の総和」としたい場合はどのようにすればよいのか?

3.保耐法

3−1 適用範囲、入力

Q3−1−1.RC巻き立て補強の際、アンカー定着を「無し(全非定着)」とした場合、「補強鉄筋が基部から有効となる高さ」は、何を入力すればよいのか?

Q3−1−2.RC巻立て(アンカー定着無し)補強設計で既設、補強の鉄筋降伏強度を変えた際に補強後の横拘束筋の体積比はどのように換算しているのか?

Q3−1−3.分割数を大幅に減らしても結果に変化が無いのに、示方書に書かれているとおり「50分割程度」に分割する必要性があるのか?

Q3−1−4.補強工法が壁式鋼板併用RC巻き立て工法またはRC巻き立て工法の時、補強部に既設部とは異なったコンクリート材質を使用することができるか。

Q3−1−5.PC T型ラーメン橋のRC橋脚柱に対する、保有耐力法の照査をサポートしているか?

3−2 柱、荷重データ

3−3 鉄筋

Q3−3−1.補強設計時のせん断耐力算出データ入力で補強断面の引張鉄筋比、斜引張鉄筋断面積は既設部の鉄筋を含めるのか?

Q3−3−2.補強時の[せん断耐力算出用データ]ダイアログで、補強断面の諸値は補強部のみを考慮するのか、既設部も考慮するのか?

Q3−3−3.矩形形状の柱の主鉄筋入力画面(保有耐力法用)で、側面かぶりK1,K2はどこの値を入力するのですか?

Q3−3−4.脚柱部の保耐照査において、円形中空断面の横拘束筋の有効長dのとり方は?

3−4 アンカー筋

3−5 解析

Q3−5−1.補強設計において、柱巻立補強後、梁付け根(柱上端部)が塑性ヒンジとなっていないかの検討はどのようにすればよいのか?

Q3−5−2.中間部断面―塑性ヒンジ領域内と設定した際、計算はどのように行なわれているのか?

Q3−5−3.保耐法照査時に、「Mc My Muの順番が逆転しています。」とのメッセージがでたときの結果はどう扱うべきか?

Q3−5−4.掛け違い橋脚で保有耐力法の検討をするには?

Q3−5−5.補正係数Ccについて、道示X耐震設計編ではタイプTが0.6、タイプUが0.8となっているが、1.0を採用しているのはなぜか?

Q3−5−6.RC橋脚保耐で偏心モーメントでは、梁部の左右張り出し長が異なる場合の自重の偏心はプログラム内部で計算されるのか?偏心モーメントの入力項目で入力するのか?

Q3−5−7.降伏剛性時の断面2二次モーメントは、どのように算定しているのか?

Q3−5−8.許容応力度の検討における柱のひび割れモーメントMc(およびMcを求めるときの断面2次モーメント、断面係数等)はどのように求めているか?

Q3−5−9.保有耐力法の検討におけるひび割れモーメントMc(およびMcを求めるときの断面2次モーメント、断面係数等)はどのように求めているか?

4.杭基礎との連動

Q4−1.杭基礎の比較表を作成する方法。

5.その他

Q5−1.炭素繊維シートの補強計算を「橋脚の設計計算」と「RC断面計算」で比較すると同じ結果にならない。

Q5−2.PC鋼材の種類を追加登録するにはどのようにするのか。


上記以外のQ&Aはすべて製品ヘルプのQ&Aに取り込んでおります。

Q&A履歴

1.共通項目

1−1 適用範囲、制限事項、入力

Q1−1−1. 添付のサンプルデータは何を元に作成された例か?
A1−1−1. サンプルデータは製品をインストールしたフォルダの下の[Data]フォルダに格納されます。
是らは弊社製品の参考文献に基づき作成したものです。
製品インストール後に確認いただくことの可能なReadMe.TXT(製品格納フォルダにインストールされています)にも詳しく記載しています。

ver2.4.0以降では大幅な製品の改訂を行いサンプルデータも追加しています。
[従来単位系サンプルデータ]
BlueS2.APir:「道路橋の耐震設計に関する資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」(許容応力度法、保有耐力法)
※杭基礎データですので別売の杭基礎V1.46以降が必要です。
 
IvoryS6.APir:「道路橋の耐震設計に関する資料H10.6」の「6.偏心鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」(許容応力度法ははり、柱のみ、保有耐力法)
※計算例では杭基礎ですが、基礎、フーチングの計算例が含まれていないので、直接基礎に設定してあります。
 
GreenS2.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強計算例」(保有耐力法)
 
GreenS3.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「3.鉄筋コンクリート壁式橋脚の耐震補強計算例」(保有耐力法)
[SI単位系サンプルデータ]
VioletSCM.APir:「山海堂 直接基礎および橋台・橋脚の設計計算例 7.6橋脚の設計」より、柱配筋震度法決定値(許容応力度法、保有耐力法)
 
VioletULS.APir:「山海堂 直接基礎および橋台・橋脚の設計計算例 7.6橋脚の設計」より、柱配筋保耐法決定値(許容応力度法、保有耐力法)
 
なお、ver2.3.0まで添付していたもサンプルも、製品フォルダ下の[Data\Old]に格納されています。
[震度法:従来単位系サンプルデータ]
BlueSCM.APir:「道路橋の耐震設計に関する資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」
[保耐法:従来単位系サンプルデータ]
BlueBook.APir:「道路橋の耐震設計に関する資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」
 
GreenS2.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強計算例」
 
GreenS3.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「3.鉄筋コンクリート壁式橋脚の耐震補強計算例」
[保耐法:SI単位系サンプルデータ]
BlueSI.APir:「道路橋の耐震設計に関する資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」
 
GreenS2SI.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「2.鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強計算例」
 
GreenS3SI.APir:「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の「3.鉄筋コンクリート壁式橋脚の耐震補強計算例」
 
Q1−1−2. 橋脚の結果確認画面で結果が黄色で塗られているが何を意味するか?
A1−1−2. 黄色表示は何らかの計算結果がOUTとなっているが、判定上ではOUTとしない項目の為注意を促すために黄色表示としています。
指針に記載の照査点以外でのOUTなどの場合が是に当たります。
判定部でOUTの場合には 赤色表示にしていますので明確ですがこの黄色表示の場合もご確認いただき設計諸元を再考頂けると良いと存じます。

例えば、梁のせん断部で黄色表示になっている場合には 梁のせん断設計に於いて平均せん断応力が照査位置によってτa1を越えています、その為の注意として黄色表示として促していますが出力は行われていません
 
Q1−1−3. 出力時にケース名に[W]と併記されているがこれは何か?
A1−1−3. [結果]ウィンドウからの簡易出力では、コンパクトにまとめるために、(横幅の都合上)上記の水位考慮ケースについてケース名の後ろに[W]を加えております。
 
Q1−1−4. 上部工死荷重反力の入力が基本条件と震度法荷重ケースと2ヶ所に有るが、その区別は?
A1−1−4. [基本条件]ダイアログの[上部工死荷重反力]には「上部工死荷重反力」を、[震度法検討ケース]ダイアログの[上部工反力|鉛直力]には「当該検討ケースに適用する上部工鉛直反力の合計」を設定してください。
なお、設計計算上は、それぞれを以下のように使い分けています。
[基本条件]ダイアログの[上部工死荷重反力]
・保有耐力法の検討
・震度法(許容応力度法)での柱の最小鉄筋量照査に用いるMuに関連する算定
[震度法検討ケース]ダイアログの[上部工反力|鉛直力]
・前記を除く、震度法(許容応力度法)の検討
 
Q1−1−5. かけ違い橋脚の場合、左右の上部工反力を各々入力が出来ないが、上部工反力の入力はどう考えると良いのか?
A1−1−5. 本プログラムでは掛け違い橋脚をサポートしておりませんので、掛け違い橋脚の設計にご使用いただくときには、適切にモデル化して設定いただく必要があります。
上部工反力については、お手数ですが、はり天端中心位置での左右の上部工反力を合成した値を設定くださるようお願いいたします。
 
Q1−1−6. 杭基礎形式のデータを再読込し、計算実行→許容応力度法全て で計算させるとエラーとなったが?
A1−1−6. 杭基礎との連動データを実行される際には、

1.『柱断面』ボタンにより柱計算を終る。
2.『安定照査』ボタンにより連動する杭基礎を起動。
3.杭基礎製品側で安定計算を実行。
4.橋脚側でフーチング断面の計算を行う。

以上の手順を踏む必要があります。
橋脚製品のみで設計を行う直接基礎、並びに保耐法照査時は、計算実行→許容応力度法全て(保有耐力法全て)にて計算が可能ですが、連動の際には各製品の計算が必要なため、すべてを同時計算するとは出来ません。
なお、画面上に各スピードボタンが表示されていない場合には、オプション→表示設定→□個別計算 を選択し、各個別計算項目をスピードボタン表示させておく必要があります。
 
Q1−1−7. 斜橋などで橋軸方向の慣性力作用位置が橋脚天端でないとき、どうすれば良いか?
A1−1−7. 本プログラムでは荷重(上部工反力)に作用位置を考慮する設定となっています。
設定方法については、製品ヘルプQ.4−1を参照ください。
 
Q1−1−8. 土被りが傾斜している場合、どのように設計すればよいか?
A1−1−8. 本プログラムでは上載土砂(地表面)が傾斜しているモデルはサポートしておらず、またフーチング上面に作用する任意分布荷重もサポートしておりません。
その為、設計時の考え方について直接入力では設計出来ないので、下記のように考慮するのも一つの方策ではないかと思います。

下記の3つのモデルについて計算し、それぞれの照査項目について最も危険なケースを選択する方法。
  1. 1)フーチング上の一番高いところの土被りで計算する。
  2. 2)フーチング上の一番高いところと一番低いところの平均の土被りで計算する。
  3. 3)フーチング上の一番低いところの土被りで計算する。
 
Q1−1−9. 橋軸方向に偏心しているフーチング形状はサポートされているか?
A1−1−9. サポートしておりません。

1−2 形状データ

1−3 柱、鉄筋データ

Q1−3−1. 主鉄筋に丸鋼を使用したが、鉄筋量が異形棒鋼として求められるが?
A1−3−1. 鉄筋の設定での径と本数から鉄筋量を求める機能は、現在異形棒鋼のみのサポート となっております。
丸鋼のときは、径、本数を0として、鉄筋量を設定ください。
 
Q1−3−2. 小判形の柱の配筋で、圧縮側と引張側の主鉄筋を、各々異なった径で計算させることができるか。
A1−3−2. 小判形の場合、「右側、左側」及び「前側、背面側」で対称の配筋を想定しているので、圧縮側と引張り側で主鉄筋の径を変える事はできません。
2.震度法

2−1 適用範囲、制限事項

Q2−1−1. 震度法橋軸方向荷重ケースの入力の中で地震の影響を考慮する場合の方向が、上下の矢印となってますがこの意味は?
A2−1−1. 矢印の向きは、起点側を下になるように橋脚を上から見たときの、地震の方向(慣性力の作用方向)を表しています。
[↓向き]は終点側から起点側(水平力等の正方向)、[↑向き]は起点側から終点側(水平力等の負方向)に慣性力を作用させるものです。検討方向に応じて設定下さい。

2−2 はり

Q2−2−1. 許容応力度法(震度法)のはりの検討において、柱形状が円形、小判柱の時、上部工反力の作用位置にD/10を考慮すべきか?
A2−2−1. 一般には、形状および反力作用位置等にはD/10を考慮すべきと考えます(道示IV6.4.1(1)1)参照)。
本プログラムでは、はりの検討用形状と、柱以降の検討で用いるはり形状は独立していますので、はりの検討用形状を設定するときに、設計者がD/10を考慮したか否かによって作用位置をどうすべきか変わります。
なお、[本体より形状取得]ボタンで、はり形状を設定するときは、付け根位置がD/10を考慮した位置となるように形状を設定していますので、上部工反力の位置に対してもD/10を考慮すべきです。

2−3 柱、安定計算、フーチング

2−3−1. フーチングのせん断照査の際、せん断力が上向き(下向き)なので照査しないと判定しているが、これはどのようなルールで判定をしているのか?
A2−3−1. 「道路橋の耐震設計に関する資料」2−31ページ「1)設計断面位置」にならっております。
2−34ページ表2.2.27も併せてご参照下さい。    
a)基部を検討する必要があるのは、せん断力の向きが下向きの場合です。
「道路橋の耐震設計に関する資料」2−83ページ図2.3.23照査断面において、橋軸方向、直角方向共に、断面Cでは 照査を行っておりますが、断面Bでは照査を行っておりません。(2−85ページ 表2.3.20)
b)1/2Hを検討する必要があるのは、せん断力の向きが上向きの場合です。
「道路橋の耐震設計に関する資料」2−83ページ図2.3.23照査断面において、橋軸方向、断面Aでは 照査を行っていますが、断面Dでは照査を行っていません。
直角方向では、断面@,Eとも照査をおこなっていません。(2−85ページ 表2.3.20)
 
Q2−3−2. 引張り主鉄筋比ptを求める場合の主鉄筋を「中立軸よりも引張側にある主鉄筋の断面積の総和」としたい場合はどのようにすればよいのか?
A2−3−2. 「中立軸よりも引張側にある主鉄筋の断面積の総和」としたい場合には、一度計算を実行して中立軸を求めてから、主鉄筋に加算する側面鉄筋の値を計算して設定していただくことになります。
本プログラムでは、側面鉄筋量は、主鉄筋に加算する側面鉄筋の「図心位置から引張り側」の鉄筋量を設定する事を想定しています(道示IV p.147をご参照ください)。
3.保耐法

3−1 適用範囲、入力

Q3−1−1. RC巻き立て補強の際、アンカー定着を「無し(全非定着)」とした場合、「補強鉄筋が基部から有効となる高さ」は、何を入力すればよいのか?
A3−1−1. 既設道路橋の耐震補強に関する参考資料(日本道路協会)に、「P−δ曲線の関係を求める場合には、フーチングに定着させる軸方向鉄筋のみ考慮する」とあるのは、補強筋を1本おきに定着しているので、このようにしているのだと解釈しています。
アンカー定着「無し(全非定着)」とした場合に、補強筋がどの高さから有効になるかという点について、明確に書かれた資料等はもっておりません。
補強鉄筋の定着長を考慮するなど、設計者の判断で設定をお願いします。
なお、「補強鉄筋が基部から有効となる高さ=柱高」と設定されたとき、本プログラムは補強部鉄筋を考慮せずに計算します。
 
Q3−1−2. RC巻立て(アンカー定着無し)補強設計で既設、補強の鉄筋降伏強度を変えた際に補強後の横拘束筋の体積比はどのように換算しているのか?
A3−1−2. 本プログラムでは、既設部と補強部の横拘束筋の材質が異なるとき、既設部の横拘束筋断面積を以下の方法で換算し、これを補強部の横拘束筋とあわせた上でρsを求めています。

 (既設部横拘束筋断面積)×(既設部横拘束筋σy)/(補強部横拘束筋σy)
 
Q3−1−3. 分割数を大幅に減らしても結果に変化が無いのに、示方書に書かれているとおり「50分割程度」に分割する必要性があるのか?
A3−1−3. 高さ方向の分割数は、変位計算に影響します(道路橋示方書V耐震設計編 p.127をご参考下さい)。
その為、設定を変更することで結果に影響が生じます。
変位は、許容塑性率(道路橋示方書V耐震設計編 p.121)に影響する為、等価水平震度(道路橋示方書V耐震設計編p.65)が変わる結果となります。
その為、分割数は50とするのが妥当と思われます。
ただし、破壊形態が「移行型」もしくは「せん断破壊型」のときは、分割数を変えても最終結果は変わりません。
 
Q3−1−4. 補強工法が壁式鋼板併用RC巻き立て工法またはRC巻き立て工法の時、補強部に既設部とは異なったコンクリート材質を使用することができるか。
A3−1−4. 現在の仕様では、既設部と補強部で、コンクリート材質の異なるモデルはサポートしておりません。
 
Q3−1−5. PC T型ラーメン橋のRC橋脚柱に対する、保有耐力法の照査をサポートしているか?
A3−1−5. 本プログラムでは橋脚頭部に一定の偏心曲げモーメント(震度の変化に関わらず一定である)が作用している場合の照査は可能ですが、T型ラーメン橋のように震度の変化によって橋脚頭部の曲げモーメントが変化する場合の照査はできません。

3−2 柱、荷重データ

3−3 鉄筋

Q3−3−1. 補強設計時のせん断耐力算出データ入力で補強断面の引張鉄筋比、斜引張鉄筋断面積は既設部の鉄筋を含めるのか?
A3−3−1. 斜引張鉄筋(間隔、断面積等)については、補強部分のみの値を設定して下さい。
主鉄筋(引張鉄筋比)については、既設部、補強部の両方の軸方向鉄筋を考慮した値を設定して下さい。
 
Q3−3−2. 補強時の[せん断耐力算出用データ]ダイアログで、補強断面の諸値は補強部のみを考慮するのか、既設部も考慮するのか?
A3−3−2. [引張主鉄筋比]のみ既設部も考慮して設定してください。
それ以外の諸値は補強部のみを考慮してください。なお、既設部、補強部で、鉄筋材質が異なる、ピッチが異なるなどの場合でもプログラム内部で換算して処理を行いますので、特に換算を行う必要はありません。
  
Q3−3−3. 矩形形状の柱の主鉄筋入力画面(保有耐力法用)で、側面かぶりK1,K2はどこの値を入力するのですか?
A3−3−3. [柱主鉄筋(矩形)]ダイアログの保有耐力法用のK1、K2の定義は以下とおりです。

橋軸方向:「設定する段の鉄筋の、左側の側面かぶりをK1、右側の側面かぶりをK2」として設定して下さい。
橋軸直角方向:「設定する段の鉄筋の、終点側の側面かぶりをK1、起点側の側面かぶりをK2」として設定して下さい。

なお、右側、左側、起点側、終点側はヘルプ[Q&A]の[共通項目]Q1-9.を参照してください。
 
Q3−3−4. 脚柱部の保耐照査において、円形中空断面の横拘束筋の有効長dのとり方は?
A3−3−4. 平成9・10年度「耐震設計ソフトウェアに関する研究委員会報告書」では、円形中空断面の場合、中間帯鉄筋で拘束される外側主鉄筋の弧長を有効長としています。
道示V p.133の矩形中空の場合に準じた考えかたを採用していると推測できますが、示方書に明記されていない事項なので最終決定は設計者の判断で設定する必要があります。

3−4 アンカー筋

3−5 解析

Q3−5−1. 補強設計において、柱巻立補強後、梁付け根(柱上端部)が塑性ヒンジとなっていないかの検討はどのようにすればよいのか?
A3−5−1. はり下が塑性ヒンジ(終局状態)となるかどうかの検討はサポートしておりませんので、以下のような追加検討を行っていただく必要があります。
[既設時の検討で基部損傷となる場合]
「既設時のはり下の終局時水平力」と、「補強時の柱基部の水平力」を比較を行なってください。
「既設時のはり下の終局時水平力」≦「補強時の柱基部の水平力」となる時は、はり下が終局状態となりますので、はり部分についても補強が必要です。
[既設時の検討で段落とし部損傷となる場合]
この場合は、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料(緑本)」p.3-10に従い、「損傷が躯体基部先行の曲げ破壊型に移行した」と仮定して、設計計算上柱全体に基部と同じ配筋がなされているものとして計算しますので、実際の「既設時のはり下の終局時水平力」が求まりません。
そこで、既設時のモデルを新設として計算させ、求めたはり下の終局時水平力と、補強時の柱基部の水平力との比較を行なってください。  
 
Q3−5−2. 中間部断面―塑性ヒンジ領域内と設定した際、計算はどのように行なわれているのか?
A3−5−2. 「塑性ヒンジ領域内」と指定した場合は、「道示X p.134 9.5せん断耐力」に従い、せん断耐力の算出時に、CcについてタイプTの地震動に対しては0.6、タイプUの地震動に対しては0.8として計算しております。
「塑性ヒンジ領域より上」と指定した場合は、Ccの値を1.0としてせん断耐力を算出します(この扱いは、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料 H.9.8」p.3-24の記述に準じております)。
 
Q3−5−3. 保耐法照査時に、「Mc My Muの順番が逆転しています。」とのメッセージがでたときの結果はどう扱うべきか?
A3−5−3. 計算結果を確認すると、ひび割れモーメント<初降伏モーメント<終局モーメントの関係が成立していない(どこかが逆転している)状況になっているはずです。
本プログラムでは耐震設計編 p.128 (解9.3.7)により初降伏変位を求めていますが、「Mc、My、Muの順番が逆転している」場合、どのφを用いるべきかわからないため(プログラムでは最初に見つかったφを用いています)、「この結果については保証外」とし、結果を有効とするか無効とするかは設計者の判断に委ねております。
一般に形状、鉄筋量を見直すことで、逆転を解消することが可能です。

なお、メッセージが複数回表示されることがありますが、これはタイプI、IIや既設時、補強時などで複数の検討箇所で逆転が発生しているときにこのようになります。
 
Q3−5−4. 掛け違い橋脚で保有耐力法の検討をするには?
A3−5−4. 下図のようなモデルのとき、
[基本条件]ダイアログ
[共通|上部工死荷重反力]にR1+R2を設定する。
R1、R2の反力差および柱中心からの支承位置の差により、死荷重反力によるモーメントが発生するときは、[保有耐力法|橋軸方向|偏心モーメント]に当該モーメント分を考慮する。
上部工分担重量[保有耐力法(検討方向別)|上部工重量WU]についても反力と同様に設定する(それぞれの上部工分を考慮する/しないは支承条件等から判断してください)。
[共通|上部工水平力の作用位置]は考慮した上部工分担重量の重心を考慮する。
[はり・柱形状]ダイアログ
掛け違い段差部分を考慮しない形状を設定します。
[その他鉛直荷重]ダイアログ
はり天端の掛け違い段差分の重量(赤色部分)を考慮するには、[集中荷重|はり]または[分布荷重|はり]として設定する。 
 
Q3−5−5. 補正係数Ccについて、道示X耐震設計編ではタイプTが0.6、タイプUが0.8となっているが、1.0を採用しているのはなぜか?
A3−5−5. せん断耐力算出用データにおいて「中間部断面の仮定」が「塑性ヒンジ領域より上」と指定された場合は、中間部のccは1.0としています。
これは、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」p.3-24にある「(非塑性ヒンジ領域として考慮し、cc=1.0)」という記述を、「非塑性ヒンジ領域ではcc=1.0を用いる」と解釈しています。
 
Q3−5−6. RC橋脚保耐で偏心モーメントでは、梁部の左右張り出し長が異なる場合の自重の偏心はプログラム内部で計算されるのか?偏心モーメントの入力項目で入力するのか?
A3−5−6. 自重による偏心モーメントはプログラム内部で計算しています。
「偏心モーメント」は上部工死荷重反力によって、はり天端面はり中心に生じる、偏心モーメントの値を設定してください。
 
Q3−5−7. 降伏剛性時の断面2二次モーメントは、どのように算定しているのか?
A3−5−7. [基本条件]の[はり部のモデル化]の設定により、下記のどちらかで求めます。

1)[はり部のモデル化]を[直下の柱断面と同等]に設定
水平力と変位の関係:δy=Py・h3/(3・EIy):片持ちばりの公式
降伏剛性時の断面2次モーメント:
Iy=(Py/δy)・h3/(3・E)=K・h3/(3・E)
ここに Iy:「はり・柱」部の断面2次モーメント

2)[はり部のモデル化]を[剛体]に設定
水平力と変位の関係:δy=Py・(h3−hu3)/(3・E)
上式は、はり部を剛体とした場合の水平力と変位の関係で、「弾性荷重法」を用いて算出した式です(「弾性荷重法」については、構造解析の参考図書をご参照ください)。
降伏剛性時の断面2次モーメント:
Iy=K・(h3−hu3)/(3・E)
ここに、Iy:「柱」部の断面2次モーメント(はり部は剛体)
 
ここに 
h:橋脚基部から上部工慣性力作用位置までの高さ
hu:梁下から上部工慣性力作用位置までの高さ
Py:降伏時の水平力
δy:降伏時の水平変位
K:降伏剛性=Py/δy
E:コンクリートのヤング係数
 
Q3−5−8. 許容応力度の検討における柱のひび割れモーメントMc(およびMcを求めるときの断面2次モーメント、断面係数等)はどのように求めているか?
A3−5−8. 道示IV p.149(解4.4.1)に従い、コンクリート断面のみを考慮しています。
 
Q3−5−9. 保有耐力法の検討におけるひび割れモーメントMc(およびMcを求めるときの断面2次モーメント、断面係数等)はどのように求めているか?
A3−5−9. 道示V p.127(解9.3.1)の式解9.3.1の各値を下記のように求めています。
 Mc=Wi(10σbt+Ni/Ai) 式解9.3.1

 Ai:軸方向鉄筋を考慮した断面積 Ai=Ac+n・As
 Ac:コンクリートの面積
 n :鉄筋とコンクリートのヤング係数比 Es/Ec
 As:鉄筋面積
 Wi:軸方向鉄筋を考慮した橋脚の断面係数 Wi=Ii/yi
 yi:図心から部材縁端までの距離
 Ii:軸方向鉄筋を考慮した橋脚の断面2次モーメント Ii=Ic+n・Is
 Ic:コンクリートの断面2次モーメント
  矩形   Ic=B・H3/12 
  円     Ic=π・D4/64
  小判橋軸 Ic=Cb・D3/12+π・D4/64
  小判直角 Ic=D・Cb3/12+π・D4/64+Cb・D3/6 +π・(Cb・D)2/16
 B :矩形の部材幅
 H :矩形の部材高さ
 D :円・小判の直径
 Cb:小判の直線部長さ
 Is:鉄筋の断面2次モーメント
 ・鉄筋を1本づつ考慮の場合
   Is=Σ(Asj・yj2)
    Asj:鉄筋1本の面積
    yj :鉄筋の図心からの距離
 ・鉄筋を帯状に換算する場合
  Is=∫(As/b・y2)dy
   As:鉄筋面積
   b :鉄筋分布長
   y :鉄筋の図心からの距離
4.杭基礎との連動
Q4−1. 杭基礎の比較表を作成する方法。
A4−1. 本製品は杭基礎の場合は別売の『杭基礎の設計計算プログラム』の機能を連動する事で設計します。
その為杭基礎の設計調書や比較表については連動した先の機能を利用いただくこととなります。
連動データではこの杭基礎の比較表に利用する設計データが作成されないためまず、連動中に杭基礎側で計算終了後にファイル→名前を付けて保存を選択します。ここで「計算結果の保存を行いますか?」と確認してくるので「はい」を選択し*.acmkファイルを同時保存しておきます。
これにより比較表などで利用するファイルを保存する事となります。 後は杭基礎側機能をご理解いただき利用下さい。
ただし、一度杭基礎側で保存したファイルは再度連動には利用できませんので、設計変更や杭種を変更する場合には必ず橋脚製品側からの連動データで変更いただきご利用下さい。
5.その他
Q5−1. 炭素繊維シートの補強計算を「橋脚の設計計算」と「RC断面計算」で比較すると同じ結果にならない。
A5−1. 「橋脚の設計計算」と「RC断面計算」のM−Φ関連の結果の比較を行うとほぼ同等と思われる設定においても、その結果には差が生じます。
これは両者で準拠基準が異なる他、橋脚の設計計算では「どのように補強するか」を目的とし、RC断面計算では「炭素繊維も鉄筋同様に取り扱って断面計算を行う」を目的としています。
両製品では「計算目的」(何を求めようとしているか)が異なるために、異なるモデル化となっており、同じ炭素繊維を用いた計算でも結果が一致しないと言えます。
なお、詳細については、橋脚の設計計算は「設計要領第二集」を、RC断面計算は「連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補修補強指針 コンクリートライブラリー 土木学会」を参照して下さい。
 
Q5−2. PC鋼材の種類を追加登録するにはどのようにするのか。
A5−2. PC鋼材については、(鉄筋やコンクリートのように)種類を選択するのではなく、降伏点強度、断面積を設定するため、種類の登録自体がありません。
使用したいPC鋼材の降伏点強度を[補強データ]ダイアログで、断面積を[横拘束筋]ダイアログ−[補強部]タブ、および[せん断耐力算出用データ]ダイアログで設定してください。

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